福井は未完成だが、試合を作ったね。

Last Updated on 2017年12月19日 by wpmaster

17/08/2017 20回戦 広島4-5阪神 京セラドーム

”福井くん、やっぱり、ごまかせんかったな。でも、2点でよく止めたよ”

今日の試合の勝敗の決め手になったのは、重心移動。

この試合の福井は、ランナーなしからセットポジションで、右膝を緩く曲げて立つ。

左足の位置は骨盤より上で上げ下しの動作が少々瞬発力をロスするのだが、

右膝を緩く曲げて緩くキックして本塁方向に近づくにつれ加速する。

テイクバックを小さくして肘をつまみ上げるようにしてトップを作る。

トップを作るまでの動作も瞬発力による負荷をかけていない。

リリースの瞬間にMaxに瞬発力を伝えている。

今村や藪田の域には達していないが、脱力投法。

そう、福井くんは、新しい試みにチャレンジしているの。

逆に言えば、福井くんの肩痛は、来るところまで来てしまったってこと。

ただ、少し、頭がラインからズレたり前に倒れたりするんよ。

左足で弧を描いていなくても左膝がタメがなく割れて(開いて)いれば、

右打者の目線近くのインハイが、リリースポイントと目線が遠くなるから振ってくれない。

左打者は、目線から遠いアウトハイになるから尚更振ってくれない。

後、三塁側に重心が残るところも残念。

福井は、立ち上がりは、この前の巨人戦よりも良かったよ。

しかし、福井は、1,2回を0で抑えて40球前後に達した3回

先頭の岩田に対し四球を出す。

トップを作ったとき、右肩が下がって、手首が寝てしまいボールを引っ掛けているのね。

先頭打者に~フォアボールを出すな~とか

何で打率の低い打者を歩かせるんだ~とか

言う奴がいるんだけどさ。

メンタルが行動に先立つことはないの。

人間には本能なんて備わっていないの。

仕事をしているときにはね、意思なんてないのよ。

メンタルで行動をコントロールすることはできないの。

テレビ局を無償で作らせて融資したの、誰だか知ってる?

そう前々回出てきた”あの2人”

お医者様や政治家、芸能人、士業の”先生”を使った後付けの洗脳から、いい加減に解き放たれなさいな。

そう、肉体の限界を超えたらどうすることもできないのよ。

出してしまった四球はどうでもいいの。

そこからが大事なの。

福留に投げた球、3回の奴は、三塁側に四股を踏んでいる。

5回に打たれた方はどうか。

これは、一塁側への重心移動、一寸、弱かったね。

もっと左膝を伸ばして、右足を一塁側に送って、

左足の上を通過させないと。

この投げ方、制球が乱れるって年配のコーチから評判芳しくないんだけど、

左膝が壁になっているから心配要らんのよ。

それとね、左膝を伸ばすことによって、肩、肘が高く上がるのよ。

けど、それぞれ、2点で良く凌いだよ。

5回を投げて、89球 5安打 2奪三振 4与四球 計4失点(自責同じ)

打撃の進歩した現代野球においては、まだ、どうにかなるけ、

よう試合を作ったよ。

5回を終えて89球、余力があるから、もう一イニング行けるって?

球数は、一つの目安だよ、けど、一般論、法則にすぎぬ。

投球動作から余力の有無を見極めなければならない。

かといって、肩肘が上がっていても人間の労働力は無限ではない。

シーズンは長い。

130球も140球も投げさせてもいいというわけでもない。

福井は、2度肉体の限界を超えさせてしまっている。

これ以上、引っ張ったらダメだ。

この試合、最後は、中田廉が犠飛を打たれて広島が負けるわけだが、

福留は、テイクバックでヘッドを立て、トップを作る前に振り始めてるんよ。

振り終わった後、顎が上がっている。

そう、始動が遅いのよ。

フォークに振り遅れることなんてあるの?

それがあるんよ。

最近だと阿部の通算2,ooo本目のヒットがそう。

中田は、フィニッシュで右足で地面をキックしているのよ。

「たら」とか「れば」は、禁物だが、一塁側に右足を送っていれば、

100%セカンドフライになった。

よくカットしてファウルで逃げて投手に球数を投げさせることが賛美されることがあるけど、

それって、打者が軸足から頭がズレて体が上下、前後にブレているってことだから、

インハイがダメなら、目線から遠くないところに縦の変化球を投げてやればいいんよ。

ワンバンはだめ。

攻撃の観点からすれば、カットしてファウルで粘り球数を投げさせて降板させてもダメ。

先発が降板した後、もっとタフ(先発より体感速度の速い)投手が出てきたらどうするの?

