日本ハムドラフト1位矢澤宏太の現段階における走守攻の到達点

Last Updated on 2023年3月17日 by wpmaster

日本ハム資本からプロ志望届を出した選手の入札を委託されたスカウトは、経済関係で他球団のスカウトに競り勝ち、矢澤宏太(日体大)の入団交渉権を獲得することに成功した。
私がドラフト1位で入札することを推した金村尚真(富士大)は、ドラフト2位で日本ハム関係者が交渉権を獲得した。
私が推した選手の内、松井颯(明星大)は、育成ドラフト1位で巨人が入団交渉権を獲得し、中田歩夢(東奥義塾高)は、育成ドラフト4位で巨人が入団交渉権を獲得した。

矢澤宏太のプロフィール

左投げ左打ち
生年月日 2000年8月2日
藤嶺学園藤沢高ー日体大ー日本ハムドラフト1位(2022)
173cm 72kg
投手 外野手

矢澤宏太のピッチング

矢澤は、プレートの一塁側に左足の外側を沿わせて左腕前腕部の回外運動による縦回転を産み出す。グラブは背骨の前で丹田の高さにセットする。セットを解いた後、グラブは左肩の方に入らない。ここまでは素晴らしい点である。
右膝は骨盤の高さで屈曲させる。
左肘の上げ方を左腕上腕部の内旋により上げるインバートWから左腕前腕部を回外してから左手親指基節骨でボールを叩くスタンダードWに変えてからは、テイクバックが大きくなってからは、インバートWで投げていた頃に比べると小さくなったが、メネズに比べるとテイクバックが大きい。テイクバックの大きさは、右左の違いはあるが、松井颯と同程度である。
左腕前腕部を回外した後、右足の裏を45°に立たせて左股関節を外旋する。
右足は、スパイクの内側から入射する分、スパイクの外側から入射した場合よりも左腕前腕部の回外運動、左腕上腕部の内旋運動の回転半径が長くなり、加速距離が短くなる。右投手の松井颯は左足のスパイクの外側から入射する。ここが矢澤ではなく、松井颯を推した根拠である。
左投手としては、インステップは大きくはない。
背骨と左腕の交わる角度、左肘の高さはオーバーハンドである。

打撃

矢澤は、左手親指基節骨でグリップを叩いてから左手中指、薬指、小指の第二関節をグリップに嵌めていく。左手親指の指先はボールの外側に反らしている。バットの握り方の基本はできている。
前田智徳は、レッグアップよりもセットの解除が先行する外国人投手がセットを解くよりも前に左肘をヒッチするが、矢澤は、セットの解除よりもレッグアップが先行する日本人投手がセットを解いた後に左肘をヒッチする
左肘のヒッチの幅は、前田智徳ほど大きくはなく、ウォーレンクロマティと同程度である。
左肘をフライングエルボーの後、左肘がヘッドの外側に張り出す。清宮も右投げ左肘でありながら、左肘がヘッドの外側に張り出す稀有な打者であるが、左肘のヘッドの張出し(スクラッチ)は矢澤の方が大きい。
プロ入り当初の岩本貴裕(矢澤と同じ左投げ左打ち)はクローズドスタンスで立っていたのに対し、矢澤はオープンスタンスで立つ。右膝のレッグアップは、左股関節の高さであり、岩本と同程度である。前田智徳は、右膝をレッグアップせずにフライングエルボーに入る。
左肘のヒッチ、フライングエルボー、左腕前腕部の回外後の何れも頸反射しており、首が捕手方向に捩じれない。左足の外踝にウェイトがかかり、踵体重にならない。よって、左肘のフライングエルボー後に右肘が張らずに、左腕前腕部の回外運動に入れ、左肘が再度ヒッチする。左肘のヒッチ、フライングエルボー、左肘の再ヒッチまでの過程は、岩本を彷彿させる。
右足は、スパイクの外側から入射するが、始動が遅れ、フライングエルボーの間が作れないと、右膝が右足のスパイクの外側からはみ出ることがある。
矢澤は前田智徳ほど左手小指の入射角は垂直に近くはないが、清宮よりも入射角は垂直に近い。
清宮よりも矢澤の方が長距離打者のスイングをする。

ベースランニング

阪神から移籍してきた江越は、本塁から一塁間は、走路を外側に膨らませずに一塁ベースをオーバーランした後、右股関節をフロントステップ(外旋)して一二塁間のハーフウェイに入ってからの走路の膨らみを抑える。
小園は、本塁から一塁ベース間で走路の膨らみを作り、一二塁間のハーフウェイに入ってからの走路の膨らみを抑える。矢澤も小園と同じベースランニングをする。一二塁間のハーフウェイでの走路の膨らみは、江越よりも若干大きい。

外野守備

日本人の外野手の大半は、グラブを持つ方の手寄りで捕球する。
矢澤は、グラブを持つ右腕前腕部を回外して右手小指の第二関節で打球をチョップして背骨の左側で捕球できる。しかし、左肘のフライングエルボーの後、首が左肩の方に捩じれるので、打席のときよりも右肘が左肩の方に入る。左腕前腕部の回外運動、左腕上腕部の内旋運動の回転半径が打撃の場合よりも長く、加速距離が短い。

総合

投手一本でスタートしても、NPBでは通用するであろう。しかし、現在のままでは、エースやセットアップ、クローザーになるのは難しくOne of themになるであろう。将来、NPBよりも上のレベルで野球をするのであれば、打者一本でスタートした方がベターであると思う。

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