2019広島vsヤクルト11回戦,プロ初先発山口翔7回95球無失点

Last Updated on 2019年12月3日 by wpmaster

プロ初先発の山口翔、名前も少女漫画みたい笑笑。でもプロ初登板が5月7日ですから、ギリギリハイティーンではありません。

プロ初先発山口翔のピッチング

山口翔は、この試合は特に高目のストレートが良かった。
一方でワンバウンドの投球が95球中8球、ワンバウンドにプロはヘッドを出しません。
素晴らしいボールは未だ7~8球に1球程度だが高校生の頃に比べるとうんと良くなった。
今後の練習によっては才木や藤嶋のようになれる。

高校生の頃の彼は、右肘の高さの低いスリークウォーターで、投球によってはサイドハンドに近い体軸の交わり、コッキングの角度で投げていた。正直なところ、この投手はプロでは厳しいな、通用することなくプロを去るだろうな、広島には獲得して欲しくないなというのがあった。骨盤が右肘の推進より先に回ると右肘が伸びて故障しやすくなる。実は試合前まではダメだろうなと見ていた。

未だ、骨盤の回転のタイミングや右肘の損耗によって肘が下がることがあるものの、プロに入ってからまず変わったのは、リリースのときの右肘の高さが格段に高くなった。
右脇も空くようになった。

4回,7回の山田哲人や村上、7回のバレンティンに対する投球では、オーバーハンドの岡田や矢崎と変わらない右肘の高さ、コッキングの角度、体軸の交わり(一塁側への傾き)で投げていた。

高校生のときには「く」の字のときに吉見のように肋骨と右膝がくっつくぐらい上体を前傾させて右股関節に荷重をかけていた。
これだとヒッチ運動が難しいのでステップ幅を調整するのが難しく、右肘の高さが上がっていかない。
プロに入ってからは上体の前傾をルーズにした。

右股関節の外旋によってリリースの瞬間(回内)に両股関節をぶつけたとき左股関節が引っ込んで左足が突っ張るので、左右の臓器の負担のことも考えれば右投手も左投手もオーバーハンドで投げた方が臓器の負担も軽くなる。

山口翔は、テイクバックのときに上体と下半身の捻転差が小さいところは動作の無駄が省け、横回転を抑え、波動が作りやすいので、いいところ。右肘をつまみ上げる前に1回右肩は下げるものの、テイクバックのときにもう少し右肩を下げると縦回転が増してもっと良くなる。

左膝の2回目のレッグダウンのときに右股関節を外旋し、外旋したままスパイクの外側でエッジをかけて左足の内転筋を内旋して「く」の字を作る。
リリースの瞬間に左足が突っ張る。左足を軸に骨盤を回転できる。これが山口翔の最大の売りである。

メディアは盛んに右腕のしなりを強調するが、右腕上腕部の外旋の大きさはプロでは並み。しかし、フィニッシュで頭より上に持ってくる。
正確に言うと、フォロースルー期の右腕前腕部の回外(しなり)は大きくはないが右腕のフォロースルーが大きい。もう少し右腕上腕部を外旋してトップを作るまでの過程で波動が欲しい。それには「く」の字のときにもっと右膝をルーズに曲げる必要がある。
波動を作ることで、リリースの瞬間に右腕上腕部が凹み棘下筋が損耗している山口翔はスムーズに右腕上腕部の外旋→内旋ができるようになる。

下半身の使い方は、右腕前腕部の回内のときに左足の拇指球、小指球で地面を蹴って両足をシャッフルするところまではいい。
しかし、現状では本塁とプレートの間の中間(45度ぐらい)に上体を倒しているので、右足をターンして両足をクロスさせてもっと一塁側に上体を倒した投球を増やした方がいい。

