Leonel Camposと契約内定。どこよりも早く詳しく動作解析します。

Last Updated on 2019年1月9日 by wpmaster

Leonel Camposのメジャーでのキャリア

この投手は、本物。

日本で、防御率0点台、浅尾の記録を更新しても何等驚かない。

ほぼ、完璧に近い投げ方をする。

この投げ方で、失速する悪い球がいくわけがない。

いい選手を獲ってくれたね。

広島東洋カープは、Leonel Enrique Campos Linaresとの契約が内定に至りました。

Leonel Camposは、ベネズエラ出身で、1987年7月17日生まれの右投げ右打ちの30歳。

今季は、ブルージェイズでプレーし、メジャーで13試合に登板。

0勝0敗 13回2/3 11安打 被本塁打2 与四球8 与死球 1 奪三振15  6失点(自責4) 防御率 2.63

メジャー通算 38試合 1勝0敗 42回2/3 39安打 被本塁打 5 与四球 27 与死球 2 奪三振49 防御率 4.74

3Aでは、今季 27試合 33回2/3   21安打 3被本塁打 与四球 14  奪三振 41

防御率 1.87

2014年に、AA-AAAで、14試合先発している。

2017年にも、AAAで先発しているが、1回 1安打(本塁打) 2奪三振 1失点で降板している。

フォーシームの他に、スライダー、チェンジアップ、カットボール、ツーシームを投げます。

スライダーは、137キロ前後の縦に落ちるスライダーと小さく曲がり落ちる138キロ前後のものです。

一塁側寄りにプレートを踏んでインコースにフロントドアのスライダーを投げることもあります。

チェンジアップは、138キロ前後のストレートチェンジのような球で懸河のように落ちます。

実際にこの2つの縦の変化球でメジャーの打者から三振を奪っています。

公称 188cm 97kg

参考事項にすぎませんが、ストレート系の平均球速は、148~153km/h。

Maxで155km/h

メジャーのボールよりも、日本のボールの方が、重量も軽く、大きさも小さい。

動画を見ると、パワー系ですが

マツダスタジアムの地面は固くしてありますので、もっとスイングした結果の体感速度の速い球が投げられるかもしれません。

ボールの縫い目のメジャーの方が高く、又、ボールも滑ります。

日本のボールは手首が寝て引っかけやすいと言われますが、股関節の外旋が早く肩が凹むような投げ方でなく、手首の内旋、外旋、ステップする足の膝で壁を作って、股関節を開かずにもう一方の足をターンできてば、引っ掛けません。

