2018広島vs巨人6回戦。山口俊から2安打しか打てずに完封される。

マウンドの傾斜、硬さと投球動作の相関関係

山口俊は、左足の着地は、拇指球から着地し、回転軸の一塁側の傾きが小さいスリークウォーター。

中村祐太は、左足の着地は、踵から着地するオーバースロー。

中村恭平、カンポス、アドゥワ、長井も、左足の着地は、踵からするオーバースロー。

宇都宮清原球場は、ホームベースからバックネットまでの距離が長く、マツダスタジアムやドーム球場に比べると、傾斜が緩い。

マウンドの土も砂が多く、柔らかい。

マウンドの土は、どのような土を使えとは規定されていない。

マウンドの高さと傾斜は、ルール上、統一されているが、実際には、遵守されていない。

マウンドの土が硬ければ、球数を投げるにつれて、マウンドの土が掘れ、修復しにくい。

中村祐太のように踏み出す足を踵から着地する投手の方がマウンドの土が掘れる。

オーバースローの投手にとって、マウンドの傾斜が大きく、マウンドの土が硬ければ有利なのだ。

しかし、マウンドの土が柔らかければ、踵着地によって地面が掘れないし、更に掘れたとしても投球により掘れた地面の修復がしやすい。

マウンドが柔らかいと、投手は、投球の直前又は合間に、マウンドの傾斜を大きく修正することができないのだ。

清原球場のグラウンドコンディションは、山口俊のような投手には不利にならないが、中村祐太のような投手には不利なのである。

オーバースローの投手は、プレートの一塁寄りを踏んでも、胸の張りを大きくしても、他の球場に比べ、打者有利にシフトする。

左膝の打撲と投球動作の相関関係

初回、先頭の坂本は、中村祐太が投じた6球目のアウトハイのスライダー120キローをピッチャー返し。

中村祐太は、坂本の打球をワンバウンドで左膝の内側に受け、担架で運ばれて治療後にマウンドに再び上がる。

復帰直後の投球練習では、フィニッシュで左膝の壁が崩れている。

試合が再開すると、中村祐太は、吉川尚輝の1,4球目に、左膝をゆっくりと蹴り伸ばして右足を一塁側にターンして右腕のフォロースルーを行っていたが、初球は、左膝の壁が崩れる。

中村祐太は、ゲレーロのところでは、左膝を蹴り伸ばすことができなくなる。

左股関節が前に出るのを抑えられないから、ボールに瞬発力が乗り切らない。

しかし、中村祐太は、17球目、23球目、左膝を蹴り伸ばして右足を一塁側にターンさせてフォロースルー。

アウトローのストレート135キロで、ゲレーロを一飛に打ち取る。

中村祐太は、22球目にアウトローのフォークボールをワンバウンドさせて暴投、一死二、三塁になる。

阿部には、ストレート137キロがインコースベルトの高さに外れて四球。

岡本は、真ん中高目のストレート133キロを打って三塁線のゴロ。

5-4-3と送球が転送されるが、一塁はセーフ、併殺崩れの間に巨人が1点先制。

中村祐太は、34球目、左膝を蹴り伸ばして右足を一塁側にターンさせてフォロースルー。

亀井は、インハイ(亀井から見ればアウトハイ)のストレート144キロをピッチャー返し。

中村祐太は、グラブで弾くが一塁送球してアウト。

初回、34球を要しながら、1点で凌ぐ。

中村祐太は、1回裏の岡本のところから、再び、左膝を蹴り伸ばして右足を一塁側にターンできるようになったが、球数を投げるにつれ、57球目(3回裏)辺りから再び(59、61球目を除き)、次第に右足のターンが途中で止まるようになる。

中村祐太は、登板前日にブルペン入りしていたのを、大多数の投手と同じく登板2日前にブルペン入りし、登板前日はキャッチボールのみとした。

中村祐太は、右肩の故障歴があり、この試合も右肩が凹んで低目にボールをワンバウンドさせ(21,22,38球目。)、右肩の損耗しているが、下半身を使って投げられないので、それをごまかせない。

ピッチングは、フットファーストだと、トップを作る過程で左膝が割れるので、また、ヒップファーストが極端であると、左足を着地したときに左膝、左内転筋が内に入り、左膝が蹴れないので瞬発力が逃げる。

ヒップファーストがタイトだと、着地したときに、左膝と左内転筋が内に入り左膝に負荷がかかるので、フットファーストでステップせざるを得ない。

中村祐太は、左膝を蹴り伸ばして左股関節が前に出ることを抑止することで、右腕を内側に捻りボールを小指の腹から切って投げれ、球持ちも長いので、カットボールのように失速の少ないストレートが投げられる。

中村祐太のストレートは、球速表示以上に打者は速く感じられる。

しかし、マウンドのコンディションと打球を受けたことが原因で球持ちが短くなったことで、瞬発力がボールに乗らなかった。

吉川尚輝には、左肘先行のインサイドアウトで、57球目の真ん中のスライダーをセンター前に打たれる。

高目の球は、顔から近いので瞬発力がボールに乗っていれば、打者は差される。

しかし、ゲレーロ一邪飛、阿部遊飛の後、岡本には、64球目の真ん中高目のスライダーをヘッドを残してライト前に打たれる。

亀井には、66球目のインハストレート、長野には、アウトローのスライダーを壁を作って打たれたが、三塁側に重心が残って瞬発力がボールに乗っていないから、亀井、長野の始動を遅らせることができなかった。

亀井のヒットで1点追加の後、亀井のヒットを捕球した松山の三塁送球が逸れて打者走者の亀井が二塁に進塁していたので、長野の単打で2者生還。

広島0-4巨人。

マウンドのせいにするなって?