急ブレーキをかけるとムチ打ちになるのと同じで三塁側に右足を着地させると右腕のスイングに急ブレーキをかけてしまう。
左足の蹴りとこの右足のターンは人差し指と中指でボールの外側を縦に擦り下ろして親指で押し込む動作を後押しするだけでなく、フェイドアウト(徐行運転)の役割を果たすのだ。

この試合の唯一の被安打となった7回裏の村上の安打であるが、村上は探りのとき左肘が内に入りドアスイグになっており、打球にスライス回転がかかっている。しかし、村上が探りのとき、左股関節を外旋し(骨盤が滑っていない)、左足のスパイクの外側に重心が残り右内転筋の内旋もできており、ヘッドも立っている、ミートの瞬間に右足の壁ができた。故に野手の間に落ちた。

投球そのものはターンができている分、4回裏に村上を三振に取った球よりもこちらの方がいい。

筆者は川上哲治は嫌いだが熊本工業のファン。前田智徳、荒木雅博、伊東勉、盗塁王の緒方耕一、元祖塀登り捕球の山森雅文と野手では名選手が多い。熊本工業出身のプロ野球の投手で大成した者は未だいない。プロ初登板から11イニング無失点と結果としては最良のスタートを切った山口翔がその第1号になれるかどうか。

広島打線のバッティング

バティスタは、初回、左肩を残し、左膝をオープンに運びインサイドアウトでスイング。左肘を使ってバットでボールを掃い手首の下がりを抑える。右翼席にソロ本塁打。

小川は、ルーズに「く」の字を作ったとき、右股関節の外旋がなく骨盤が滑る、左足の内転筋の内旋もできていなかった。テイクバックのときの割れも大きく、右肘をつまみ上げたときに右足の拇指球を支点に右膝が内に入り、左肩が開く、リリースの瞬間に左足が突っ張ることはできていたが手遅れだった。

田中広輔は、6回表の打席では、探りのときに左肘がヘッドの内側に入っているが、左足のスパイクの外側に重心が乗り、右股関節の外旋、右足内転筋の内旋もできている。ミートの瞬間に右足の壁ができ、申し分のない打撃。

松山は、探りのとき左肘がヘッドの内側に入る。左足のスパイクの外側に重心が乗り、右足内転筋の内旋もしてステイバックしているが、踵体重になって右足はスパイクの外側から着地、ステップ幅が広がる。ヘッドが遅れて出ている。

