私は、西川のバッティングを初めて見たとき、”尋常でなくトップが深く入る打者だな、こりゃ、引っ張り専門のホームランバッターだな”と即思った。
プロ野球経験のないマスコミ評は、逆方向にも打てるバットコントロール、しかし、体型から非力でホームランを打てそうにない打者というものがほとんどで、カープファンの評価もそれに追随するものがほぼ全てだった。
バッティングは、瞬発力です。
鈴木誠也の握力は44kgで、西川の握力は,48.5kgで、主力選手の中で最下位と、下から2番目です。
お前ら、西川のこと、ちゃんと見てねえだろうと。
昨季は、代打がほとんどで、先発が3試合のみでしたが、今季は、レギュラーとまではいきませんでしたが、三塁を中心に二塁も含め、先発出場を大幅に増やしました。
来季は、どこを守るのかはわかりませんが、課題は守備でしょう。
岡田が崩れた5/6の阪神戦も二塁西川の拙守がありました。
走塁も帰塁が上手くありません。
打撃面では、昨年までは、ステップ幅が現在よりも足の横幅分大きく、インコースのベルトより上のボールは、振り下ろすのが遅れ、打率が良くありませんでした。
西川に関し、今季、この一打と言われたら、菅野のインハイを引っ張って打った本塁打でしょう。
西川は、誠也を評して、”あんな凄い奴みたことない”は、本音でしょう。
鈴木誠也は、西川を評して”天才”と言いますが、これは、女の子が同性にいうカワイイと一緒で、本音ではないでしょう。
バッティングは、練習で作り上げるものであって、生まれつき打てるものではありませんから、鈴木誠也も西川も練習量で作り上げたものです。
本音は、まだまだ俺には及ばないというところでしょう。
私も、西川の打撃は、こんなものじゃないと思っています。
率も本塁打も更に増加するだろうと。
それでは、西川のバッティングを見てみましょう。
西川龍馬のバッティング
西川は、オープンスタンスで立ちます。
右投手が左足を上げたとき、西川は、右足の踵で地面で踏みます。
シンクロ打法です。
右投手が左足を下して重心を落として、テイクバックして手首を内旋したときに、
西川は、右足を上げ、グリップをわずかに下げます。
右投手が大腿骨を骨盤に差していき、右肘を上げ、右肘が逆L字になります。
西川は、グリップを奥に入れていきながら、右足を下し始めます。
右投手がトップを作って左足が着地寸前のとき、西川は、右足を下げ始め、グリップを上げてトップを作っていきます。
西川は、左足の着地位置を探るとき、右の山田哲人、坂本、新井、左の田中広輔に比べると遥かに小さいのですが、少し弧を描くので、レベルの高い要求になってしまいますが、それが修正されれば、インコースベルトより上のボールの打率が上がって、鉄板の選手になれます。
西川は、右投手が踵から着地して内旋したとき、トップ深く入れます。
西川のトップは、左足よりも深く入り、グリップも頭の後ろに隠れます。
西川は、拇指球で着地したとき、トップの角度をキープしています。
これが、いわゆるヘッドのしなり(実際には、しならないですよ。)を産み出します。
これが割れを作ります(上体を内旋、内旋していた右股関節を外旋し、右膝を前に運ぶ)。
右足は、踵が浮いていますが、スパイクの内側の拇指球寄りの歯を地面に噛ませています。
目線から最も近いインハイなので、逆に、踵まで地面に付けていたら打てないでしょう。
西川は、ステップが狭い。
これもインハイが打てるようになった原因の一つでしょう。
西川は、左肩と耳の間からバットを振り下ろします。
左肘先行のインサイドアウトです。
グリップが両肩より上に行っていないので、ボールの軌道と45°に当てることができ、ボールの下にバットをくぐらせてバックスピンをかけられます。
インパクトのときに左肩が下がるのは構わない。
その前の段階であるバットを振り下ろし始めたとき、まだ少し、左の肩が下がりますが、昨年よりだいぶ改善されています。
右足は、スパイクの外側に重心を移して回転し、うねり上げていきます。
右膝はルーズに曲がっています。
左足の踵が浮いて左足は、爪先で立っているので打球が伸びます。
左脇、左肘を締めて、右肘を引いて打ちます。
西川は、右足は、スパイクの外側の踵寄りに重心を移し、右膝を上方に蹴り上げ、左膝で壁を作り、右肘でバットとボールを掃います。
西川は、右足は、踵に重心を移して回転します。
西川は、フォロースルーも腰の辺りまでしていて大きい。
今季の成績
95試合 204-56 .275 5本 27打点 二塁打10 三塁打2 犠飛2 犠打3 併殺 4 三振 35 四球10 死球1 盗塁4 盗塁死1