否、していいよ。

投球のメカニズムってそれだけ繊細なんだ。

メジャーのようにマウンドの傾斜が大きく、硬ければ、スパイクの内側から着地して左膝と左肘を並進するのも理解できるが、マウンドの傾斜が緩い、柔らかい球場でそれをやると、インサイドアウトの腕の振りで縦回転の回転数の多いオーバースローのメリットが損なわれてしまう。

ビハインドの展開で登板したピッチャーのピッチング

5回裏に登板した中村恭平は、トップを作ったときに、左肘が凹んで、左肘の出が下半身の回転よりも遅れて出る。

中村恭平は、右足を着地したときに、右足のスパイクの外側が滑り、右足の位置がズレる。

中村恭平は、亀井をアウトコースのベルトの高さの真っすぐ140キロで空振り三振。

先頭長野がシュート回転した真ん中ストレートを中前安打される。

小林は、インハイのストレート136キロに左肘を抜くが、ヘッドが返らずに止まり四球。

山口俊は、真ん中低目ストレート138キロに、左足の踵に重心がかかり3バント失敗。

二死一、二塁から、坂本は、アウトロー(坂本から見ればインロー)のストレート142キロをステイバックのときに頭が後ろの骨盤の上に乗せ、ヘッドを立てたまま振り下ろし始め、グリップ先行のインサイドアウトでスイング、三遊間を破る。

広島0-5巨人

6回裏に登板したカンポスは、左膝の割れは、右肘が推進した後だけど、右足を一塁側にターンする際には、左膝が伸びるが、Matheison同様、フォロースルーの過程で左膝の壁が崩れることがある。

左股関節が前に出されてしまうのだ。

よってトップの位置が安定せず、高目に外れたり、低目にワンバウンドをさせていたが、アウトローのカットボール系の球で阿部を併殺に取って凌いだ。

しかし、亀井に投げたスライダーは、シュート回転した。

カンポスは、胸の張りが大きいので、トップの位置が高いときは、高目も低目も縦回転で失速の少ない真っすぐである。

高目の真っすぐでファウルを打たせてカウントを稼ぐことができる。

ゲレーロ、阿部、岡本、亀井も、フェアゾーン、ファウルゾーンに飛んだ打球は共に前の膝又は両膝が伸びて差されている。

アウトハイに外れた球は失速が少ない。

インハイに外れた球はシュート回転だが、顔に近い分、打者が振ってくれ得るが、低目にワンバウンドは良くない。

7回裏に登板したアドゥワ誠は、三塁側に重心が残り、この試合は、あまり下半身を使って投げられていなかった。

長井は、38球中、右足を一塁側にターンしてフォロースルーを行っていたのが、4球。

それ以外の投球は、左肩、左膝の割れが、右肘の出よりも早いので、左膝の壁が崩れて、右足を三塁側に着地している。

すなわち、ストレートも変化球も、下半身を使えていない手投げで、右腕を振り切れていないということ。

岡本は、長井の投じた真ん中高目のストレートをレフトスタンドに3ラン本塁打。

岡本は、手首をコックさせながらタイミングを測り、ステイバックを大きく取って、ステイバックのときに頭が後ろの骨盤に乗り、ヘッドが立って右肘先行のインサイドアウトでスイング。

インパクトのときに上体が反らなくなった。

岡本は、スイングの結果ボールが長く見れている。

この試合の長井は、3点取られたが、実績のある坂本、ゲレーロ、長野からアウトを奪い敗戦処理の仕事を完結した。

二軍のレベルの低いところで、抑えても成長しない。

長井は、貯金が2桁ある今の内に、暫くは、一軍で投げさせ続けろ(球数を投げた関係上、連投は無理だけどな)。

山口俊vs広島打線

一方の山口俊の方は、確かに、両手を解いたときに、脱力できていたが、左肩の開きが右腕の出よりも早く、トップの位置も低い。

多くのカープファンが絶賛するほど良くはない。

山口俊は、右肩が凹んで、低目に外れる球が多く、ワンバウンドさせた球は、133球中11球(13,23,27,33,39,44,68,87,98,109,122球目)。

只、要所で右足をターンさせて下を使っただけで、大部分の球は、投げ終わったときに、三塁側に重心が残っている。

鈴木誠也を始め、総じて、頭が前に出されて、カープ打線の打ち方が良くない。

ボールの下で手首を返している。

安部も同じ。

野間は、右投手の投げたインハイ(左打者から見たアウトハイ)を振るのは、失速が少ないので、構わないが、顔から遠いワンバウンドを振ったらダメだ。

この試合の野間は、ステップ幅が広すぎだ。

バティスタ、田中も同じく。

松山は、4回表のヒットは、右膝を上げたときにヒッチして右膝の探りのときにグリップを上げていて、振り下ろしのときに左肩も下がっていないが、アウトハイの真っすぐ145キロ(松山から見るとインハイ)の球をミートしたときに、上体が反っている。

田中が5回表、ヘッドを残して壁を作って、インローのストレート146キロ(田中から見れば顔から遠いアウトロー)を打ったのが、唯一のまともな当たり。

各打者は、実戦の中で、次の試合の最終打席までに、打撃をどう立て直していくかだ。

歩きながらのティー、緩い球を打つロングティーでステイバックの調整だ。

試合データ

6回戦 2018年5月22日 18:00 宇都宮清原

試合時間 3時間20分

勝利投手 山口俊 4勝3敗

敗戦投手 中村祐太 3勝2敗

捕手(広)會澤ー坂倉(8回裏)

捕手(巨)小林

本塁打 岡本 9号(8回裏 長井)

盗塁 吉川尚輝1 長野1

失策 松山 1

対戦成績 広島4勝2敗