Last Updated on 2017年12月10日 by wpmaster
対巨人6回戦、ジョンスンと田口
田中の先頭打者本塁打。ボールの下側から当てあの角度(70°位)で打ち上げると、あのコース(外低目)は本塁打になります(見ていない人は何を言っているかわかりませんね)。4回2死からエルドレッドが外低目の得意なコースを本塁打で2-0。鈴木に対し、巨人バッテリーは苦手の外低目の抜いたスライダーを投げましたが内側からボールを振り抜いてセンター返し。その後、広島打線は、巨人バッテリーの芯で野手のいるところに強い当たりを打たせる配球(例、丸が打って村田が捕った打球)をする術中にはまりました。堂林に対しても鈴木に打たれたところと同じところに投げて投ゴロ。
Johnsonは、昨年巨人戦23回無失点。
その裏、二死から田中がグラブを逆(捕球面を上に向けて)に出してファンブルして2-1(8回にはハーフバウンドをグラブを上から出して送球まで動作が止まることなくアウトにしています)。広島バッテリーは、亀井に引っ張らせない配球をしたのですが、始動を早くして待ってゆったりと最短距離でライナーでなく三遊間にゴロを打った。こういうところに巨人と広島の実力差が出ている。
二死一三塁。巨人に移籍してから昨年まで広島投手陣が抑えていた村田にインコースのカットボールを力で打たれ2-2の同点。今年は、広島投手陣が村田に重要なところでもそうでもない限り打たれています。
7回表ランナーエルドレッドのところに代走→守備固めに赤松を送らなかったのか。一塁走者のエルドレッドは、止まると足が痛いとのこと。人工芝の球場でそれまで守りに就かせている。代走を送るのが基本的な攻め方ではないだろうか。鈴木が抜いたスライダーに割れを作って(ヒッチはしていない)トスバッティングの要領でセンター前へ、2塁打でエルドレッドは3塁ストップ。代走を送っていれば鈴木の二塁打で100%本塁に還っていた。挟まれたエルドレッドが時間稼ぎをして堂林を得点圏である2塁に進塁させなかったことよりも代走を出さなかった方が遥かに問題がある。
以下、結果論。
本塁送球の間に鈴木が三塁に行き、堂林の緩いゴロなら生還できた。堂林は、内角を引っ張らせる配球をした後、せっかく引っ張らせない配球をしてきた巨人バッテリーに対し、三遊間に打ってしまったが、強い当たりではなく緩いゴロを打ったので最低限のケース打撃をした。
打者石原、巨人はダブルプレーシフトを引いている。堂林が倒れて1アウト3塁。田口は長く持って牽制又は偽投していない。何故ここでスクイズを試みなかったのか。
この日は巨人のホームゲーム(巨人は裏の攻撃)。いい投手から順に投げさせてくる。同点の場合でも8回はマシソン、9回は澤村が登板してくる。
エルドレッドは、速球派(特にマシソン)にからっきし弱い。エルドレッドの得意な山口は8、9回には登板させてこない。エルドレッドを下げても、ベンチには松山がいる。
8回2死から坂本を四球で出塁させます。今日の坂本はJohnsonに合っています(4回も真ん中外寄りのシュートを嫌なファウルを打たれ、この打席でも内角球シュート系をスライスさせていればフェアになっていたゴロを打っています)。4回、8回に歩かせたことはそんなに悪いことだとは思いません(いつもネット上の野球liveで見ており、再生できないので、間違いがあったら指摘して下さい)。
ギャレットに打たれ2-3。ギャレットにはその前の打席で内角低目のギャレットにとってのホームランボールを投げています(結果が中前打)。この回は外に真っ直ぐ系の球を投げて打たれました。内角低目が打て、外にもバットが届くのでギャレットはこれから先、率を上げてくると思います。
9回澤村が新井に対して5球目外低目にきっちりと投げきって6球目で新井を三振、小林が丸(盗塁はサインどおり。結果ランエンドヒットの失敗)を刺して併殺。小林も上手いブロッキング(5球目。ミットを動かさずに捕球)で澤村を助けました。
勝負どころできっちりと結果を出せる巨人との力の差は歴然としています。現実を見せつけられました。
明日は、江柄子と野村。今の時期、広島は、三連敗さえしなければ良かったのだが、この3連戦で最も勝つ確率の高い初戦を取れなかったのは痛い。
野村は昨年巨人に3勝しているが、抑え切って勝っているわけではない。前回完封したとはいえ、少なくとも3点は取られるだろう。江柄子を打てなければ、3連敗が濃厚になる。対巨人戦1勝7敗になってしまうのである。
[追記]
広島は、Jackson、中﨑が巨人の左打者(後者は右打者にも)に対応されていて、更に表の攻撃なので、7回で同点の場面でJohnsonを交代させにくかった。
肩の開きが早く(今日は若干修正されていたように見えましたが)今季打たれていたマシソンを、点を少々取られても挽回できる序盤には拙いリードもあった経験の少ない小林がアバウトに構えて球を散らし、甘い球を一球も投げさせなかった。
