人間の体は、飲食、睡眠、肉体の稼働によって作られます。筋肉、関節の発達の程度、損耗の進行度によって人間の動作は、異なります。監督、コーチは、現役のときの自分の打撃を押し付けることは妥当ではないのである。
しかし、野球には、その土台となる動きというものがある。人間の体は、トップハンドの小指の内旋(トップハンドの肘のヒッチ)による加速距離を180°に近付けるほど、後ろの肩関節が残る。故に、トップハンドの肘が後ろの肩関節の前に出る。トップハンドの親指先がしなる。トップハンドの中指、小指がトップハンドの肘、肩の後ろに下がる。ボトムハンドの中指、小指も立つ。前足を上げる間ができなくて前足を上げることができくても後ろ肩を残すことができる。それだけではなく、後ろの股関節が残る。前の股関節が戻る(内旋する)。前足首が背屈する。飛距離を産み出すものは、前の股関節の加速距離ではなく、後ろの股関節の加速距離である。後ろ肩を残したとき及び、トップハンドの親指MP関節を屈曲する直前ギリギリまでは前の股関節は内旋していなければならない。
トップハンドの親指がしなれば(伸展が大きければ)、トップハンドの親指のMP関節を屈曲すると、トップハンドの親指先の加速距離が長くなる。振れずに手首が固まってしまったり、当ててしまうということが全くと言っていいほどなくなるのだ。伸展した親指を屈曲すして加速することによって筋肉、靭帯は緩む。すなわち脱力する。下半身は脱力できなくても上半身を脱力すれば、下半身の筋肉も収縮(=脱力)できるのである。
打者は、セットアップを解く際に、トップハンドの肘をヒッチしないとトップハンドの親指がしならない。トップハンドの親指がしならないと、親指先の実際に動く稼働域が狭くなる。後ろ肩関節及び前肩関節がスウェイする。故に、トップハンドの中指、小指が立たない。ボトムハンドの親指が立たない。ボトムハンドの手首が捕手方向に入り、ボトムハンドの前腕部が回外したまま前肘が突っ張る。ボトムハンドの前述したトップハンドの中指、小指MP関節の内旋の稼働域、すなわち、加速距離が短くなる。トップハンドの親指を屈曲できず、ボトムハンドの前腕部を回外したまま前肘を抜くので、トップハンドの人差し指の付け根でグリップを押す。故に、トップハンドの中指、小指は完全には立たないのである。
プロ野球のOBでもストライドや前肩の稼働域が広くなるほど、ヘッドの加速距離が長くなると解している者がいるが、ストライドが長くなると後の肩関節が残らない。前肩の稼働域が広くなれば、後ろの肩関節は残らないのである。踏み込まなければ踏み込まないほど、ノーステップに近ければ近いほど、トップハンドの親指Mp関節の加速距離が長くでき、更に、トップハンドの中指、小指の加速距離(フォロースルー)を長くできる。よって、ヘッドをボールの下に潜らせることができる。飛距離を産み出すことができるのである。
音重鎮は、投手がセットアップを解く前及びセットを解くのに合わせてトップハンドの肘をヒッチする。前田智徳が手本にしていたのも音の打撃である。個人的には、この音を広島の三軍打撃コーチに推している。立浪が新監督に就任するのに合わせ、中日のコーチンスタッフが一新されたが、音スカウトの去就は、未だ、発表されていない。
ここまで書いたことは、打撃だけでなく、ピッチングに当てはまる。打撃コーチは、現役のときの自分の打撃を押し付けることはしないが、打撃の土台(根本となる動き)から乖離した、すなわち、インサイドアウトの完成度が低い選手は使われなくなるだろう。
