日本ハムvsロッテ9回戦(エスコンフィールド)
先発は、伊藤大海と小島和哉
試合は、6-5で日本ハムの勝利
今回は、プロ野球の指導者、アマチュアの指導者がだ~れも言っていないことを書きます。
敷衍すると、これから私が書くことは、指導者の中には、実演できている人は生じているけれども、その人達も言語化できていないことを書きます。
シャッフルからのゴロゴー
無死三類でゴロゴーをしないのは、安打を待つ野球です。
打者走者が一塁ベースを蹴ってファアゾーンをオーバーランし、一二塁間で挟まれれば、三塁走者の本塁生還をアシストできます。
肩関節、股関節の内旋運動の加速距離を最大化するシャッフルからのゴロゴーは、下記の手順で行います。
a. 両足親指IP関節を屈曲して、両股関節を伸展(外旋)して左足の親指の爪先で右足の爪先で地面をタップします。
左腕前腕部が回内、右腕前腕部が回外、左股関節が内旋して左足の内踝が右足の内踝にぶつかります。
b. 右足親指IP関節を底屈、右股関節を伸展したまま右足親指の爪先で地面をタップします(三塁帰塁はここからスタートする。すなわち、b.→a.→d.→e.→f.の順で行う)。
左腕前腕部が回外、右腕前腕部が回内、右股関節が内旋、左股関節が外旋します。
a. を行います。
左足親指IP関節が底屈したまま左股関節が内旋、屈曲、左膝が屈曲します。
右股関節が外旋します。
c. 左足親指IP関節を底屈したまま(爪先立ちしたまま)左腕前腕部を回外します。
右腕前腕部が回内、右股関節が内旋します。
両股関節を伸展した状態から着地しているので両股関節を屈曲した状態から着地した場合に比べ右股関節の内旋運動の回転半径が狭く加速距離が長くなります。
右足親指IP関節が底屈し、右足親指の爪先が地面に刺さり、右股関節の内旋運動が停止します。
左腕前腕部が回外し、左足親指IP関節を屈曲したまま左股関節が伸展し、左膝が屈曲したまま地面方向に落ちます。
d. 右腕前腕部を回外)右股関節を伸展(外旋)します。
e. 左腕前腕部を回内、左足親指IP関節を屈曲したまま、左足親指の爪先で地面をタップします。
左膝がニーアップします。
右膝が落ちます。
f. 左腕前腕部を回外、左股関節を伸展します。
右股関節を内旋、右足親指IP関節を底屈したまま、右足親指の爪先で地面をタップします。
右膝がニーアップします。
9回裏
無死三塁
投手益田(右投げ)、打者田宮(右投げ左打ち)
三塁走者五十幡
スコアは、4-5で日本ハムが1点ビハインド
二塁手の藤岡は、二塁定位置より一塁線寄り、一塁走者の走路の前、内野の芝生の切れ目近くまで前進します。
一塁手の安田は、一塁線を空け、一塁ベース周辺のアンツーカーの二塁寄りのラインの本塁寄りの前に前進します。
一二塁間を詰めた前進守備シフトを敷いています。
田宮は、左腕前腕部を回内後、ヘッドが下がります。
左腕前腕部を回外、左手首をコックしてヘッドアップします。
左腕前腕部を再度回内します。
打球は、益田の左肩の外側で益田の側頭部の高さまで跳ねます。
セカンドバウンドは、一二塁間アンツーカーのエリアでハーフバウンドの角度で跳ねます。
打球は、右翼線方向に切れていきます。
藤岡は、右股関節を内旋し、、一塁線に腹側を向け、左足拇指球で地面を蹴ってしまいます。
ストライドが広がります。
安田は、左股関節を内旋して左中間に腹側、一塁線に背側を向け、打球を追います。
藤岡は、左腕前腕部を回外して打球に触れます。
右腕前腕部を回内してグラブからボールを抜き取ります。
右腕前腕部を回外、回内して下から一塁にトスします。
安田は、左股関節を内旋、右股関節を外旋して一塁ベースの右中間寄りのコーナーを左足外踝で踏みます。
田宮は、ファーストベースを蹴った後、フェアゾーンをオーバーランしていない。三塁走者の本塁生還をアシストしていない。
安田は、左腕前腕部を回外、回内してグラブを出すが、グラブの先でトスを弾く。
ボールが安田の左肩の外側、一塁線上に落下し、一塁線上で停止する。
五十幡は、ファーストバウンド後もセカンドバウンド後も藤岡が打球に触れた後も安田がボールを弾いた後もボールが一塁線に落下した後も本塁に向かってスタートが切れていません。
同点に追いつくことができず、無死一三塁、スコアは、4-5で日本ハムの1点ビハインドに留まります。
実は、五十幡は、エクスィビションマッチでも一度ゴロゴーのスタートを切れなかったことが生じましたが、改めてその試合の画を見直しましたが、そのエクスィビションマッチでも後述する今回の動きと同じ動きをしていました。
五十幡は、心理面への抑圧からスタートが切れなかったのでしょうか?
