走者を動かすことのメリット&走者・打者双方へのバッテリーの対応手段

Last Updated on 2021年5月17日 by wpmaster

一塁走者を動かすことのメリットは、投手のメンタルが揺さぶられることではありません。投手が打者に集中できないからというメンタル面を変化させるということではありません。メンタルは実体がありません。メンタルは肉体の稼働をコントロールできません。メンタルが動揺したとか焦りが生じたとか言っているのは、傍観者が後付けで言っているだけです。

塁上の走者を動かすことのメリット

一塁走者は、リードを広げ、偽走をすると、投手は、一塁走者が、セットアップを解く(左肘のヒッチ、右足首の背屈)間を作らせず、左手親指の加速を失速させ、左手のトップを入れ替える間を作らせないようにしなければなりません。捕手が一塁牽制、二塁送球をする間を作ってやらなければいけません。投手はクイックモーションで投げます。
投手、捕手が一の労働の過程における一個一個の動作を行う間ができないということが走者を動かすことのメリットです。
投手は、一塁牽制を投げれば、投球数が増えます。親指、中指、小指、股関節、前腕、上腕、肘を運動する回数が増えます。走者が実際に走れば、捕手は、一塁牽制、二塁送球を行います。内野手は、ベースに入ります。ベースの入らない選手もカバーに入ります。投手はしゃがんだり、送球をカットします。ランダウンプレーに進めば、更に多くの野手の労働量が増えます。走者の動かすことのメリットは、バッテリー及び野手の労働量を増やすことです。労働量が増えれば肉体が損耗し、労働力の再生産が難しくなります。ミスが増えます。
走者のセットアップからスタートまでが短ければ、投手のそれに応じて、前足を一歩踏み込みます。後ろ足のスパイクの内側で地面を後ろに蹴ります。前足親指の加速距離が長いとトップハンドの加速距離が長く、トップハンドの中指、小指の加速距離が短くなります。
この動作をコンパクトにクイックモーションで投げることができるという価値を指導者は、付けてきました。前肩を背骨の方に入れる間を作らず、後ろ足に回転軸を作らず、トップアハンドの前腕部を背骨の方に引かないので円運動ができない。故に、クイックモーションでトップスピン(シュート回転)、バックスピン(ホップ回転)が落ちるのは止むを得ないとしてきました。

進塁を防ぎ、且つ、回転数を損なわないクイックのコツ

クイックで最も重要なことは、ボールを長く持たないことです。すなわち、セットアップの状態を前足の小指球で蹴った後にしないことです。前足の小指球で地面を蹴る前にセットアップを解くことです。親指の基節骨でボールの内側を叩いてセットアップを解くことです。
始動を早くするということは、トップハンドの親指の加速距離を長くするということです。トップハンドの人差指の付け根でボールを握ると、ボールの上にトップハンドの人差指の付け根が被さりまので、トップハンドの親指がしなりません。
トップハンドの基節骨でボールを叩くと、トップハンドの前腕部が回内します。トップハンドの中指、小指を走らせるとトップハンドの肘が落ちます。前足首が背屈します。足首が背屈すると前膝が折れず、腰が座りません。前の股関節の加速距離が短くなります。トップハンドの中指、小指の加速距離が長くなります。前膝が突っ張ります。前足の踵にウェイトがかかります。ヘッドステイバックします。前膝が割れません。すなわち、前足に回転軸ができます。一の走塁、一のスイングで後ろ足が軸になることはありません。トップハンドの親指、中指、小指、両股関節は、半円運動になります。
トップハンドの中指、小指を走らせると、トップハンドの前腕部が回外します。トップハンドの親指がしなります。トップハンドの親指の加速距離が長くなります。イコール、ゆったりと親指の基節骨でボールを叩ける。トップハンドの親指の基節骨でグリップを叩いてからは波動ができます。トップハンドの中指、小指が立つ(=しなる)。トップハンドの中指、小指の加速距離が長くなります。すなわち、ゆったりとトップハンドの中指、小指を走らせることができるということです。中指、小指でグリップを叩いた後は、波動ができません。
セットポジションでクイックモーションで投げると、ワインドアップで投げるよりも、トップスピンもバックスピンも増します。スライス回転、ジャイロ回転がかかりません。