試合経過

1回裏

宮本丈は、4球目、アウトハイ(左打者のインハイ)のストレート146キロを空振り三振

青木は、6球目、真ん中のストレート147キロを打って中飛

山田哲人は、10球目、真ん中のストレート147キロを打って中飛

2回裏

村上は、16球目、真ん中高目のストレート145キロを打って二ゴロ

バレンティンは、20球目、真ん中低目のストレート146キロを見逃し三振

山口翔は、21球目、アウトローにスライダー133キロをワンバウンドさせる。

坂口は、24球目、真ん中低目のストレート143キロを打って二ゴロ

3回裏

奥村は、27球目、真ん中低目のフォーク132キロを空振り三振

山口翔は、29球目、アウトローにカーブ116キロをワンバウンドさせる。

山口翔は、33球目、真ん中高目のストレート145キロが外れて中村悠平に四球を与える。

小川は、34球目、真ん中のスライダー127キロをバント失敗 捕ゴロ

宮本は、39球目、アウトロー(左打者のインロー)のフォーク132キロを空振り三振

4回裏

青木は、41球目、インコース(左打者のアウトコース)ベルトの高さのストレート143キロを打って中飛

山田哲人は、47球目、インハイのストレートを空振り三振

山口翔は、49球目、アウトロー(左打者のインロー)にスライダー116キロをワンバウンドさせる。

山口翔は、50球目、アウトロー(左打者のインロー)にスライダー131キロをワンバウンドさせる。
村上は、これを空振り

村上は、52球目、インハイ(左打者のアウトハイ)のストレート146キロを空振り三振

5回裏

山口翔は、54球目、真ん中低目にフォーク131キロをワンバウンドさせる。

バレンティンは、56球目、アウトローのカーブ118キロを打って右飛

坂口は、59球目、アウトコース(左打者のインコース)ベルトの高さのストレート147キロを空振り三振

山口翔は、60球目、アウトロー(左打者のインロー)にフォーク130キロをワンバウンドさせる。

奥村は、63球目、真ん中高目のストレート144キロを打って三ゴロ

6回裏

山口翔は、64球目、アウトローにスライダー128キロをワンバウンドさせる。

中村悠平は、68球目、アウトローのストレート143キロを打って三ゴロ

廣岡は、70球目、真ん中のスライダーを打って三ゴロ

宮本は、73球目、インコース(左打者のアウトコース)ベルトの高さのカーブ115キロを打って投ゴロ

7回裏

青木は、77球目、真ん中のスライダー129キロを打って右飛

山田哲人は、84球目、真ん中のスライダー132キロを打って遊ゴロ

山口翔は、88球目、真ん中低目にフォーク134キロをワンバウンドさせる。

村上は、89球目、アウトコース(左打者のインコース)ベルトの高さのストレート143キロを打って左前安打

バレンティンは、95球目、真ん中高目のストレート146キロを空振り三振

8回裏

菊池保則は、7球目、インロー(左打者のアウトロー)のストレート145キロが外れて四球を与える。

雄平は、10球目、真ん中のスライダー133キロを打って中飛

西田は、11球目、アウトローのストレート142キロを打って右飛

廣岡は、13球目、インコースベルトの高さのシュート137キロを打って一邪飛

9回裏

大引は、3球目、インハイ(右打者のアウトハイ)のストレート149キロを打って右邪飛

荒木は、7球目、インロー(右打者のアウトロー)145キロを打って左前安打

山田哲人は、10球目、真ん中のストレート142キロを打って一飛

村上は、13球目、アウトハイのストレート151キロを空振り三振

1回表

野間は、4球目、インハイ(左打者のアウトハイ)のフォーク133キロを打って遊ゴロ

菊池涼介は、6球目、真ん中高目のストレート144キロを打って中飛

バティスタは、7球目、アウトコースベルトの高さのストレート144キロを打って右翼棒際n本塁打
広島1-0ヤクルト

鈴木は、9球目、真ん中のストレート142キロを打って中前安打

西川は、13球目、真ん中高目のスライダー129キロを打って右前安打

磯村は、14球目、アウトコースベルトの高さのカットボール142キロを打って左中間に二塁打
広島3-0ヤクルト

田中広輔は、18球目、真ん中低目のフォーク132キロを空振り三振

2回表

小川は、20球目、アウトロー(左打者のインロー)にチェンジアップ132キロをワンバウンドさせる。

安部は、23球目、真ん中のフォーク135キロを打って中前安打

山口翔は、27球目、インローのフォーク132キロを空振り三振

小川は、32球目、インハイ(左打者のアウトハイ)にシンキングファストボール145キロが外れて野間に四球を与える。

