2019広島vsヤクルト11回戦,プロ初先発山口翔7回95球無失点

プロ初先発の山口翔、名前も少女漫画みたい笑笑。でもプロ初登板が5月7日ですから、ギリギリハイティーンではありません。

プロ初先発山口翔のピッチング

山口翔は、この試合は特に高目のストレートが良かった。
一方でワンバウンドの投球が95球中8球、ワンバウンドにプロはヘッドを出しません。
素晴らしいボールは未だ7~8球に1球程度だが高校生の頃に比べるとうんと良くなった。
今後の育て方によっては才木や藤嶋のようになれる。

高校生の頃の彼は、右肘の高さの低いスリークウォーターで、投球によってはサイドハンドに近い体軸の交わり、コッキングの角度で投げていた。正直なところ、この投手はプロでは厳しいな、通用することなくプロを去るだろうな、広島には獲得して欲しくないなというのがあった。骨盤が右肘の推進より先に回ると右肘が伸びて故障しやすくなる。実は試合前まではダメだろうなと見ていた。

未だ、骨盤の回転のタイミングや右肘の損耗によって肘が下がることがあるものの、プロに入ってからまず変わったのは、リリースのときの右肘の高さが格段に高くなった。
右脇も空くようになった。

4回,7回の山田哲人や村上、7回のバレンティンに対する投球では、オーバーハンドの岡田や矢崎と変わらない右肘の高さ、コッキングの角度、体軸の交わり(一塁側への傾き)で投げていた。

高校生のときには「く」の字のときに吉見のように肋骨と右膝がくっつくぐらい上体を前傾させて右股関節に荷重をかけていた。
これだとヒッチ運動が難しいのでステップ幅を調整するのが難しく、右肘の高さが上がっていかない。
プロに入ってからは上体の前傾をルーズにした。

右股関節の外旋によってリリースの瞬間(回内)に両股関節をぶつけたとき左股関節が引っ込んで左足が突っ張るので、左右の臓器の負担のことも考えれば右投手も左投手もオーバーハンドで投げた方が臓器の負担も軽くなる。

山口翔は、テイクバックのときに上体と下半身の捻転差が小さいところは動作の無駄が省け、横回転を抑え、波動が作りやすいので、いいところ。右肘をつまみ上げる前に1回右肩は下げるものの、テイクバックのときにもう少し右肩を下げると縦回転が増してもっと良くなる。

左膝の2回目のレッグダウンのときに右股関節を外旋し、外旋したままスパイクの外側でエッジをかけて左足の内転筋を内旋して「く」の字を作る。
リリースの瞬間に左足が突っ張る。左足を軸に骨盤を回転できる。これが山口翔の最大の売りである。

メディアは盛んに右腕のしなりを強調するが、右腕上腕部の外旋の大きさはプロでは並み。しかし、フィニッシュで頭より上に持ってくる。
正確に言うと、フォロースルー期の右腕前腕部の回外(しなり)は大きくはないが右腕のフォロースルーが大きい。もう少し右腕上腕部を外旋してトップを作るまでの過程で波動が欲しい。それには「く」の字のときにもっと右膝をルーズに曲げる必要がある。
波動を作ることで、リリースの瞬間に右腕上腕部が凹み棘下筋が損耗している山口翔はスムーズに右腕上腕部の外旋→内旋ができるようになる。

下半身の使い方は、右腕前腕部の回内のときに左足の拇指球、小指球で地面を蹴って両足をシャッフルするところまではいい。
しかし、現状では本塁とプレートの間の中間(45度ぐらい)に上体を倒しているので、右足をターンして両足をクロスさせてもっと一塁側に上体を倒した投球を増やした方がいい。

急ブレーキをかけるとムチ打ちになるのと同じで三塁側に右足を着地させると右腕のスイングに急ブレーキをかけてしまう。
左足の蹴りとこの右足のターンは人差し指と中指でボールの外側を縦に擦り下ろして親指で押し込む動作を後押しするだけでなく、フェイドアウト(徐行運転)の役割を果たすのだ。

