DeNA2連戦を振り返って

Last Updated on 2017年12月11日 by wpmaster

週末は、開幕で当たるDeNAとの2連戦。

第一戦に先発したJohnsonは、5回3安打無失点。カットボール、シュート、スライダーと一通りの球種を投げて無四球と、無難に抑え、開幕に向けて徐々に精度を上げてきています。

ヘーゲンズは、きれいなフォーシームはなく、球を微妙に動かしており、投げる毎に球速は上がってきていますが(いくらなんでも、先日ファームで150キロのカットボールを投げたというのは誤計測でしょうが)、投げるときに体の軸が波を打ち高めに入ったカットボール、ツーシーム系の球をことごとく打たれました。

Jacksonは、全球ストレートで0に抑えましたが、この日に限ったことではありませんが、セットやクィックで投げると球速が大きく落ちるんですよね。

ヘーゲンズもJacksonも相手打者からみて、フォームが大人しく、あまり怖さがないのかもしれません。どちらを一軍に残すかは結論は持ち越しのようですが、どちらを一軍に残すにしろ、セットアッパーとしては苦しいでしょう。

打撃については、この日もルナがきっちりと犠飛を打ち、ケースに応じて右にも左にも安定してゴロを打て、前評判どおり本当に野球をよく知っています。カープの打撃陣が昨年まで苦手にしていたことをよくこなしてくれています。こういう選手がいてくれると、好投手にいい投球をされて他の打者が手も足もでないときに、ワンチャンスで、犠飛やゴロを打ってくれそうです。巨人との争奪戦を制して加入させることができて、今思えばいい補強だと思います。オープン戦では、今のところ、率そのものは低いですが、野球の動きはよくできており、この日オープン戦本塁打以外の安打を初めて打ったエルドレッドと共に開幕一軍はまず、確実でしょう。ルナは、シーズンに入ってからも、そのバッティングで大きな価値を生み出してくれると思います。4番の仕事もできるのですが、ただ、あらゆることができるだけに、ランナーを貯めずに速攻で1点を確保し、流れるように得点するという三番最強論者の私としては、前倒しにして一つ前の三番に据えて欲しいです。

試合は、最終回エルドレッドの犠飛(レアケースであるが、一塁走者も外野守備が緩慢であれば、次打者がシングル安打で1点入るので、タッチアップしても面白い。)で同点とした後、最終的には野間の安打でサヨナラ勝ちし、先日の走塁での失敗をバットで取り返しました。野間の場合、始動後グリップが下がることなくスイングできるので、ストレートにも変化球にも対応できるなのですが、各打席毎に投手によってコースによって待球する球を替え、変化球を待ってストレートに詰まって野手のいないところに落としたり、ストレートを待って変化球に対応したり、ポイントを前に持って行ったり後ろに持っていったりすることで率も上がるし、長打も増えるのではないでしょうか。

第二戦は、黒田は、本来の状態にはほど遠いですが、よくないなりに制球を重視して、いつも緩急は使う方ではないですが、この日もほとんど緩急を使わずに、培った技術で、DeNAがベストメンバーではないとはいえ、6回2失点にまとめていました。前回打球を受けたことを差し引いても、正直、前回もそうですが、前年より力は衰えたなと感じましたが、シーズンに入ってからは、快投こそあまり見られないでしょうが、安定してQSを残し試合を作ってくれるのではないでしょうか。

一方、リリーフ陣は、中田は1イニング投げてゼロに抑えましたが、やはり故障前の状態に戻っておらず、リリーフではキツい。球種が豊富なだけに先発に転向させた方がいいのかなと思います。

今村も、球が走らず、下位打線をすんなり抑えることができず、セーブはつきましたが、炎上寸前でした。上位打線と当たることも多いセットアッパーは、下位打線を抑えられないようでは、もうリリーフでは難しいでしょう。一昨年、ファームで完封し、また、一定の投球術はあるのですから、こちらも技巧派の先発としてリニューアルした方がいいと思います。

やはり、セットアッパーとなると、防御率一点台後半から、悪くても2点台後半に収めて欲しいところ。

このカードは、投げていませんが、岡田は、初速と終速に差がないと思われる切れのいい真っ直ぐ、一昔前の例になりますが、郭泰源のようなストレートを投げていると個人的には思います。打者は、計測以上に速いと錯覚するのではないでしょうか。郭泰源と異なり、フォームが暴れて制球が荒れている分、打者は怖いでしょうし、ヘーゲンズやJacksonよりもセットアッパーに向いているのではないでしょうか。

