Last Updated on 2020年11月11日 by wpmaster
ヤクルト高津は、奥川のプロ初登板の相手を広島打線にした。奥川は、広島打線を噛ませ犬にすることができるか。
結果は、奥川が打者一巡目でボコられ、アウト6つを取って降板。それでは、奥川の現段階の投球動作がどのレベルに到達しているのか。
プロ初登板奥川恭伸のピッチング
奥川は、1球目、セットアップのとき、前肩をややオープンにする。右足のスパイクの外側にウェイトをかける。右肘は鋭角に曲げる。右足小指球、左足スパイクの内側、右足踵の順で地面を蹴る。右股関節を外旋する。左膝は肋骨の下まで上げる。背骨が一塁側に反る。左膝を下ろすとき左足踵を右膝に付ける。右腕を骨盤の横に持ってきたとき、右足のスパイクの外側で地面を蹴り、左膝、左肘は踏み出していない。右肘をつまみ上げたとき、左膝を鋭角に曲げ、左肘、左膝が前に出るのを抑止している。リリースの瞬間、右腕上腕部が凹む。左膝は突っ張らない。背骨と右腕の交わり、手首、指先の高さがオーバーハンド、コッキングの角度がスリークォーター。、広島の投手に例えると、右肘をつまみ上げるまでは、大瀬良、1回目に右腕上腕部を外旋してからは野村祐輔。野村祐輔の方が左足がインステップの程度が大きく、左足の着地位置の探りが長いという「程度の差」はある。野村祐輔は、奥川が右足拇指球にウェイトが移ったときに右足小指球を地面に引っ掛けて後ろの股関節の外旋を残し、2回目の右腕樹腕部の外旋のときに、右肩関節を残している(両肩甲骨が接近する)分、野村祐輔の方が一塁側へのタンブルが大きい。奥川の方が右股関節の外旋が解けるのが早いのは、奥川の方が左膝を高く上げているからである。
奥川は、20球目、セットアップのとき、前肩をスクエアにする。右肘は垂直より若干緩く曲がる。右足スパイクの外側にウェイトをかける。右足小指球、左足スパイクの内側、右足踵の順で地面を蹴る。右股関節を外旋する。左腕前腕部がヘソの方に動く。左足スパイクの外側で二塁ベース方向に蹴り、左膝下を二塁ベース方向に振ったとき、右膝が右足つま先の前に出る。右足小指球にウェイトがかかる。右腕は骨盤のやや手前で止めるが左腕上腕部がヘソに覆いかぶさる。右肘を逆Lにしたとき、右足のスパイクの内側にウェイトが移る。両肩が緩くM字になる。左膝は一岡のように、鋭角に曲げている。右肘をつまみ上げたときに左腕前腕部の回内が解ける。一回目の右腕上腕部の外旋の直後に右足拇指球にウェイトが移る。背骨が直立する。骨盤の回転は縦回転である。2回目の右腕上腕部の外旋後のレイバックは大きくなく、右腕は楕円運動を行う。右腕前腕部の回内から回外の切り替わるところで右腕上腕部が凹む。右腕前腕部の回内から回外の切り替わるの同期して左膝で地面を蹴り、左膝が突っ張る。アウトローにフォークをワンバウンドさせる。
総評
奥川は、後ろの股関節を外旋してから前足で地面を蹴って、ゆったりと手首を耳の高さまで持っていければ、攻略できる。打者は、前肩が背骨の方に入ると、両肩が水平になり、手首も耳の高さまで持ってこれない。故に振り下ろせない。
奥川は、前足で地面を蹴ってから右股関節を外旋、前肩が背骨の方に入る、ドアスイングの堂林、髙橋大樹から空振り三振を奪った。長野はトップポジションに到達する前にスイングしてヘッドが手首のラインより下がってヘッドアップ。
右投手は、1回目の右腕前腕部の回内のときに、右手の人差し指、中指に、2回目の右腕上腕部の外旋のときに右手の親指に、2回目の右腕前腕部の回内のときに、右手人差し指、中指に「しなり」を作る。
坂倉、松山もドアスイングであるが、奥川は前足首の背屈が遅れた分、指先のしなりを作れず、坂倉、松山は、上からは振れていないが、奥川は両者に、投手方向に小指を向けてスイングされ、ヘッドに手首のラインを越えさせて打たれた。
奥川は、2回目の右腕上腕部を外旋して後ろの肩関節を残す間が作れていないから、骨盤の縦回転が右腕の斜めの楕円有働に先行すると、インハイに外れる投手と人差し指、中指がしならないのは同じだが、親指もしならないからインコースに投げるとボールを引っ掛ける。
奥川は、セットアップのときのウェイトのかけ方を変えると、右足の股関節を外旋して始動することができる。両腕を解く前のフォークを投げるときとフォーシームを投げるときで右肘の動きが異なる。左膝を骨盤の高さまでに留めると、「く」の字のときに右膝が右足つま先の前に出なくなる。そうすれば、右肘をつまみ上げてからの動作をゆったりと行う間ができる。2回目に右腕上腕部を外旋して右肘を出す前に前膝で地面を蹴れる。
しかしながら、現段階でも遠藤よりも奥川の方が、投球動作、ボールの軌道そのものも上であると言える。奥川は、2シーズン目は、今季の戸郷よりも防御率を良くすることができ得る。