日本のボールは反発係数も決められています。

早速、観てみます。

Leonel Cambosのピッチング

プレートの一塁側寄りから投げるので、縦回転のある球が投げられます。

右股関節を内旋し、左膝は、骨盤より高く上げます。

左膝を骨盤より高く上げることについては、瞬発力が加速するという見解もありますが、

やや瞬発力を消耗してしまうのではないかと個人的には数少ない気にかかるところの一つです。

右足は、足裏全体で地面を踏んでいて、拇指球も踵も浮いていません。

右足は、拇指球にも重心がかかっていますが、踵にも重心が残っています。

骨盤の上に頭が乗っています。

上体は、緩く「く」の字に曲がっています。

左足も緩く曲がっています。

グラブを胸元まで下げ、脱力できています。

左膝を内に(二塁側に)入れ、ヒップファーストで重心移動していきます。

左足でエッジをかけ、左足の股関節を内旋します。

骨盤は、滑っていません。

後ろの骨盤も隠れています。

グラブを持つ手を内旋します。

足のくるぶしは本塁方向に向けています。

スパイクの内側から地面に向かっていっています。

ヒップファーストで、股関節が伸びていないので左足で弧を描きません。

背中に付くところまで右肩~手首を内旋しませんので、テイクバックは小さい方です。

しかし、上体が後ろに反っているので、右肘の出が左肩の開きより遅れて、右肘が伸びないか気にかかるところです。

別の試合でも、ヒップファーストなので、左足で弧を描きません。

左肩の内旋も負荷がかかっていません。

本塁打を打たれた球もヒップファーストで重心移動しているので、左足のくるぶしも本塁側に向いています。

左足で弧を描いていません。

左膝も本塁方向に向いています。

わずかに左肩の開きが早い程度です。

打者が腸腰筋の回転で産み出した瞬発力が最も伝わるインローにも、左足で弧を描かずに投げられるので、失速せず、逆方向のファウルになります。

⑤の絵のように、右肩、右手首をMaxで外旋しないので、テイクバックは小さいです。

右肩が下がるので、縦回転の球が投げられます。

右肘が右肩よりも上がるM字型にはなっていないので、ルーズショルダーにはなりにくいでしょう。

別の試合でも、右肘をつまみ上げたとき、左肩よりも左肘が上がっていますが、右肘は右肩より上がっていません。

よって、瞬発力が消耗しません。

左膝も内側に締められています。

左股関節と右膝にタメがあるので、股間から下がきちんと下が開いた「く」の字になっています。

ここで(⑤の絵では)、やや骨盤が三塁側に滑っているので、左膝のタメがなくなって、左膝の開きが早くなって右肘が伸びてロックされてインハイに外れたり、上体が倒れてボールを引っ掛けてアウトローに外れることがあるのでしょう。

実際に、この骨盤の滑りが原因で、今季、インハイに投げて死球を与えています。

骨盤が滑ると一塁側に上体を傾けたときに頭がラインから外れ、インハイやアウトローにボールが外れます。

瞬発力が消耗し、打たれます(前述の本塁打)。

骨盤の滑りは、藪田や前田健太にも見られます。

しかし、3人共、後ろの骨盤は打者に隠せています。

スライドステップのようなステップをします。

右足にエッジをかけたときに、右足からボールを持つ右手までCアーチがかけられています。

左膝をさっと、本塁方向に向けます。

瞬発力がボールに伝わる投手の投げ方です。

左膝が、左肘と平行に進行(併進)していきます。

これも、傾斜が大きいマウンドでも、瞬発力を増す投げ方です。

右肩は、岡田ほどではないにしろ、やや大きく下がりまので、右肩の損耗が全くないとは言えないでしょうが、右肩の下がり方は、極端ではないです。

右肘をつまみ上げていき、大腿骨を骨盤に差して、左肩を内旋して両肩甲骨をぶつけていきます。

骨盤のスライドは、修正されています。

右足を蹴り始めたとき、股関節も腸腰筋も外旋していません。

左肩も緩く内旋できていて開いていません。

左膝が緩く曲がり、左股関節、右膝にタメがあります。

スライダーを投げるときも右足を蹴り始めたときに、右股関節、腸腰筋は外旋しません。

スライダーもチェンジアップもフォーシームと同じ投球動作で投げられます。

トップを作ります。

ボールを持つ手は、耳の方に向いています。

右肩の外旋(=右回り)はタイトですが、右肘は、一塁側に倒れていません。

この右肩の外旋がタイトなところも、トップを作るのが遅れないか、右肩を損耗しないか気になるところです。

別の試合では、右肘から先が一塁側に倒れています。

これでは、右肘に相当負荷がかかり、右肘を損耗してしまいます。

別の試合では、トップを作るのが遅れてしまっています。

内転筋、太腿の裏が上方に伸び、腰が引けていないので、ますので、瞬発力の伝わった縦回転の球が投げられます。

リリースの瞬間までに左足の突っ張りを作れています。

胸の張りを作っていきます。

この胸の張りなんか、サファテみたいですね。

メジャーでは、全てリリーフ登板ですが、背筋を消耗しない投げ方なので、1試合当たりの球数が放れ先発、抑えどちらもいけます。

カープのチームの状況では、リリーフでしょう。

左足は、踵から着地します。

これによって、右肘に衝撃を与えたことも右肘の故障の原審なのかもしれません。

ステップ幅が6足分一寸と狭いので、重心が低くなりすぎて下半身がロックされて使えなくなるということがありません。

右肘が下がるということがありません。

マウンドの土が拇指球から着地する場合よりも削れないので、また、マツダスタジアムは、マウンドが固いと評され、地面が掘れにくく、コンスタントに安定したパフォーマンスができます。

マツダスタジアムは、日本では、マウンドが固い球場と評され、スパイクの外側寄りの足裏全体で踵が若干先行して着地し、極端に踵から着地するわけではないので、労力を消耗しないでしょう。

