一岡竜司の来季の起用法

一岡は、移籍一年目の2014年防御率0点台(0.58)で序盤のチーム首位の原動力となって貢献したが、右肩の故障で離脱(終盤に復帰)、今季も右腕の故障で出遅れ、6月17日に復帰後も7月25日に登録抹消、8月9日に再登録された後は、防御率を良化させ、優勝に貢献。

一岡の来季の起用法は、どのようにしたらよいであろうか。

一岡竜司のピッチング

先ずは、一岡の投球動作から見て見ることとする。

一岡は、セットのとき、一塁寄りに軸足を直立で構える。

右足の体重は、拇指にあるが、踵にも重心が残る。

骨盤よりも高く左足を上げ、そこから内側に入れて一度下げる。

ヒップファーストの投げ方をしている。

軸足の膝をぐっと曲げる。軸足が伸びばしたときに軸足に力が伝わり、軸足を蹴った後、ボールにも瞬発力が伝わるが、肩を故障しやすい。

グラブを持つ手の肩を内旋させたまま、両肩甲骨をぶつけていき、大腿骨を上に突き上げます。

右肩が下がっているので、トップを作る過程で右肩が上がり、縦回転の球が投げられます。

あまり、極端に右肩が下がると右肩を損耗させます。

右股関節を二塁側に内旋します。

左足のつま先を使って三塁線及び軸足より後方に蹴った後、本塁と垂直に交わるラインに戻し、

左膝をL字型にし、左足くるぶしを本塁側に向け、

右肘をつまみ上げます。

膝頭の脇を天井に向けて、地を這うように本塁方向に真っ直ぐ伸ばす。

右肩が下がり、右肩を内旋して

右足を蹴るときに「Cアーチ」がかけられています。

素早く本塁方向に左膝を向けていくのが、瞬発力がボールに乗った回転数の多い球を投げることができる秘訣です。

右股関節にタメがあります。左膝も垂直に曲がっています。

左足はスパイクの外側の踵から着地する。

これが、後に、左膝を蹴り伸ばして回転軸を作ることの助けになります。

右足の膝に泥が付きそうなくらい「入り」ラインができている。

今で言うとダブルスピン投法です。

骨盤よりも高く左足を上げて内に下すという動の内、左膝を骨盤よりも高く上げるという無駄に思われる動きも、膝の割れを全く無くし、ボールに瞬発力を伝えることの援けにしてしまっている。

テイクバックが大きく、テイクバックの後に、一岡の場合は、右肩の方がやや上がる。左肩甲骨周辺の筋肉を使って左腕の先が本塁又は三塁寄りの方向に向く。

プレートに直角に交わる線を引いたと仮定すると、その線と両肩が平行になる、すなわち、軸足から頭までのラインが出来上がる。

左腕で強く掻き、グラブをラインに沿わせながら、強く引く。軸回転の始動の後なのでボールの力が逃げず、横振りにならず、肘が伸びて高目に外れたりしない。

トップが耳の後ろで作れています。

ボールを持つ手が頭に隠れています。

胸の張りを作り、胸も打者の正面に現れていません。

肩を後回転させ、肘から先の部分を遅らせて出すことでしなりを作っている。

肩甲骨を剥がして投げている。

しかし、この後ろ回転が尋常でないことにより肩に負荷をかけるので、肩を故障しやすい。

このしなりが出来ずボールを押し込んでいるだけのときの一岡の真っ直ぐは、すっぽ抜けないフォークのような棒球になる。肩を痛め、リリースポイントを一定させたことにより、しなりが作れず、2015年がこのような球であった。又、セットのときの構えを「く」の字に修正したが、この頃は、若干、左足が弧を描いていて、力が逃げていた。「く」の字がルーズな頃の方がキレがあった。投げた後も左足がきちんと突っ立っていなかった。一岡は、この構えでは、体を稼動させてボールに力を伝えることはできなかった。