大瀬良、九里の肉体が丈夫であると思っているのは、カープファンだけである。しかし、大瀬良、九里は、肉体がブッ壊れる体の使い方を続け、肉体の損傷が進んでいる。大瀬良、九里は、FA権を取得する前に投げられなくなることを自らが知っている。労働力が再生産できる選手は、ポスティングを使用してメジャー球団と交渉する。労働力が再生産できない選手は、自由契約を申請してNPBの他球団のオーナーと契約する。両者は、仕事ができずに遊んでいても暮らせるだけの価値を栄養費に付けてくれる巨人に行くであろう。選手個人にとっては、少しでも松田元よりも栄養費に価値を付けてくれるオーナーと契約するのがベストであるし、個人的には去る者は追わずのスタンスで構わないと思っている。メジャーで引退を決めていた黒田が広島に復帰したのは、阪神や巨人のオーナーよりも松田元が栄養費に価値を高く付けたからである。付けられた価値の公称は、6億だが、裏ではもっと価値を付けている。松田元は、佐々岡に交渉の仕事をさせ、これまで栄養費に付ける価値を安くしてきた分、功労金を両者に払うのであろう。両者に支払われた現物給与は、佐々岡の給与(栄養費)の中から出させているのであろう。
広島東洋カープのオーナー社長である松田元は、右投手のアンダースンに引き続き、今度は、左投げの外国人投手を獲得した。今回、松田元と契約したのは、前ワイトソックス傘下のNikolas Carlyle “Nik” Turleyである。
ニクターリーのプロフィール
ニクターリーは、左投げ左打ち、登録した生年月日は、1989年9月11日である。付された年齢は、32歳である。付けられた公称サイズは、193センチ、88~104キロである。
メジャー通算35試合登板、39回1/3イニングを食い、0勝5敗 防御率7.78
記録員がマシンを稼動させてフォーシームに付けた価値は、Max155キロ
変化球は、カーブ、ツーシーム、チェンジアップを投げる。
ニクターリーの投球動作解析
ニクターリーは、左足は、スパイクの内側でエッジをかけ、右足はスパイクの外側でエッジをかける。
クイック以外では、右足のスパイクの外側で地面を蹴って右膝を上げてからセットを解く。よって、左手中指、小指MP関節を内旋する間が十分取れていない。セットを解くと、左足が踵体重になる。右腕前腕部が背骨の方に入る。左手首が骨盤を跨ぐ。
それでも、左手首をファーストでつまみ上げるスタンダードWで頭の高さに左手首を持ってくる。ウェイトが左足小指球にかかる。左足内転筋が内転する。右股関節を内旋したまま、右足のスパイクの内側(右足首が底屈)からインステップする。アウトステップするときも右股関節は内旋できている。右腕前腕部が回外できておらず、右肘が突っ張る。故に、右腕前腕部の回転半径が長く、右手親指MP関節の加速距離が短い。アーリーコッキング期に右手中指、小指が立たない。両肩甲骨がこの段階(=アーリーコッキング前)にぶつかる。
左肩関節を外旋するアーリーコッキング期に右股関節が外旋し始める。両股関節が剥がれ始める。すなわち、左肩関節が残っていない。右手中指、小指MP関節を内旋する間が作れず、右肘の落ち幅が小さい。ほぼ両肩がフラットになる。
リリース開始前のレイトコッキング期に右股関節が外旋する。右膝は完全に突っ張り切らない。
左手親指を屈曲し、ボールを叩いて左腕前腕部を回内(リリース)したとき、右股関節から下がO脚になる(右膝の壁が崩れる)。左手人差し指の付け根がボールに被さる。左手親指の腹から左腕前腕部の屈筋が突っ張る。
クイックで投げるときは、セットを解いてから右足のスパイクの外側で地面を蹴る。右膝はクイックでないときほど上げない。左手親指の伸展が小さく、左手中指、小指の加速距離が短いので左手首が骨盤を跨ぐ。それでも左手首からつまみ上げるスタンダードWで左手首を持ち上げる。その後の体の使い方は、クイック以外のときと同じである。
総合
ニクターリーのインサイドアウトスイングの完成度は、レグナルト>DJジョンスン>ニクターリー>バードの順である。個人的には、バードは、リリースして構わない。ニクターリーは、僅差でリードをしている場合、及び僅差のビハインドの場面で起用するのは難しいだろう。