2017年ドラフト追補選手分析中間報告投手編(追補)

Last Updated on 2017年12月2日 by wpmaster

前回のドラフト記事の続きです。

今年のドラフト候補の選手で未だよく見れていない選手がいたこと、

前回、ピックアップした星稜清水、前橋育英皆川、明大水野、法大宮本がプロ志望届を出していないことから、

新たに何人か追加で分析してみます。

高校生投手

㉒藤井黎夾(大曲工)右投げ右打ち

重心移動前の右足は踵重心

テイクバックのときに、岡田明丈のようにグラブを持つ方の手を高く上げ、右肩が下がる。

それらにより、肩、肘は高く上がるが、右肩を損耗する投げ方。

左足くるぶしを本塁側に向けてステップし、左足で弧を描かない。

左足は、踵から着地している。

耳の後ろで、両肩を水平に肘を85°に曲げ、

胸の張りは今一つだが、三角筋に負荷をかけずに、

三角筋を使って腕のしなしを作り、腕を内旋しているので、バックスピンがかかる。

フィニッシュで左足を伸ばし、右足を一塁に送れている。

㉓山上信吾(常磐)右投げ右打ち

トップを作ったときに肘が90度に曲がる。

ステップのときに左足で弧を描く。

㉔遠藤淳志(霞ヶ浦)右投げ右打ち

重心移動の前の右足は、拇指体重。

左足は骨盤より上に上げる。

少し左足で弧を描くことがある。

着地したときに、右足に重心が残る。

瞬発力がボールに伝わらない。

トップを作ったときに右肘が85度の曲がった上体で後方に倒れていることがある。

三角筋に負荷を掛けているので、瞬発力が消耗する。

フィニッシュで右足を一塁側に送る。

㉕北浦竜次(白鴎大足利)左投げ左打ち

ステップしたときに左膝が開かない。

フィニッシュで三塁側に左足を送れているときと、一塁側に重心が残るときがある。

㉖網脇慧(花咲徳栄)右投げ右打ち

トップを作ったときに右肩がバタンと倒れる。

フィニッシュで三塁側に重心が残る。

㉗金久保優斗(東海大市原望洋)

瞬発力による体への負荷を解いて、骨盤より下から左足を下す。

トップを作ったときに肘の角度が90度。

体に巻き付くように投げるので縦回転。

フィニッシュで右足を一塁側に送る。

左足を蹴り戻して投げるので、左足で少し弧を描くことがある。

㉘北山亘基(京都成章)右投げ右打ち

左足くるぶしを本塁に向けてステップしており、膝が開かない。

フィニッシュで重心が三塁側に残る。

㉙菊地大稀(佐渡)右投げ左打ち

重心移動をする前に右足の上に頭が乗る。

もう少し、緩く右膝を曲げて大腿骨を浮かせてから重心移動すると

肩甲骨周の筋肉の可動域、股関節の内旋、外旋が瞬時にできるようになる。

テイクバックは、背中付近にまで達し、後ろがやや大きい。

グラブを持つ手の肩の内旋はしていことはしているが、左肩が開くのが早いときがある。

構える前にもっと瞬発力による負荷を解いてから内旋するといい。

左足くるぶしを本塁方向に向けてステップ。

トップを作ったときに両肩が水平で肘が85度ぐらいに曲がる。

胸の張りを作り、三角筋に負荷をかけずにしなりを作れている。

しかし、トップを作ったときに右肘が85度の曲がった上体で後方に倒れていることがある。

三角筋に負荷を掛けているので、瞬発力が消耗する。

フィニッシュで一塁側に右足を送る。

ややヒップファーストで、右膝が折れたまま重心移動して右膝が伸びて右肩が前に出され、

スリークウォーター(角度は前田健太ぐらい)になることがある。

これでは、瞬発力がボールに伝わらない。

㉚東晃平(神戸弘陵)右投げ右打ち

フィニッシュで一塁側に右足を送る。

ステップのときに左足で大きく弧を描く。

㉛佐々木健(小笠)右投げ右打ち

重心移動の前の右足は、踵体重→拇指体重の順

一塁側に回転軸を傾けて投げるので、縦回転ができる。

しかし、インステップなので、左膝が開く。

縦回転が損なわれる。

着地のとき、左膝が90°に曲がるが、フィニッシュで真上に左膝を蹴り伸ばせない。

瞬発力がボールに伝わらない。

㉜難波侑平(創志学園)右投げ左打ち

スライドステップで左足で弧は描かないが、左膝がやや開く。

㉝小松章浩(おかやま山陽)

