Last Updated on 2019年1月9日 by wpmaster
2012年カープの在籍年数は、今季終了の段階で、ライトルの6年を超える6年超を数える。
右の鈴木誠也、左の岩本と共に、カープでは、数少ないホームラン打者。
一振りで均衡を破れる、競り合いの試合で、相手を突き放す1発が打てる貴重な存在だ。
来日してからしばらくは、リーチを活かして、他の打者であれば、体との距離が遠く瞬発力が伝わらないアウトローを引っ張って打つことができた一方、
リーチが長く、144キロ超の、真ん中高め、インハイを打ちこなすことができず、真ん中高め、インハイを振らされて、
最後は、体を前に出されて、アウトローの球で三振に取られるということが、何度もコンスタントに見られた。
しかし、徐々に日本の投手について対応してスイングできるようになり、昨年からは、インハイを右方向に打つことで対応し、今季からは、インコースのベルトの上の球を引っ張れるようになった。
CSに敗れた原因としてラミレスの采配と緒方孝市の采配の差を挙げる声が多いが、俺はそうは思わない。
鈴木誠也、エルドレッド、安部の3人が抜けたということは、DeNAで言うと、筒香、ロペス、宮﨑を一度に欠いたようなものだ。
それで勝てという方が難しいというものだ。
それでは、進化し続けるエルドレッドの打撃を見てみよう。
Contents
エルドレッドのバッティング
よりよいパフォーマンスを見せる場合のバッティング
ややオープンスタンスで立ちます。
エルドレッドは、投手の球の出所が現れてから、左膝を骨盤より下まで微妙に上げます。
日本の選手よりも左足を上げるのが遅いですが、左足の上げ下しの幅、スパンは短い。
グリップは、ステイバックしていってしまわずに、両肩より下にあります。
左足は、拇指球で着地します。
拇指球で着地して回らないと体から近いインハイは、振り下ろすのが遅れます。
右足は、スパイクの内側で地面を噛ませていrます。
トップの角度がキープできています。
右肘が先行するインサイドアウトで振り下ろします。
振り下ろしのときに右肩が下がりません。
左足の拇指球で回転し、うねり上げていきます。
インパクト後、左膝で壁を作ることができているので、レフト方向の打球がファウルゾーンに切れて行かなくなりました。
エルドレッドは、インハイの球を引っ張ることができるようになりました。
昨年までのエルドレッドであれば、ファウルゾーンに切れていっていただろう。
左足は、スパイクの外側から踵に重心を移してスイングします。
左足は拇指球で着地します。
よりよいパフォーマンスを産み出さないバッティング
左足を上げたとき、トップができていない。
ステイバック(グリップの位置を上げること)してしまっている。
左足を下し始めたとき、振り下ろし始めている。
頭も骨盤どころか随分と前に出されている。
左膝を前に運んでしまって、割れを作ってしまっている。
右足は、スパイクの内側で地面を噛ませている(エッジをかけている)。
踵から着地しているが、
トップの角度がキープされず、振り下ろしている。
ヘッドはしなる分(実際には、ヘッドは、しならない。)、以前よりは益しになったが、ヘッドが体の前に出ている。
昨年までのエルドレッドは、
左足を着地寸前に頭が前に出され、振り下ろしかかり、ヘッドと頭の距離が離れている。
左膝を前に運んでいるが、割れのないスイングになっている。
左足は、スパイクの外側から着地し、インサイドアウトでバットを振り下ろし始めますが、右肩が下がります。
トップの角度がキープできていなかったので、ヘッドがしならない。
左膝が伸びて差されている。
顎も上がっている。
次にパリーグNo1の速球投手サファテとの対戦を見てみよう。
左膝は、骨盤と膝頭の中間ぐらいまで上げるぐらいで、ほとんど踏むだけで、球の出所が見えたときに、トップができていない(始動ができていない)。
左膝を骨盤より高く上げると瞬発力を消耗するので、高く上げる必要はないし、
一本足で待つ間が長くなると瞬発力が消耗する。
しかし、それにしても、トップを作るのが遅く、グリップが両肩よりも高く上がっているので、瞬発力がバットに伝わらず、ボールの軌道に45°で振り下ろすことができない。
ステイバックしたときに、右足は、スパイクの内側でエッジを掛けられている。
左足は、踵から着地し、右足は、スパイクの内側でエッジをかけ、トップの角度はキープされている。
グリップ先行でヘッドを残して振り下ろしている。
左膝が伸びて顎が上がる。
始動が遅れて、結果として、振り下ろすまでの間が短いことが差される原因であるが、トップの角度がキープできるようになっている分、来日してから数年間に比べ、三振の仕方も益しになってきている。
今季の成績
116試合 344-91 .265 27本 78打点 二塁打 11 三塁打0 犠飛3 三振 111 四球50 死球 8 併殺8 失策2
出塁率 .368 長打率 .532 OPS .909
空振り率 17.61%
コース別成績
前述のように、左投手の失速しないインハイの球を引っ張れるようになった。
インサイドアウトで振り下ろせるので、体とバットの距離が離れすぎずに、アウトローの球にも、瞬発力をバットに伝え、引っ張ることできる。
球種別成績
ストレート 153-34 .222 10本 49振
スライダー 68-18 .265 6本 22振
カーブ 25-9 .360 4本 10振
チェンジアップ 30-9 .300 3本 14振
フォーク 28-8 .286 13振
シュート 25-7 .280 1本 13振
カットボール 10-4 .400
シンカー 5-2 .400 1本 1振
打球方向
左方向 193-49 .254 19本
中方向 110-32 ,291 4本
右方向 41-10 .244 4本
ケース別成績
得点圏打率 .326
ビハインド 29-9 .310 1本 12打点
同点 15-5 .333 1本 8打点
リード 51-17 .333 4本 30打点
その他成績
2ストライクを取られてからの成績 175-22 .126 6本
8回の打率 35-8 .229 3本 16振
ランナー二塁 27-13 .481 3本 14打点 .