この試合の唯一の被安打となった7回裏の村上の安打であるが、村上は探りのとき左肘が内に入りドアスイグになっており、打球にスライス回転がかかっている。しかし、村上が探りのとき、左股関節を外旋し(骨盤が滑っていない)、左足のスパイクの外側に重心が残り右内転筋の内旋もできており、ヘッドも立っている、ミートの瞬間に右足の壁ができた。故に野手の間に落ちた。

投球そのものはターンができている分、4回裏に村上を三振に取った球よりもこちらの方がいい。

筆者は川上哲治は嫌いだが熊本工業のファン。前田智徳、荒木雅博、伊東勉、盗塁王の緒方耕一、元祖塀登り捕球の山森雅文と野手では名選手が多い。熊本工業出身のプロ野球の投手で大成した者は未だいない。プロ初登板から11イニング無失点と結果としては最良のスタートを切った山口翔がその第1号になれるかどうか。

広島打線のバッティング

バティスタは、初回、左肩を残し、左膝をオープンに運びインサイドアウトでスイング。左肘を使ってバットでボールを掃い手首の下がりを抑える。右翼席にソロ本塁打。

小川は、ルーズに「く」の字を作ったとき、右股関節の外旋がなく骨盤が滑る、左足の内転筋の内旋もできていなかった。テイクバックのときの割れも大きく、右肘をつまみ上げたときに右足の拇指球を支点に右膝が内に入り、左肩が開く、リリースの瞬間に左足が突っ張ることはできていたが手遅れだった。

田中広輔は、6回表の打席では、探りのときに左肘がヘッドの内側に入っているが、左足のスパイクの外側に重心が乗り、右股関節の外旋、右足内転筋の内旋もできている。ミートの瞬間に右足の壁ができ、申し分のない打撃。

松山は、探りのとき左肘がヘッドの内側に入る。左足のスパイクの外側に重心が乗り、右足内転筋の内旋もしてステイバックしているが、踵体重になって右足はスパイクの外側から着地、ステップ幅が広がる。ヘッドが遅れて出ている。

試合経過

2回裏

山口翔は、21球目、アウトローにスライダー133キロをワンバウンドさせる。

3回裏

山口翔は、29球目、アウトローにカーブ116キロをワンバウンドさせる。

4回裏

山口翔は、49球目、アウトロー(左打者のインロー)にスライダー116キロをワンバウンドさせる。

山口翔は、50球目、アウトロー(左打者のインロー)にスライダー131キロをワンバウンドさせる。
村上は、これを空振り

5回裏

山口翔は、54球目、真ん中低目にフォーク131キロをワンバウンドさせる。

山口翔は、60球目、アウトロー(左打者のインロー)にフォーク130キロをワンバウンドさせる。

6回裏

山口翔は、64球目、アウトローにスライダー128キロをワンバウンドさせる。

7回裏

山口翔は、88球目、真ん中低目にフォーク134キロをワンバウンドさせる。

2回表

小川は、20球目、アウトロー(左打者のインロー)にチェンジアップ132キロをワンバウンドさせる。

小川は、41球目、アウトローにカットボール141キロをワンバウンドさせる。

4回表

小川は、60球目、真ん中低目にチェンジアップ130キロをワンバウンドさせる。

小川は、73球目、アウトローにスライダー131キロをワンバウンドさせる。

5回表

小川は、81球目、アウトローにフォーク129キロをワンバウンドさせる。

久保は、6球目、アウトロー(右打者のインロー)にスライダー115キロをワンバウンドさせる。

久保は、10球目、アウトロー(右打者のインロー)にスライダーをワンバウンドさせる。

7回表

風張は、26球目、アウトローにスライダー131キロをワンバウンドさせる。

風張は、27球目、アウトローにスライダー129キロをワンバウンドさせる。