メジャー通算17本塁打ホセピレラの広島東洋カープ入団が決定

広島は、オリックス、巨人、西武、ソフトバンクとの争奪戦を移籍金を払うことによって制してホセピレラ(José Manuel Pirela, 1989年11月21日 -)を獲得。

私は、シーズン中から、バティスタの契約更新をするか否かにかかわらず、メジャーから新外国人の打者を獲得しろと述べてきたが、ここで事実上契約が成立した。

ピレラは、ベネズエラトレヒージョ州パレラ出身
契約金は、推定3025万円(27万5000ドル)、年俸は、推定6600万円(60万ドル)プラス出来高。身長182センチ、体重99キロ、右投げ右打

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ピレラは、2006年7月2日ヤンキースと契約
2014年9月22日のボルチモアオリオールズ戦でメジャーデビュー
ヤンキースのときには、イチロー、田中将大、黒田と共にプレーをしている。
2015年11月11日にロナルド・ヘレーラとのトレードで、サンディエゴ・パドレスへ移籍した。
2019年7月27日に金銭トレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した。

メジャーでの対右投手の打率は、.241であるが、左投手の元中日チェンに対しては、11-7 .636、デレクホーランド(メジャー通算76勝)とは、12-6 .500、パドックコービンとは、14-6 .429と打っている。

ピレラの通算成績は、下記のとおりである。

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因みに、2019年は、3Aパドレス傘下Elpaso chihuahuas、フィリーズ傘下のLehigh Valley Ironpigsでプレーし、2019の3A通算成績は、342打数で22本塁打73打点 打率.327 ops.973である。

続いて、守備成績である。

2019年、メジャーでは、左翼4試合(刺殺4 捕殺0 失策0)、右翼3試合(刺殺1 捕殺0 失策0)を守っている。共に併殺の参加は無し。

3Aでは、88試合中73試合で右翼(3失策 刺殺136,捕殺3 守備率.979)を守っている。その他左翼10(刺殺13 捕殺0、守備率1.000),中堅2(刺殺5 捕殺0 守備率1.000),二塁1(刺殺捕殺共に0)を守っている。何れのポジションでも併殺には参加していない。

レフトの守備は、ライトスタンドに背を向け、最短距離で捕球。赤松ならスライディングしなくても捕れるボールをスライディングキャッチしているが、野間よりは上手い。
一塁の守備も邪飛の追い方に関しては最短距離で追い、フォアハンドで捕球、バティスタよりも上手い。

セカンド守備は、バックハンドで捕球してから右肘をつまみ上げたとき、右足の拇指球に支点があるが、右足のスパイクの外側に体重を戻してから送球。左膝で地面を蹴って左足を軸に一塁に二塁ベース後方、アンツーカーと芝の境目からノーバウンドで送球。
肩は、田中広輔より強く、菊池涼介といい勝負。三好、小園の方が若干強い。
一二塁間を右に切れていく打球への対応が早くない。
ダイヴしてからバックハンドで捕球したとき右膝を接地させて送球、フォアハンドで捕球したときに両膝を接地させて送球しており、これは走者有のときに進塁をさせてしまう。

ホセピレラのバッティング

ピレラは、投手が投げる方の肘を逆Lに曲げたときに左膝を上げ始める。
投手が肘をつまみ上げたときに左膝の高さがMaxになる。左膝の高さは骨盤よりもやや下であり、右膝よりも骨盤寄りである。始動は、メジャーリーガーの平均よりわずかに早い。
両手首を下げてから(ヒッチさせてから)、左足の着地位置を探らず、左足の着地の開始と共に両手首を上げる。右足のスパイクの外側に体重が乗るのでストライドが狭い。
左足の着地(左足の拇指球が地面をかする)のときに右肘がヘッドの外側に張り出す。骨盤も前傾している。
ピレラは、このとき、左肩が右肩よりも下がる。これは、ソーサを始めホームラン打者の動きである。

ステイバックのときに投手方向に背中を向けることがない。
左足の接地(足裏まで地面に接する)のときに右脇の空きが少し減じるがヘッドの内側に右肘が入らない。ヘッドも立つ。

