ヤクルトの小川泰弘が内腹斜筋の故障から復帰後は、秋吉の故障もあって、抑えに配置転換されました。
内腹斜筋は、肋骨部から骨盤部へと走行し、体幹を前屈・側屈・同側回旋を主に誘導します。
内腹斜筋を痛めると、球数が放れません。
三角筋の可動域を拡げるトレーニングをして、胸の張りを作れば、
背筋、内斜筋を消耗することなく再び球数を放ることができるかもしれません。
しかし、今からそれをやっていたら今シーズンは終わってしまいます。
大瀬良は、肩の故障ですが、大瀬良は、先発で結果は出しているけれども、
フィジカル上、球数を放る先発よりも少ない球数しか投げないリリーフに輝けるというのと同じ理由で、
真中監督や伊藤智仁コーチは、小川を配置転換したのだと思います。
打者が差されるか、フルスイングしてボールのバックスピンに負けないかは、
体重よりも瞬発力です。
投手は下半身主導で手元で初速と終速に差のない球を投げられるかです。
手首や肘に負荷がかかって始動が遅れれば、
瞬発力をインパクトまでに使い切ってしまい、
バットの軌道が加速する前に
瞬発力の失速が抑えられているボールに負けて差されしまいます。
差されるのは腕力がないからでもなく、スイングスピードが遅いからではなく、
始動の遅れです。
鈴木誠也はプロ入り当初に比べ、随分と手のマメが減り、マメができるということは、
未だ、インパクトの前までに手首に負荷がかかってしまっているのです。
投手で重要なのは、球速表示ではなく、初速と終速の差がない、体感速度の速いことです。
筆者は、体感速度の速い投手をタフな投手と呼んでいます。
そうしてみると、現状では、小川よりもルーキ、近藤の方がタフな投手だと言えるでしょう。
上位打線が回ってくる8回に最もタフな投手であるルーキが適切だと思います。
総合力ではヤクルトでナンバーワンの投手なので、小川のクローザー転向は間違いだとは思いません。
フィジカル面を考え併せると、
ベンチワークという面では、野村克也氏よりも、真中監督、伊藤智仁コーチの方が現場で見ているというのもありますが、
進歩した野球を学んでいると言えるでしょう。
リリーフ陣の配置という問題は、広島にとっても無関係な問題ではありません。
広島の監督、コーチも、工藤監督、落合前監督のブレーンであった森繫和監督、真中監督、伊藤智仁コーチを始め、
他球団の監督、コーチから学ぶことも多いのです。
又吉はタフな投手かというとそうではありませんが、上記の監督、コーチは、先発できなかった投手をリリーフに据えるということを
していません。
小川のクローザーの転向が失敗だったのではなく、小川に37球を投げさせてしまったことが失敗だったのです。
40球前後投げさせてしまえば、フィジカル上は、先発をさせたのと変わりません。
少なくとも中4日程度開けなければなりません。
連投が可能かどうかの基準の一つとなるのは、イニング数ではなく球数です。
古くから野球を見てきたファンの方は、ロングリリーフのできる投手を有難がりますが、
一軍選手枠の無駄使いです。
岡本和真は、入ってきたときは、オープンスタンス。
オープンスタンスは、体を開いて立つので、投手の球が遅く見えます。
オープンスタンスで打つということでは、スクエアスタンスだとインコースのベルトより上が差されるから
目線に近い体感速度の速い球に限界があるから、オープンスタンスにしている。
オープンスタンスで立っている選手は、スクエアで立つ選手にふるい落とされているのです。
プロ入りの段階で、将来、大成するのはどちらかと言えば、スクエアスタンスで立つ選手です。
筒香はオープンスタンスですが、開いた後に一塁に走る左打者です。
坂本、山田哲人、柳田(柳田のみ左打者)は、いずれもスクエアスタンスです。
岡本は、一時期、スクエアスタンスにしましたが、すぐにオープンスタンスに戻しました。
岡本の打撃を見ると、ボールを待つときに膝が十分に使い切れていない。
始動のときに手首に負荷がかかっています。
上げた足を下してステップするときに左足で弧を描くことがあります。
これでは、インコースより上の球は差されます。
坂本も山田も弧を描くときはインハイに差されます。
当たってもトップスピン(ドライブ)がかかってしまいます。
トップを深くして
体の中心線より前でボールを捕える打者で、
下半身の回転で作った瞬発力をバットに伝え、
左手主導でヘッドを加速させていく。
ボールの軌道に水平に当て、ストロークはホームラン打者よりも短い。
