Last Updated on 2024年5月6日 by wpmaster
昨シーズンの筒香は、開幕直後は、数字が上がらず、13試合で1打点、初本塁打は、91打席目。
それでも、6月に入ってから徐々に数字を上げ、8月には、月間MVP。
閉幕まで爆発することはありませんでしたが、本塁打王、打点王の二冠を獲った2016年より数字を落としたもの、最終的には、.284 28本 94打点と持ち直しました。
カープも、8月22日の筒香、ロペス、宮﨑の3連発を始め、終盤は、相当やられてしまいました。
2018年も、セリーグで最も優れた打者の一人である筒香を抑えないことには、3連覇は難しくなるでしょう。
カープの打者にとって、ロペスと共に避けては通れない打者の一人です。
Contents
筒香嘉智のバッティング
筒香は、大瀬良が右足を上げたときに、右足で地面を踏みます。
シンクロ打法です。
筒香は、大瀬良が重心を落とし、右腕を内旋したときに、右足を上げ始めます。
右足の上げ下げの幅が小さい割に、同じく前足の上げ下げの幅の小さい外国人選手に比べると1本足で立つのが早い。
これも近めの球に対処する工夫です。
スイングの結果、ボールを長く見れます。
左足は、スパイクの内側でエッジをかけ、拇指球も踵も浮いていません。
足裏全体に重心がかかっています。
筒香は、右膝の高さがMaxのときでも、骨盤よりも大分下までしか挙げません。
右足は、足の上げ下げというよりは、ほとんど踏むだけです。
これも近めの球に対処する方法の一つなのでしょう。
グリップの位置も殆どず、ヒッチの幅も殆どありません。
筒香は、右足で地面に着地する位置を探ります。
右足はわずかに弧を描きます。
1球1球違う球がくるので中々難しいでしょうが、右くるぶしを投手の方に向けてL字型にステップすると更に近めの球に強くなるでしょう。
脱力して右肩の可動域を拡げ、左脇を空けて体近くの球に対応できるようにしています。
左足が少し頭が前が前に出されています。
2016年のときに比べると、頭が若干前に出される、ここが昨季今一つ彼にしては結果がでなかった原因の一つでしょう。
右膝を投手方向に送ったとき、グリップの位置を上げ、ステイバックしていわゆる、割れを作ります。
筒香は、左足の踵から着地します。グリップの位置も肩より上に上がらず、
トップの角度もキープできています。
左足の内側でエッジをかけていますが、少し踵が浮いて左足を前に運びかかっていますが、踏み留まっています。
筒香は、振り下し始めのとき、左足かかと浮かせ、拇指球付近のスパイクの内側でエッジを架けて左足を前に運んでいきます。
左肩もほとんど上がっていません。
この打席の大瀬良の球は、ハードなコースではありませんが、左足の踵を浮かせてることで、体近くの球にも対処して差されにくくしているのでしょう。
ボールの軌道とほぼ45°にバットを振り下ろし、肘先行のインサイドアウトです。
この打席の筒香のいわゆるヘッドのしなりは(実際にはバットはしなりません)、踵が浮いていた関係であまりありません。
右足の踵で回ることにより、頭は、左足の方の骨盤の上に乗っています。
ミートして運んでいくのに合わせ、右足の踵で回わりながら、右膝を伸ばしていきながら、骨盤を横にずらしながら、うねり上げていきます。
内転筋、太腿の裏を伸ばして、頭が前に出るのを抑止し、両肘を伸ばし、瞬発力を伝えます。右膝を伸ばして壁を作ります。
筒香のフォロースルーは、背中の近くまであります。筒香は、少し壁が崩れています。
大瀬良の左足の膝が曲がり、壁が崩れています。
手投げですので、打たれても仕方がありません。
筒香は、右足の重心を拇指に移していきます。
大瀬良は、三塁側に重心が残っています。
昨季の成績
主要成績
139試合 503-143 .284 28本 94打点
二塁打 31 三塁打0 犠飛 3 四球 93 死球 2 三振 115 併殺 7
盗塁 1 盗塁失敗 0 失策 1
出塁率 .396 長打率 .513 OPS .909
コース別成績
右投手
左投手
右投手がインハイに投げた球は、2016年の10-1 .100 4三振から大幅に改善させた。
右足の踵で回るので、詰まりを活かした、別の見方をすれば、近めの球に差されやすい打法なのだが、
前述のような動作上の工夫があったのだろう。
左投手がアウトハイに投げた球は、2016年14-3 .214 1本 3三振と2年連続で打てていない。
うねり上げる際に骨盤がどうしても横にズレるので、瞬発力がバットに伝わらないのだろう。
それか、頭が前に出されて左肘が伸びてバットが遠回りになりバットの可動域が狭くなるのも関係しているのかもしれない。
球種別成績
ストレート 228-66 .289 14本 64振
スライダー 79-22 .278 4本 21振
シュート 53-15 .283 3本 8振
チェンジアップ 28-12 .429 3本 3振
フォーク 48-11 .229 2本 7振
カットボール 41-9 .220 2本 6振
カーブ 25-8 .320 3振
シンカー 1-0 .000
詰まりを活かす打法なので、失速の少ないカット系は打てていない。
始動が遅れて頭が前に出されることがあるので、フォークもあまり打てていない。
打球方向
左方向 217-43 .198 5本
中方向 181-49 .271 9本
右方向 101-51 .505 14本
極端なオープンスタンスで、腸腰筋、股関節の外旋を遅らせ、外旋の幅が大きくないので、逆方向の打球が多い。
その他成績
2ストライク後の成績 259-48 .185 4本
8回の打率 56-15 .268 1本
