日本ハムの資本は、中田翔を昨季途中に巨人に放出し、大田泰示に戦力外通告を行った。日本ハムに残された野手で、2桁本塁打を打ったことがある者は近藤健介の11本塁打のみとなった。セイバー指標だけを見ると、日本ハムの最大の課題は、長打が打てる選手がいないことのように見える。果たしてそうだろうか。
私は、ロドリゲスの昇格を推してから、実績がなくても、磨けば光る若手を見出そうと、前記事を脱稿してからも、試合開始ギリギリまで、二軍にいる全投手の投球動作をチェックし直したが、拾い上げることができなかった。既存の選手の抜擢だけではどうすることもできないほど、日本ハムの使える投手の選手層は薄い。実際に、新庄が試合前に一軍に昇格させた投手は、左投げのスリークォーターの福田俊である。
監督が交代する場合、新監督の要望をも参酌してクビが切られる。
新庄は監督のオファーが来てから、選手の野球の動きに関する動作の改革を加え始めているものの、就任一年目の今季は、既存の選手の動作の改革よりも既存の選手の野球の動きの把握に重点を置いている段階である。新庄は、資本側の追認を要するのではあるが、人事権をも付与されていると推察される。今オフ、石川直也、宮西を始めとするベテランリリーフ投手は契約を切られるだろう。私も12球団の選手の選手名鑑を作っているので、ベテランの投球動作についても把握している。新庄が彼等の契約を切ったとしても、私はそれを支持する。
阪神先発ウィルカースン
阪神先発ウィルカースンは、セットを解くまでの、ボールを持つ間が、メジャーで先発ローテーションや勝ちパターンで投げている投手に比べると長い。ウィルカースンは、左足のスパイクの内側、右足の小指球でエッジをかけ、左膝をスクエア、左肩をクローズドスタンスにしてセットアップする。グラブを背骨の右側のベルトの高さに置く。ボールは右手の中指の付け根で握る。左腕前腕部は回外、右腕前腕部は回内している。頸反射はしていない。首は、左打席の外側のラインの投手寄りに向く。右膝を屈曲、右足首を底屈して右足のスパイクの外側はプレートの一塁側に沿わせている。左足は、スパイクの外側から入射する。右肘をインバートWでつまみ上げる瞬間のみ俊敏で、右肘をつまみ上げるまでの、セットを解いて右手首を止めるまでの間は短くない。右手首を煽ったときは頸反射している。右手小指基節骨の角度を70°にして左打席の内側のラインに向けたとき右手親指のしなりを解き始める。ウィルカースンは、フィールディングにおいても、背骨の左側にグラブを出す。
本塁打が2桁到達した万波中正の走守攻
セイバー野郎は、打率を含むセイバー指標を拠り所に、万波の打撃は穴が多い、粗いという価値を付ける。
万波は、ウィルカースンがセットを解く前に、右肘をヒッチする。左股関節が内旋するが、左膝は上げない。右肘をフライングエルボーすると、左足のスパイク外側が入射する。右手の中指、小指第二関節を内旋し、右手小指基節骨を投球の軌道に入れると、左股関節が戻る(内旋)する。右手の小指が立ってから左足のスパイクの外側が入射するので、左足の入射のタイミングに誤差が生じても、トップを作って左股関節を戻すことができる。右手親指のしなりを解くとヘッドが加速する。現在の万波は、スイングが安定しつつある。安定して本塁打を量産できるだろう。万波は、間違いなく、前4番の中田翔以上にはなる。ビシエド、鈴木誠也の領域に近付くだろう。ベースランニングもハーフウェイからラインの内側を走れている。
しかし、守備において、万波は、背骨の左側で捕球する。左肘、左肩を右肩の方に入れて送球のトップを作っている。現状では、二塁走者はシングルヒットで本塁に還ってこれる。背骨の左側捕球は、グラブの小指側で打球を叩いて背骨の右側で右手で捕球するよう、秋季キャンプで新庄からも修正が求められるだろう。
松本剛も、トップを作る前のヘッドが立つ動作をしてから、左足のスパイクの外側を入射しているので、スイングが安定している。
捕手宇佐美真吾の打撃