月別成績
3,4月 74-24 .324 4本 16打点
5月 73-20 .274 9本 22打点
6月 65-17 .262 5本 15打点
7月 54-14 .259 5本 12打点
8月 64-15 .234 4本 13打点
9,10月 14-1 .071 0本 0打点
主な投手との対戦成績
菅野 4-0 .000 4振
田口 16-2 .125 1本 3点 3振
マイコラス 5-1 .200 1本 1点 1振
畠 2-0 .000 1点 1振
内海 2-2 .1000 2本 2点
宮國 8-4 .500 1本 4点 2振
中川 2-2 .500 2本 4点
カミネロ 4-0 .000 3振
Mathieson 4-0 .000 2振
ブキャナン 10-5 .500 1本 1点 1振
石川 9-3 .333 1本 1点 1振
小川 5-1 .200 2振
山中 6-1 .167 1振
原樹里 4-0 .000
ルーキ 4-1 .250 2点 2振
中澤 1-1 .1000 1本 1点 1振
近藤 4-0 .000 1振
オーレンドルフ 3-0 .000
今永 9-0 .000 6振
濱口 6-0 .000 1点 3振
石田 4-1 .250 1点 2振
ウィーランド 5-1 .200 1点 1振
井納 3-2 .667
エスコバー 6-2 .333 2振
飯塚 3-1 .333 1本 2点 2振
加賀 3-1 .333 1本 1点 1振
山﨑康晃 1-1 .1000
パットン 3-1 .333 1点 1振
尾仲 4-1 .250 1本 2点 2振
田中健二朗 3-0 .000 1振
三上 3-0 .000
平田 2-0 .000 2振
八木 3-2 .667 1本 3点
若松 2-1 .500 1本 2点
小笠原 9-4 .444 4本 6点 4振
バルデス 10-4 .400 2本 5点 2振
柳 3-1 .333 1振
又吉 7-2 .286 3振
吉見 5-0 .000 1振
祖父江 4-1 .250 1点 1振
田島 2-0 .000
柳瀬 1-1 .1000 1本 2点
ドリス 3-2 .667
メッセンジャー 8-4 .500 2本 5点 4振
能見 2-1 .500 1振
メンドーサ 2-1 .500 1振
岩貞 7-3 .429 2点 2振
桑原 3-1 .333 1点
藤川 3-0 .000 3振
マテオ 3-0 .000 2振
石崎 2-0 .000 2振
岩田 2-0 .000 1振
野上 3-0 .000
加藤貴之 3-0 .000 1振
斎藤佑樹 2-0 .000
涌井 3-2 .667 1本 1点
佐々木千隼 2-1 .500 1本 1点
吉田 1-1 .1000 1本 1点
山田大樹 1-1 .1000 1点
バンデンハーク 3-1 .333 2振
サファテ 1-0 .000 1振
まとめ
エルドレッドは、右足が、腰と共に三塁側に引ける踵体重ではないので、始動が遅れて体が前に出されて三振したり、左膝が伸びて差されても後ろ足の踵は浮いているので、
体から遠い、スイングの結果としての目線が最も遠いアウトローの球は、踏み込んで、大谷の151キロも打つことができる。
エルドレッドは、広角に打ち分けるクラッチヒッターの役割は難しく、DeNAロペスにも言えることだが、尤も、メジャー経験者は逆方向に打つ打撃は、基本的にはしないのだが、エルドレッドもこれまで通り、左方向への打撃を極めていけばいいだろう。
現段階では、チームの中でシーズンを通してコンスタントに打つことができるのは、丸と鈴木誠也ぐらいで、菊池にしろ、田中にしろ、新井にしろ、松山にしろ、打撃が一度崩されれば、しばらくそれが続く。
各投手の投球動作のどこの段階で、シンクロさせれば始動が遅れないかを実戦の中でつかんでいって、本塁打を減らさずに少しでも三振を減らせればいいだろう。
2か月ぐらい打撃の状態をキープして先制、中押し、ダメ押しとしてくれれば、大きく優勝に貢献してくれたといっていいだろう。