徹底解説コース別無死三塁におけるケース打撃

Last Updated on 2023年6月13日 by wpmaster

ケース打撃は、相手投手、塁上の走者、守っている野手の動きと関係しています。来たボールを、只、打つだけではありません。投球動作の開始前まで遡っていき、走者が本塁に還るまでを省略することなく説明していかないと断片的な文章になってしまいます。よって相当な長文となります。できるだけ専門用語を使わずに書いていますが、今回のコンテンツは、これまで誰も書いたことのないことも書いています。

ドアスイングの抑止、パーフェクトインサイドアウトスイングの実現

投手は、前足、後ろ足ともにスパイクの内側で地面を噛ませてセットアップ(静止)した場合、プレートと本塁を結ぶラインに対して両肩がスクエアスタンスになります。ボールは、トップハンドの親指をしならせずに、ボールの打者寄りを握ります。トップハンドの中指、薬指、小指はボールから浮かせます。ボールはトップハンドの親指と人差し指だけで握ります。中指、薬指、小指で包み込むように握ると予備動作ができません。
セットアップを解除した後、前肩が背骨の方に入らない手段としては、ヒッチとコックがあります。

投球肘のヒッチ

投球肘を下げる方法は、次の7つがあります。

①後ろ足の踵で地面を蹴る。
②後ろ足の拇指球で地面を蹴る(ヒールアップ)
④後ろ足の小指球で地面を蹴る(ヒールアップ)
④前足の踵で地面を蹴る。
⑤前足の拇指球で地面を蹴る。
⑥前足の小指球で地面を蹴る。
⑦投球腕の前腕部を回外する。
後ろ足の踵で地面を蹴ると、後ろ足に軸ができます。前足の踵から地面を離れ、前の股関節が後ろの股関節を跨いでしまいます。前肩も背骨の方に入ります。

いかり肩の人間は、胸部よりも肩関節が引っ込んでいます。肩関節の前に胸部と股関節が張り出します。恥骨の前に股関節が出ます。骨盤が前傾します。背中のラインが緩やかなM字の曲線になります。私は、いかり肩なので、胸部を柱に当てて身長を測ると、晴れて180センチ台という価値が付けられます。撫で肩や平行肩の日本人は、胸部の前に肩関節があります。胸部と股関節が前に張り出しません。背中のラインが直線になります。アゴを引けばわずかに背筋が伸びるようですが、どんな手段を用いてもチビはチビのままです。
後ろ足の拇指球で地面を後ろに蹴ると、後ろの股関節の外旋が解けて前の股関節にぶつかっていきます。トップハンドの親指、中指、薬指、小指をしならせる間ができません。前の股関節の位置を戻さないと、後ろの股関節の位置が戻りません。ところが、後ろの股関節が前の股関節の障壁になっています。股関節を開くと前足の拇指球にウェイトがかかります。前足の拇指球は、打者方向にしか蹴れません。前の股関節は後ろの股関節を跨ぐのが、後ろ足の踵で地面を蹴る場合よりも遅くなりますが、前肩が背骨の方に入ります。

後ろ足の小指球で地面を蹴ると、前足の拇指球にウェイトがかからないので前の股関節が後ろの股関節を跨ぎません。前肩は背骨の方に入りませんが、前肩が後ろ肩を三塁線に向かって追い抜いていきます。
前足のスパイクの小指球は、前(三塁ベース方向)にも後ろ(打者方向)にも蹴れます。前肩が後ろ肩を追い抜きます。
前足のスパイクの外側の踵寄りで蹴ると、回転半径が短くなるので前足踵が加速します。前肩が後ろ肩を追い越します。
予備動作(投球肘のヒッチ)では、後ろ足も前足も蹴っちゃいけないんです。
セットアップの段階では、後ろ足のスパイクの内側で地面を噛ませると前足にウェイトがかかります。前足の踵の近くにウェイトをかければかけるほど、前肩はオープンスタンスになります。前足の小指球にウェイトをかけて前肩をわずかにオープンスタンスにします。トップハンドの中指のしなりを解いて(これが予備動作であるヒッチの起始です)トップハンドの小指が加速します。セットアップのとき、トップハンドの親指をしならせているとトップハンドの親指の爪がトップハンドの人差し指の方に入ります。親指の爪を弾かないとトップハンドの中指を加速させることができません。トップハンド(投球腕)の前腕部を回外されて投球肘が下がります。前肩は背骨の方に入りません。トップハンドの親指がしなります。ボトムハンドの肘が上がります。トップハンドの基節骨を推進させると(これが波動です)、前脇が開いてボトムハンドの前腕部が回内します。トップハンドの小指はここでは前肩に相当します。トップハンドの薬指は、前の股関節に相当します。小指が開くとトップハンドの親指はドアスイングになり、加速しません。トップハンドの親指の基節骨の推進の起始は、トップハンドの中指です。トップハンドの親指が加速すれば、トップハンドの親指は、トップハンドの薬指を越えていきます。トップハンドの肘が上がります。トップハンドの親指の軌道はV字になります。