宇佐美は、昨季までも、トップを作る前のヘッドを立てる動作の前までに、左肘をヒッチしていた。NPB史上、投手がセットを解く前までの左肘の幅が最も大きいのが前田智徳である。宇佐美は、現在、投手がセットを解くのに合わせて左肘をヒッチしているが、昨季に比べると左肘のヒッチの幅が大きくなり、前田智徳の左肘のヒッチの幅に近付いている。右股関節が内旋する。右膝が上げない。左肘のヒッチが大きくなったことによって、左手の親指がしなるので、左手小指が最も先につまみ上がり、スタンダードWでヘッドを立てることができるようになった。ヘッドが立ってから右足のスパイクの外側から入射している。トップを作ると、右股関節が引っ込む。中堅に飛球を打つ。犠飛となる。二死一三塁であれば、一塁走者も強制スタート。2回表一死一三塁、一塁走者は進塁優先の2wayリード、捕邪飛、投飛、一邪飛、二邪飛、三邪飛、遊邪飛を背走しながら背骨よりも前肩寄りで捕球した場合、左飛、右飛を背骨よりも前肩よりで捕球した場合、スライディングキャッチ、タイビングキャッチした場合以外は一塁走者のタッグアップが難しいケース。宇佐美は、中飛を打ち、犠飛となる。左投げの近本は、背骨の右側で捕球するが、三塁側に背を向けている。カットに入った遊撃中野に返球する。ハーフウェイに達していた一塁走者のアルカンタラは一塁に戻る。
一死満塁からのランエンドヒット
3回表、一死満塁、カウント1-0、投手アルカンタラ、打者宇佐美のケース
新庄は、一塁走者、二塁走者、三塁走者及び宇佐美にランエンドヒットのサインを出す。宇佐美は、ヘッドを立て、右足はスパイクの外側から入射した後、トップを作ると右股関節が戻る。左手親指のしなりを解くとバナナカーブが急勾配になる。ヘッドが立つ。三遊間を破る。左翼手のロハスジュニアが背骨の左側で捕球し、三塁走者だけでなく二塁走者も本塁に還る。
無死満塁におけるスクイズ
3回表、無死満塁、フォースドプレーのケース、投手は、右投手のアルカンタラ、三塁手は、三塁ベースよりも前、アンツーカーの遊撃寄り、一塁手は一塁ベースよりも前にいる。スコアは4-1で日本ハムがリードの場面で、新庄は初球、上川畑にスクイズのサインを出す。三塁走者は、投手がセットを解く前又は投手がセットを解いた後、トップハンドの親指のしなりを解いたのとシンクロさせて、左手親指基節骨で左手人差し指の拳を叩いてスタートを切ると、投手はトップポジションをゆったりと作れる。リリースの直前にボールが中指の第二関節から外れることがないから、ストライクゾーン内に投げてバントを失敗させることができる。また、トップハンドの親指のしなりを解いた後、トップハンドの親指を屈曲して投球の軌道をボールゾーンに変えることができる。捕手は、三塁送球におけるトップポジションを作る間をゆったりと取れる。上川畑は、ヒッティングの構えからバントの構えに切り替える。左手人差し指の付け根で、ややパームグリップに近い握り方をする。左手の親指でグリップを押す前に左肩も残っていない。三塁走者は、左手親指のしなりを解く前にスタートを切ることができない。上川畑は、バントは上手くない。打球は、地面が掘れた部分に当たって浮き上がる。二次リードを取っていた三塁走者は打球が浮き上がったところで走塁におけるトップ(左手親指のしなり)を解除する。プレートとホームベースを結ぶライン上の8:1でホームベース寄りのところで静止する。阪神の捕手、長坂は、ヘッドステイバックしたとき、右膝が外側に開く。ベアハンドキャッチする。スタンダードWで右肘をつまみ上げる。左足はスパイクの内側から入射する。頸反射もしていない。左肘が右肩の方に入る。左肩が地面に被さる。サイドハンドで一塁に送球する。
8回裏、北條は、右手の親指のしなりを解くとヘッドが下がる。北條は、ヘッドアップする。上川畑は、最初に三塁側に向かってグラブを出す。右足の拇指球で地面を蹴り、左足はスパイクの外側から入射するものの、ストライドが広がる。
先発上沢直之
上沢は、左足首が背屈するまで左膝を上げると右足がヒールアップする。左足首を底屈したまま左膝を伸ばし、右足踵が地面に着く。左足首を底屈すると右膝が折れる。右肘をインバートWでつまみ上げる。左足のスパイクの内側から入射する。右手中指、小指の第二関節を180°内旋するまで右腕上腕部が外旋する間が作れず、右底首をあおったところから、右手小指の付け根が打者の方に向く。
大山は、ヘッドを立ててから、トップを作る間での間にフライングエルボーをする間ができる。言い換えれば、フライングエルボーのプロセスを加えることができるほど、トップを作る間がゆったりと作れている。上沢は、大山に2本の本塁打を食らい、7-5と点差を詰められる。上沢が降板後は、石川直也、堀、玉井が投げた。
3番手堀瑞輝