いいえ、100%絶対に違います。断言します。
野球脳の問題ではありません。
心理学の世界に逃げ込むのは、動作解析よりずっと容易いんですよ。
心理学の世界に逃げ込むと野球の動きは、進歩しません。
それでは、原因は、何か
五十幡は、一次リードから肩関節、股関節の内旋運動の加速距離を最大化するスタートの切り方の土台ができていますが、二次リードから肩関節、股関節の内旋運動の加速距離を最大化するスタートの切り方の土台ができていないのが原因です。
センス(肩関節、股関節の内旋運動の加速距離)は、予め備わっていませんが、練習によって高めることができます。
それでは、五十幡のシャッフルからゴローのスタートの一連の動きに関して見ていきましょう。
五十幡は、左腕前腕部を回外、右腕前腕部を回内、右股関節を内旋、左股関節を外旋、両股関節を屈曲して一次リードを取ります。
両手の掌は膝に着けていません。
両足の拇指球で地面を荷重しています。
左股関節を内旋し、左足内踝を右足内踝にぶつけます(シャッフル)。
両股関節は屈曲しています・・・・(1)
左足の親指IP関節は底屈していますが、左足の親指の爪の内側又は拇指球で地面を蹴っています・・・・(2)
右股関節を内旋し、右足内踝を左足の内踝にぶつけます(シャッフル)。
左股関節が外旋します。
両股関節は屈曲しています・・・・(1)
右足の親指IP関節は底屈していますが、右足の親指の爪の内側又は拇指球で地面を蹴っています・・・(3)
左股関節を内旋して左足拇指球で地面を踏みます(地蹈鞴)。
左膝が上がります。
右股関節を内旋して右足拇指球で地面を踏みます(地蹈鞴)。
右膝が屈曲して上がります。
左足拇指球で地面を踏みます。
左膝が上がります。
右股関節を内旋します・・・(4)
左股関節を外旋します
右股関節を外旋します。
左股関節が内旋します。
右股関節を内旋します・・・(4)
左股関節を外旋します。
左膝が屈曲して左足外踝の外側に出ます。
左股関節を内旋、右股関節を外旋します・・・(5)
左股関節を外旋、右股関節を内旋します。
左股関節を内旋、右股関節を外旋します・・・(5)
右膝が屈曲して右足外踝の外側に出ます。
右股関節を内旋して三塁に引き揚げます。
日本のアマチュア、プロ野球の指導者の大部分は、五十幡のやり方を同じやり方で実演を交えて指導し、練習させています。
五十幡も大部分の指導者が実演を交えながらコピーさせ、練習させてきたことを忠実に再現できています。
(1)→両股関節を屈曲すると両足親指で爪先立ちすることは不可能ではありませんが、両股関節を伸展した場合に比べると、両股関節だけでなく両足親指の爪先にも荷重されてしまいます。
シャッフルできる状態に両股関節、親指のIP関節を再現(再生産)することが困難となります。
(2)、(5)→左手首が掌屈、左腕前腕部が回外してしまい、右腕前腕部の回外運動、右股関節の外旋運動の回転半径が長く、加速距離が短くなります。
左肩関節、左股関節が三塁側席方向に反時計回りで伸展するので右腕前腕部の回内運動、右子股関節の内旋運動の回転半径が長く、加速距離が短くなります。