トップハンドのコック

両腕を投球腕の前腕部を回外せずに投球腕の前腕部を回内して解くと投球肘が下がりません。トップハンドの親指がしなりません。トップハンドの手首が背屈(コック)します。前足か後ろ足で地面を蹴ると投球肘が下がります。トップハンドの親指が加速しません。投球腕の前腕部を回内していれば、投球肘の落下を減速できます。後ろ足踵にウェイトがかかると後ろ足に回転軸ができます。前足踵と前肩関節から近い後ろ足の踵で地面を蹴ると、前胸が加速します。ボトムハンドの前腕部を回外すると、ボトムハンドの肘がボトムハンドの手首よりも背骨の方に入ります。ボトムハンドの上腕部が外旋します。ボトムハンドの前腕部が打者方向にレイバックします。前肩が背骨の方に入ります。トップハンドの前腕部を回内するとトップハンドの前腕部が、ボトムハンドの肘の推進の障壁になります。トップハンドの前腕部を背中の方に引いてやらないと、ボトムハンドの肘を三遊間方向に推進できません。ボトムハンドの肘の前腕部を回内しているとボトムハンドの肘は、ボトムハンドの手首より背骨の方に入りません。前肩が背骨の方に入りません。トップハンドの肘を背骨の方に推進しないのですから、トップハンドの前腕部を背骨の方にどかす必要がありません。トップハンドの前腕部が背中の方に入るのを抑止できます。投球肘が逆Lの状態でストップします。トップハンドの手首は背屈しています。トップハンドの親指が加速しないので投球肘をつまみ上げることができません。
前腕部を回外して投球肘を下げていれば、前足が地面から離れる前から投球肘が落ちていますので、後ろの脇が開きます(外転)。投球肘が逆Lでストップせずに伸びてしまったのがアーム式です。
逆Lを作った投手は、投球腕の前腕部を回外します。投球肘が落ちて投球腕の上腕部が外旋します。トップハンドの手首が後ろに倒れます。アーム式の投手は、このトップハンドの上腕部の外旋という過程がありません。
A.投手は、投球腕の前腕部を回内すると投球肘が上がります。後ろの腸腰筋が腹横筋に刺さります。後ろの股関節が動きません。後ろの股関節の外旋が解けません。ボトムハンドの前腕部を回外していれば、前肘が落ち、前足が背骨の近くで底屈します。投球腕の前腕部の回内が中途半端で投球肘が上がり切らなくても、ボトムハンドの前腕部が回外していれば、ボトムハンドの肘が下がります。よって、ボトムハンドの前腕部を回内していた場合よりも背骨の近くで前足首を底屈できます。前足首の底屈の位置と比べ前の股関節の引っ込みは、ボトムハンドの前腕部を回内していた場合よりも、小さくなります。
B.投手は、ボトムハンドの前腕部を回内しているとボトムハンドの肘が上がり、前足首が背骨から遠いところで底屈します。前肘が下がりません。投球肘が下がります。後ろの肩関節がロックされます。前足の親指の位置と比べると前の股関節は引っ込みが大きくなります。しかし、前の股関節と背骨の距離は、ボトムハンドの肘を回外していた場合とほとんど変わりません。ボトムハンドの手首とトップハンドの手首の距離も、ボトムハンドの前腕部を回外していたA投手と変わりません。しかし、底屈した前足の親指とトップハンドの手首の距離がA投手よりも長くなります。トップハンドの親指のしなりが解けてトップハンドの中指のしなりを解くことができません。
ボトムハンドの前腕部を回外しているA投手は、後ろの胸部を推進させることができますが、B投手は、ボトムハンドの前腕部が障壁となって後ろの胸部を推進させることができません。ボトムハンドの手首が障壁となっており、トップハンドの前腕部を回外できません。
投手は、後ろ足に軸を作らなければ、前の股関節が後ろの股関節を跨ぎません。ボトムハンドの前腕部を回外、ボトムハンドの上腕を外旋してボトムハンドの肘が背骨の方に入っていても、ボトムハンドの前腕部を回内してボトムハンドの肘の背骨方向への加速にブレーキをかける必要がありません。ボトムハンドの前腕部を回内するにしても、ボトム側の脇を開けたところでボトムハンドの肘を止めておけば足ります。しかし、ボトムハンドの肩関節がトップハンドの肘の障壁になります。ボトムハンドの肘が下がらないので、前足の爪先が加速します。ストライドが広がります。トップハンドの親指のしなりが解けてトップハンドの中指のしなりを解くことができません。