大山は、トップを作る前、ヘッドを立てたとき、右足つま先が捕手方向に向き、右膝が外側に開く。頸反射もしていない。左肩がホームベースの上に被さる。堀は、テイクバックが大きく、リリース直前に左肩が残らない。大山は、左肩を開いてからでもトップを作る間ができる。左足のスパイクの外側から入射する。大山の三本目の本塁打で阪神が一点差に迫る。代打山本泰寛は、合せただけの流し打ちだが、阪神は同点に追いつく。堀は左肘のアクセレーション前に右股関節が外旋するダブルプレーン投球でボールが左手中指の第二関節から抜ける。投球がインハイに外れて阪神が7-8と逆転する。
堀は、フォロースルー期の前に右膝が折れる。近本は、トップを作る前、ヘッドを立てる過程で、頸反射し
ていない。右肘が突っ張る。首がホームベースの方に曲がる。右肘を抜く。左手人差し指の付け根が投球の軌道に入る。ヘッドが下がる。ヘッドアップする。左手親指基節骨で再度、グリップを叩く間が生ずる。左
手小指の付け根で一二塁間に引っ張る。
日本ハムの最も弱い部分が改めて顕在化された。
阪神のリリーフ投手のピッチング
藤浪は、右足のスパイクの外側をプレートの一塁側に沿わせる。左膝を上げた後、グラブが背骨の右側に入る。右肘をインバートWで上げる。左肘を上げた後、右足がインステップする。左足はスパイクの内側から入射している。リリースの直後、右腕前腕部の棘下筋が凹む。両股関節をぶつけた後、左膝の壁が崩れる。フォークを投げた場合、右腕前腕部の回外後、右手人差し指と中指がくっ付かない。右腕前腕部を回外後、基節骨でボールを叩いてフィニッシュする。
岩貞は、右足のスパイクの外側をプレートの三塁側に沿わせる。グラブは背骨の左側でベルトの高さにセットする。投球肘を上げた後のインステップは藤浪ほど大きくはない。リリース直前の右膝の屈曲の角度は、140°である。リリース直後に左腕前腕部の棘下筋が凹む。左肘の高さ、左腕と背骨の交わる角度は、オーバーハンド、左肘のレイトコッキングの角度は、オーバーハンドに近いスリークォーターである。左手親指基節骨でボールを叩いてフィニッシュする。
加治屋は、背骨の前でベルトの高さにグラブをセットする。右手首をコックしてグラブの高さに上げる。グラブを背骨の前で首の高さまで上げる。左膝はヘソの高さでインサイドの角度で屈曲する。左足首が背屈する。右足がヒールアップする。右腕前腕部を回内後、右手首が背中からはみ出すが、背中に付くほどテイクバックは大きくない。右腕前腕部を回外後、右手親指基節骨でボールを叩くが右肘のコックの角度は、垂直に近いアウトサイドになる。右肘のアクセレーション前に頸反射していない。右足の拇指球にウェイトが移り、左股関節が外旋する。リリース直前の左膝の屈曲の角度は、140°である。右手小指基節骨の入射角は、45°である。リリースの直後、右腕前腕部の棘下筋が凹む。右肘の高さ、右肘のレイトコッキングの角度、右腕と背骨の交わる角度は、オーバーハンドである。
岩崎は、左足のスパイクの外側をプレートの三塁側に沿わせる。左足のスパイクの内側、右足のスパイクの内側でエッジをかける。グラブは背骨の左側で肋骨下部の高さにセットする。右足首の拇指球から踵が左足踵からはみ出る。左手首は、両股関節を結ぶラインの手前で止める。左肘はインバートWでつまみ上げる。
左肘のアクセレーション前に左足の拇指球にウェイトが移り、右股関節が外旋する。頸反射していない。
リリース直前の右膝の屈曲の角度は、130°であり、右膝の屈曲が深い。左手小指基節骨の入射角は、60°である。リリース直後、左腕上腕部棘下筋が凹む。左腕と背骨の交わる角度、左肘のレイトコッキングの角度は、オーバーハンドであるが、左肘の高さがスリークォーターである。右膝から下がO脚になる。左腕前腕部回外後、左手親指基節骨でボールを叩いてフィニッシュする。チェンジアップを投じた場合、左腕前腕部を回外後、人差し指と中指がくっ付かない。
渡邉は、プレートの三塁側に左足のスパイクの外側を沿わせる。グラブは、背骨の左側で鎖骨の高さにセットする。右膝は肋骨下部の高さでインサイドの角度で屈曲する。右足首は背屈する。左足踵にウェイトがかかる。右足前脛骨筋が回外(内反)する。左腕前腕部を回内する。両股関節を結ぶラインの手前で左腕前腕部を回外する。左手親指基節骨でボールを叩く(スタンダードW)。左肘のアクセレーション前に左足の拇指球にウェイトが移る。
阪神2回戦のゲームプラン
先発杉浦は、右投げのスリークォーターである。打者は、トップを作る間ができるので、投球の軌道に付けられた球速表示ほど、速いとは錯覚しないだろう。
