2019広島vs日本ハム3回戦貧打により延長12回引き分け

古い人間であると自負することは進歩を拒むことである。
私は新しいことを学べるのであれば若い人に進んで頭を下げる。

山口翔のピッチング

山口翔は、骨盤の前傾がタイトで大腿骨のヒッチアップがなく右肘をつまみ上げたときに右足の拇指球を支点に右膝が内に入り始める(後ろ体重)。左手は親指が上なので左肩が開き、右肩を左肩がぶつからない。しかし、横尾はモロにドアスイングで顎が上がり差されている。この打ち損じが犠飛となる。

山口翔は中村祐太よりもテイクバックのときに右肩を下げ上体と下半身の捻転差が小さい分、結果を残すと思う。

山口翔の場合、リリースの瞬間に右腕上腕が凹んで投球をワンバウンドさせて1回に進塁を許した場面、中田翔を三振に取った場面、3回裏に西川にフォークをワンバウンドさせた場面がフィジカル面、手投げという技術面で気になった。

レグナルト、フランスアも左足のターンと上体のタンブルはできていてもリリースする前までは手投げで肘が上がっていかず、左腕上腕部が凹んでワンバウンドさせて三振を取っているのが気になった。

王に打たれたフランスアの投球は、左肘をつまみ上げて両肩甲骨をぶつけたときに、左足が後ろ体重(拇指球の後ろに踵がくること)になりかかり左膝が内に入りかかっている。右足はスパイクの内側の拇指球寄りから着地している。左足のターンが遠回りした結果右足の壁が出来てフォロースルー期に両足がクロスしているだけで手投げであることに変わりはない。

故に王はレベルスイングで右肘を抜いて押し手で運ぶ距離を伸ばしているが差されなかった。

広島は勝ち越された後、フランスアを登板させ同点に追いつかれる。レグナルト、フランスアは回跨ぎで23球、35球。フランスアを連投させることができなくなったという面で広島の方にフィジカル面でのダメージの残る試合となった。

事実上の敗北の敗因はリードを守れなかったリリーフ投手ではなく打線の方である。

日本ハム投手陣のピッチング

加藤貴之は、左股関節を外旋し二度レッグアップする二段モーション。アーム式で右肩関節の外転のレンジが狭いから左肘が上がっていかない腰投げの投手。左足はスパイクの外側から着地する。故に両股関節をぶつけると右足がO脚になる。打ち崩すのは難しい投手ではない。

一塁牽制はプレートから左足を外さずに左足を三塁側に引いて左肩の方に体軸を左肩の方に回転させトップを作って右足を蹴って一塁方向に向ける。

浦野は、スパイクの外側の踵に重心をかけて右股関節を外旋してレッグアップする。左足を三塁側に蹴ってから右膝を内旋して左膝を内に入れる。「く」の字を作ったときに骨盤が滑り右股関節の外旋が足りない。右肘をつまみ上げたときに右足はスパイクの外側でエッジをかけ、左足は踵を上にして左膝下を「く」の字にして着地位置を探る。左手は小指が下で左肩が内旋できている。左足はスパイクの内側から着地する。フォロースルー期に左膝が曲がり左足の壁が崩れる。

玉井は、右足の小指球に重心をかけ右股関節を外旋して左膝をレッグアップする。
「く」の字を作ったときに、左足内転筋の内旋はしているが、骨盤が滑り右股関節の外旋が足りていない。右足の踵が地面から離れ小指球を支点に右膝が内に入る。
テイクバックのときに右肩を左肩よりもわずかに下げる。右腕は骨盤の横まで引き上体と下半身の捻転差は標準レベルである。
右肘をつまみ上げたとき、右足の拇指球を支点に右膝が内に入る(後ろ体重)。両肩甲骨がわずかにぶつかるが左手は親指が上で左肩は内旋しているが左肩が開く。右腕上腕部を外旋してトップを作る過程で左膝も開く。

吉田侑樹は、右足の拇指球に重心をかけ右股関節を外旋してレッグアップ、2回目のレッグアップのときも右股関節を外旋する。
「く」の字を作ったとき、左足内転筋を内旋し右足のスパイクの外側でエッジをかけているが右膝が内に入り、骨盤が滑る。左手は親指が上になっている。
アーム式で右肘をつまみ上げ両肩甲骨はぶつかるが、右足はインエッジで右膝が内に入る。左肩、左膝が開く。左足はスパイクの内側から着地する。リリースの瞬間、右腕上腕部が凹むことがある。

広島打線のバッティング

始動には打撃の動作の始動(レッグアップ)とスイングの始動(スイング直前の手首の位置を作る過程)とがある。
野間は、どちらの始動も早いのではなくどちらの始動も遅い。

