阪神の新外国人選手ジェフリーマルテは日本球界で成績を残すことができるか。

ロサリオは、阪神ファンからすれば物足りない成績に終わったかもしれませんが、外部から見ると、踵体重や後ろ体重を修正するスパンも短く、2年目には日本の投手に適応して数字を伸ばすだろうと思われた。

しかし、ロサリオは1年限りで阪神を自由契約となり、阪神は、新たに、マルテと契約することとなった。

マルテは、現在は、右ふくらはぎの張りで欠場中で開幕に間に合うかは微妙となっている。

阪神の新外国人選手のマルテは、果たして、ロサリオに代わって、ロサリオを大きく上回り、阪神の得点数アップに貢献することができるでしょうか。

プロフィール

ジェフリー・レオナル・マルテ・ポーリーノ(Jefry Leonal Marté Paulino, 1991年6月21日 – )は、ドミニカ共和国ラ・ロマーナ州ラ・ロマーナ出身のプロ野球選手(内野手)。

1991年6月21日生まれの今季28歳。

マルテは、2016年5月31日にシーズン2度目の昇格を果たしてからはそのままメジャーに定着。メジャーでは88試合に出場して打率.252、15本塁打、44打点、2盗塁を記録した。

2018年は、左手首故障の影響で途中離脱するが、アルバート・プホルス、大谷翔平らとの併用策により自己最多の90試合に出場する。

7月16日には、黒田博樹とチームメートであったカーショウから本塁打を打つが、209打席で打率.201・7本塁打・22打点の成績に留まる。
マイナー降格を拒否し、オフに40人枠から外れF権行使となった。

動作解析

(1)始動

Marte vs Hatcher

結果 : 94マイル(151キロ)のファストボールを打って左翼線に二塁打

投手が右肘をつまみ上げたときに、マルテは、左膝をレッグアップします。

日本人の打者に比べると始動が遅い。

ヘッドが寝ているので、レッグアップの直前又はレッグアップのときに手首を下げる(予備動作であるヒッチ)をするのが難しくなります(実際にはマルテも西川龍馬もわずかにヒッチする)。