左足が突っ張り、右肘が上がり、回転軸が一塁側に傾いているので、回転数の多い球が投げられます。

外側に向けてきた手の平を小指の側からチョップして右腕を内旋させます。

バックスピンがかかります。

背中を捕手の背中に向けるぐらい腕を振り切っている。

内転筋を伸ばし、肩甲骨を内側に回転させ、右肩を本塁方向に向け、右肘~右肩~左肩のラインが一直線になるが、左肩が大きく下がっている。打者に、低目の真っ直ぐの伸びが尋常でないと錯覚させられるが、内転筋の使い方も尋常でないから、肩が吹っ飛ぶような投げ方になり、故障のしやすい動作でもある。

上体が一塁側に傾いているので縦回転のボールが投げられます。

フォロースルーの最後のときも、上体は立っている。

投げ終わった後も、左膝が伸び、左足が突っ立っている。

これが壁になります。

スピンをかけた後の右腕の先も真下に向いている。

右足を蹴り上げて、右足を一塁側にターンします。

尋常でない真っ直ぐの切れを生み出す要素が余すことなく採り入れられた投球動作である反面、全身をフルに使い、負荷のかかり方も尋常でない投球動作である。

フォロースルーの後、右手を頭の上に上げている。

2016年二度目に一軍登録されて以降は、2014年の前述の投球動作で投げている。球速も147~148位までに戻っている。

8月、9月は、14回1/3で1自責 16奪三振 防御率0.63

今季の一岡竜司の成績

次に、今季の成績を見てみることとする。

主要成績

今季は、

27試合 24回2/3 16安打 21奪三振 10四死球(死球0) 被本塁打0 犠飛0 1勝1敗 5ホールド(HP 6)1SP  防御率 1.82

全て救援登板である。

被打率は、右が、38-5 7四球 11三振 .132  左が、47-11 3四球 10三振 .234 通算 .188

本塁打を除くグラウンド内に飛んだ飛球が安打になった割合である被BABIPが.250

被長打率が.274  被本塁打率が0.00

与四球率が3.65

被出塁率が.274  被OPSが.497

1イニング当たりの走者の数であるWhipが1.05

奪三振率が7.66  奪三振/与四球が2.10

アウト内訳は、ゴロ21 フライ 27 三振21 犠打1

ゴロアウト比率(GO/AO)が0.78  ゴロ比率が30.00%である。

インプレーの打球を排除した奪三振、与四球、被本塁打から評価するFIPが2.44

残塁率(LOB)が80.77%

総投球数 398球

打者96人 打者1人当たりの投球数 4.14球 1イニング当たり 16.1球  5.37球で1アウトを取っている。

平均的な投手と比べてどれだけ失点を防いだかを示すRSAA(マイナスよりプラスの方が優れ、プラスは、その数値が大きい程、優秀と評価される)は、6.09

救援時に安打、与四球を許さなかった試合/救援登板数=44.4%

1失点するまでの投球回は、4.93 及第点とされる4よりも高い。

失点時の回数 3.0

救援時の失点/失点した試合の投球回=1.67点

Visitor(裏の守り)の被打率は、.128 13試合 12回1/3 5安打 Whip 0.97 で1点も取られていない。ホームでの防御率は、3.65だが、2014年は、16回2自責 1.13なので、マウンドに適応できなかったわけではない。

球種配分

球種配分は、ストレート 58.99%   フォーク 26.08%  カットボール 10.63%

カーブ3.29%  スライダー 1.01%

ストレートのMaxは、2014年の151km/h

2016年は、148km/h

球種別成績

ストレート 48-8 .167 9四球

フォーク  23-4 .174 1四球

カットボール 11-3 .273

カーブ 3-1  .333

スライダー 0-0  .000

球種別空振り率は、

ストレート 10.73% 12三振

フォーク  12.62% 7三振

カットボール 4.76% 2三振

カーブ  7.69%

スライダー 25.00%

カウント別成績

初球 9-1 .111

1-0が、6-2 .333  2-0が、3-1 .333

0-1が、4-2 .500  1-1が、11-5 .455  2-1が、5-1 .200  3-1が、1-0 .000

0-2が、6-1 .167  1-2が、6-1  .167 2-2が、10-2 .200  3-2が、3-0 .000

3球三振が5、1-2からの三振が7、2-2からの三振が4、フルカウントからの三振が5

初球をストライクから入った2球目、ボールから入った2球目、平行カウントからの3球目を打たれている。ファーストストライク、ツーストライク目を打たれていると考えられる。

