対巨人5回戦,得点差以上に大きい実力差

Last Updated on 2017年12月10日 by wpmaster

対巨人5回戦、福井は打たれた当たりは球が高いですが、それ以外は、巨人の打ち損じにも助けられ7回1失点で凌ぎました。

7回表、新井の死球でランナー1塁。鈴木には、バントのサイン。前日マシソンから安打を打っているとはいえ、簡単に続けて打たせてくれる相手ではない。新井が安打で出塁ならバントで送るのも有りだが、死球で制球が定まらない相手に成功しても失敗してもアウトを一つくれてやるバントは勿体ない気もする。バントを失敗したなら、力まず振り切って1、2塁間に緩いゴロを打って進塁打くらい打って欲しかったが、カウント0-2から、空振りの三振。結果論で申し訳ないですが、最終回澤村から、岩貞から2塁打、3塁打を打ったのとほぼ同じコースの152キロの真っ直ぐをバットを折りながら振り切って(本人は気に入らないでしょうが)詰まったからこそ浅いところに落ち二塁打にになりましたが、このスイングをやっていれば、マシソンから一、二塁間のゴロを打てたような気がします(所詮は素人の分析なので断言はしません。)。

この日に限りませんが、鈴木の場合、右肘から手の甲までカチコチに固まって、クッションにする薬指と小指も遊びがないので打球が殺せない。日頃バント練習を全くしていないと思われても仕方のない、バントが失敗することが丸分かりの構えで(まさか、首脳陣がバント練習を免除しているということはないよな?)、正直なところ、バントの上手い投手よりも下手です。今日も1安打しているので、バント失敗でスタメンを外されることはないでしょうが、4番であろうと、4割60本~70本の打者(日米共これまでいませんが)であろうと、他の打順の打者であろうと、投手が無双していている競った試合の終盤ではバントやケース打撃をして隙のない走塁、次打者がゴロを打って得点するということが必要となってくるケースがあります。バントは練習すれば上手くなるので練習して欲しいです。

一方、巨人は、クルーズが初球を安打の後(接戦ではクリーンアップに初球真っ直ぐのストライクはいけません)、代走鈴木が盗塁。ここは、外低目の速いシンカーを投げて引っ張られることを阻止しなければならないケース。

亀井がJacksonの真っ直ぐを複数の球から選んで二ゴロ。鈴木を三塁に進めます。日頃、緩い球を打つ練習、ペッパー(トス打撃)、ティー打撃を疎かにせずやっているから速い球に対しこういう打ち方ができる。この段階で、三振さえしなければ、極端な話し、もう少しで天井に届くようなインフィールドでも1点入ります。ボールを散らして勝負を繰り延べて打ち取りやすい打者からアウトを取るしか手段がありません。村田には、初球、最もわかりやすく最も投げてはいけない外低目の真っ直ぐでストライクを投げ、村田にセンター前に運ばれ決勝点になります。

今季も1点差試合は1勝5敗。大勝ち僅差負けの弱いチームのままです。得点差だけ見れば惜しいゲームに見えますが、少しも惜しくありません。僅差の試合でケース打撃ができるチームとできないチームの差がでました。今シーズン、得点差のある試合でケース打撃をして追加点を取れるようにはなりましたが、巨人との実力差は未だまだ大きいです。

この日の4番は、エルドレッド。2、3、4番の仕事は継なぐことが仕事ではなく、最低限継なぐということ。ルナも継なぎの4番と言われているが、甘い球を打ち損じせず打点を稼いでいる。打って出て打点を稼ぐことは間違いではない。

エルドレッドは、阪神戦辺りから、内角高目のストレートで攻めて右方向~センター方向へ手首を返さずに振り切って追っ付ける打撃をさせなくし、内角高目、外の低目のバットの出ないところ(バットが届く外角の低目はホームランコース)を振らせ打撃を崩すことに成功しつつある。昨年までのエルドレッドを見ているだけに、内角高目をバットが止まらない限り4月末には3割を割るだろう。

