中﨑翔太は、連続して抑えとして成績を挙げられるか。

Last Updated on 2022年6月5日 by wpmaster

2015年は、セットアップとして結果が出ていないにも関わらず、5月にヒースの代役で抑えを務め、しばらくは打ち込まれたが、7月以降は、0.93で21S、終わってみれば、0勝6敗29S 2,34と結果を残した。

2016年は、シーズンを通して抑えに定着し、1.32 34Sと2年連続で結果を残し、優勝に大きく貢献した。

2年連続で60試合以上に登板しているが、今後も同様に活躍できるか。

 

まずは、投球動作を見ていきたいと思います。

中﨑のピッチング

中﨑は、両膝をルーズにして静止する。

グラブを高く上げて下す。

左足を骨盤よりも高く上げる。

まっすぐに左足を本塁方向に伸ばし始めたときに右肩が上がる。

左足を着地する直前に右肩甲骨付近の筋肉を打ち側にねじる。

右肘が高く上がり、一塁方向に向かってななめ下に、右肩~左肩のラインができる。

球に角度がついている。

指を縫い目にしっかりかけて手首の甲の角度を変えて制球している。

リリースを前にしているので、真っすぐも打者の終速が落ちないように感じられるカットボールのように打者の直前で手元で動く。

したがって高めに外れるということがほとんどない。

しかし、投げ終わった後の左膝の伸びが中途半端なので、球が伸びず、ツーシームが沈むので、結果として抑えられている。

きれいな真っすぐではないが、それが1点台前半の防御率につながっている。

シーズンのMaxは、153キロだが、手元で球を動かして制球に重点(ストライクを投げるということではない)を置いてMax142にした試合でも抑えられる。

それでは、2016年の成績を見てみることにする。

昨季の成績

主要成績

通算成績は、下記のとおりである。

61試合 3勝4敗 7HLD 34S  61回1/3  50被安打 2被本塁打 19四球 2死球 自責9  防御率1.32

四球は、他に捕手がゾーンを外して構えて歩かせたストレートの四球が2つある。

本塁打を除くグラウンド内に飛んだ飛球が安打になった割合である被BABIPが.281

被長打率 .267

被本塁打率(9イニング換算) 0.29本

対右打者 112-26  1本 9四球 1死球 25三振 被打率.232

対左打者 113-24  1本

与四球率(9イニング換算) 2.79

被出塁率 .287

被OPS  .554

奪三振率(9イニング換算) 7.92

奪三振/与四球(K/BB) 2.84

アウト内訳:ゴロ59  フライ59  三振54  犠打4  犠飛1   失策1  フィルダースチョイス1

ゴロアウト比率(GO/AO)=1.00→グラウンドボール比率.500

ゴロ比率32.8%

1イニング当たりの走者の数であるWhipは、1.13人

平均的な投手と比べてどれだけ失点を防いだかであるRSAA(マイナスよりもプラス、プラスであれば、その数値が高いほど、高く評価される)は、
16.56

残塁率(LOB)=88.0%

インプレーの打球を排除した奪三振、与四球、被安打から評価するFIPは、2.52

安打、与四球を許さなかった試合/救援登板数=32.8%

打者1人当たりの投球数 4.03球

5.50球投げて1つのアウトを取っている。

1イニング当たり 16.5球

1失点までの投球回 5,58回

救援での失点/失点した試合のイニング数=1.50

失点したイニング数 7回1/3

総投球数 1,012球

対戦打者 251人

回跨ぎ  5試合

2連投-8  3連投-4  4連投-1  5連投-1

コース別成績

 

 