ボトムハンドの前腕部を回外しているA投手は、中指のしなりが中途半端でも親指のしなりが解けていなければ、中指のしなりを解くことができるので、投球腕の前腕部を回外することができます。投球腕の前腕部が下がると投球肘が下がります。投球腕の上腕部が外旋されます。投球腕の前腕部と投球する手首は後ろに倒れます(レイバック)。トップハンドの親指の爪先が基節骨の後ろに来て基節骨から爪先までのラインがしなります。投球肘が下がれば、前足首は背屈します。ボトムハンドの肘が上がります。
トップハンドの前腕部を回内したときに、親指のしなりが解けてしまうと中指のしなりを解くことができません。ボトムハンドの前腕部が回外しているので、ボトムハンドの上腕部が外旋しています。ボトムハンドの肘は、ボトムハンドの手首よりも背骨側にあります。ボトムハンドの肘が背骨の方に加速していきます。ボトムハンドの前腕部を回外してボトムハンドの肘が背骨方向に加速することにブレーキをかけます。ボトムハンドの前腕部の肘を回内すると前肘が突っ張ります。前足の拇指球で地面を打者側に蹴ってしまえば、ボトムハンドの肘の背骨方向の加速にブレーキがかかります。前足の爪先が接地した段階では、前肘は背骨方向に加速しません。ボトムハンドの肘は、ボトムハンド側の前腕部は、回内してボトムハンドの肘が上がりますが、ボトムハンドの肘は、ボトムハンド側の脇が開いたところで止まります。ボトムハンドの背屈した手首がトップハンドの手首の前にないので、トップハンドの親指の爪先を前に弾くだけでトップハンドの中指はしなりを解くことができます。トップハンドの小指の加速は、ボトムハンドの前腕部を回内していたB投手ほどは減速しません。
トップハンドの肘が前の股関節を越すと、後ろの股関節が前の股関節にぶつかり、前足首が底屈します。トップハンドの基節骨を親指に付け根より前に出すと、投球腕の前腕部を回内することができます。トップハンドの中指が立ってしなります。トップハンドの肩峰がボトムハンドの肩峰にぶつかります。トップハンドの肘が上がり、前足首が背屈します。ボトムハンドの前腕部を回外するとボトムハンドの肘が落ちます。トップハンドの中指でボールの外側(打者寄り)を縦に擦れます。親指のしなりを解いてしまうと前足首が底屈し、前膝が屈曲します。
B投手は、ボトムハンドの前腕部の回内を解いてから、後ろの胸部を推進させます。投球腕の前腕部の回外、投球腕上腕部の外旋、投球腕の前腕部、トップハンドの手首のレイバックは、A投手よりも遅れます。トップハンドの前腕部を回外すると前足首が背屈されますので、前足首の背屈もA投手よりも遅れます。前足首の背屈ができれば、前足の踵が回転軸になり、前の股関節が引っ込みます。前足の拇指球よりも前足の踵の方トップハンドの前足踵とトップハンドの手首の距離が短いので、回転半径を狭くすることができます。しかし、ヒッチのときにトップハンドの前腕部の回外をしていないので、トップハンドの親指がしなりません。トップハンドの親指と中指の距離が遠いので、トップハンドの親指がトップハンドの小指は加速しません。トップハンドの小指が寝てトップハンドの手首が寝ます。トップハンドの前腕部が回外しないので、前足首は背屈しません。前膝が突っ張らないので、前の股関節が引っ込みません。前足の拇指球に回転軸ができますので、回転半径が長くなります。トップハンドの人差し指を回転軸とするとトップハンドの中指のしなりを解くのが遅れます。トップハンドの薬指、小指が加速しません。トップハンドの薬指、中指がトップハンドの人差し指の前に出ません。トップハンドの手首が底屈します。トップハンドの親指がしなりません。トップハンドの親指の加速距離が短いので、投球肘が回内しきれません。投球肘が上がっていきません。トップハンドの親指でボールを押し込んでも、トップハンドの中指が立たず、トップハンドの中指がしなりません。投球腕の前腕部を擦ると、ボールの内側(背骨寄り)を擦ります。
ここまで、述べてきたことは、走塁、守備、打撃においても当てはまります。そうしてみると、投球間隔を狭めて打者にセットアップの直後にトップハンドの回外する間を与えないことが、クローザーの要件と言えるでしょう。