バントの構えに切り替えることのメリット

バントの構えに切り替えることのメリットは、投手心理が揺さぶられることではありません。
投手は、打者がヒッティングからバントの構えに切り替えると、前足の親指が加速し、ストライドが広がります。トップハンドの親指で基節骨で叩く→トップハンドの中指、小指を走らせるという運動を行う間ができません。トップスピン、バックスピンも落ちます。

右投手は、フォロースルーで両股関節を再び、ぶつけると左足に軸ができています。左足を軸に捕球すると左手小指の加速距離が短くなります。背骨の左側でグラブを出します。左手首を背骨の方に引きます。左肩を背骨の方に入れないと、右手がトップポジションに入れません。左肩を開かないとトップを入れ替えることができません。

バントは素手で捕れ

投手は、右手親指の基節骨でボールを叩く(リリース)ときに、両股関節を剥がしてインコースのベルトの上に投げると(右打者、左投げ左打ちにインローは要りません)、両股関節を剥がさなかった場合よりもバックスピンのロスを抑えることができます。アウトハイに投げるときは、再び両股関節をぶつけるので、アウトハイに投げたときよりも、バックスピンは減ります。
右投手は、左手フォアハンド、バックハンドで捕球すると、右股関節を左股関節から剥がして右足を軸に左手小指をスイングします。右股関節を左股関節から剥がした後、再び両股関節をぶつけないので、バックスピンをかける動作が2回から1回に減るのでバックスピンが弱まります。投手は、バント処理は、捕手、一塁手、三塁手に任せればいいんです。
しかし、右投手の場合、右手(素手)で捕球すれば、左足から右足に軸足を移す手間が省けます。右股関節を左股関節から剥がした後、フォロースルーで再び両股関節をぶつけて、右足をターンさせることができます。トップスピンもバックスピンも落ちません。バントは、腰を座らせ、トップハンドの人差し指の付け根でグリップを押していきます。両肘が突っ張ります。トップを入れ替えた後、ヘッドの軌道が波を打ちます。押す前に手首をコック(背屈)してヘッドを残すこともあります。空振りは減りますが、トップハンドとボトムハンドとトップハンドを離して握るので、回転半径が長く、トップハンドの小指の加速距離が短くなるので、押し遅れてボールを受けてファウルになります。バスターはボトムハンドの前腕部を回内しないとトップポジションに入れません。ボトムハンドの肘が突っ張り、トップを入れ替えられません。速い打球が打てません。
打者に投球を当てられても、投手は、背骨の右側でボールの内側を右手親指基節で叩くと右肘が上がります。右肘をつまみ上げる(右腕上腕部の外旋)だけでトップポジションに入れます。

結論

パーフェクトインサイドアウトでクイックモーションで投げられ、素手でバントを捕球をする投手には、バントの構えに切り替えても無駄。ブスがメザイクしても、イケメン高身長を振り向かせることができないのと同じです。
パーフェクトインサイドアウトで投手が投げれば、右投げの捕手は、左肘と左足親指が併進する。背骨の左側で捕球をする。塁上の走者を動かすことは、バントの構えに切り替えるよりもメリットがある。
坂倉も石原貴規は、バントは素手で捕球する。會澤は左手で捕球する。會澤は捕手としては使えない。會澤はトップハンドでボールを引き付けられないので、クリーンアップどころか代打でも使えない。
石原貴規は、右投げ右打ち、坂倉は右投げ左打ち。
左手親指の基節骨で投球を叩き、右足を軸に左手小指を振る→左手小指の外側でボールの外側を叩く→右手の右手の小指の外側でボールを受ける坂倉は、左股関節を右股関節から剥がすのが遅れると右足首の背屈が遅れる、投球を後逸する。しかし、肉体の稼働、労働力の再生産の面から投手にワンバウンドを投げさせてはいけない。坂倉は、トップポジションに速く入れる。投手の肉体の損耗の進行を停滞させることができる。坂倉は、左手小指の外側でボールの外側を叩くので、投球のトップスピン、バックスピンがわずかだが増す。私が坂倉を正捕手に定着させろと言う根拠はそこにある。