ファウルできるってことは、フルスイングしてヒットにできる球ってこと。

打ち崩して先発を降板させなければダメなんよ。

打ち崩した後に先発よりタフな投手が出てくることってないのよ。

話は逸れちゃったけど、

北條のヒットは、始動が遅れてボールを追いかけたコースヒット。

ここでも中田は、フィニッシュで重心が三塁側に残っている。

腕が振り切れていないからリリースが早い。

打者の目線から遠いからついていけるのよ。

右足は、一塁側に送らないけん。

今シーズンの中田は、オープン戦から開幕直後は、こりゃ使えねえなと思ったけど、

シーズンが進むにつれ、故障前より左膝のタメとか投げ方がよくなっているんよ。

ここまでよくやってくれてるんよ。

打たれることだってある。

それを責めているんじゃなくて、惜しいんよ。

ちょこっと変えるだけでもっと良くなるのよ。

だから、一言言ってみただけ。

中田廉は、2/3 19球 2安打 1与四球 1失点(自責同じ)

一方、阪神の投手はというと。

先発の岩田は、腰を曲げて捕手のサインを見る。

これは、上体を戻すときに瞬発力を消耗するように思うのだが。

岩田は構えたときに左膝をタイトに曲げ、左膝がロックされる。

左膝に瞬発力による負荷をかける。

こんなんで、投げる前に瞬発力が消耗しないのかな?

グラブを耳元に上げる。

それで肩を高く上げるわけだが、グラブを上げるときに

左肩に瞬発力による負荷がかかっている。

スライドステップは、足踏み程度で、足を下すだけ。

これはいい。

膝下に負荷がかかって硬直、静止しなければ。

岩田もフィニッシュで一塁側に重心が残る。

岩田の出来も攻略できない内容ではない。

アウトハイのスライダーを鈴木が犠牲フライを打つんだけど、

一見、重心が後ろに残って、ヘッドを残して打っているように見えるのよ。

けれども、テイクバックが遅れて後ろが小さくなっている。

懐が深くないのよ。

体が前に出されて骨盤の上に頭が乗っていない。

頭が前足のライン上に乗っている。

岩田は、その後の松山のところで、トップを作ったときに左肩が下がり、

ボールを引っ掛けている。

この犠飛が岩田を沈めることができなかった原因になったように思うんよ。

岩田は、5回1/3 90球 5安打 3奪三振 3与四球 4失点(自責同じ)

更に、打撃を崩されているのが、新井さん。

新井さんは、桑原の前に、体を前に出されて三振。

左足を下して着地位置を探し始める段階においても、トップが完成できていない。

すなわち、始動ができていない。

頭が極端に前に出されている。

よって、左足を着地したとき、バットを振り下ろし始めている。

ヘッドが体より前に出てしまっている。

2番手 桑原は、2/3 10球  1安打  1奪三振  無失点

3番手 髙橋聡文は、1回 27球 1安打 2奪三振  1与四球

マテオもドリスも、スライドステップのときに少し左足で弧を描いたり、膝が開くことがあった。

広島打線は捕えることができなかった。

マテオは、1回 19球 1安打 2奪三振  無失点

 

 

ドリスは、1回 12球 無安打 2奪三振 無失点

ロジャースの犠飛は、頭が骨盤の上から動かないのよ。

攻撃サイドから見れば、2つの重心移動できていない失速系の球を要所で捕えられた阪神打線と

捉えられなかった広島打線の差が出たということになるだろう。

一軍復帰初登板の2番手ブレイシアは、本塁を結ぶ線上にスライドステップをし、

フィニッシュで左膝を真上に伸ばした後、伸ばしたまま、左足を一塁側に倒している。

壁を作ってから骨盤を回し、上体を傾けている。

一塁側に右足を送り、左足の前で通過させている。

微妙に一塁側に回るのが早かった分、鳥谷には打たれたが、

糸井を目線から近い真ん中高めのストレート系で三振。

これ以上、差を拡げられてはいけない同点、僅差のビハインドに起用できる目途は立った。

1回 18球 1安打 1奪三振 無失点

3番手Jacksonは、2回 15球 1安打  1奪三振  無失点

試合は、4-5で広島の敗戦。

勝利投手は、ドリス 2勝3敗 29 S

敗戦投手は、中田廉 2勝2敗

対戦成績は、広島の10勝9敗

まとめ

福井が新しいこと、すなわち、脱力投法に取り組み始めたことと、

今村、中﨑、一岡を出さずに済んだだけ益しな敗戦であったと言えるだろう。

[Q]

投手の「ビザが弧を描く」という動きがよく分からないので具体的に教えて頂きたいのですが…
踏み出す脚が真っ直ぐ着地でなくL字を描くような動きで着地、という解釈で合っていますか?[A]水泳の平泳ぎをしたときの手の動き、ワイパーを稼働させたときの針の動きをステップする足がしていると言えば、わかっていただけるでしょうか。踏み出す脚が山なりの動きと言う捉え方でもいいですよ。瞬発力を逃さない投げ方として、子供のときにT字を描くような動きで着地しろと教えられましたが、L字を描くような動きの方が事実に近いですね。[追記]ロングリリーフは、実際には先発投手を一軍登録選手枠の中にもう一人増やすことになること、先発が序盤で炎上する試合というのが10日どころか何十試合に1回あるかないかしかないこと、先発の後で投げさせるにしては、福井は体の使い方ができておらず、球のキレが落ちるので、火に油を注ぐ結果になることから、個人的には、ロングリリーフではなくて、捨て試合を作って一軍で先発させるか、ファームで先発調整させた方がいいと思います。