バスターは、先進野球において通用するのか。

Last Updated on 2022年7月8日 by wpmaster

この日の試合、ポイントの一つとして、

菊池のバスターがある。

これまで、菊池の貢献もあるし、責めてるんじゃないぜ。

考える材料にしようって言うだけ。

ロースコアの接戦では、終盤、走者一塁のケースでは、バントで送って一点を取りに行くのが伝統的なセオリーだが、

それに硬直されることはない。

エンドランや結果ランエンドヒットも間違いではない。

ここでは、バントの構えからヒッティングの構えに切り替えるバスターについて論じてみたい。

バントの構えをすれば、一塁手、又は三塁手が前に出てくる。

打者との距離が縮まれば、野手は重心移動したときに、反応できず外野に抜ける、

体感速度が速いと錯覚するというものだ。

バスターは、指導者によっては、バントの構えからヒッティングの動きに切り替えることにより、

足の上げ下げによる体の上下のブレをなくし、目線を安定させるという。

バスターにより、足を上げたとき、すり足打法の場合には、後方に足を擦ったとき、

ノーステップ打法は、後ろ足に重心を移したときにグリップの位置が、ヒッティングの構えのときよりも落ちる。

ここで、グリップの位置が落ちるのは、打撃の基本。

バスターの方がヒッティングよりもこのプロセスが作りやすい。

この後、つま先に重心を移したときに、グリップの位置は上がらなければいけない。

しかし。丸くんのやっている手首をヒッチして上げるは正解ではないのだ。
トップハンドの肘をヒッチするというのが正解である。

トップハンドの肘をヒッチするプロセスができるとスウェイすることが(体が前に出されるたり、前膝が伸びて差されることが)なくなる。

しかしボールの軌道は、最終的には失速して沈む。

投手の足が降り始めたときに、又は遅くても投手が胸を見せたときに、

バントの構えからヒッティングの構えに切り替えると、

最初からヒッティングの構えをしていたときよりも

トップを作るのが遅れる。
トップハンドの親指の指先でグリップを荷重してしまうとトップハンドの小指を立てることができません。トップハンドの手首が底屈します。トップハンドの肩関節をトップハンドの小指の第二関節が180°内旋するところまで外旋できません。トップハンドの人差し指の指先を橈側に外転しないと、すなわち、ヘッドアップしないとトップハンドの親指がしなりません。トップハンドの手首がコック(背屈)してしまいます。前肘が後ろ肩の方に入っていく間が生じます。トップハンドの小指の第二関節の内旋に関する回転半径(肩関節の外旋に関する回転半径)が長くなります。トップハンドの親指のしなりが作れません。トップハンドの親指の指先の加速距離が短くなります。
別の角度から説明すると、トップハンドの手首をコックするので、トップハンドの人差し指で前肘が後ろ肩の方に入ってくるのを受けてボトムハンドの親指と人差し指の付け根を結ぶラインを擦り上げる(ヘッドアップ)。トップハンドの小指球の関節の内旋の加速を止める。ボトムハンドの肘が突っ張ってしまう。バントをした後、すなわち、トップハンドの親指の基節骨でグリップを叩いた後は、トップハンドの親指のしなりを解いた状態である。ボトムハンドの前腕部が回外している。トップハンドの親指でグリップを叩くと、前肩がホームベースに被さったり、前肘が捕手方向に入っていく。ボトムハンドの小指の付け根が後ろ肩に被さる。ボトムハンドの親指のMP関節の内旋半径(ボトムハンドの小指の関節の外旋半径)が長くなる。ボトムハンドの親指の加速距離が短くなる。ボトムハンドの人差し指の付け根の裏がヘソに覆いかぶさる。小指が立たない。ボトムハンドの親指MP関節の外旋半径(ボトムハンドの小指の関節の内旋半径)が長くなり、ボトムハンドの加速距離が短くなる。トップハンドの親指のしなりを解く直前に後ろの肩が残らない。すなわち、トップハンドの上腕部の外旋が解けてしまい、トップハンドの上腕部が内旋してしまう。