2ストライク以後の被打率は、25-4 .160と抑えている。

コース別成績

コース別の被打率(右打者ベース)は、

インハイが2-0 .000

インコースベルトの高さが6-3 .500(右5-2 .600 左4-1 2三振)

インローが5-0 .000 3三振

真ん中高目のゾーンよりボール二個分高いところが3-0 .000

速さを評価しやすい、始動がしやすい、捕手真後ろのファウルチップが打ち易い真ん中高めのゾーンが8-1 .125

ど真ん中が11-4 .364

真ん中低めの引っ張り専門の打者が変化球を振るコースが10-0 4三振

外角高めのバットとボールの距離が取りにくいコースが16-1 5三振 .062

外角のベルトの高さが12-4 3三振 .400(ゾーン内10-4 .400 右7-1 2三振 .143 左 5-3 1三振 .600)

ボールが見やすいアウトローが10-3 .300(ゾーン内 9-3 .333 右 6-2 .333 左 4-1 2三振 .250)

高さを間違えなければ、相当な確率で抑えられる。

左打者のアウトコースにシンカー系などの変化球が欲しい。フォークやスプリットを投げるときに親指に力を入れてもいい。

右打者の外角低目のスライダー、初速と終速の差が小さいカットボールの制球に磨きをかければ、カットボールで打たせることもできるて球数を減らせるし、テイクバックのときは、右手の甲を三塁側、リリースの際に本塁方向から向けた後、下に向けて叩くスライダーは、空振り率が高いので、スライダー系を多投することにより、フォークの割合を減らして、ストレートの走り、キレをキープできる。

得点圏被打率

ビハインド 17-4 1四球 4三振 .235

リード    1-0 1四球     .000

通算    18-4        .222

ケース別成績

ランナー無し 50-8 .160

走者一塁   17-4  1打点 .235

走者二塁   5-1  .200

走者三塁   1-0  .000

走者一、二塁  5-0  .000

走者一、三塁  4-2  2打点 .500(2安打 2打点は、ビハインド時のもの)

走者二、三塁  2-1 1打点(1安打、1打点は、ビハインド時のもの)

満塁 1-0 .000

まとめ

それでは、投球動作、投げている球そのもの、今季の成績など、総合的にみて来季の起用法について考えてみたいと思う。

三振でも点が入ることがあるとはいえ、三振が望ましいランナーを3塁に置いたケースでは、打者の目線を横だけでなく縦にも動かして空振りが取れ、球種が豊富なので、投げる球そのものからすると、先発、抑え共にこなせるが、

肩の故障歴があり、体全体に負荷がかかる投球動作で、1イニング当たりの球数が多いので、回跨ぎのある先発は難しい。

起用は、リリーフ一本だろう。

僅差の場面では、投手は厳しい球しか投げてこない。リードしているときに追加点を取るのも簡単ではないが、打者は、追いかける展開の方が、走者の後ろに打球を飛ばすことが要求されるので、打てる球を待って打っていく方が難しい。

ビハインド、同点時よりは、リードした展開での方が結果が良い。

連投は、故障歴があるので、勝ち継投の一人として、できるだけ連投は避け、連投は、やはり2連投までだろう。

主な打者との対戦成績

長野 3-0     .000

村田 3-0  .000

阿部 1-0  .000

坂本 1-0  .000

ギャレット 1-1 .1000

坂口  2-0   .000

桑原 1-1  .1000

筒香 1-0  .000

ロペス 1-0  .000

倉本 2-1  .500

高橋周平 3-0  .000

大島 2-0  .000

福留 4-1  .250

ゴメス 5-1  .200

鳥谷 5-0  .000

高山 2-0  .000

西岡 2-1   .500

※文中データは、データで楽しむプロ野球、ヌルヌルデータ置き場他を参考にした他、独自計算によるところもあります。