出塁率 .309 長打率 .417 OPS .725
右投手 166-46 .277 5本 29三振
左投手 38-10 .263 6三振
空振り率 4.19%
コース別成績
右投手
左投手
左足を着地したときの、右足の踵が浮くのが早いのと関係しますが、真ん中低めのボールゾーンにヘッドが返ってしまっています。
右足の探りと振り下ろしにかかったときの左肩の下がりとの関係で、インコースベルトより上の高さの打率が良くありません。
球種別成績
ストレート 94-26 .277 4本 16三振
スライダー 35-8 .229 2三振
シュート 18-7 .389 2振
カットボール 10-4 .400 2振
チェンジアップ 10-4 .400 1振
カーブ 8-2 .250 2振
シンカー 2-0 .000 1振
打球方向
左方向 73-14 .192 1本
中方法 91-23 .253
右方向 39-19 .487 4本
その他成績
2ストライク後の成績 106-25 .236 1本
得点圏打率 .290
ビハインド 18-5 .278
同点 14-6 .429
リード 37-9 .243
代打成績 44-15 .341
主な投手との対戦成績
菅野 8-3 .375 1本 1点 1振
マイコラス 7-3 .429 1本 1点 3振
田口 9-1 .111
Mathieson 3-1 .333 2振
カミネロ 2-1 .500 1点
畠 2-0 .000 1振
今村信貴 2-2 .1000 1点
石山 4-2 .500 2点
星 2-1 .500 1点
小川 2-1 .500
近藤 2-1 .500
原樹里 3-1 .333 1振
松岡 4-1 .250 1本 1点 1振
ルーキ 2-0 .000
山中 2-0 .000
秋吉 1-0 .000
井納 1-1 .1000 1点
三上 2-2 .1000 1本 3点
エスコバー 4-2 .500 1点
山﨑康晃 2-1 .500 1点 1振
平田 3-1 .333 1振
ウィーランド 9-2 .222
今永 4-0 .000 1振
田中健二朗 3-0 .000 1振
加賀 3-0 .000 1振
大野 1-1 .1000
八木 1-1 .1000
笠原 4-2 .500 1振
又吉 10-3 .300 2点
三ツ間 5-1 .200 1本 2点
伊藤準規 4-0 .000 1振
田島 1-0 .000
柳 1-0 .000
谷元 1-1 .1000
福永 3-2 .667
小野 2-1 .500
メッセンジャー 2-1 .500 1点 1振
ドリス 2-1 .500 2点
秋山 3-1 .333 1点
髙橋聡文 3-1 .333 1振
藤浪 5-1 .200 1点 2振
藤川 3-0 .000 2振
桑原 3-0 .000 1振
岩貞 2-0 .000 1振
石崎 2-0 .000 1振
マテオ 1-0 .000
牧田 1-1 .1000
野上 3-0 .000
涌井 1-1 .1000
二木 2-0 .000
益田 1-0 .000
黒木 1-0 .000
佐藤達也 1-0 .000
東明 2-0 .000
サファテ 1-1 .1000
バンデンハーク 1-1 .1000
岸 2-1 .500
美馬 3-1 .333
まとめ
右足を着地したとき、エッジをかけた左足の踵が早く浮くので、インハイは、トップを作るのが遅れなければ、それでいいのですが、トップの角度を辛うじてキープしているので、
バットを振り下ろしかかるのを堪え、始動(トップを作ること)が遅れたときは、真ん中低めのボール球にヘッドが返ってしまいます。
インローは、トップが深く入るので腸腰筋で作った瞬発力で、前で拾って、ヒットにできますが、真ん中低めは、バットが下から出てゴロになるか、空振りになります。
四球は少ないですが、この人も走者を還すのが役割の選手なので、増やさなくていいでしょう。
打撃を修正して安打を増やして、空振り率は優秀ですが、三振を更に減らしていってもらいたい。
まだ、少し振り下ろし始めのときに左肩が下がります。全く左肩を下げないと逆方向にしか飛ばなくなるので、完全に水平にまでしなくとも、もう少し左肩の下がりを抑止し、右くるぶし、スパイクの内側のから先に投手に向けて、足首の角度を垂直にして右足の着地位置を探って拇指球回転すると、インハイの打率はもう少し上がるでしょう。
とは言っても、打撃だけなら、12球団どこの球団に行っても既にレギュラークラスの水準にあるので、課題は、守備走塁でしょう。