(3)、(4)→右手首が掌屈、右腕前腕部が回外してしまい、左腕前腕部の回外運動、左股関節の外旋運動の回転半径が長く、加速距離が短くなります。
右肩関節、右股関節が三塁側席方向に時計回りで伸展するので左腕前腕部の回内運動、左股関節の内旋運動の回転半径が長く、加速距離が短くなります。
(2)、(3)のことは、地蹈鞴の動作においても生じます。
よって、ゴロゴーのスタートが切れなくなってしまいます。
今回のケースも前述のエクスィビションマッチと同じく守備側が前進守備シフトを敷いたケースですが、改めて、前進守備シフトを敷いてきたら帰塁せずにGoということが再確認できました。
エクスィビションマッチ日本ハムvs広島(09.03.2024)(前出)
私は、ライナーバックの失敗は、容認派ですが、三塁帰塁のシャッフル以降のやり方は、下記参照
無死二塁における遊撃守備
投手、遊撃手、二塁手に関するミッションは下記のとおりである。
投手は、右腕前腕部を回内(フォロースルー)後、右股関節を内旋、右足親指の爪先で地面を蹴って右膝をニーアップ、一塁側にターンさせ、両足をクロスさせる。
右足と上半身を一塁側に流すこと。
そうしないと、右股関節の内旋運動によるフォロー(追い風)を右腕前腕部の回内運動が受けることができない。
右肩の外側で右足で四股を踏んでしまうと、右腕前腕部の側副靭帯の前束、深層屈筋、右腕上腕部の腱板が突っ張り、故障してしまう。
遊撃手は、外野芝のエリアで守る。
二塁手は、外野芝のエリアで守る。
二塁ベースの一塁側のラインの右側(一塁方向)を通過するゴロは、二塁手が打球に触れ、三塁に投げる。
遊撃手は二塁走者がスタートを切る前に二塁走者の前に前進しない。
遊撃手は、二塁走者がスタートを切った後も前進しない。
4回表
無死二塁
投手伊藤(右投げ)、打者中村奨吾(右投げ右打ち)
二塁走者安田
スコアは、2-1で日本ハムが1点リード
遊撃水野は、左右の位置関係は、定位置のライン、前後関係上は、二三塁間ラインの後ろ、外野芝と二三間のアンツーカーの境目の前に守る。
二塁手上川畑は、二塁ベース寄り、一二塁間アンツーカーの走者の走路の後ろ、一塁と二塁を結ぶラインと外野芝の切れ目の中心線より外野芝の切れ目寄り(外野芝のエリアではなく一二塁間アンツーカー内)で守る。
中村奨吾は、右腕前腕部を回内後、ヘッドが下がる。右腕前腕部を回外して右手首をコックする。
右腕前腕部を再度回内する。
打球は、伊藤の身長より高く跳ね、投手板の中心線を通過する。
打球は、二塁ベースの一塁寄りのラインの右側(一塁方向)に進んでいく。
水野は、二塁走者が三塁にスタートを切った後、シャッフルしながら、ハーフバウンドの角度で左腕前腕部を回外して左手小指基節骨を入射させる。
左手小指基節骨と親指基節骨で打球を挟み、右腕前腕部を回内してグラブからボールを抜き折り、右腕前腕部を回外、右手首を掌屈して右腕前腕部を回内、一塁に送球してしまう。
安田に三塁に進塁される。
footnote
用語の意味に関しては、下記記事参照