フォームが暴れ荒れ球を武器にする、当方が勝利の方程式の一角として推す藪田が三軍調整ということで、どこを故障したのか全く伝えられていませんが、肩や腰であって欲しくない。横山が先発で、岡田はリリーフに回して欲しいと思います。

2戦目は、エルドレッドとルナを先発から外し、当落上にいる選手のテストであることが明らかに看て取れる布陣でした。

この2連戦でも結果を出しましたが、キャンプ、オープン戦を通じて感じたことですが、西川は非常に魅力のある選手ですね。軽く振っても鋭い打球を飛ばし、巷間言われるほど非力ではありません。岩本同様、いわゆる悪球打ちの名人で、三振をしにくい反面、四球が取れる打者ではないのですが、言い換えれば、難しいコースの球に対応してケース打撃ができるということですから、これも西川の長所と考えたいです。

木村昇吾の後釜としてユーティリティプレイヤーになんて言わずに、現状は、ショートとして準備させるでしょうが、いずれはどこか一つのポジションに決めて二番打者として育成していったら面白いのではないでしょうか。守備も前後の動きもよく、グラブ裁きの柔らかさという点では、現段階でもカープの一二軍含めた内野手の中でナンバーワンでないでしょうか。攻守とも東出とは、また違うでしょう。庄司との争いには完全に勝ったと思います。.318と当たっている安部と共に開幕一軍に入れて欲しいと思います。
庄司の他には、前述のプライディー、下水流(共に打率が低く守備に難がある)、土生(一軍に置いておいても与える役割がない。)辺りが開幕一軍から漏れるのではないでしょうか。

西川は、菊池や田中が故障したときのバックアップではなく、菊池が田中が、仮に1か月以上、.220~230辺りを彷徨うようだと、スタメン定着とまではいかないでしょうが、彼らに代わってスタメンで出始めるかもしれません。

この日、プライディに、オープン戦初本塁打が出て、首脳陣は今後も一軍に帯同させるようですが、立場は苦しいことには変わりがないでしょう。

この日の試合後、小窪に二軍調整が言い渡されましたが、打席数を多くこなさせるということで、開幕一軍を前提にした通告だと思います。

松山も、内角への対応にキレがありませんが、一軍帯同で開幕まで様子見でしょうか。

鈴木誠也は、実戦復帰間近まで回復しつつあるとも言われますが、打撃は形はできつつあっただけにそれほど時間がかからずに取り戻してくれると思われるし、首脳陣も開幕一軍に滑り込ませることが予想されますが、個人的には、開幕にこだわらず、守と走がこなせるようになってから、3カード目辺りに戻ってきてくれればと思います。

[追記]

Johnsonとヘーゲンズの決定的な差は、やはり制球力だと思います。ヘーゲンズは、カットボールとシュートしか投げさせなかったのは、ベンチの指示だと思いますが、後はスライダーが投げられるぐらいで、Johnsonは、カーブが投げられるので緩急をつけられるが、ヘーゲンズは緩急がつけられない。ヘーゲンズは、起用する場所がないというのが実情だと思います。

中﨑は、リベラ並のスライダーは多少誇張が入っていますが、右左の違いはありますが、スライダーに関しては、内海ぐらいの水準はあると思います。ただ、中﨑の場合、血行障害の手術の影響から雨の日の試合や2連投の2戦目になると大きく球威が落ちるのが難点です。

確かに、チームで最も優れた投手ーカープではJohnsonということになりますがー、をリリーフに置くと言う考え方はありますが、福井は年々成長していますが、先発投手の中の連敗ストッパーとしては未だ酷な面があるかと思われますので、連敗ストッパーとしてJohnsonを先発ローテーションから外すのは難しい面があると考えます。最も引退が近い黒田は、監督、コーチから頼まれればやるでしょうが、今では完全に変化球投手で往年のストレートはないのでリリーフは難しいし、引退後の日常生活もあるので、勤続疲労があるところにに更に負荷を加えることができない。

全力で投げなくても先発としてイニングが食え、且つ抑えられるJohnsonを抑えに回すと、他に彼と同程度イニングを食える投手が、黒田、福井は既に先発構想に入っているので除外して考えた場合、誰もいないという現実もあります。

一岡も現在三軍調整中で、回復の目途が立っていない。同一シーズン中に先発、抑えをやらせると山内、澤﨑、大瀬良のように潰れるので岡田を今からリリーフ1本に絞って調整させ、岡田、中﨑双方の酷使を避ける必要があると思います。捨て試合も必要になってくると思います。