波動は作り過ぎてもボールを受け、また波動が全くないとスウェイ(又は左肩の開き)したり踵体重(左肩、左肘のロック)になります。

マルテ vs カーショウ

92マイル(147~148キロ)のファストボールを打って左翼席に本塁打

投手が左肘をつまみ上げるときに、マルテは、左膝をレッグアップします。

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マルテ vs 平野佳寿

92マイル(147~148キロ)のファストボールを打って左翼席に本塁打

投手が右肘を逆L字からつまみ上げるときに、マルテは左膝をレッグアップします。

(2)ステイバック

Marte vs Hatcher

ドアスイングになる打者は、右打者で言うと、左肩が内に入って左肘が突っ張る打者と右脇が閉まっている打者。

マルテは、少し左肘が内に入って胸が捕手方向に若干向いていますが、左肘は突っ張っていません。

左肩が右肩より下がっているのも〇。

しかし、コックした右肘が捕手方向に張り出さず、右脇が閉まっています。

始動(レッグアップ)が遅いことは、次の画でトップが浅いこととも関係しますが、ステイバックが小さいことも、始動(レッグアップ)が関係しています。

トップが浅いと右の股関節の内旋が右肘の出より先行又は右肘の出とシンクロ(ダブルプレーン)してしまいます。

そうなると左肩も右肘を前に出す前に開いてしまいます。

この右脇の閉まりがドアスイング(右肘が伸びる)になる原因です。

コックした右肘を捕手寄りに張り出して右脇を空けないと肩甲骨の稼働域を広くすることができないからです。

左肘も内に入ったり、前に出されると肩甲骨の伸縮ができなくなり、ヘッドが遅れてしまいます。

マルテ vs カーショウ

ここでも、マルテは、右脇が閉まってします。

マルテ vs 平野佳寿

さらに、ここでも、マルテの右脇は締まっています。

(3)トップの位置

Marte vs Hatcher

マルテは、振り下ろす直前、トップを作ったときにヘッドが寝ます。

すなわち、レベルスイング(ドアスイングに近い)でスイングします。

左足のステップ幅が狭いので下半身の回転半径は狭いのに、ドアスイングなのは非常に勿体ない。

マルテ vs カーショウ

振り下ろす直前(トップが完成したとき)にヘッドが寝ます。

広島の西川もヘッドを寝かせて構えますが、振り下ろす直前は、トップの角度が深く入り構えたときより、ヘッドが立ちます。

マルテ vs 平野佳寿

ここでも、振り下ろす直前ににヘッドが寝ます。

(4)振り下ろし始め

Marte vs Hatcher

振り下ろし始めに右肩が下がります。

このような打者は、インハイに弱点があります。

後ろ足に極端に重心が残ってドアスイングになるからです。

マルテ vs  カーショウ

ここでも、マルテは、振り下ろし始めに右肩が下がります。

マルテ vs  平野佳寿

ここでも、マルテは、振り下ろし始めに右肩が下がります。

(5)ミートの瞬間及びフォロースルー

マルテ vs  カーショウ

ボールの軌道と水平にヘッドをボールの外側に入れてトップハンドの親指でグリップを押し込んでからヘッドアップしてしまいます。

左肘が上がって左肘と肋骨の間が空いていることからもドアスイングであったことが看て取れます。

左肘と肋骨の間に隙間ができると、新井さんが打撃を崩したときのように、手首→ヘッドの順で体の前に出てきてしまうからです。

これはトップは浅いこととも関係しています。

マルテ vs  平野佳寿

ボールの軌道と水平にヘッドをトップハンドで前に運んでいきます。

外の球は壁を作って左肘を使ってバットとボールを掃い、真ん中からインコースは、ボトムハンドである左肘を抜いて押し手である右手でボールの軌道と水平にバットを運ぶ距離を伸ばしています。

カチ上げ型ではなく、レベルスインガーのバッティングです。

フォロースルー

マルテ vs  カーショウ

他の選手と比べると骨盤を三塁方向にズラすので、バナナカーブが大きい分、レフト方向に打球が飛びますが、ヘッドステイバックはメジャーリーガーの割には大きくありません。

マルテ vs  平野佳寿

ここでは、左足の踵に重心を移してヘッドステイバックを大きくしています。

結論

メジャー通算30本中29本がセンターから左への本塁打で、右方向への本塁打は、1本。

上っ面の現象面やデータしか拠り所にしないウィキや野球ファンのブロガーの論評を見ると、ほとんど全てが引っ張り専門で、大型扇風機になるというものですが、私は、そうは思いません。

マルテのスイングは、振り下ろす直前にヘッドが寝るレベルスイング、忌憚なく言わせてもらうとドアスイング。

広島で言うと、スケールは違いますが、堂林や髙橋大樹のような打者。

踏み出す足の着地から投げる腕の肘が出てくるまでの間の短い投手、回転数の多いボールを投げる投手と対戦すると、マルテは、ヘッドがボールの内側に入って打球がセンターから右に飛ぶと思います。

ヘッドがボールの内に入るので、スライス回転した右方向の当たりは、フェアゾーンに入らずに、ファウルゾーンに入ってくれます。

岡本、ゲレーロ、柳田のようにカチ上げて打つのではないので、日本でもメジャーでもマルテは、中距離打者です。

よって、メジャーの頃より本塁打が減って単打が増えて(単打増>本塁打減)メジャーでプレーをしていたときよりも打率は上がると思います。

始動が遅く、左膝のレッグアップがすり足に近いぐらい低いのでステイバックは大きくなく、懐が深いとまでは言えませんが、①ステイバックのときに左肩が下がり、ボールの軌道を左肩がふさいでいないこと、②ソト(DeNA)と異なって、トップを作ったときに、骨盤の上に頭が乗り(ソトは骨盤の中心線の上から若干前に頭が乗る)、ポイントが後ろであることから、三振は日本では、メジャーでプレーしていたときよりも減ると思います。

かつて、「うねり打法」の手塚一志氏をテクニカルディレクターとして迎え入れた阪神のフロントにとっては、好みの打者かもしれませんが、正統派の右打者出身の監督から見れば、「何でこんな打者を獲ったんだ」と思うでしょう。

現役時代左打者であった球界OBでも、前田智徳は酷評すると思います。

よく引き合いに出される巨人に入団したビヤヌエバを比較すると、実力はビヤヌエバの方が上。

ロサリオとマルテを比較した場合、対戦相手の投手目線で言うと、対戦してみて嫌だと思うのは、ロサリオの方という結論になるでしょう。

味方投手(阪神の投手)目線で言うと、「頼りない」。

現状のままだと、マルテが加入によって打線の軸になって得点数が爆発することを期待する阪神ファンを失望させると思います。