フィニッシュで左膝が伸び、一塁側に右足を送る。

ステップするときにくるぶしを本塁方向に向けており、左足で弧を描かない。

左足を下したときに一旦、静止するので瞬発力を消耗する。

左膝にタメがなく、高めに外れる。

㉞河野成季(鳴門渦潮)左投げ左打ち

フィニッシュで左足を三塁側に送る。

インステップで右膝が開き、シュート回転する。

㉟長谷川拓帆(仙台育英)左投げ左打ち

ステップ幅が狭く、フィニッシュで三塁側に右足を送れている。

くるぶしを本塁方向に向けてステップしているので、右足で弧を描かず、

右膝が開かない。

重心が後ろの足に残り瞬発力がボールに伝わらない。

(補足)

尾形崇人(学法石川)右投げ左打ち

トップを作ったときに両肩が水平で肘が直角に曲がる。

胸の張りを作り、三角筋に負荷をかけずにしなりを作れている。

体の近くで内旋するので縦回転が付く。

重心移動の前に右足に負荷がかかり、股関節、腸腰筋が使い切れていない。

右足の蹴りが強すぎるので、瞬発力が消耗し、フィニッシュで右足を一塁側に送りきれていない。

田中瑛人(柳ヶ浦)右投げ右打ち

耳の横辺りでトップを作ったときに両肩が水平で肘85°から直角に曲がる。

胸の張りを作り、三角筋に負荷をかけずにしなりを作れている。

スリークウォーター(45°)になることがあるが、

右肘が上がり、回転軸が一塁側に傾くので回転数の多い球が投げられる。

左足くるぶしを本塁に向けてステップし、左足で弧を描かない。

着地したときに左膝が緩く曲がっているので、フィニッシュで真上に膝を蹴れる(伸ばせる)ので、

球にキレが産み出せる。

大学生投手

㊱鈴木遼太郎(東北学院大)右投げ右打ち

ステップしたときに左足が開く。

フィニッシュのときに三塁側に重心が残る。

㊲鎌田光津希(敬愛大)右投げ右打ち

テイクバックのときに右肩が下がる。

ステップしたときに左膝が開く。

㊳石井将希(上武大)左投げ左打ち

ステップしたときに右膝が開く。

㊴長谷篤(関西学院大)左投げ左打ち

ステップしたときに右足で弧を描く。

フィニッシュで一塁側に重心が残る。

社会人投手

⑱西川大地(日本新薬)右投げ右打ち

テイクバックのときにグラブを持つ手を上に向け、右肩が下がる。

トップを作ったときに右肘が85度の曲がった上体で後方に倒れていることがある。

三角筋に負荷を掛けているので、瞬発力が消耗する。

⑲阿部良亮(日本通運)右投げ左打ち

ステップしたときに左足で弧を描く。

⑳田中空良(東邦ガス)右投げ左打ち

ステップしたときに左足で弧を描く。

フィニッシュで左足を三塁側に重心が残る。

㉑若林篤志(JR東海)左投げ左打ち

重心移動の前のときに、左足の上に頭が乗る。

左膝はもう少し緩く曲げた方がいい。

大腿骨を浮かせてから重心移動。

グラブを持つ手の肩が内旋しているので右肩が開かない。

テイクバックが小さいので頭が前に出されない。

右のくるぶしを本塁方向に向けてステップし、右足で弧を描かない。

回転軸が三塁側に傾くので回転数の多い球が投げられる。

フィニシュで三塁側に左足を送る。

社会人の左ではナンバーワン。

㉒宝利亮(日本製紙新石巻)右投げ右打ち

グラブを持つ手の肩は内旋しないので左肩は開かない。

蹴り戻してからステップし、左足くるぶしを本塁に向けてステップするので左足で弧を描かない。

回転軸を一塁側に傾けて投げるので回転数の多い球が投げられる。

フィニッシュで左膝が伸びるが、一塁側に右足を送るのが中途半端。

インテップすることがあり、一塁側に回るのが早く左膝が開くことがある。

大腿骨を浮かせてから重心移動するが、

トップを作ったときに右肘が85度の曲がった上体で後方に倒れていることがある。

三角筋に負荷を掛けているので、瞬発力が消耗する。

まとめ

3連覇以降も1年1年の積み重ねですので、そうなると現状、タフな投手が足りず、左右にこだわらず、タフな即戦力の投手が一人でも多く欲しいところです。

基本的には、毎年、大学社会人の即戦力投手が上位、一軍定着まで期間を要する高校生投手が下位指名ということになります。

カープが指名を検討したらと思うのは次の選手。

(1)高校生

藤井黎夾(大曲工)

菊地大稀(佐渡)

金久保優斗(東海大市原望洋)

いずれも修正するところはあるが、将来が楽しみな投手

(2)社会人

若林篤志(JR東海)

投げ方に直すところが少ない。

即戦力。