打撃動作の始動が遅いから探りのときに左足のスパイクの外側に重心を乗せる間がない。ブレーキのかからない踵体重になる。

レッグアップのタイミングは相手投手の踏み出す足の着地から投げる方の肘の出までの間によって若干異なるが、概ね日本人は投手が前膝を上げたとき、外国人は投手の前足の着地位置の探りのときに前膝を上げる。外国人は前膝を上げるのが日本人の打者よりも遅く日本人ほど高く上げない。前膝を高く上げれば上げるほどスパイクの外側に重心がかかる。日本人は骨盤の高さまで、外個人は前足を軽く浮かせる程度前膝を上げる)。トップ(振る直前の手首の位置)も固めない。しかし左膝を上げたときに(又は上げる前)手首の位置を下げ探りのときに前肩を下げ手首の位置を上げる(ヒッチ)、後ろの肘をヘッドの外側に張り出して後ろの脇を空けることでスパイクの外側に重心を乗せる。

外国人はヒッチでステイバックすることで波動を作り、トップが緩く間が短くても振り遅れないのは押し手の脇が空いているから右肘が素早く出るからである。これはピッチングのオーバーハンドの方がサイドハンドより投げる方の肘が早く出るのと同じである。
脇を締めるのはミートする瞬間で、日本人の指導者は「脇を締めろ」を誤解しているのだ。

後ろの足のスパイクの外側に重心が乗らないと押し手の肘がヘッドの外に張り出す打者(鈴木誠也、長野)は前肩、前肘(引手)が内側に入って頭が骨盤の中心より前に出される。
前肩が内に入ると押し手の推進より先に前肩を開かないと押し手が前に出ていかないのである。

ヘッドの内側に押し手の肘が入る打者(野間、西川龍馬、田中広輔、安部、バティスタ)は引手の肘が投手側に張り出してしまう。

左足の内側の踝が前に倒れるのと同期(シンクロ)して右足のストライドが広がる。ステップと左手首の推進が同期してヘッドが遅れて出る。

打撃動作の始動が遅いから両股関節をぶつけて右足に軸足を前に移す間がない。ミートの瞬間に右足を軸に左足を蹴ることができずに左足を軸に骨盤を回転させてしまう。

探りのときに後ろ足のスパイクの外側に重心をかけてヘッドが止まった場合はボールを見極めたことになるが、後ろ足の内踝が前に倒れてストライド(ステップ幅)が広がってヘッドが止まった場合は、”ヘッドが出なかった” 待球できなかった。

鈴木誠也も野間も西川も押し手の親指と人差指でグリップをつまんで中指から小指までとグリップの間に隙間を作っているので、探りのときに後ろ足のスパイクの外側に重心が乗るときは、ミートの直前に押し手の親指でグリップを押し込みヘッドがボールの外側に入り、ミートの瞬間、背後から見ると手の甲がL字型に曲がり押し手の人差し指でボールを、左手を受けることができている。ヘッドをボールに引っ掛けることもできれば縦に擦り下ろしてヘッドをボールの下に潜らせることもできる。

ファウルというのはストライドを広げ後ろ足を軸に骨盤を回しドアスイングでヘッドをボールの内側に入れて打つ。ヘッドを寝かせて打つレベルスイングもドアスイングに近い。ヘッドをボールの内側に入れるとミートの瞬間に押し手の手の甲から指先までが真っすぐに伸びて手首の位置が下がり押し手の手の平でボールを受けてしまう。手の平で受けると差されたりヘッドアップしてしまう。

ファウルにできるということはヒットにできるボールである。ファウルを連発した後、甘い球がくるというのは実体のない観念。ヒットは打てる内に打った方がいい。早いカウントから失速の少ない高目を振ってステイバック(スパイクの外側に重心をかける)のボールの軌道とヘッドの距離、タイミングを把握しゾーン内、コーナーぎりぎりに来たら仕留めることが重要。打撃を崩すことなく打撃が安定する。

4月にチーム全体が打てなくて5月に打てたのは4月がステイバックできていなかったが、5月はステイバックが出来ていたからである。交流戦に入ってパリーグのパワーピッチャーと当たって始動が遅れてステイバックができなくなったのが再び貧打線になったことが原因である。引き付けられずにストライドが広がるから遅い球もフルスイングができないのである。
読み云々とかは関係ない。

メヒアを上げろ、髙橋大樹を上げろ、林を上げろという意見が素人から出てきたが、彼らはヘッドが寝るドアスイングだから一軍の投手は打てない。緒方の方が東出や迎よりずっと打撃に詳しいのである。新井宏昌との対立の原因の一つとして、「ボールの内側を打て(レベルスング)」(新井、野村謙二郎、東出、石井琢朗何れも右投げ左打ち)、「ボールの外側を打て」(緒方孝市、前田智徳。緒方は右投げ右打ち。前田は引っ張り専門でヘッドが寝るのを嫌う)という打撃のアプローチの相違もあったのではないか。