Last Updated on 2022年4月3日 by wpmaster
カープの投手陣が昨季、最もやられた打者と言えば、DeNAのロペスではないでしょうか。
事実、規定打席に到達した打者で、広島戦で最も打率の高い打者は、ロペスの.347で、以下マギー.326、筒香.323、宮﨑.319と続きます。
7本塁打は、まだしも、25試合で35打点は、やられすぎです。
カープファンからは、ロペスには、ロペスが巨人にいた頃からやられてばかりだという声が聞かれます。
ロペスは、来日前から、打撃技術は相当なレベルに到達していたが、来日してしばらくは広島の投手陣の方が抑えていました。
カープ戦においては、得点圏に限って打ち始めたのが2016年から、コンスタントに打ち始めたのが昨季からで、日本でプレーしていく中で打撃に磨きをかけ、最近カープ投手陣を攻略し始めたというのが正確な見方です。
確かに、ロペスは、スイングのレベルは相当ハイレベルなところに達している実力者です。
桑原と梶谷を完封したとしても、筒香もホームラン打者というだけでなく、3割を打つことができます。
筒香とロペスのどちらかは四球でよしとするわけにはいきません。
広島投手陣は、筒香、ロペスを共に抑えない限りは3連覇は難しくなるでしょう。
それでは、ロペスの打撃を解析してみましょう。
Contents
ロペスのバッティング
ロペスは、マリナーズ~巨人の頃は、スクエアスタンスで立っていましたが、DeNAでは、オープンスタンスで立ちます。
中﨑が左足を上げたとき、ロペスは、左足で地面を踏みます。
シンクロ打法です。
中﨑は、右足でエッジをかけ、右腕を内旋してCアーチをかけます。
左足のくるぶしを本塁方向に向けています。
中﨑が右肘をつまみ上げ、大腿骨を骨盤に差します。
中﨑が踵から着地し、トップを作ったときに、ロペスは、左足を上げ始め、トップの角度を作ります。
中﨑は、胸の張りを作り、三角筋を使って右腕上腕部を後方に引っ張ります。
中﨑のボールを持つ手は、頭の後ろに隠れています。
ボールを持つ手がロペスの前に現れています。
中﨑が右腕を内旋(右肘を内に入れる、右肘を一塁側に向ける)したときに、左膝の高さをMaxにします。
グリップの位置を下げ、ヒッチさせます。
メジャーの打者は、ヒッチするのが他の打者より遅い分、左膝の高さは骨盤よりずっと下です。
左足を下げていき、着地の位置を探りながら、ステイバック(グリップの位置を上げる)していきます。
ヘッドが立っているので、引っ張り専門の打者です。
左膝を真っすぐ前に運び、ヘッドを深く入れて割れを作ります。
スパイクの外側から着地し、トップ角度がキープできています。
右足は、スパイクの内側でエッジをかけています。
マリナーズー~巨人にいた頃は、左足は拇指球寄りで着地し、そのときに右足の踵は浮いていましたが、DeNAに来てからは、スパイクの内側で地面にかませ、スライスをかけて打てるようになり、左方向の当たりがファウルゾーンに切れなくなった。
このエッジのかけ方が、メジャー~巨人にいた頃と変わったところです。
ロペスは、インコースベルトより上の球は、左足のスパイク内側の拇指から着地して回転します。
右足は、スパイクの内側でエッジをかけています。
ロペスは、バットを振り下ろし始めます。このとき、左肩は下がっていませんので、リリースポイントとの距離が近い体近くの高めにも対応できます。
ロペスのスイングは、俗にいうヘッドのしなりがあります(実際には、バットはしなっていません)。
ロペスは、右肘先行のインサイドアウトで振っていきます。
ミートの瞬間、左膝はルーズに曲がり、左足の拇指も浮いていないので差されません。
左足は、スパイク外側全体、どちらかというと踵寄りに重心を移します
左足は、拇指も踵も浮いていません。
左膝を伸ばし壁を作ります。フォロースルーも背中に付くぐらいに大きい。 左足は、拇指に重心を移します。
中﨑は、三塁側に四股を踏んだので小指の側から一塁側にチョップし切れなかった。
左膝が曲がり、壁が崩れたので右腕のフォロースルーの通路をふさいだので、腕だけ内旋する手投げで、右腕が振り切れなかった。
よって、スライダーが落ちなかった。
ロペスは、右股関節を同じ方向に右足をターンさせるので打球が伸びます。
昨季の成績
主要成績
142試合 569-171 .301 30本 105打点 二塁打42 三塁打0 犠飛8 四球27 死球2 三振80 併殺14 盗塁0 失策6
出塁率 .330 長打率 .533 OPS .863
得点圏 143-46 .322
ビハインド 43-15 .348 1本 23打点
同点 51-10 .196 2本 20打点
リード 49-21 .429 3本 28打点
コース別成績
右投手
左投手
ロペスは、左足の踵で回転するわけではないので、ロペスには、インハイは、失速の大きいシュート系は打てる
インハイの失速の少ないカット系は、リリースポイントが右打者の体から遠い左投手は、打たれていない。
球種別成績
ストレート 225-67 .298 15本 15振
スライダー 128-35 .273 9本 23振
シュート 55-22 .400 1本 5振
カットボール 44-17 .386 3本 4振
フォーク 55-13 .236 1本 19振
チェンジアップ 34-10 .294 7振
カーブ 22-5 .227 5振
シンカー 6-2 .333 1本 2振
打球方向
左方向 297-114 .384 29本
中方向 213-47 .221 1本
右方向 56-10 .179 0本
その他成績
2ストライクを取られてからの成績 252-50 .198 4本
満塁 13-5 .385 1本 15打点
