対ヤクルト3回戦。成瀬とJohnsonの先発。新井は1999安打でこの試合を迎えます。生きている限りは100%達成間違いなしなのですが、その瞬間を見たいファンで神宮球場は満員となりました。
1回、新井に打席が回りますが甘いスライダーを打ち損じてしまいます。
2回、エルドレッドが成瀬の失投を当たった角度から追わなくても本塁打とわかる本塁打、鈴木が内角低目のツーシームを本塁打、堂林も当たった角度から追わなくてもスタンドに入るとわかる本塁打。3連続本塁打で3-0。
4回丸がライト、センター、セカンド間に落ちる安打を2塁打にします。隙のない走塁を実践してくれました。続く、新井が内角低目のスライダーを引っ張って強烈なドライヴのかかった文句ない当たり。打点も付いて2,000本安打に華を添えました。
新井は、ドラフト6位ながら、1999年に少ない打数で7本塁打。大下、山本浩二に課された猛練習にも耐え、
16→18→28と本塁打を伸ばし、翌年四番に座るものの.236 19本、その翌年は規定打席を割り、10本。諸評論家から酷評される姿も見てきました。しかし、翌年43本塁打で本塁打王になります。
守備も2002年3塁を守っていたとき、東出(現打撃コーチ)と最多失策をした方が丸坊主になるという賭けをして敗れ(東出がシーズン途中で故障)たりしていましたが、2007年12失策でリーグ最高の守備率、2009年には10失策までレベルアップし、一塁守備は入団したときから上手かったですがゴールデングラブ賞を受賞しました。
阪神に移籍してからは、広島ファンから罵声を浴びながらも主軸として活躍し、2010年112打点、2011年は93打点で打点王も獲得。
広島に復帰してからも、昨年、今年と勝負強い打撃を見せています。
打撃も守備も努力以外の何物でもありません。文句なしで”新井さん”を祝福します。
7回には、鈴木がペレスにインハイ151キロを攻められた後、内角低目の148キロのツーシームを本塁打。5ー3と迫られてきたところでヤクルトを突き放す1打となりました。新井の低いライナーが落ちるのを待ってからスタートして2塁からホームに還れなかった田中の上手くない走塁を救いました。インハイを1打席で2球以上、きっちり投げきるだけの制球を取得している投手はレアで、どうしても次の内角は低目に要求することとなるので、内角低目に強いということはストロングポイントになります。
Johnsonは、山田には、低目のカットボールを上手く掬い上げられ本塁打され、四球も彼にしては多い3つ与えるなど、ヤクルト打線の粘りで116球を要しましたが、8回3失点。
9回は、ヘーゲンズが登板。チェンジアップがチェンジアップになっておらず、チェンジアップ、カットボール、ストレート、スライダーと速度に差がなく、相手からすれば、ストレートを待っていても、それ以外を待っていても対応しやすいのではと思わせる内容で僅差の場面ではどうかという内容でしたが、0に抑えました。
菊池は守備でも今年は例年以上に前後の動きが素晴らしくヘーゲンズを救いました。
新井にとって晴れの舞台なのでチームが勝ってよかったです。
後、何年現役を続けるかわかりませんが、後は、阪神時代も経験できなかった、クライマックスシリーズを勝ち上がってではない、正真正銘の優勝だけですね。
今年の優勝は難しいでしょうが、鈴木には、新井の後継者になって、新井の最後の花道を優勝で飾ってあげて欲しいです。
打線は状態がいいですが、いい投手と当たると点が取れないわけで、チーム防御率3.90(リーグ5位。今日も3点取られたのでほぼ変動なしでしょう。)をどうにかしましょう。
[追記]
現場で指導されている方によると、2塁から本塁まで7.5秒を目安に考えられているようです。
ランナー2塁で、ホームに突入した場合のアウトとセーフの確率が50:50のときには、
1死なら無理せず1死1塁3塁
2死ならホームで勝負
これがまずは基本的なセオリーと言われています。
同点または1点差で負けている場面ならスタートを切ることもありえますが、
次が代打の遅れないピッチャーなら突っ込ませまるが、2点勝っている場合では、基本的には、打球によりスタートを早めて、本塁へスタートは切るということを、例えライナーが失速しなくても、しないという見解もあります。
[追記]
2014、2015年と広島は、シングルヒットで2塁走者が生還した数、率共にセリーグワースト(2015年は、本塁生還数53、本塁生還率43%で12球団ワースト)。これが昨年4位に終わった原因の一つであると考えます。
塁上の走者より後方の打球(走者二塁であれば、センター前、一二塁間)であれば、生還するという基本的なセオリーは、概ね、妥当するでしょう。
確かに、ランナー二塁で、本塁でアウト、セーフの確率が5分5分で、一死であれば、3塁ストップ、2死であれば本塁勝負というのは伝統的なセオリーですが、DeNA(生還率63%)、ヤクルト(同56%)、中日(54%)(セリーグ平均は52%)などは、無死、一死で次が4番であっても本塁に突入してきます。
広島は足の速い選手を揃えていても(全てが速い走者ではありませんが)、打球の見極めが遅くスタートが遅れ、余裕をもってセーフの場合でもスタートを切った段階で5分5分の確率になってしまっていて、足の速さを活かしきれていませんでした。
エルドレッドが今年(2016)は現在のところ、トータルの打率が.348(昨年は.227)、得点圏打率.217(昨年は.333、新井は.311)。2015年のチーム得点圏打率.235(ワースト)と何れも、DeNAの本塁生還率どころか広島の本塁生還率よりも低くなっています。
確かに、当方は、シングルヒットで2塁走者が本塁に生還できているかにこだわりがありますが、相手の守備の深さ、肩の強さ、動きの良し悪し、位置、打球方向、角度、速さ、バウンドやランナーの足の速さ故障の有無なども考慮に容れて、無理な場合や難しい場合には、その旨を書いています。
昨年は、追加点が取れずに僅差で勝っている試合を勝ち切れなかったので、リードしている場面であっても、2塁走者は1ヒットで本塁へ還るということを実践して欲しいと言うのはあります。特に今年の広島はリリーフが弱いので(9月に入る前までに勝ち継投の投手を5人揃えられるかがペナント上位に食い込むか否かの分かれ目になるのでリリーフの強化は必要ですが)。