阪神先発は、アンダーハンドに見えるがスリークォーターからサイドハンドの間の青柳。セイバー指標は優れているが、トップを作る間が作れるので、フライボール革命と機動力野球の双方が使える。よって、攻略の難しい投手ではない。カーブ待ちで全球種を順方向に飛球を打つスイングが基本となる。
阪神は、リリース直前の右膝の屈曲が深く、投球が垂れる岩崎がクローザーを務めているほど、リリーフの層が薄い。先発杉浦がKOされても、中継ぎが点差を広げられなければ、最終回に再逆転することはむずかし難しくはない。
しかし、日本ハムは、リリーフの層が薄いので、是が非でも先制点を取り、大量リードしたい。
参考資料
日本ハム
5回裏、上沢は、47球目、長坂に対し、アウトローにスライダーをワンバウンドさせる(ボール)。
6回裏、上沢は、63球目、大山に対し、真ん中低めにフォークをワンバウンドさせる(ボール)
6回裏、上沢は、72球目、ロハスジュニアに対し、インロー(左打者のアウトロー)にチェンジアップをワンバウンドさせる(ボール)。
6回裏、上沢は、74球目、ロハスジュニアに対し、インロー(左打者のアウトロー)にフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
6回裏、上沢は、80球目、小野寺に対し、アウトローにスライダーをワンバウンドさせる(ボール)。
7回裏、石川直也は、1球目、島田に対し、アウトロー(左打者のインロー)にフォークをワンバウンドさせる(バント構えに切り替えてドラッグバント、ハーフスイング、ボール)。
石川直也は、右足のスパイクの外側をプレートの三塁側に沿わせる。グラブは背骨の右側で丹田の高さにセットする。リリース直後に右腕上腕部棘下筋が凹む。右腕前腕部の回外後、右手人差し指と中指がくっ付かない。
島田は、左手親指PIP関節を屈曲し、左手の親指の爪の裏でグリップを押している。ヘッドが捕手方向及び投手方向に倒れている。頸反射している。オープンスタンスでセットアップしているが、左膝が外側に開いている。
阪神
2回表、ウィルカースンは、34球目、淺間に対し、34球目、アウトロー(左打者のインロー)にカーブをワンバウンドさせる(空振り三振)。
ウィルカースンは、両肩を結ぶラインと首を垂直に交わらせる。グラブは背骨の右側でベルトの高さにセットする。ウィルカースンは、2塁ベースアンツーカーに首を捩じる。ウィルカースンは、二塁ベースの三塁寄りのライン方向に首を捩じる。ウィルカースンは、2塁ベースアンツーカーに首を戻す。2、3塁間ハーフウェイに首を反時計方向に捩じる。ウィルカースンは、左足拇指球で地面を蹴り、右腕前腕部を回外してセットを解いた後、左打席の内側のラインの捕手寄りに首を捩じる。ウィルカースンは、リリースの直後、右腕上腕部棘下筋が凹む。
淺間は、左足内踝、右足の内踝でエッジをかけ、オープンスタンスでセットアップする。ヘッドの角度は、45°にし、頸反射している。左手親指PIP関節が屈曲し、左手親指の指先をグリップに巻き付けている。左肘を上げた後、左肘がヘッドの外側に張り出す。右肩が左肩の方に入り、右肩がホームベースに被さる。
2回表、ウィルカースンは、36球目、野村に対し、アウトローにカーブをワンバウンドさせる(ボール)。
4回表、藤浪は、6球目、万波に対し、アウトローにカーブをワンバウンドさせる(ボール)。
4回表、藤浪は、8球目、アウトローにスプリットをワンバウンドさせる(ボール)。
6回表、岩貞は、11球目、万波に対し、インロー(右打者のアウトロー)にスライダーをワンバウンドさせる(ボール)。
7回表、加治屋は、4球目、野村に対し、アウトローにスライダーをワンバウンドさせる(ボール)。
7回表、加治屋は、7球目、清宮に対し、インロー(左打者のアウトローにフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
7回表、加治屋は、12球目、松本剛に対し、アウトローにフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
7回表、加治屋は、17球目、上川畑に対し、アウトロー(左打者のインロー)にフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
9回表、岩崎は、7球目、野村に対し、インロー(右打者のアウトロー)にチェンジアップをワンバウンドさせる(ボール)。
9回裏、岩崎は、14球目、松本剛に対し、インロー(右打者のアウトロー)にフォーシームをワンバウンドさせる(ボール)。