[守り勝つ野球]一死満塁における守備走塁

Last Updated on 2021年10月20日 by wpmaster

バンテリンドームで開催された広島ー中日23回戦、三回裏、中日の攻撃、一死満塁、一塁走者三俣、二塁走者京田、三塁走者渡辺勝、広島の投手は、左投手床田、左打者大島洋平。
二塁手菊池涼介、遊撃手小園は中間守備、三塁手林、一塁手坂倉は、塁間を結ぶライン上に守る。
一死満塁のケースでは、全ての走者、二塁ベース上、三塁ベース上、本塁ベース上は、全てフォースドプレーである。一塁走者、二塁走者は、帰塁よりも進塁が優先される。
一死満塁では、内野手は、前進守備のシフトを敷いてゴロの場合に本塁送球をし、一点も与えないというノルマが監督コーチから課される場合と、中間守備で必ずしも本塁には投げず、打者、走者、野手の動きにおいて変え、アウトカウントを稼ぐことが優先される場合がある。

内野前進守備だけでなく外野前進守備も走者はリードを大きく取ることができる

一死満塁で、内野手に前進守備のシフトを敷かせると、二塁走者は、リードを大きく取ることができる。打球、野手の捕球の仕方によっては、二塁走者をも本塁に還してしまうのだ。
実況アナがバカの一つ覚えのように、「外野手が落下点に入りました」と言うが、実際には、外野手は、打球が落下してくる真下に入るのではなく、右投げの外野手の場合、左肘をヒッチし、外踝を前に運びながら、打球の後ろまで真っ直ぐに走る。外野手は、前進守備のシフトを敷いてポテンヒットを避ける場合、打球の落下点の後ろまで走らなければならない。すなわち、左打席において右足がスウェイしたところで、左手がトップポジションに入っている過程と同じなのである。二塁走者は、リードを大きく取ることができるのである。
外野手は、定位置より深めの守備位置を取っていれば、右投げの外野手が左打席において左肘をヒッチしてヘッドステイバックしたのと同じ過程に入っている。落下点の後ろまで走らなくて済む。左手小指で打球を叩いて、右手の小指、親指、小指で打球を叩いて送球する間を作ることができるのである。故に、左手で打球を叩く過程でも、右手親指、小指でボールを叩くときもスウェイせずに済むのである。
大島は、クローズドスタンスでセットアップし、床田が投じたアウトローのツーシームに対し、1回目のヘッドステイバック、2回目のステイバックのときにも後ろの肩関節が残り、両肩を結ぶラインがニュートラルポジションが維持できている。ヘッドも下がっている。この段階で、大島は、空振りさえしなければ、内野の頭は確実に超える。大島は、トップポジション期においても、左手親指でグリップを叩いたときも、スウェイせず、前の股関節が内旋できている。ヘッドも左手橈骨のラインを越えている。データスタジアム社の解説員は、大島中安[泳ぎ]と書いているが、実際には、大島は泳いでいないのだ。大島は、上半身は変化球対応、下半身は、ファストボール対応で、ガイドハンドである左手主導で順波のスイングし、フォロースルー期に右手をグリップから放して手首が返るのを防いでいるのだ。
二塁走者の京田は、ハーフウェイまで二次リードを取るときに、打者の方に背を向け、顔が外野手の方を向いている。一塁走者の三俣は二次リードを取らず、アンツーカーと芝の境目までしか達していない。一死のケースで二塁走者の野間も、打者の方に背を向け、鈴木誠也の左中間を越える安打で二塁から本塁に返れなかったことがある。担当コーチは、廣瀬と河田である。更に、一死から右中間の安打で、一塁走者の小園が三塁に行けなかったときに、解説の広島の前監督緒方孝市は、打者の方に顔を向けていた小園に対し、「小園は、ハーフウェイまで走り、外野手の方に顔を向け、打球を追わなければならない」とコメントした。一死で走者が打者の方に背を向け、顔が外野手の方を向いていると、打球が落ちてからでないとスタートを切ることができない。外野手の方に顔を向けて二次リードを取らせることを選手にさせているから、中日の監督以下選手、広島の監督以下選手は、下位に低迷するのである。
帰塁よりも進塁が優先されるときは、すなわち、ゴロゴーorタッグアップのケースでは、打者が二回目のヘッドステイバックしたときの打者の後ろ肩関節の残っている程度に応じて、走者は、右肘をヒッチして右足外踝を前の塁に、左肘をヒッチして左足踝を先の塁に運ばなければならない。
大島が放った打球は、定位置よりやや浅目のシフトを敷いていた中堅の大盛の前に落ちた。京田は、一旦、二塁ベースに帰塁しかけたが、大盛は、左手小指で打球を叩き、背骨の右側で捕球、右肘をヒッチ、ヘッドステイバック、両足をシャッフル、右足外踝を前に運びながら、スウェイせずに、右手親指基節骨にブレーキをかけて小園に返球する。
小園が送球をカットし、走者無しの場面で打者が左前安打を打ったときに二塁ベースに入らなかった菊池涼介も二塁ベースに入った。
大盛の守備が浅すぎたので、左肘のヒッチ、右肘のヒッチが遅れ、ヘッドステイバックの角度が小さくなった。左手首、右手首と打球の軌道との距離を長く取れず、左手親指、右手親指のしなりが小さくなった。左手小指、右手小指の加速距離が短くなった。
一旦、帰塁しかかった京田も三塁ベース方向に左足外踝を運ぶ間ができた。二次リードを取っていなかった三俣も、左足外踝を運ぶ間ができた。
私は、この記事をアップする前から打球を追う、捕る、投げるのプロセスの面からいかなるケースでも前進守備には反対の立場を採ってきた。
打球は内野の頭を越えたこと、二死一二塁ではなく、一死で三塁走者もいることから、三塁走者を本塁で刺すことは難しい。
大盛に前進守備を敷かせなければ、一塁走者の三俣をフォースドアウトにした後(大島はセンターゴロ)、京田をランダウンプレーでタッチアウトにするか、二塁走者の京田を三塁フォースドアウトにすることも出来得る。二死一三塁、更には併殺、攻撃終了にすることができ、二点目、三点目を防ぐことができるのである。
無死一二塁であれば、二塁走者は、帰塁優先で二塁ベースの近くに留まるから、外野手は二塁ベース上に送球し、二塁走者にタッグしてから二塁ベースを踏んで一塁走者をアウトにします。
右足がスウェイしたまま、ガイドハンドの左手の回転半径が長くなると、ダイヴしたとき、左手親指のしなり、小指の加速距離が小さくなり、左手の指、頸椎を故障する。背骨の左側で左手で捕球すると、ジャンプしたとき踵体重になり、アキレス腱、右前脛骨筋を故障しやすくなる。
一方、京田は、打者に背を向け、帰塁しかかったことにより、本塁に還れなかったというミスまでをも消すことはできなかった。

野球の基本は投手を中心とした守り

先発投手、リリーフ投手を強化すると、加えて前進守備をやめると、相手チームは、点が取れない。相手チームの監督コーチは、一死満塁で一点もやらないシフトであるという価値を付けられている前進守備のシフトを敷いてくる。それにより、走者は、リードを大きく取ることができる。シングルヒットで二塁走者が本塁に還ることができ、2点以上取ることができるのだ。失点数を抑えれば、インサイドアウトの完成度の高い投手から少ない得点しか取れなくても、得点差を産み出すことができる。得点数が同じ場合には、点差を広げることができるのである。

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