ゴロゴーのスタート

野球は、打つだけではなく、守備走塁の巧拙によっても、得点差が生じ得ます。走塁においては、ギャンブルスタート、ゴロゴーについて書かれたコンテンツが累積されています。
ゴロゴーについては、いつスタートするかは、現場レベルでは、個別具体的に指示されていますが、コンテンツにおいては、「打者のバッティングがゴロとなるとわかった瞬間に三塁走者はスタートを切れ」とするものがほとんどです。スタートとは何たるかについても個別具体的に書かれていません。認識が行動に先立つことはありません。プロ野球選手は、経済関係上、野球をせざるを得ないからしているのであって、メンタルが介在することなく、相手の動きに対応して動けなければなりません。いつスタートを切るかについては、投手の動き、野手の動き、打者の動き、ベンチの動きと関係してきます。

前述の例によると、B投手は、A投手よりも、前足を底屈してから、投球肘が出てくるまでに間があります。B投手は、A投手よりも前足首を底屈してから、トップハンドの肩峰がボトムハンドの肩峰を乗り越え、トップハンドの手首がトップハンドの肘の前に出てくるまでに間があります。
投手は、セットアップの解除のときに投球腕の前腕部を回外しなければトップハンドの親指はしなりません。打者もセットアップ(アドレス)の解除のときにトップハンドの前腕部を回外してトップハンドの親指をしならせる必要はありません。
投手は前足首を底屈した後もボトムハンドの前腕部を回内していると、打者は、ボトムハンドの回内を解かずに、トップハンドの手首の前につっかえ棒をしておくことができます。投手がボトムハンドの前腕部の回内を解いて前足首を背屈したのに応じて、打者は、つっかえ棒を外してトップハンドの中指のしなりを解いていけば、前足首が背屈できます。
投手がリリース(投球腕の前腕部の回内)のときに、前足首が底屈し、前膝が屈曲していて、リリース後に前足首を背屈しているのであれば、打者は、前足首を底屈して前足の着地位置を探りながら、前足首を底屈したまま背骨の方に引いてから前足首を背屈しても、トップハンドの手首を背屈(トップハンドの前腕部は回外)し、トップハンドの親指の付け根でボールを受けてトップハンドの親指でボールの内側を押しながらグリップを運んでいくことができます。投手のストライドが広がった段階の、前足首の背屈前の段階では、打者がゴロを打つとは言い切れません。
投手が前足首の底屈から投球肘が出てくるまでの間が短いと、打者は、つっかえ棒を外す間ができません。打者は、トップハンドの前腕部の回外ができなければ、前足首が背屈できません。右打者は、左手でボールをはらうことができません。右打者は、ほぼ間違いなくゴロになります。左打者は、ヘッドが右肘の前に出ても、右腕前腕部だけを背骨に入れればヘッドを残せます。右肘でボールをはらえば、ヘッドに手首のラインを越えさせることができます。トップハンドの手首にボトムハンドの手首を越えさせなければ、ゴロにはならず、ライナーか内野の頭を越える飛球になります。
ギャンブルスタートは、トップが深い打者が、前足首の底屈から投球肘が出てくるまでの間が短い投手と対戦したときは、その右打者が前足首を底屈したときに右足首を背屈、左足踵で本塁方向に蹴ります。
つっかえ棒を作らない右打者は、トップハンドの前腕部の回外を、トップハンドの手首を回外しない投手が投球肘をつまみ上げ、前足首を底屈し始めたときに行う。投手がトップハンドの上腕部を外旋してトップハンドの親指をしならせたときに、その打者は、トップハンドの前腕部を回内する。その打者は、投手の前足首の底屈よりもヒッチが遅れても、トップハンドの回外が中途半端になることは全くないとは言わないが、ほぼない。ほぼ必ず、トップハンドの親指をしならせる。トップハンドの前腕部の回内が中途半端ということも全くないとは言わないが、トップハンドの親指のしなりを作っているので、トップハンドの親指が加速し、ほぼ100%トップハンドの手首の高さが耳の高さに達します。前足首の底屈の位置と背骨の距離もほぼ一定です。トップハンドの中指のしなりの解除が遅れれば前足首の背屈が遅れます。トップハンドの親指のしなりが小さくなる。それでもヘッドがボールの外側に入れば、ドロー回転がかかってレフト線のライナー又は飛球になるか、レフトポールの外側に切れるファウルになります。トップハンドの親指がしならずグリップエンドの押し込みが加速しないと、トップハンドの前腕部を回外したとき、ヘッドがボールの内側(ボールの上っ面)に入り、ヘッドが手首のラインより下がります。再度、グリップエンドをトップハンドの親指で押し込むとヘッドアップしてハーフバウンドのゴロになります。ゴロになるか飛球になるかは、打者がトップハンドの前腕部を回外した瞬間に決まります。すなわち打者がトップハンドの前腕部を回外した瞬間に本塁に向かってスタートするか三塁方向に向けてスタートを切るかを行います。
従って、三塁走者は、左足のスパイクの内側、右足のスパイクの内側で地面を噛ませます。左膝が右の股関節の前を通過する瞬間は、右足の踵にウェイトがかかっています。右股関節を左股関節にぶつけると右足の拇指球にウェイトがかかります。右足の拇指球で地面を本塁方向に蹴ってしまいますので、右骨盤、左骨盤が浮いて走路が外側に膨らみます。帰塁が遅れます。