上の表の17-1のゾーンは、対右打者が11-0、左打者が6-1

上の表の16-1のゾーンは、右打者が6-0、左打者が10-1

右打者、左打者共に、バットとボールの距離の取りにくいアウトハイは完璧に抑えている。

左打者の2ストライク取られてから最も素早い対応を要するインハイは、6-1

右打者のインハイは6-0

左打者に、フロントドアのツーシームカットボールのような初速と終速の差が感じられないスライダーでインハイを抑えている。

左打者をバックドアのカット系、シュート系(シンカー、ツーシーム)でアウトハイを抑えている。

右打者に、ツーシーム、フロントドアのカット系でインハイを抑えている。

28-7のゾーンは、対右打者が16-3、左打者が12-4

ヘッドを下げて打つ左打者が飛ばすコースにバックドアのツーシームで投げるスライダー、スプリット、フロントドアのシュート系(ツーシーム、シンカー)打たれている。

18-0のゾーンは、右打者が3-0、左打者が15-0

指をきちんと縫い目にかけてはじくように、始動が早い右打者の視界から消える曲がり落ちるスライダーで抑えている。

左、右打者ともアウトローはスプリット、ツーシームで抑えている。

内外角ともベルトの高さを打たれている。

高さを間違えなければ打たれない。

ストーロークが長いので、右打者、左打者ともゾーン内の真ん中低めは、球が評価しやすいので打っている(右打者7-2、左打者13-4)

しかし、始動が早い打者は、左打者、右打者とも真ん中低めのゾーンよりボール2個分低いゾーンを打てていない(右2-0、左3-0)。

 

3-3のゾーンは、全て右打者。

4-3のゾーンは、右打者が2-2

右打者にボールが見やすいバットがボールに届くかどうかのコースを打たれている。

球種配分

ストレート系  46.83%

スライダー  27.68%

シュート   20.04%

フォーク    5.46%

球種別成績

ストレート 107-24  .224

スライダー 61-17  1本 .279

シュート    40-8   1本 .200

フォーク   17-1    .058

 

球種別空振り率

ストレート 7.63%

スライダー  9.68%

シュート  11.39%

フォーク  18.18%

 

球種別見逃し率

ストレート 19.70%

スライダー 19.71%

シュート   12.87%

フォーク  9.09%

 

見逃し率が高いことも球数が多くなることの原因の一つである。

 

カウント別成績

初球      21-9 .429

1ボール0ストライク  14-5 .357  2本

2ボール0ストライク  5-2 .400

3ボール0ストライク  0-0

0ボール1ストライク   20-4 .200

1ボール1ストライク   34-8  .235

2ボール1ストライク   8-1  .125

3ボール1ストライク   4-0  .000

0ボール2ストライク   5-1   .200

1ボール2ストライク   22-9  .409

2ボール2ストライク   25-9  .360

3ボール2ストライク   13-2  .154

3球三振 6

1ボールを含む三振 15

2ボールを含む三振 22

フルカウントからの三振 11

初球の球種配分はシュート>ストレート系>スライダー

1ボール0ストライクの2球目の球種配分は、ストレート系>スライダー>シュート。

ファーストストライク、特に2球目に甘い球を投げて打たれている。2本の被本塁打はいずれも2球目。

ボールが1つ先行した2ボール1ストライクでも打たれている。

 

ケース別被打率

走者なし 130-30  .231  1本 1打点

一塁     44-8  .182  1本  2打点

二塁    11-2  .182

三塁     1-0  .000

一、二塁  23-5  .217      2打点

一、三塁   5-1  .200      2打点

二、三塁   2-1  .500

満塁     9-3  .333

三振捕逸、三振暴投、内野フライでも点が入ることがある一、三塁、更に、三振暴投三振、捕逸、内野フライでも1点が入ることがあり、且つ、いずれもタッチプレーが要求される二、三塁のケースを合計すると、7-2 .286と抑え切れていない。

 

