安部友裕は、三塁のレギュラー争いから抜け出すことができるか。

Last Updated on 2023年3月13日 by wpmaster

高校のときは、12球団全てからマークされドラフト1位で入団して9年目の昨シー

ズンは、5月にルナが故障のときのサードを守り、.367と結果を残し、

シーズントータル自己最多の115試合に出場し、

三塁のレギュラーが手に届くところまで来た。

8月には、.358 3本とよく打ち、優勝にも大きく貢献した。

昨季は、広島の選手の中で、三塁での先発出場が最多の58試合。

次いで、ルナの58試合、小窪の15試合、堂林13試合、西川2試合、梵2試合と続く。

今季は、ルナが退団、堂林が外野にコンバート。

ペーニャ、小窪、西川らと三塁のレギュラー争いを展開する。

昨季の実績から安部が一歩抜け出しているが、レギュラーに定着できるか。

打撃面を中心に見ていくこととする。

動作解析

安部は、オープンスタンスで立ち、ドラムのペダルを踏むように両足を動かしながら、速度を評価している。

投手がステップする足を上げたときに、右足を踏む。

いわゆる、シンクロ打法。

グリップの位置はどちらかというと投手寄り。

バットを投手側にやや傾けてヘッドを大きく回して速度を評価する。

ステップしたときのトップの高さはボールの高さによって異なる。

左足のスパイクの内側を地面にかませるのがやや甘いですが、右足を着地させたときに、手首を後ろに引いて、トップの位置をキープできています。

しかし、頭が少し前に出されます。

左肩を下げてどちらかというと後ろの手を主導で振り出す。

ポイントを前にしていることにより、ボールに瞬発力を伝え、ミートして引っ張ります。

インサイドアウトですが、やや右足の踵付近で回転するので、ボールの真下にバットをくぐらせるのではありません。

よって、本塁打を量産するような打ち方ではない。

右膝は、伸びていますが、極端に踵を支点にして膝を開いていくのではないので、右に飛んでいます。

 

各種指標

 

今季の通算成績は次のとおりである。

115試合 259-73 6本 33打点  .282 64三振  21四球 1死球  犠打7 犠飛5

併殺打 3 出塁率.327 長打率.429  OPS .756

6失策  守備率.967

本塁打以外のフィールドに飛んだ打球が安打になった割合であるBABIPが.261

先発出場 60試合(三塁 58 二塁 2)

途中出場 55試合

対右投手  227-66 6本 .291 52三振  18四球 1死球

対左投手 32-7 .219  12三振 1四球

コース別成績

上の表の10-1のゾーンは、右投手が8-1 4三振、左投手が2-0 1三振。

ポイントが前なので、右投手のバックドアのスライダー系、フォークが視界から消えてバットが回る。

上の表の18-3のゾーンは、対右投手が14-3 .214 1三振、左投手が4-0 .000

上の表の15-2のボールゾーンは、右投手が13-2 .154 6三振、左投手が2-0 .000 2三振

インローは、ポイントが前でストロークが短いので打てていない。

インハイは、対右投手が19-4 .211 7三振(ボール球を含むと21-4 .190)、対左投手が1-1 .1000。

2ストライクを取られてから投げられ、速い対応が要求されるインハイは、オープンスタンス且つ左肩を下げて打つので、初速と終速の差が少ないと感じられるカット系に対応できていない。

上の表の14-5のゾーンは、右投手が13-5 1本 .385。

トップの位置をボールの高低によって変え、シュート系の球はカット系、ストレート系よりも初速と終速の差が感じられるので、バットとボールの距離が保ちにくいコースも強い。