ギャンブルスタートのスタート

ギャンブルスタートは、帰塁よりも本塁へ走ることが優先されます。左足のスパイクの内側、右足のスパイクの外側でエッジをかけます。三塁走者は、投手が投球肘をつまみ上げたときに左肘をヒッチします。投手がトップハンドの上腕部を外旋したときに、三塁走者は左肘の高さを上げます。投手が前足首を背屈したときに、三塁走者は左腕前腕部を回外し、背屈します。打者がトップハンドの親指でグリップを押し込んだ瞬間に左足踵で本塁側に地面を蹴ります。左膝が右股関節を越える瞬間以外は、三塁走者はヘッドステイバックします。

無死三塁のケース

このケースで選手が監督、コーチから出され得るサインは、①ゴロゴー、②ゴロストップ、③内野手の間を抜けてからスタート、④ギャンブルスタートの4つです。
無死三塁の場合では、進塁が優先されませんので、ギャンブルスタートのサインは、ほぼ出されません。無死三塁では、ほとんどスクイズのサインは出しません。スクイズのサインは一死三塁の場面で出されます。ゴロゴーのサインが出されると、三塁手は、三塁ベースに張り付きます。相手チームが表の攻撃で、打線の弱いチームの場合、私見では、前進守備を採らせず、バックハンドで右側で捕球させます。フォアハンドの場合は、v字で背骨の右側で捕球させます。投球肘をつまみ上げる(投球腕前腕部の回内)の前の投球腕前腕部の回外の完結しない、投球肘がほとんどヒッチしない野手投げ(スナップスロー)は、ジャイロ回転させるのでさせません。しかし、そのチームの選手は、試合の終盤、投手が打者に対し、前足首を底屈した瞬間に、三塁手は、二三塁間を結ぶラインのところに進みます。遊撃手も二三塁間を結ぶラインまで前進します。二塁手は、一二塁間を結ぶラインまで前進します。一塁手は、一二塁間を結ぶラインまで前進します。
無死でゴロゴーの場合は、三塁走者は、帰塁と進塁の両方ができるところまでリードします。ハーフウェイで走路が外側に向かって膨らむことなく、ラインの内側に向かって走ります。
併せてヘッドを残して打った投ゴロの場合、右打者がヘッドをボールの外側に入れてヘッドをボールの外側に入れて三遊間に打ったゴロ、左打者がヘッドをボールの外側に入れてヘッドをボールに引っ掛けて打った一二塁間のゴロの場合はストップのサインが出されます。
一死一三塁の場合には、三塁走者は、ランダウンプレーに持ち込ませます。三本間に挟まれている間に一塁走者を二塁に進塁させ、二死二塁のケースを作ります。