得点圏被打率

ビハインド  6-1   .167   0本  1打点

同点    16-6   .375   0本  5打点

リード   29-5   .172   0本   4打点

通算    51-12  .235

その他データ

Home   33試合 3勝1敗 5HLD  18S  33回2/3  30安打 2本 11四球 1死球 7自責 被打率 .244 防御率 1.87

Away   28試合 0勝3敗  2HLD 16S  27回2/3  20安打 0本  8四球 1死球 2自責 被打率 .196  防御率 0.65

昼間試合 15試合 0勝2敗 3HLD 6S  17回2/3  15安打  1本  8四球  1死球 5自責 被打率 .234  防 2.55  w 1.40人

夜間試合 46試合 3勝2敗 4HLD 28S 45回2/3  35安打  1本  11四球 1死球 4自責 被打率 .217  防 0.78  w 1.05人

1点リードした場面からの登板  11試合 10回1/3  1自責(3失点) 0.87  1勝1敗9S

昨年は0であったリードを守れずに追いつかれて自分のチームが打って勝ったという試合は今年も1試合のみ。

同点の場面からの登板     13試合  15回2/3  5自責  2.87  2勝3敗

その内訳は、Home 9試合 11回3自責 2,45  Away 4試合 4回2/3  2自責 3.86

1点ビハインドからの登板    1試合(マツダ) 1回 0自責 0.00

4点以上リードした場面    10試合  9回1/3  1自責 0.96

回跨ぎ            5試合  8回1/3  1自責 1.04  0勝1敗 1S

回の途中からの登板          3試合  3回1/3  0自責 0.00  3安打 前の投手が貯めたランナー3人還されている。

セーブの付く場面       36試合  35回2/3 3自責 0.76

セーブがついた試合      34試合  34回1/3 2自責 0.52

月別成績

3、4月  12試合 0勝1敗 7S  2.25

5月    11試合 0勝1敗 3S  1.64

6月    11試合 1勝1敗 6S  1.50

7月    7試合  1勝0敗 3S  0.00

8月    13試合 0勝1敗 9S  1.46

9試合   7試合  1勝0敗    0.00

7月は、Whip 0.86、8月は、Whipが0,97

まとめ

血行不良の手術を受けたこともあり、暖かく感じられない3,4月も打たせて取る投球で乗り切った。

回の頭からの登板が95%であり、ランナー一、三塁、ランナー二、三塁になるまでは、少ない球数で打たせて取ればいい。

今後も登板過多を避けて起用し、投球動作も細かいところを微調整すればコンスタントに1点台後半ぐらいの成績は残せると思う。

欲を言えば、抑えで打たせてとる投球をするなら、年間60イニング投げるとして、今の半分以下、一桁の9個(与四球率1.35。上原浩治の日米通算1.23)ぐらいに留めてほしいところ。

そうすれば、防御率0点台も可能である。

球団別成績

ヤクルト 9試合 0勝0敗 8S  8回2/3  0  0.00

巨人   10試合 0勝1敗 3S  11回  3自責  2.45

阪神   12試合 0勝2敗 6S   9回 3自責   3.00

中日   11試合 1勝0敗  6S   11回2/3 1  0.79

DeNA    11試合  1勝0敗 7S  11回 0  0.00

ソフトバンク 1試合     2回  0自責  0.00

日本ハム  2試合 0勝0敗 2S  2回1/3  0自責 0.00

ロッテ   1試合  0勝0敗 1S  1回 0自責  0.00

西武    1試合  1勝0敗   1回 1自責  9.00

オリックス 2試合  0勝0敗 1S  2回 0自責  0.00

楽天    1試合  0勝1敗  1回2/3  1自責 5.40

 

主な打者との対戦成績

長野   6-4  .667

坂本  4-3  .750

阿部  1-0  .000

村田  5-0  .000

ギャレット 4-1  .250  1振

クルーズ  3-1  .333   1振

山田哲人 2-0  .000

バレンティン 1-0  .000

雄平  3-0  .000

大引  4-1  .250

坂口  2-0  .000  1振

上田  2-1  .500

ロペス 3-0  .000  1振

倉本  3-0  .000  1振

筒香  2-0  .000   2振

白崎  5-2  .400  1振

桑原  4-1  .250  1振

下園  3-0  .000  1振

大島  4-2  .500  1振

ビシエド 4-2  .500

堂上直倫 5-1  .200  1振

平田   5-1  .200  2振

藤井    5-2   .400

ナニータ 4-0  .000

亀澤  3-0   .000  1振

野本  3-1   .333  1振

西岡  3-2   .667

鳥谷  4-2   .500

ゴメス 3-2  1本 .667

福留  2-1    .500

髙山  3-1   .333  2振

北條  4-0   .000

大和   3-1   .333   2振

森   1-1  1本 .1000

陽   1-0    .000

糸井  1-0  .000  1振

文中データは、データで楽しむプロ野球、ヌルヌルデータ置き場他を参考にした他、独自に計算したとこともあります。