08/04/2021ヤクルト11-7広島、中村祐太と島内颯太郎のワンバウンド投球

Last Updated on 2021年4月10日 by wpmaster

野球を観る上で、重要なことは、打たれた、四球を出したという現象面ではなく、打たれた、四球を出したことの根拠、すなわち、肉体の稼動の過程、その源である労働力の再生産である。

中村祐太のピッチング

1回裏、中村祐太は、左足スパイクの外側の踵、右足踵の順で地面を蹴る。トップを入れ替えてセットアップを解く。右腕前腕部を回内すると右腕前腕部が背中の方に入る。左足首を背屈、右股関節に荷重する。右肘を逆Lにしたとき、左腕前腕部を回外する。右足拇指球で地面を後ろに蹴ってしまう。トップを入れ替え、左足首を背屈する。右腕前腕部を回内すると、右股関節を剥がすと、右腕上腕部の付け根、右腕上腕部が凹む。投球をワンバウンドさせる。押し出しとなる四球を与える。

6回裏、島内は、左足、左肩はオープンスタンスにして、左足スパイクの外側、右足小指球にウェイトをかけてセットアップする。ボールは、右手中指基節骨、薬指、小指の付け根で握る。トップを入れ替えてセットアップを解く。左足踵、右足踵の順に地面を蹴る。右肘をつまみ上げたときに左腕前腕部を回外する。右腕上腕部を外旋したときに、右足小指球で地面を後ろに蹴ってしまう。右手の親指のしなりが解け、右手中指、小指が加速しない。最大外旋位においては、左足首が背屈しない。右肩が残らず、右手親指がしならない。右股関節を剥がし、右腕前腕部を回内(リリース)すると、左足首が背屈し、左膝が突っ張る。しかし、右足踵、爪先共に地面から離れる。右肘は左股関節より前に出ているものの、右肩関節が右肘よりも前に出ている。右腕上腕部が凹んでいる。ボールを引っ掛けてしまう。アウトローに投球をワンバウンドさせる。一塁走者は、三塁に進塁する。

島内颯太郎のピッチング

島内は、左足、左肩はオープンスタンスにして、左足スパイクの外側、右足小指球にウェイトをかけてセットアップする。ボールは、右手中指基節骨、薬指、小指の付け根で握る。トップを入れ替えてセットアップを解く。左足首を背屈し、左足スパイクの内側で地面を打者方向に蹴る。右足踵で地面を蹴る。右腕前腕部を回内すると左股関節が右股関節に接近する。左足踵が右足小指球を跨ぐ。左足首を背屈する(くの字を作る)。左腕前腕部を回内したまま、グラブを打者方向に向ける。右足小指球にウェイトが移る。右肘をつまみ上げたときに、左腕前腕部を回外する。右足小指球で地面を後ろに蹴ってしまう。右手の親指のしなりが解け、右手中指、小指が加速しない。最大外旋位においては、左足首が背屈しない。右股関節を剥がし、右腕前腕部を回内(リリース)すると、左足首が背屈し、左膝が突っ張り切らない。右足踵が地面を離れる。右肘は左股関節より前に出ているものの、右肩関節が右肘よりも前に出ている。右腕上腕部が凹んでいる。ボールを引っ掛けてしまう。インローに投球をワンバウンドさせる。二塁走者が本塁に還る。

広島東洋カープは、事実上、3失策

試合は、1回裏、太田は、アウトロー(左打者のインロー)に対し、ヘッドがしならず、左手人差し指の付け根でグリップを押しながら、ボールを下から上にカチ上げる。太田が打った左飛を、松山は、電車バックで、左肘を伸ばして背骨の左側でグラブを出す。捕球後、左肩が背骨の方に入る。左肩を開いてからトップを入れ替える。田中広輔が二塁送球を指示、二塁ベースには菊池涼介が入る。山田哲人が本塁に還っただけでなく、一塁走者がタッチアップで、スタートしヘッドスライディング、二塁に進塁した。
2回裏、田中広輔は、背骨の左側でグラブを出して背骨の方に引く、ファンブルしてしまう。
5回裏、山﨑晃大朗の打った飛球を、松山は、左足を一歩前に踏み込んでから電車バック、更に、三塁側に背を向け、右肘を伸ばして背骨の右側に出す。右肩が背骨の方に入り、打球を後逸する。

結論

メンタルは肉体及び肉体の稼動をコントロールすることはできない。労働力(特に右腕上腕部のローテカフ)を再生産できていないから、肉体の稼動をコントロールすることができない。私は、それがわかるから、腹は立たない。中村祐太は、勝負から逃げたから四球を出したのではない。島内は、プレッシャーから投球をワンバウンドしたのではない。島内は、素晴らしい投球が全くなかったわけではない。素晴らしい投球とそうでない投球の差が激しい。そうでない投球のレベルを底上げしないと、プロでは成功しない。島内は、大卒3年目、肉体が損耗していても誤魔化せる体の使い方を作らないと、自由契約になってしまう。島内は、セットアップのときに右足のスパイクの外側で地面を噛ませているので、後ろ足に回転軸ができてしまい、左足踵が右の股関節を跨いでしまっている。左の股関節が左膝の前に出ている。ヘッドステイバックが解ける。トップを入れ替える間、トップポジションをゆったりと作る間でできない。島内は、右足のスパイクの内側で地面を噛ませて、ゆったりと、トップを入れ替えるとヘッドステイバックを大きくできる。それにより、トップポジションに入る間を作る必要がある。それにより、肉体の損傷を和らげることができる。中村祐太もまた、同じことが言える。