プロ入り初打席で3塁打、日本シリーズでも、きっちり振り切って安打を打つなど、少ない出番ながら、新人とは思えない動きを見せた西川。
広島ファンの中では、昨年開幕前から期待され、今季ブレイクし得る選手の筆頭候補でもある。
最近、広島ファンになった方にも、ぜひとも、知ってほしい選手の一人である。
2016年の成績は、下記のとおりである。
今季の成績
主要成績
62試合 51打数 15安打 .294 0本塁打 3打点 二塁打3 三塁打1 盗塁死1 四球4 犠打2 犠飛1 三振9
出塁率.339 長打率 .392 OPS .731
守備成績は、二塁が12試合で無失策、三塁が27試合で1失策 .952
どちらかいうと二塁、ショートが専門で、三塁は並みの数値となっている。
西川は、オープンスタンスで立っているが、両膝を上下にクッション運動させたり、両膝を前後に揺らして速度や球の軌道を評価しているので、高低の変化にも対応でき、懐(奥行)を深くすることもできる。
また、構えたときには、グリップの位置がゾーンよりボール2個半ぐらい高目で、ヘッドを寝かせて、トップの角度を小さくして投手側に向けて揺らすことで速度を評価している。
元巨人の篠塚に似ていると評されるが、確かに打ちに行くときのグリップの位置とバットの出方、ストロークの短いところは似ている。
しかし、篠塚よりは、小刻みにバットを揺らしている。
よって、空振り率は、打数は少ないが、川端を大きく下回る1.77。スタメン起用するなら、2番だろう。
西川は、テイクバックした後、左足がカチっと固まり、軸足の上に頭が乗り、右足のつま先で、着地点を探り、打ちにいくときにグリップが固まり、バットが立って、トップの角度を45度に作っている。
ボールを前で裁き、上半身を開かずに、膝を開いて割れを作って、グッと軸を回転させている。
ボールの下をくぐらせてバックスピンをかける打ち方ではなく、インパクトの直前に手首を固めてヘッドを下げていても、インパクトまでのストロークが短いので、本塁打を量産する打撃の動作ではないが、それでもヒットの延長で本塁打も打てる。
西川龍馬のコース別打率(2016年)
左方向の打率は、16-5 .313、センター方向が23-2 .087
右方向の打率が13-8 .615と典型的なプルヒッターで、速い球に力負けしない。
外の球も引っ張れる。
スリムな体型から非力であると評されるが、非力ではない。
緩い変化球を待って、インパクトの直前に重心を後にやや戻して打つことができれば、本塁打も増える。
これも、左足がピタっと止まるので出来るだろう。
500打席与えられたら、11~12本ぐらいは本塁打を打つだろう。
インコースのデータは、あまりにも少なすぎるので、何とも言えないが、膝をルーズにして奥行を作っているので、インコースも対処できるのではないか。
真後ろにファウルチップしやすい、速度を評価しやすいコースは、10-4と打っている。
外のゾーンより高い、バットとボールの距離が取りにくいところも、1-1だが、安打している。
今後も打ちに行くときのグリップの位置、トップの角度が、さまざまな投手に、さまざまな変化球攻めをされても、崩されなければ、相当アベレージも残せる。
初球の打率が12-5 .417。1ボール1ストライクが6-3 .500、2ボール1ストライクが5-3 .600。
空振り率が低く、勝負球より甘い球は、一振りで確実に仕留めている。
球種別成績
球種別打率は、下記のとおりとなっている。
ストレート 26-9 .346 3三振
特殊球 1-1 .1000
カットボール 2-1 .500
スライダー 5-1 .200
シュート 6-1 .167 2三振
カーブ 1-1 .000 1三振
シンカー 2-0 .000
チェンジアップ 2-0 .000 1三振
その他成績
代打での打率も25-8 .320である。
一方、0ボールツーストライクのときは、6-1 .167、1ボール2ストライクが11-1 .091、2ボール2ストライクが7-1 .143
得点圏打率は、13-1 .077。
まとめ
課題は、2ストライクと追い込まれてからやランナーを置いたときの勝負球をいかに拾いきっちり振り切って安打にしていくかだと思う。
膝をルーズにして打球への反応もいいので、動きながらスローイングしているので、内野であればどこでも守れる。
チームの選手層が厚いので、中々出番はないが、どこか一箇所にポジションを決めて一軍の厳しい場面も含めてコンスタントに起用してみたい選手でもある。
今季は、チーム状況から三塁での起用がメインになると思われるが、180打席ぐらいは立たせて欲しいものである。
主な投手との対戦成績
西村 1-1 .1000
メッセンジャー 2-2 .1000
田島 1-1 .1000
又吉 2-1 .500
ルーキ 1-1 .1000
鍵谷 1-1 .1000
バース 3-1 .333
スアレス 1-1 .1000
平野 1-1 .1000
佐藤達也 1-1 .1000
結構、難易度の高い投手から安打を打っています。
※文中、データは、データで楽しむプロ野球、ヌルヌルデータ置き場を参照した他、独自で計算したところもあります。
[追記]
西川のインスタには、アイプチでもしたのか(男の間でもアイプチは流行っている。)二重(ふだんは奥二重)になった誠也他カープの選手達が登場していて結構面白いです。
[追記]
安部は完全にはレギュラーをつかんではいませんが、300打席近く立って、2割8分。
西川は、昨年先発出場は3試合しかありませんが、昨年の代打での実績により、安部への挑戦権をつかんだわけですから、打撃で実績を残して、後はつまらないエラーをしないことです。
西川は、手足が短く俊敏、柔軟に動けますので、守備は練習しただけ上達すると思います。
[追記]
西川は、インパクトの後、グリップを搾って、打球の方向をコントロールしています。下半身、体幹を鍛えて、下半身主導で、しなりを作って瞬間で力を伝え、打球をコントロールしながら振り切っているので、そこを伸ばす方向で、体を作っていったらいいのではないかと思います。
[追記]
同じ左打者の田中、安部が昨年は、実績を残したので、今年、彼等を追い抜いて規定打席到達とかはないと思いますが、代打やユーティリティプレイヤーのまま終わるのは勿体ない選手です。
先ずは、限られた出場の中で.333を超える打率を打って少しずつスタメン出場を増やすことだと思います。