球種別成績

球種別打率は、下記のとおりである。

ストレート 102-32 4本 .314 23三振 11四球

フォーク   50-13 .260 14三振  2四球

スライダー  47-10 1本 .213 18三振  2四球

カーブ    18-5 .278 3三振

シュート   18-5 1本  .278 1三振

チェンジアップ  9-3 .333 3三振

カットボール  11-3 .273 2三振

シンカー 4-2 .500 1三振

ストライクスイング率  73.12%

空振り率  9.77%

見逃し率  26.88%

ボール見逃し率 64.83%

カウント別成績

カウント別成績は下記のとおりである。

初球 26-14 .538 2本

1ボール0ストライク 18-6 .333 3本

2B0S 3-2 .667

3B0S 1-1 .1000 1本

1B1S 32-13 .406

2B1S 4-2 .500

3B1S 5-3 .600

0B2S 26-2 .077

1B2S 47-10 .213

2B2S 51-11 .216

3B2S 25-4 .160

甘い球を投げてくることがある1B0Sでは、それを逃さず打っている。

インハイが打てていないので、2ストライクを取られてからの打率が下がる。

打球方向

打球方向は下記のとおりである。

レフト 94-8 .085

センター 96-27 .281

ライト  69-38 6本  .551

プルヒッターだが、オープンスタンスで開いたところからスタートしているので逆方向の打球も多い。

ケース別成績

ケース別打率は次のとおりである。

走者なし 150-42 .280 3本 3打点

走者一塁 45-14 .311 2打点

二塁    16-6 .375 2本 8打点

三塁    10-3 .300 4打点

一、二塁  24-5 .208 1本 7打点

一、三塁   5-2 .400 4打点

二、三塁  5-1 .200 4打点

満塁   4-0 .000 1打点

三振捕逸、三振暴投、内野フライでも点が入ることがあり、厳しい球を投げてくる一、三塁の場面ではよく打っている。

三振捕逸、三振暴投、内野フライでも点が入ることがあり、且つ、いずれもタッチプレーが要求される、更に厳しい球を投げてくるニ、三塁では、

5-1 .200

得点圏打率

得点圏打率は下記のとおりである。

ビハインド 22-6 .273 2本(内、1点ビハインド 7-3 .429 5打点)

同点    11-2 .182 5打点

リード   31-9 .290 1本(内、1点リード 10-3 .300 5打点  2三振)

通算  64-17 .266

その他成績

28-8 .286 1本 2打点  10三振

第1打席 54-18 .333 1本、第4打席が40-12 .333 1本と打っている。

8回の打席が37-13 .351、2回の打席が47-16 1本 .340、7回の打席が33-11 .333 1本7打点と打っている。

2安打試合 15試合  3安打以上 2試合

14打席無安打が最長

打順別の成績は、下記のとおりである。

2番  8-1 .125

6番 3-0 .000

7番 184-52 .283 5本

8番   15-4 .267

昼間試合  66-16 1本  9打点  .242 18三振  6四球

夜間試合  193-57 5本  24打点  .295 46三振  13四球

Home 113-29 3本 14打点  .257

Away 146-44 3本  19打点  .301

月別成績

3,4月   31-7 .226 1本  3打点

5月   60-22 .367 2本  14打点

6月    39-7 .179 2打点

7月    32-9 .281 3打点

8月    59-21 .356 3本  10打点

9月    37-7 .189 2打点

10月    1-0 .000

球団別成績

ヤクルト  48-14 .226 1本 3打点

巨人    41-11 .268 2本 4打点

阪神    48-13 .271 1本 12打点

中日    35-9 .257 5打点

DeNA   49-19 .388 1本 5打点

まとめ

右足で弧を描かずに、ちょこんとクロスステップして回っているので、後ろの腰の回転を深くして、膝だけ開いていけば、インコースももう少し打てるのではないかと思う。

そうすることで3割打てると思う。

ボールの高低によってトップの位置を変えるのはいいと思うけれども、高低それぞれのトップの位置が安定して、左足の位置が固まれば、三振も減る。

バックスピンをかける打ち方をマスターして2桁本塁打が打てるようになれれば、三塁のレギュラー争いから抜け出せ、打順も上がる。

今シーズンについては、個人的には、安部と西川の併用を望んでいる。

主な投手との対戦成績

菅野   9-1 .111 1本 1打点 3三振(通算35-10 .286 2本)

マイコラス 8-5 .625 1本 1打点  2三振

Mathieson 5-0 .000 3三振

澤村  3-1 .333

田原  4-0 .000

山中  7-4 .571 1打点  1三振

小川  8-3 .375 1本  1打点 2三振

新垣  9-3 .333 1本  1打点  2三振

ルーキ 4-2 .500

デイビーズ 5-0 .000 2三振

秋吉  4-0 .000 1三振

井納  15-7 .467 3打点  3三振

山口俊  7-4 .571 2三振

三上  5-1 .200 1三振

須田  3-2 .667

ブロードウェイ  1-1 .1000 1本 2打点

吉見  4-1 .250 2打点  1三振

大野  3-0 .000 2三振

田島  6-2 .333

又吉  3-1 .333

岡田俊哉 2-1 .500 1三振

藤浪  21-6 .286 3打点  8三振

能見  3-0 .000 2三振

メッセンジャー 8-2 .250 3点  2三振

高橋聡文 2-0 .000 1三振

マテオ  2-1 .500 1本  2打点  1三振

文中データは、データで楽しむプロ野球、ヌルヌルデータ置き場他を参照した他、独自に計算したところもあります。

[追記]

福井がオープン戦2回を投げて1失点。昨年終盤に故障したところと同じところをやったので、

無理して開幕に合わせず、調整してほしいところ。

[追記]

ブログの管理人です。

昨年の三塁先発出場試合数はルナは53試合でしたので修正します。失礼しました。