バッティングにおける「手首を返すな」の解釈

Last Updated on 2019年12月13日 by wpmaster

進歩した現代野球のバッティングにおいては、「手首を返すな」と言われます。フルスイングするなということでしょうか。

上京してきた田舎っぺでなく東京で生まれ育った者は、相当なブルジョア階級でない限り、経済関係者に広く事前に告知して大々的に結婚式や披露宴を挙げるということはしません。
収入の高い労働者ほど結婚即子供ではありません。妻が結婚後も働くのも普通です。
誠也が既に婚姻届を出していたと聞いても私は、何ら驚くところはありません。

最近の選手は、昭和生まれのプロ野球選手のように手首をこねてスライス回転のかかったハーフバウンドのゴロを打つ選手が減り、ヘッドアップしてスライス回転のゴロを打つようになりました。
それでは、この「手首を返すな」をどのように解釈すればいいのでしょうか。

手首を返すという動作のメカニズム

ピッチング、バッティング、守備は、いずれも、軸足移動、ボールを捕まえてリリースするという面で共通の動きをします。

これら野球の動きにおいて、前腕部の使い方においては、回内、回外という言葉が使われます。

回内とは、手のひらを上向きから下向きにする動作です。回内をすると親指が下、小指が上になります。

回外とは、手のひらを下向きから上向きにする動作です。回外をすると親指が上、小指が下になります。

肘から手首までの前腕部には、尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)という2本の骨があります。この2本の骨は肘関節の手前で車軸関節という関節構造を作り上げています。この関節構造により、人間の前腕部の回内・回外ができるようになっています。

バットを握ったまま、引き手の前腕を回外、押し手の前腕部を回内することによってインパクトの直後に手首を返します。

手首を返すことと他の動作との関係

投球腕の前腕部を回外すると肘の位置が下がり、回内すると肘の位置が上がります。
ピッチングにおいては、外転する前に投球腕の前腕部を回内します。
投球腕の上腕部を外旋してトップを作って、投球腕の肘を推進させる段階で、グラブを持つ手(引き手)の前腕部を回外して前肩を下げます。

バッティングでは、前足の足首を底屈して拇指球が接地したときに押しての肘でスクラッチします。
バッティングでもピッチングでも前足の足首を底屈したままにしておくと前の股関節が引っ込まず、後ろの股関節の外旋が維持できませんので、骨盤の回転より先に押し手の肘を推進させることができなくなります。前足を軸にすることができません。

前足の踵が接地して前膝で地面を蹴って前足の足首を背屈したときに引き手の前腕部を回外して前肩を下げます。

ピッチングでは、リリースの直前、投球腕の親指を押し込んで前腕部を回内してボールをリリースします。投球腕の前腕部の回内のときに両股関節をぶつけます。
投球腕の前腕部を回外します。このときに後ろ足の小指球で地面を蹴ります。

バッティングでは、インパクトの瞬間にボールを押し手の人差し指でボールを受けて親指でグリップを押し込んでヘッドの外側(投手寄り)を打ちます。ヘッドのしなりが戻ります。インパクトの直後に押し手の前腕部を回内します。このときに両股関節をぶつけます。ヘッドが走っていきます。
ピッチングでもバッティングでも両股関節をぶつけるときは、骨盤を前傾させて地面を押しつぶすように縦回転させます。

バッティングにおける手首を返す行為は、ピッチングのリリースに相当します。
押し手、投球腕の前腕部を回内するとトップスピンがかかり、回外するとバックスピンがかかります。

投球の軌道は、打者のところを通過するときには、トップスピンが勝って失速していますので、打者のインパクトの位置は、投手のリリースポイントの位置よりも低くなっています。

投手の投球の動き、打者の打撃の動きに応じて野手がポジショニングすれば安打を防ぐことができます。、ゴロで野手の間を抜くことよりも、野手の頭上を越える方が確実にヒットになります。

ボールの軌道の捕手寄り、自分寄りでヘッドをボールにぶつけるほど、ヘッドの外側を打つよりも先に、すなわち、インパクトの前に後ろの股関節を内旋して押手の手首を押し手の肘よりも先行させますので押手の手首が伸びて押手の手首でボールを受けてしまいます。

バッティングにおいては、前膝で地面を蹴って後ろの股関節を外旋し、押し手の肘を押し手の手首、押し手側の肩関節より先行させることでヘッドの外側を打つと、押し手の手首がL字に曲がって押し手の人差し指の付け根でボールを受けることができます。後ろの股関節を外旋して押手の肘を押手の手首よりも前に出さないと押し手の手首が伸びてしまいます。
後ろの股関節の外旋分とボールの外側からボールの内側をブチ抜く分ヘッドの稼働域、加速距離が伸びます。
インパクトの瞬間は、ヘッドのしなりが戻って手首が伸び、厳密には押し手の前腕部が回外し始めて手首が伸びていますが、押し手の手首が引き手の手首を超えてしまうと打球が減速して上がりません。
引き手の前腕部を回内して押し手の人差し指の付け根を押し込んでヘッドに押し手の手首のラインを越えさせます。それにより、ボールの外側を縦にこすります。

一方、捕手寄り、打者のへそ寄りに近付くほどボールの軌道は垂れてきますので、ボールの内側を打つと、ヘッドのしなりが戻った後もヘッドが残っていますが、ボールを受ける瞬間に手首が寝てボールを手の平で受けてしまいます。
これだと、ヘッドアップさせるか、押し手の手首を越えさせないと打球が前に飛びません。

まとめ

バッティングにおいては、実際には、インパクトの瞬間からフォロースルーの完結までの過程のいずれかで手首を返さないとヘッドを振り切れません。

手首を返すなと言うのは、①押し手主導で打て、②ボールの内側を打つな、③インパクトの瞬間、押し手を手首を引き手の手首を越えさせるなということなのです。

手首を返すなは、フルスイングするなということではありません。