そうなると、ボールは、捕手のミット寄りにまで進行し、バットとボールの距離が近づいている。

トップハンドの親指がしならない内に振り出したそのままの状態で、すなわち、ボールの上っ面にボールをぶつけざるを得ない。

打者は、振った後、ボールと頭の距離が近くであると感受するのだ。

振った後、球速表示よりも早いと錯覚するのだ。

後ろ肩が残らず、逆方向へのゴロとなる。

硬式野球は、叩きつければボールが弾む軟式野球とは訳が違うのだ。

ランナーよりも後方に打っても併殺になることがあるのだ。

体が前に出され、グリップよりもヘッドが前に出たり、差されたりする。

バットをボールの下に入れるのは正しいが、

手首の返しが早くなって右打者は、三塁線へのゴロになる。

8回の菊池は、アウトコースベルトの高さのファストボールに、

バットの振り出しと足を下すのが一緒で、ヘッドが遅れて出て二ゴロになった。

現代における先進野球においては、フィニッシュで前膝を伸ばして壁を作り、半時計周りにもう一方の足を軸回転させる投げ方をする。

更に、フォーシームよりも失速が少ないカットボールのような球を投げる投手がいる。

結論を言うと、バスターは、先進野球においては、通用しなくなってきた。バスターを行うのであれば、親指の基節骨をグリップに当てて指先はしならせる。トップハンドの親指の指先でグリップを荷重しない。トップハンドの親指基節骨でグリップを叩いてトップハンドの小指をしならせる。ヒッテイングのセットアップをする。

エンドランや結果ランエンドヒットは、最初からヒッティングの構えでやった方がいい。

私自身、バッティングの基本は、センター返しだとか、逆方向だと教えられてきた。

しかし、実際には、トップを早く作り、打ち上げて引っ張るのが基本なのだ。

トップを早く作れば、ボールは、手元まで来ていないから、ボールとバットの距離が取れる。

トップを作ったときには、後ろの膝を緩く曲げ、手首、中指、薬指、小指、両肘、両肩の負荷を解いておかなければならない。

これ、重要。これがフルスイングと大振りの違い。

そうでないと瞬時にスイングに入れない。

トップを作るのが早ければ、振り出すまでに間ができる。

振ってみてボールが遅いと錯覚する。

センター返しや逆方向がバッティングの基本であると教えられるのは日本だけなのだ。

フルスイングした方が、振り切ることをしない逆方向へ打つことよりも、

股関節、内転筋、後ろの腰の内臀筋、腸腰骨、肋骨、肩甲骨周辺の筋肉で作った瞬発力をボールにぶつけるので、速い打球が打てる、又は飛距離が出る。

グリップを先に出してヘッドを残して打つのではなく、

トップハンドの肘を最先端に出してヘッドをしならせて打つ(実際はしならないよ。ヘッドを微妙に遅らせて加速させていくこと)位が正解だと思う。

私だったら、二番打者を左打者にするという根拠がある。

二番打者は、ランナーを進めるという各駅停車の、つなぐ打撃をすることに拘る必要はない。

走者を還す役割をする役割だってあっていいのだ。

ランナー一塁の場合、右打者の菊池はどうすればいいのか。

右打者の菊池は、ヒッティングの構えから外野フライを打つ打ち方で、

レフトの頭の上を超える当たりを打てば良かったのだ。

結果論で言ってるんじゃないよ。

これ野球の基本だから。

いかなるケースでも、どのコースの球でも引っ張って遠くに飛ばすことが必要だと思ってるから。

結果、レフトフライになったり、三塁ゴロで併殺になっても俺は文句言わないよ。

[追記]

バスターの場合、打者がトップを作るのが投手が胸を見せた後で、打者はトップを作るのが遅れたことにより(始動が遅れたことにより)、間が取れず体が前に出されれば、変化球を空振りして三振併殺もあります。

[追記2]

プロ以上に、アマチュア野球の場合、特別な進学校とかでない限り、4番がバントの構えなんて、例えば、高校生が手も足もでないような投手との対戦とかでない限り、先ずしないですからね。

個人的には、ボールが速いか遅いかは、ボールを見ただけではわからず、振らないとわかりませんので、始動が遅れ、結果としてギリギリまでボールを見ていることになるバスターは、適切な策だとは思いません。

バスターは、成功してもMaxでシングルヒットですから、余程下手な投手、捕手、内外野でないかぎり点は入りませんので、守る側としては、ヒッティングよりダメージは小さいですね。

走者一塁で、バントの構えをしても、内野は、猛チャージをかけたり、極端な前進守備を採ることは、全くないとはいいませんが、あまりなく、トップが入らない内に振り出しますので、バスターは、中々上手くいかないでしょう。

ボールの弾まない硬式では、自分の場合、バントの構えをした段階で、その後ヒッティングに切り替えてきても、平凡なゴロになりましたので、アウトを一つくれて有難うといったところでした。

全くなくなったわけではないでしょうが、メジャーでは、ほとんどバスターをやったという話は聞かないです。

メジャーの選手が川崎に言った「手品師」というのも、欧米人がよく使う皮肉で、誉め言葉ではないしょう。