プロでは、ホームラン打者というよりは、松山のような中距離打者になっていくのではないでしょうか。
いずれにしても、現状では、一軍でコンスタントに起用されてコンスタントに打てる選手ではありません。
ファームは、一軍経験のある選手にとって、フィニカル面の動き、技術面の確認作業をする場です。
ファームでの成績が良くても年俸は上がりませんし、一軍で成績、内容を残せなければ、いくらファームの数値が良くても
自由契約になります。
これから這い上がって一軍に上がらなければならない若手以外は、体近くに投げてきません。
実際、広島の選手も、ファームでは、吉見や八木を打っていますが、一軍では打てていません。
ファームの成績や比率はほとんど参考になりません。
ファームの成績や指標を見たり、ライターやブロガーの記事を100読むぐらいなら、
ファームの一打席でも見た方がはるかに多くのことがわかります。
プロの専門家は、ファームの成績を重視しません。
ファームでの成績や各指標が悪くても一軍に昇格する選手もいます。
一軍に昇格されない、一軍の試合で使ってもらえないということは、
専門家である監督、コーチは、その選手がフィジカル面、技術面で一軍レベルに達していないと評価しているのです。
他球団から見て、生え抜きの投では菅野、田口、マイコラス、Mathison、高木勇人、宮國、西村、打では、長野、坂本、阿部、亀井、守では小林誠司の方が移籍組(マギー、村田を除く)や若手選手と比べ、技術面で大きく抜けています。
高橋由伸監督は、現状採れる策の中で、最善の策を採っています。
プロの監督、コーチ、否、リトルやシニアの監督でさえも、
素人よりもはるかに、野球を知っていますので、素人よりも選手を見切るのは早いです。
特にセンターラインのセカンド、センターでとっかえひっかえ起用されている選手に言えることですが、
若手を継続して起用しないのは、その若手が起用し続けても坂本レベルにはならないと評価されているということです。
せめて、一芸に秀でた選手にでもなってくれれば程度の評価なんです。
広島東洋カープを見ても、堂林や野間は継続して起用されません。
何故、若手の育成に舵を採らないのかと責めることは、短絡的と言えるでしょう。
[追記]
>コメント有難うございました。
[追記]
4本とも引っ張ることができましたし、今日からは、足を上げる打法に戻すのではないでしょうか。
尤も、反動を付けなくても本塁打は打てますので、昨年までのように骨盤よりも高く足を上げるということはしないと思います。
足を上げる高さは、骨盤より下に留めると思います。
[追記]
鈴木誠也は、第一打席、第二打席は、左足のつま先を浮かせてから着地するノーステップに準ずる打法、第三、第四打席は、つま先を立たせて打つノーステップ打法でいずれも、レフト方向に4安打を打ちました。
テイクバックの際に左膝を内側にツイストしてから外旋して打っています。
足の上げ下げがないので、トップを遅れること、始動が遅れることが少なくなると言われますが、手首を動かしてボールを待ってしまえば、ノーステップでもトップを作ることが遅くなること、始動が遅れることもあります。
また、左膝がロックされているので、腕だけを移動し、腕が伸び切って、トップが遅れるのではないでしょうか。
インパクトのときに左膝が伸びてしまうのは差されてしまっているので、論外ですが、逆に、ノーステップ打法は、左膝がロックされてしまいますので、インパクトの前に瞬発力が消耗し、打球が伸びません。
ミートのときに左膝頭が左足くるぶしの上に乗せるぐらいに左膝が曲がっていなければなりません。
ノーステップ打法は、後ろが小さくなってストロークが短くなりますので、ヘッドが十分に加速していきませんので打球が飛びません。
このようなデメリットがありますので、かつてトライした岩本もノーステップ打法をすぐにやめてしまいました。
鈴木誠也の場合、骨盤より低い高さから、左股関節から下に負荷をかけずに、スライドステップを左足で
弧を描かずにして、着地してインパクトのときに左膝頭が左足くるぶしの上に乗せるぐらいに左膝が曲がっているのが、頭も上下にブレず、トップを入れるのも、始動も遅れず、打球も失速しないので、個人的には最も良いと思います。
体が前に出されるのを防止するのであれば、ノーステップ云々よりも後ろの膝が伸びてしまわずに、テイクバックからインパクトまで緩く曲がっていることが重要だと思います。