それに対し、ベテランの石原は勝負どころの8回、四球の後、ギャレットの初球に外に真っ直ぐを投げさせた。何度も石原と対戦している巨人ベンチやスコアラーは石原が1球目乃至2球目に簡単にストライクゾーンに投げてくること(ここ1、2年は修正されていますが)を見抜いています。
先発投手同士が投げ合っている6回までは、常勝チームの頃も巨人は大して強くないんです。むしろ、相手チームの方が試合を有利に運んでいるのです。しかし、8回、9回に各選手がギアを上げて別のチームのように強いのです(1~6回までも淡泊に見えて相手の動きを見ているのです)。
[追記]
プロ野球は、東大に入るよりも狭い関門。野球のエリート同士が投げ合えば、よほど状態の悪い投手でない限りは得点差が僅差の投手戦になります。大量得点差で勝って得点差が僅差の試合で負けるチームは、状態の悪い投手に打ち勝つしかできない、レベルの高い投手には勝てない弱いチームなのです。大差のつく試合よりも僅差の試合の方が多い。よって、得点差が大差の試合に勝って、得点差が僅差の試合に負けるチームは下位に沈むのです。
広島が今まで打ち崩してきた投手は状態の悪い投手ばかりで、今日投げた田口は昨年までの実績がないだけでこれまで広島が打ち崩してきた投手よりもファームで力をつけてきたいい投手なのです。
交流戦が終わる頃には、状態を上げることができなかった選手は、早々とペナントから脱落したチームも投手以外は、そのシーズン、無期限で一軍から消えます。
弱いチームは強いチームに横綱相撲では勝てません。弱いチームには弱いチームの勝ち方があるのです。
強いチームより細かいことをきっちりやらないと勝てないのです。阿部や谷繁が相手打者の動きを見る回数を思い出して石原や會澤が相手打者の動きを見る回数を比較してみただけでもその違いがわかります。
得点差だけを見て惜しかったと評価していたら強いチームには勝てません。
[追補]
堂林の打席は一二塁間のゴロでもよい場面。堂林の当たりは、三塁コーチャーがゴロでも手を回して三塁ランナー本塁突入でもよかったのですが、エルドレッドに代走を出して鈴木の当たりで3-2と勝ち越し、三塁走者が鈴木になっていなかったのが問題です。
[追記]
亀井の打席については、次のような意見があります。
広島バッテリーは、亀井に引っ張らせない配球をしたのですが、待ってゆったりと最短距離でライナーでなく三遊間にゴロを打った。こういうところに巨人と広島の実力差が出ている。
広島バッテリーは亀井に踏み込ませない配球をして、結果手打ちのバッティングで二遊間のゴロ、田中が打球をはじくが正確です。広島バッテリーは亀井を打ち取っていますからこの場面では実力差はむしろ広島の方が上です。
それから、
9回澤村が新井に対して5球目外低目にきっちりと投げきって6球目で新井を三振、小林が丸(盗塁はサインどおり。結果ランエンドヒットの失敗)を刺して併殺。小林も上手いブロッキング(5球目。ミットを動かさずに捕球)で澤村を助けました。
今日の澤村の状態では新井の3ボール後の2球見逃しは極当然です。フルカウントからの丸盗塁はサインでもなんでもなくチームの決まり事。ダメだったのがわかりきったストレートを新井が空振りしたことです。
私は丸が四球で歩いた時に今日の新井の打席内容とピッチャーが澤村だという点から天谷か松山を代打にと一瞬考えましたがこれは結果論。今日の澤村の出来と小林の仕方なくストレート投げさせたリードを見てあなたが言う広島と巨人の歴然たる実力差があったとは微塵も感じませんでしたよ。
石原、會澤については、要は、もっと打者の動きを見て何を待っているかを見た方がいいということです。
亀井の攻めについては、初球インサイド低目から入ったことはこの文章を書く前に確認しています。2球目に外高目のバットの届かないところに投げ、3球目は見やすい、バットをボールの距離が測れる外角低目に投げました。攻め自体は間違いではないと思います。広島側とすれば亀井にもっと強いゴロかライナーを打って欲しかったところです。
7回の堂林は2球目と4球目に一、二塁間にゴロを打てる配球をしてくれたのに三遊間に打ちました(強いゴロを打たなかった分最小限の仕事はしましたが)。
どちらもバッテリーの攻めは定石どおりで、差というのは亀井と堂林の差です。
亀井の方は、壁を作って打てた。トス打撃ができているということです。
新井は、4球目、5球目のコースを打ってもヒットにならないので見送ったのは間違いではないです。次が146キロ以上の速い球がまるで打てないエルドレッドですので四球でもよしということで甘い球はこないことはわかっています。丸の盗塁+スイングでアシストはサインではなくチームとしての決まりごとということは、チーム個別のルールがあるのかもしれません。
[追補]
4回亀井は内角を待って引っ張って1、2塁間のゴロを打ちたいところでしたが、Johnsonは、内角のファウルにしかならないコースにきっちり投げ切りました。