左膝で地面を蹴って左膝を突っ張らせ、左股関節が引っ込む。

右肘が左股関節の前を推進し、ヘッドがしなる。
右肘の張り出し、押し手主導のパーフェクトインサイドアウトスイングはビシエドに似るが、ビシエドよりも左膝を高く上げ、始動早め、ミートポイントを前にして打つ打者である。系統としては鈴木誠也、坂本に近いが、坂本ほど左肩が内に入らない。

ヘッドをボールの外側に入れ縦に擦り下ろしでヘッドをボールの下に潜らせてバックスピンをかけるダウンスインガー。左手の拳で左手の人差し指の付け根を押し戻してヘッドに手首を超えさせる。両肘が振り下ろし直前からフォロースルーまで伸びることがない。
また、振り下ろし始めに右肩を下げ、アッパースイングでカチ上げることもできる。
両股関節をぶつけると右膝が真下に落ち、マン振りもできる。右足の拇指球で地面を蹴って後ろ足に重心を残さない。
フォロースルーのときに左足のスパイクの外側の踵寄りに重心が移る。

ピレラは、私が以前書いた外国人打者獲得の7要件の全てに当てはまる。

外国人打者獲得の7要件は下記のとおりである。

①投げるときと打つときの軸足移動が同一である。

②ヒッチを採り入れている。前肩が内に入らない。

③前足を踏み出す前に後ろ足のスパイクの外側又は踵に体重を乗せてストライドが狭い。

踵体重は、ブレーキの利かない踵体重が良くないのであって、スパイクの内側でエッジをかけるよりはずっと益しである。

④押し手主導で打てる。前足を着地したときに、右肘がヘッドの外側に張り出している。ヘッドが立つ。
前肩が後ろの肩より下がっている。
ダウンスイング、アッパースイングで打つ。
パーフェクトインサイドアウトスイングができる。

⑥前足を軸に骨盤を回すことができる。すなわち、インパクトの瞬間に前膝が突っ張り前の股関節が引っ込む。ヘッドステイバックが大きい。

⑤両股関節をぶつけたときに後ろの膝が真下に落ち切る。

緩い変化球は、インパクトの瞬間に左膝が折れ曲がり、押し手主導だが、泳ぎながらスタンドに運ぶ。

まとめ

ピレラは、打率は、ビシエドほど残さないと思う。しかし、メジャーでの本塁打率(1本塁打当たりの打席数)は高くないが、俊足巧打のレベルスインガーの中距離打者ではない。
フライボールを打つ技術を取得している。
メディアは、盛んにユーティリティプレイヤーであると宣伝するが、最大の売り物は、バッティングである。器用貧乏に終わる選手ではない。
打撃の完成度ではバティスタよりも上である。
ポジションは、広島では、一塁か左翼になるだろう。
ピレラは、バティスタと2人で5番を務めることができる。
バティスタと併用の場合にはピレスの方が5番左翼、バティスタが6番一塁

広島としては、労働に付される単価が高い選手は、金融資本との経済関係から売らざるを得ない。

しかし、菊池涼介は、メジャーの資本がコストパフォーマンスの面から買わないか値段を高く付けると買わないので、金融資本との経済関係で松田は、菊池涼介のポスティングを容認しないものと思われる。
これで支配下制限枠70人を満たした。
ローレンス、ヘルウェグ、レグナルトの3人の内、2人自由契約にするものとみられるが、広島は、オーバーハンドに近い左のレグナルトと契約更新するのが妥当だろう。
カープアカデミー出身選手については、サンタナに違約金を払って自由契約にして67名でスタートするのだろう。

現段階での2020年シーズンの私の構想を挙げると下記のとおりになる。
田中広輔ではなく安部をスタメンに挙げたのは、安部の方が振る力が上だからである。

(二)菊池

(中)西川

(遊)小園

(右)鈴木

(一)ピレラ/バティスタ

(左)長野

(三)安部

(捕)會澤