無死三塁のケースでは、スクイズは全くないわけではありませんが、多用はされません。三塁手は、三塁ベースに張り付いてゴロゴーに備えます。
ここでは、まずは、アウトローのボールにいかに対処したらよいかについて書きます。
打者にとって、アウトローのボールはトップハンドの手首から最も遠いところを通過するボールです。
右打者は、ポイントを後ろにして、ヘッドを残し、一二塁間にゴロを打つことも一つの手段です。それが一二塁間を破る安打になればそれに越したことがありません。一ゴロ、二ゴロになったとしても得点できなくはありません。
三塁手が三塁ベースに張り付いている場合は、
右打者は、アウトローのボールは、ボールの外側にヘッドを入れてボールを引っ掛けて三遊間に打つことだけが唯一の手段なのでしょうか。ポイントを後ろにして一二塁間にゴロを打つことが唯一の手段なのでしょうか。
それでは、ゴロを打つ以外にはどのような手段があるのでしょうか。個人的には、飛球を打つことを推奨します。
飛球を打つ場合、高目のボールを打てと言われますが、低目のボールを飛球にするということは、あり得ない手段なのでしょうか。

私は、右打者は、アウトローのボールは、抜いた変化球、抜かないパワーカーブ、ファストボールであろうと、レフトに犠飛を打つことが必要であると考えます。左打者は、右翼に犠飛を打つことが必要であると考えます。
アウトローのボールに関し、犠飛を打つポイントは、インローを本塁打する場合と同じく、回転軸は、前足、ヘッドステイバックとインサイドアウトスイングです。

投球腕の前腕部を回外してから投球肘をつまみ上げる投手に対して、打者は、セットアップの直後、トップハンドの前腕部を回外せず、且つ、ボトムハンドの前腕部を回内しないと後ろ足に軸ができ、前肩が背骨の方に入ります。打者は、投手が投球腕の前腕部を3度目に回外するまでに前肩を開かないと、トップハンドの肘をトップハンドの手首の前に出してスイングできません。トップハンドの前腕部を回外させれば、前肩が上がり、前足首も背屈します。ヘッドステイバックもします。しかし、前肩を開けば、トップハンドの肘の前にトップハンドの手首が出ていきます。右肘が伸びます。ボールの外側を縦に擦ってヘッドをボールの下にくぐらせることができません。打球にスライス回転がかかった二飛になります。

打者は、ボトムハンドでトップハンドの手首のつっかえ棒を作ると、前肩が背骨の方に入るのを抑止できます。トップハンドの手首が背中の方に入るのを抑止できます。
しかし、つっかえ棒があると、右の胸部を推進できません。トップハンドの前腕部が回外できません。前足首の背屈ができません。よってヘッドステイバックできません。つっかえ棒を外しても、トップハンドの親指でグリップを上から押し込んでも押し込みが浅く、トップハンドの手首を背屈させてトップハンドの人差し指の付け根でグリップを運んでいくスイングしかできません。すなわち、パーフェクトインサイドアウトスイングからほど遠い、ドアスイングに近いスイングになります。
このスイングでも、確かに、投球肘の前腕部を回外せずに、投球肘をつまみ上げ、ボトムハンドでつっかえ棒を作り、つっかえ棒を外してから投球腕の前腕部の回外、背屈を行う投手、トップハンドの親指がしならず、トップハンドの中指がしならないが故にトップハンドの小指が走らない、前膝が屈曲する投手からは、犠飛が打てます。
しかし、投球腕の前腕部を回外してから投球肘をつまみ上げる投手で、トップが緩む(トップハンドの前腕部の回外、回内、回外ができる)、リリース前に前足首が背屈する投手と対戦すると、その投手がトップハンドの中指を加速させるまでに、トップハンドの中指が加速せず、前足首が背屈できず、三遊間へのボテボテのゴロになります。遊撃手が背骨の左側で捕球して手フォアハンドの手首を背骨の方に引いてドアスイングでスローイングした結果と、一点入ったとしても、その打者は、弱い打者、点の取り方は弱いチームの点の取り方です。
パーフェクトインサイドアウトスイングで投げる投手からでも犠飛を打つ手段は、①セットアップの直後にトップを入れ替える、②後ろ足に軸を作らない、④前足の着地位置を探らない⑤ボトムハンドの前腕部を回内しない、⑥トップハンド主導で打つのがポイントです。