菊池涼介は、39球目、アウトローのカットボール142キロを空振り三振

小川は、41球目、アウトローにカットボール141キロをワンバウンドさせる。

バティスタは、43球目、インローのフォーク130キロを空振り三振

3回表

小川は、49球目、インハイにシンキングファストボール144キロが外れて鈴木に四球を与える

西川は、51球目、アウトハイ(左打者のインハイ)のカットボール135キロを打って右飛

小川は、57球目、インハイにストレート144キロが外れて磯村に四球を与える。

田中広輔は、59球目、インコース(左打者のアウトコース)ベルトの高さのシュート139キロを打って遊併打

4回表

小川は、60球目、真ん中低目にチェンジアップ130キロをワンバウンドさせる。

安部は、64球目、真ん中のシュート141キロを打って中飛

山口翔は、69球目、真ん中のストレート145キロを空振り三振

野間は、71球目、真ん中高目のカーブを打って左中間に二塁打

小川は、73球目、アウトローにスライダー131キロをワンバウンドさせる。

菊池涼介は、74球目、アウトコースベルトの高さのカットボール139キロを打って左前安打
広島4-0ヤクルト

バティスタは、77球目、アウトコースベルトの高さのカットボール139キロを打って遊ゴロ

5回表

小川は、81球目、アウトローにフォーク129キロをワンバウンドさせる。

小川は、83球目、インローにシュート143キロが外れ、鈴木に四球を与える

西川は、86球目、真ん中低目のチェンジアップ130キロを打って左前安打

無死一三塁、磯村は、90球目、インコースベルトの高さのシュート143キロを打って遊飛

田中広輔は、94球目、インロー(右打者のアウトロー)のチェンジアップ130キロを打って右前安打
広島5-0ヤクルト

一死一三塁、小窪は、2球目、真ん中のスライダー134キロを打って左翼線に二塁打
広島6-0ヤクルト

一死二三塁、久保は、6球目、リリースの瞬間までに左足小指を支点に左膝が真下に落ち、左足踵が地面を離れ一塁側に倒れる。リリースの瞬間、右足は、スパイクの外側の踵を支点にしておりインステップ。右膝は突っ張らず、左腕上腕部が凹み、アウトロー(右打者のインロー)にスライダー115キロをワンバウンドさせる。中村悠平は、これを後逸し、ボールは三塁側ファウルゾーンへ進む。
山口翔は、振り逃げで一塁に出塁
広島7-0ヤクルト

一死一三塁、野間は、7球目、真ん中高目のスライダー120キロを打って三飛

久保は、10球目、アウトロー(右打者のインロー)にスライダーをワンバウンドさせる。

久保は、13球目、アウトロー(右打者のインロー)のストレート142キロが外れ菊池涼介に四球を与える。

バティスタは、18球目、アウトロー(右打者のインロー)のスライダー125キロを空振り三振

6回表

鈴木は、4球目、アウトローのスライダー130キロを空振り三振

西川は、7球目、真ん中のフォーク130キロを打って右中間に二塁打

磯村は、11球目、真ん中低目のフォーク134キロを打って中前安打

田中広輔は、15球目、真ん中のカーブ116キロを打って中堅壁に本塁打
広島10-0ヤクルト

小窪は、16球目、真ん中のストレート140キロを打って中飛

山口翔は、20球目、アウトコースベルトの高さのストレート142キロを見逃し三振

7回表

野間は、25球目、真ん中低目のフォーク137キロを打って一ゴロ

風張は、26球目、アウトローにスライダー131キロをワンバウンドさせる。

風張は、27球目、アウトローにスライダー129キロをワンバウンドさせる。

風張は、30球目、真ん中高目のストレート144キロが外れて菊池涼介に四球を与える。

バティスタは、35球目、アウトコースベルトの高さのスライダー128キロを打って右前安打

風張は、42球目、アウトコースベルトの高さのスライダー129キロが外れて鈴木に四球を与える

一死満塁、西川は、43球目、インロー(左打者のアウトロー)のストレート140キロを打って一ゴロ
広島11-0ヤクルト

磯村は、51球目、アウトローのフォーク137キロを打って三ゴロ

8回表

田中広輔は、2球目、真ん中低目のストレートを打って一ゴロ

小窪は、5球目、アウトハイのスライダーを打って二飛

松山は、8球目、真ん中低目のストレートを打って右飛

9回表

野間は、12球目、アウトハイのストレート121キロを打って左飛

坂倉は、15球目、真ん中低目のチェンジアップ121キロを打って遊撃内野安打

バティスタは、18球目、アウトコースベルトの高さのスライダー112キロを打って左翼席に本塁打
広島13-0ヤクルト

曽根は、23球目、真ん中低目のカーブ108キロを見逃し三振

西川は、30球目、真ん中低目のカーブを打って左飛