走者二塁 48-20 .417 4本 20打点
空振り率 6.11%
見逃し率 22.40%
見極め率 61.72%
8回の打率 52-9 .174 1本
主な打者との対戦成績
菅野 23-9 .391 1本 3点 2振
田口 10-4 .400 1点 1振
マイコラス 12-2 .167 2振
畠 9-0 .000 2振
大竹 7-1 .143 1本 1点 3振
内海 6-3 .500 1本 3点
Mathieson 5-1 .200 1本 1点
カミネロ 4-2 .500 1点 1振
山口俊 2-1 .500 1本 1点
西村 5-2 .400 1点
吉川光夫 2-0 .000
宮國 2-0 .000
高木勇人 2-0 .000
小川 13-3 .231 1点 1振
石川 13-5 .385 1本 3点 2振
ブキャナン 8-4 .500 1本 1点 1振
原 11-2 .182 1本 2点 2振
オーレンドルフ 6-5 .833 1本 4点 1振
山中 5-1 .200 1点 1振
成瀬 1-1 .1000 1本 2点
松岡 2-1 .500 1本 1点 1振
由規 2-1 .500
石山 8-3 .375 1振
星 8-2 .250 1点 1振
近藤 4-1 .250 1点 1振
ルーキ 3-0 .000 1振
秋吉 4-0 .000
大野 16-4 .250 1本 5点 1振
バルデス 12-4 .333 1本 2点
吉見 6-2 .333 1本 2点 1振
又吉 8-1 .125 3振
鈴木翔太 6-2 .333 1本 2点 2振
柳 3-1 .333 1本 3点
田島 5-0 .000 2振
小笠原 6-2 .333 2振
笠原 4-0 .000 1振
谷元 2-0 .000 1点
三ツ間 5-2 .400 4点
若松 5-2 .400
秋山 11-3 .273 1本 2点 4振
メッセンジャー 6-3 .500
藤浪 12-4 .333 2点 2振
能見 9-0 .000 2振
小野 8-3 .375 2点 1振
岩貞 6-1 .167 1点 1振
岩田 6-2 .333
石崎 6-2 .333
岩崎 7-2 .286 3点 3振
青柳 3-1 .333
メンドーサ 5-0 .000 1振
桑原 4-0 .000 1点
マテオ 4-0 .000 2振
藤川 4-0 .000 2振
髙橋聡文 1-0 .000
ドリス 5-1 .200 1点 4振
野村 16-7 .438 1本 4点
岡田 11-4 .364 1本 2点 1振
中村祐太 9-4 .444 1本 3点
Johnson 8-2 .250 2点 1振
大瀬良 8-3 .375 1点 2振
藪田 5-2 .400 2振
九里 5-3 .600 1本 5点
今村 6-2 .333 1本 1点
中﨑 3-1 .333 1本 1点 1振
Jackson 4-1 .250
一岡 5-0 .000 1点
中田 3-1 .333 1点
ヘーゲンズ 3-1 .333 1本 2点
ブレイシア 4-1 .250
高橋樹也 4-0 .000
加藤拓也 2-0 .000 1振
戸田 1-0 .000
床田 2-1 .500 2点
菊池雄星 4-1 .250
増田 1-0 .000
中村勝 3-1 .333 1本 1点
斎藤佑樹 2-1 .500 1振
石川歩 3-1 .333
唐川 3-3 .1000 1本 1点
益田 1-1 .1000 1本 1点
金子千尋 3-2 .667 1振
西 3-1 .333 1本 2点
松葉 2-0 .000 1点
黒木 2-0 .000
バンデンハーク 2-1 .500 1点 1振
千賀 4-1 .250 1本 2点 1振
岩嵜 2-0 .000 2振
戸村 2-1 .500 1本 1点
則本 3-0 .000 1振
カード別成績
巨人 97-17 .278 5本 12打点
ヤクルト 100-30 .300 6本 18打点
中日 99-31 .313 5本 23打点
阪神 100-23 .230 1本 12打点
広島 101-35 .347 7本 35打点
(得点圏 27-9 .333)
西武 13-4 .308 .308 0本 1打点
日本ハム 12-4 .333 1本 2打点
ロッテ 12-6 .500 2本 3打点
オリックス 11-4 .364 1本 3打点
ソフトバンク 11-3 .273 1本 3打点
楽天 13-4 .308 1本 2打点
過去の広島戦成績
2016年 92-19 .207 6本 21打点
(得点圏 25-8 320)
2015年 90-24 .267 5本 13打点
(得点圏 23-6 .261)
2014年 66-14 .212 5本 9打点
(得点圏 12-3 .250)
2013年 72-18 .250 4本 7打点
(得点圏 16-1 .063)
※文中データは、データで楽しむプロ野球を基に作成しています。
まとめ
ロペスは、左足の踵で回転するわけではないので、ロペスには、インハイは、失速の大きいシュート系は打たれる。
インハイの失速の少ないカット系は、リリースポイントが右打者の体から遠い左投手は打たれていない。
フォーク系は、空振り率が高い。
地面には左足の踵から入り、拇指で着地し、胸の張りを作ることにより、一塁側に軸を傾けて右肘の位置を高くし、左膝を伸ばして壁を作ってストレート、カット、縦のスライダーやフォークを投げる。
右足を一塁側にターンさせる。
そうすることで、肩、肘に負荷をかけることなく、ストレート系は失速が抑えられ、縦の変化球は落ちる。
各投手は、投球動作を修正することで、ロペスの体を前に出すことができ、滅多打ちされることを避けることができるのである。