日本ハム対楽天5回戦
先発は、上沢直之と荘司康誠
故障により登録抹消されている選手が合計11名に達している日本ハムの選手は、延べ14人を出塁させながら、4併殺で切り抜け、5-3で勝ちきります。
しかし、アナウンサーも解説者も新聞記者も報じないミスが日本ハムの側に生じているのです。
さて、それは、どのケースで生じたのでしょうか?
無死一二塁バントのケース[守備編]
無死で二塁に走者が進塁している場合、バントで送れば、一死で二塁走者は三塁に進みます。現在打撃中の打者以降に安打が産まれなくても得点できます。
バントをした後、三塁ベースがガラ空きになれば、二塁走者が本塁に還れます。
枠内で囲んだ動きをするのが、無死一二塁での基本です。ブルドッグシフトは基本に対する例外ですが、それでも三塁ベースを無人にはしません。
一塁線のバントは、一塁手がチャージをかけます。
三塁線のバントは、投手がチャージをかけます。
二塁手は、一塁に走り、遊撃手が二塁に入ります。
三塁手は、一塁線のバントであろうと三塁線のバントであろうと、チャージはかけません。
三塁手は、二塁走者より後ろで、且つ、三塁送球に触れることができ、二塁走者又は三塁ベースに触れる位置にいなければいけません。
捕手は、三塁線寄りに守る。
5回裏無死一二塁、投手は右投手の上沢、打者は、左打者の小深田
小深田は、初球バントの構えをします。
遊撃手の上川畑が三塁に走り、二塁手の水野が一塁に走ります。
一塁手の野村、三塁手のアルカンタラがチャージをかけます(ブルドッグシフト)
しかし、上沢の投球が投球がボールゾーンに外れ、小深田がバントしません。
2球目、上川畑と水野は、走者の後ろに守ります。アルカンタラは二三塁を結ぶラインの後ろ、二塁走者の前、野村は、一二塁間を結ぶライン上に守ります。
小深田はバントの構えからヒッティングに切り替えます。
野村、アルカンタラもチャージをかけません。
3球目、
アルカンタラは、三塁を囲むアンツーカーから出て遊撃寄りに動きます。二三塁を結ぶラインの前、二塁走者の前、二三塁間のラインの前後を囲むアンツーカーと芝の境目に守ります。
小深田は、バントの構えから三塁線にドラッグバントをします。左手首をコックしてヘッドアップします。打球が跳ねます。
しかし、三塁手のアルカンタラは、二塁走者より前に出て三塁線ハーフウェイまでチャージをかけます。三塁ベースがガラ空きになります。
二塁走者の太田光は、一次リード、二次リードとも二三塁間を結ぶラインの内側でリードを取り、スタートを切ります。
上沢がバックハンドシングルで捕球し、左腕前腕部を回外してフォアハンドシングルに切り替えます。
上沢は、三塁ベースに背を向け、右手親指の爪の裏でボールを押してグラブからボールを抜き取ります。
左腕上腕部の内旋運動、右腕前腕部の回外運動の回転半径が長く加速距離が短くなります。
ここで太田光は、三塁ベースのマウンド寄りのコーナを左足のスパイクの内側で蹴ります。
三塁ベースが無人になり、上沢が一塁に投げてくれたにも関わらず、二塁走者であった太田光は、本塁に走りません。オーバーランせず三塁ベースで停止しています。
一塁に入った水野は、右足のスパイクの内側をマウンド寄りのコーナーに付け、右膝を伸展、左膝を屈曲し、バックハンドシングルで捕球します。
打者走者の小深田も一塁を駆け抜け、セーフとなり、無死満塁となります。
島内は、真ん中低めの飛球を打って右翼方向に飛球を産みます。
万波は、両足をシャフルします。左股関節は外旋します。フォアハンドシングル打球を叩きます。しかし、打球を叩いた位置が頭上です。
三塁走者太田光は、ここで再スタートを切ります。
万波は、右腕前腕部を回外して両手首を結ぶラインをW字の状態にします。
右腕前腕部を回内後、捻転差が生じません。
右腕前腕部を回内して右肘をインバートLになります。右腕前腕部が背中から出ません。
右腕前腕部が右肘の高さに達した後、右腕前腕部を回外します。右腕前腕部が背中から出ません。
右腕前腕部を回内します。右腕前腕部が右肘の上で回内します。両内踝がぶつかります。右腕前腕部を回外してトップを作り二塁に投げます。
三塁走者太田光は再び帰塁します。
太田光がミスをして得点が入らなかったこと、無死満塁から万波がアルカンタラのミスを救ったことででアルカンタラのミスはスルーされてしまいました。
江越大賀の打球処理
島内が、上沢が投じたインハイ(左打者のアウトハイ)の投球を打ち、右翼線寄りにフライボールを産みます。
江越は、左翼方向に背中を右翼席方向に腹側を向け、打球を追います。
塀際のアンツーカーの手前で右股関節を外旋、右膝を伸展して回転軸を作ります。
打球は塀と地面の接する部分にダイレクトで跳ね返ります。
江越は、フォアハンドシングルで左手小指基節骨側で跳ね返ったボールを叩きます。
右腕前腕部を回外して右手小指基節骨でボールを叩きます。右手親指基節骨でボールを叩いて右肘を上げます。
右腕前腕部を回外して送球のトップを作ります。左股関節を外旋して左股関節を引っ込めます。
江越は、二塁にノーバウンドで送球します。
二塁に入った上川畑がバックハンドで送球を受け、島内にタッグして二塁進塁を阻止します。
ワンバウンドで送球すると、送球した野手自身が投球肩の腱板を損傷します。プレーの積み重ねにより地面が掘れた部分に当たると送球の方向が変わります。送球はノーバウンドで行うのが基本です。
ベース無人化は、走者の後ろに守ることで防止できる
日本ハムの選手は、一部の例外を除き、複数のポジションを試合で守ります。
しかし、練習量、試合で守った回数が少ないポジションであっても、内野は走者の後ろに守ることで、外野は定位置より後ろで守ることで、フォアハンドで打球に触れる回数が増えるだけでなく、走者の動きに応じてどの塁に入るのか、どの塁に送球するのかという対応ができるようになります。
脚注
用語の意味に関しては、下記記事を参照