4番は、エルドレッドではなく、簡単に三振しない打者の方がいいと思います。仮に鈴木誠也を4番に据えて打てなくてもそれは重圧の所為ではない。重圧は実体がない。技術がないからである。技術があれば、4番であろうが6番であろうが、打順やケースに応じた打撃ができる。強いチームは、4番が打てなくても負けが込まないチーム。

新井の手首付近の死球も、軽症であるなら、ボールはもっと遠くに弾んでいなければならない。かなりの確率で骨折し、次の打席も無理して打席に入ったものと思われる。次の試合からも骨折をおして出るというだろうが、抹消させて休ませて欲しい。

[追記]

菊池が2安打した以外は、丸の内野安打のみ。今村は、突出した球はありませんが、スコアラーの研究に依るところも大きいですが、各打者の打てないコースをきっちり投げたことが広島が打てなかった原因だと思います。各打者は、今村が投げた全打席の全球種コースを最初から列挙して研究しなければこれからも今村を打てないでしょう。

リリーフで出たマシソンも、広島のスコアラーの頭脳を破壊する投球で、どうすることもできない状態で、何をしても今日は打ち崩すのは無理でした(尤も、堂林のソロホーマーが記憶に残っているぐらいで、マシソンからランナーを貯めて降板させて自責を付けた試合はないわけではありませんが打ち崩したとまで言える試合はこれまでもありませんが)。

現状の広島では今日は勝つのが難しい試合でした。

[追記]

昨年対巨人戦勝ち越しの原因となったJohnsonが未だ巨人戦に投げていないません。3勝3敗とは言え、広島が全くといっていいほど打てなかった菅野も広島戦に投げていません。Johnsonが巨人打線を昨年同様完璧に抑えない限り、接戦が増え、ケース打撃、ケース守備、ケースに応じた配球の巧拙により広島は大きく負け越すかもしれません。

新井については、骨折はあって欲しくないですが、プロであるが故、無理して出ても攻守に素人に故障は察知されても骨折を察知されないだけのプレーをするからこそ、休ませて欲しいのです。

[追記]

鈴木は、前田智徳同様、内外に関係なく、更にはウィニングショットを引っ張れるので優れた打者だと思います。生涯打率3割超の前田は一流であるのに対し、鈴木は未だ2流ですが一流になる土台はあると思います。上位打線(1~4番)に据えて打てなくなったとしたら、それは重圧ではなく、技術がないからで、どこが足りないのかを知ることなく埋もれてしまうのは勿体ないことです。

鈴木は、確かにアウトコースから逃げる変化球に若干弱いですが、新井やエルドレッドのよりはバットが止まり、エルドレッドや新井が併殺や空振りを取られている内角低目の変化球を彼等よりリーチが短い分さばいて外野に持っていくことや軸を残して内角高目をさばくことができます。波が少なく、打てなくてもすぐに修正できるのも根拠があります。

山田や柳田のような数字は残しませんが、4番に据えて得点圏にランナーを置くケースが増えても、得点圏にランナーがいるケースでもいないケースでも変わらぬ率を残し、現在の打撃でトータルでも3割前後、悪くても去年の.275よりは打つと思います。

プルヒッターとは言え、昨シーズン終盤も今季も右に打っていますので、現状でも出来ないということはないですが、外低目を敢えて崩されながらも拾って振り切って左方向に持っていっているところはあります。

常に自分の打撃ができることに越したことはありませんが、いい投手が完璧な投球をすればそれができません。アウトになるにしても、自分の打撃に固執することなく、柔軟に対応して進塁打を打つという最低限の仕事をするということを覚えることが、チームが強くなっていく過程で必要だと思います。鈴木は、3-0から安打するなどカウント毎の野球を知っているので、後はもう少し細かな配球を勉強すればケース打撃の方も上達すると思います。