得点圏打率 141-46 .326
ビハインド 43-17 .395 1本 16打点
同点 50-16 .320 1本 16打点
リード 48-13 .271 4本 29打点
満塁 6-3 10打点
走者2塁 56-21 2本 15打点
空振り率 8.33% 見逃し率 36.39%
見極め率 79.64%
主な投手との対戦成績
菅野 18-4 .222 5振
マイコラス 9-2 .222 3振
田口 8-2 .250 1点 1振
畠 8-1 .125 1点 5振
大竹 7-3 .429 1点 2振
内海 3-1 .333
山口俊 3-1 .333 1本 2点
吉川光夫 3-1 .333
宮國 1-1 .1000
高木勇人 1-1 .1000 1本 2点
Mathison 6-1 .167 2振
カミネロ 2-1 .500
森福 4-1 .250 2点 1振
西村 3-0 .333 1振
小川 10-3 .300 2点 2振
石川 14-2 .143 2振
ブキャナン 9-4 .444 1本 5点
原 12-6 .500 2本 5点 3振
山中 4-2 .500 1本 2点
星 7-0 .000 1点 1振
オーレンドルフ 4-0 .000 1振
由規 1-1 .1000
石山 2-1 .500
中澤 4-2 .500 3点 1振
山本哲哉 2-2 .1000 1本 1点
近藤 2-1 .500 1本 3点 1振
ルーキ 3-1 .333
秋吉 2-0 .000 1振
大野 13-2 .154 5振
バルデス 13-5 .385 1本 5点 1振
吉見 6-1 .167 3振
小笠原 5-2 .400 1本 2点 1振
鈴木翔太 6-2 .333 2振
笠原 5-1 .200 2振
若松 4-3 .750 1点
柳 2-1 .500 1点
三ツ間 3-2 .667
山井 3-1 .333 1本 1点
伊藤準規 4-1 .250 2点
阿知羅 3-0 .000
岩瀬 2-0 .000
岡田俊哉 1-1 .1000 1点
又吉 6-1 .167 1点 3振
田島 5-1 .200 1振
秋山 11-4 .364 1本 3点 1振
能見 10-5 .500 2本 3点 1振
藤浪 10-2 .200 1本 2点 1振
メッセンジャー 6-0 .000 2振
岩田 6-1 .167 2振
岩貞 6-3 .500 1本 1点 2振
小野 6-1 .167 3振
メンドーサ 3-0 .000
青柳 3-0 .000 1振
石崎 2-1 .500 1本 3点 1振
髙橋聡文 12-1 .083 4振
岩崎 7-2 .286 2本 4点 3振
桑原 2-1 .500 1振
メンデス 2-1 .500 1本 2点
藤川 3-0 .000 1振
松田 2-0 .000
マテオ 2-0 .000
ドリス 3-0 .000 2振
野村 16-6 .375 2本 3点 3振
岡田 10-4 .400 1本 5点
Johnson 9-2 .222 3振
大瀬良 8-2 .250 1本 1点 1振
藪田 5-2 .400
中村祐太 6-4 .667 1本 1点
九里 4-3 .750 2点
加藤 2-1 .500 1振
高橋樹也 6-0 .000 2振
一岡 6-2 .333 2点 3振
中田 2-1 .500
ヘーゲンズ 2-1 .500 1点
ブレイシア 3-1 .333 2点
中﨑 3-0 .000 1振
今村 2-0 .000
Jackson 5-1 .200 1本 1点 1振
菊池雄星 3-1 .333 1振
牧田 1-0 .000
加藤貴之 2-0 .000 2振
斎藤佑樹 2-0 .000
宮西 1-0 .000 1振
チェングァンユウ 2-2 .1000 1本 1点
唐川 3-1 .333 2振
石川歩 3-0 .000 2振
益田 1-0 .000
金子千尋 2-1 .500
松葉 2-2 .1000
黒木 2-1 .500
千賀 3-1 .333 1振
バンデンハーク 3-0 .000 3振
岩嵜 2-0 .000
辛島 1-1 .1000 1本 2点
則本 4-3 .750 1点 1振
カード別成績
巨人 81-20 .247 2本 10打点
ヤクルト 85-26 .306 6本 22打点
中日 90-30 .333 3本 16打点
阪神 97-22 .227 9本 18打点
広島 93-30 .323 6本 19打点
西武 9-1 .111 0本 0打点
日本ハム 7-0 .000 0本 0打点
ロッテ 12-3 .250 1本 1打点
ソフトバンク 11-2 .182 0本 2打点
楽天 11-5 .455 1本 6打点
月別成績
3,4月 91-25 .275 1本 12打点
5月 74-28 .243 3本 9打点
6月 74-23 .311 6本 19打点
7月 77-24 .312 5本 18打点
8月 92-29 .315 7本 23打点
9,10月 95-24 .253 6本 13打点
まとめ
昨季の打撃のプロセス一つ、一つを見ると、ベストのときに比べると、完全には戻っていないのですが、それでも、打席の中で修正して、よりよい結果を出していくところは、カープ投手陣にとって手ごわい相手には、違いありません。
生半可なボールを置きにいったコーナーピッチングでは、抑えられる相手ではありません。
広島の各投手は、脱力してリリースのときに、瞬発力を伝える、下半身が遠回りせずに、膝で壁を作って右足を股関節と同一の方向にターンし切ることで、筒香の頭を前に出させて、前後の懐を崩すピッチングを極めなければならないでしょう。