マウンドが柔らかいと評される球場でも、拇指球から前のめりになるような投げ方ではないので、踏み込んだときに前のめりにはなりません。

三角筋を使って右腕上腕部を後ろ引っ張ります(外旋、上腕骨の右回り)。

胸も打者の正面に出していません。

後ろが小さい投げ方なので、頭が前に出されません。

ボールも頭の後ろに隠せています。

肘が先に出て、ボールを持つ手と頭の距離が近い。

両肩甲骨を剥がしていきます。

ステップ幅が狭いので縦回転の球が投げられます。

スパイク外側全体で着地。

ダブルスピン投法です。

両股関節の外旋を遅らせているので、回転軸が一塁側に傾きます。

それだけ、右肘が上がっているということです。

左足が垂直に曲がっているので、瞬発力がボールに伝わります。

胸の張りが大きく作れていたので、回転軸が一塁側に傾き、0ポジションができます。

踵から着地し、一塁側に軸が傾いているので、右肘の上がり方が尋常ではありません。

上の絵のつながりで観ると、右肘のコックも右肩上腕部のラインと85°に曲がり、本格的なオーヴァースローです。

踵から着地していることにより、回転軸と右肩が垂直に交わるので、回転数の多い球が投げられます。

回転軸は一塁側に傾きますが、左膝は開きません。

踏み込んだ左足の位置もズレていません。

首を上下に振って右腕前腕部を内旋(左回り)します。

右肩は、捕手のミットの方を向いています。

胸の張りも大きかったので、右腕もしなります。

後ろが小さく、前が大きい投げ方です。

バックスピンのかかった球が投げられます。

上体の前傾(タンブル)は、チャップマン(左投げ)のようです。

しかし、やや左膝の壁が崩れてしまっています。

左膝を伸ばして作った回転軸ができているので、右腕のフォロースルーの通路をふさぎません。

捕手に背中を向けていきます。

地面と平行になるまで、上体を前に倒すことを制球が乱れると否定する見解もありますが、制球が乱れるのは、右肩が捕手のミットに向いていないときがあるからです。

左膝を上方に蹴り上げ、左膝を真っすぐに伸ばします。

出て行った股関節を引っ込め、壁を作りますので、股関節が早く外旋することを抑止します。

それと共に、右足をターンするときの回転軸になります。

上体の一塁側への傾きも尋常ではありません。

右足を一塁側にターンします。

右股関節が閉じられているので瞬発力が逃げません。

この段階でも、随分と一塁側に上体が傾いています。

それだけ、縦回転の球が投げられているということです。

まとめ

最終的にこの選手に決定したスカウトの見る眼は優れています。

トップを作るまでは、脱力した投げ方なので、迫力に欠けるという評もありますが、そこまでに瞬発力による体重の負荷がかかっていたら、リリースの段階で瞬発力をMaxにボールを伝えることができません。

高めのフォーシームは、メジャーの左打者からも空振りが取れます。

低めのフォーシームで逆方向にファウルを打たすことができ、真っすぐ系は、メジャーでも、ベルトより上の球でフライに打ち取ることができていたので、日本の打者は、前膝が伸びて差されるか、ゾーンよりボール2個分上のボール球の真っすぐ系には、空振りするでしょう。

パットンに近いという声がありますが、パットンは、終始体全体に負荷がかかり、左足で弧を描きますので、パットンには全く似ていません。

テイクバックのときに右肩が下がること、藪田ほどではないが、テイクバックが小さく右肘をつまみ上げる投げ方なところ、トップを作るまでの段階で、右肩の内旋がタイトなところを見ると過去に右肩、右肘に故障歴があるのかもしれません。

調査、交渉を続けていたヤンキースが撤退したのも、そこに原因があったのかもしれません。

故障歴と回復の程度の総合的な調査を行い、ウィンターミーティングが終わってある程度が経過した今の段階での内定と日本円で評価すると4,500万円+出来高(ヘーゲンズの初年度4,750万円、ブレイシア5560万円、Jackson 6,750万円)と、キャリアの割に安い年俸(契約金は、Campos 2,800万、Jackson 780万、ブレイシア560万)につながったのかもしれません。

投球動作の修正点は、骨盤のスライド、要見極め事項として左膝を骨盤より高く上げること。

しかし、上の絵のプロセスの投げ方ができていれば、先ず、間違いなく日本で通用するでしょう。

Jacksonにも契約更新のオファーを出していますが、Jacksonの保険なんかではありません。

刺激剤でもありません。

3連覇する上で、来季の外国人枠の活用は、Johnson,Jacksonと共に、投手3 野手1で行く必要があるでしょう。

[追記]

Camposは、2011年にトミージョン手術を受けています。

[追記2]

Camposは、2017年11月22日にインディアンスとマイナー契約を締結し、2018年のメジャーのキャンプに招待されており、カープは、別途移籍金1億円を支払っている。