一塁走者と二塁走者の連係、誰も教えてくれないイチロー直伝メジャー式走塁の極意

右投げ右打ちの選手は、甲子園に出場してくる高校の選手でも、投手側からすると、大半は、前膝を上げたときに、両足がクネクネ動いたり、土台がぐらついたり、にわか仕込みであることがバレバレなのであるが、甲子園で行われている第103回高校野球、前田智徳の出身高でもある熊本工業は、一回戦で敗れたものの、右投げ左打ちの選手は、総じて、にわか仕込みの右投げ左打ちのスイングではなく、中には、左手小指で投球を叩けている選手までいた。
私が松田元に獲れを言って松田元が獲得した小林樹斗は、右腕上腕部を外旋したときに両肩甲骨がフランスア並みにぶつける。小林樹斗は、現在ファームで先発調整をしているのであるが、個人的には、将来、広島のセットアップ又はクローザーになってくれるものと期待している。その小林樹斗の出身校でもある智辯和歌山も第103回高校野球に出場しているのであるが、智辯和歌山の野球部員は、短期間ではあるが、イチローのレクチャーを受けている。
智辯和歌山の選手は、地区予選で、プロの複数球団の間で獲得競争が行われている小園健太投手のいる市立和歌山と対戦、8回裏、二死一二塁から遊ゴロで4点目を取りました。
敷衍すると、一塁走者が二塁ベースにスライディングをするのではなく、二塁ベースの、一塁ベースから最も近い、内側のコーナーを左足で蹴り、減速することなく三塁に向かう。二塁走者がその間に本塁に還った。

ポイント1;二死であること

無死又は一死一二塁のケースでは、一塁走者及び二塁走者には進塁義務が生じます。一塁走者が二塁走者よりも先にアウトになれば、二塁走者は進塁義務が消滅し、三塁はタッチプレーとなります。打者が遊ゴロを打った場合、ソフトバンクの遊撃今宮のように、先の塁である三塁及び本塁に投げるのが”基本”です。
しかし、田中広輔は、このケースでも二塁に送球をします。背骨の左側で捕球するので、二塁又は一塁にしか投げられないのです。ロスチャイルドの御用メディアのアナウンサーは、6-4-3の流れるような美しい併殺プレーであると、太鼓持ちをしてカープファンを誘導します。カープファンのほとんど全てが、それに洗脳されてタナキクの併殺プレーにキャッキャッとはしゃいでいたのを私は、ものすご~く”鮮明に”憶えていますよ。
一方、二死一二塁の場合、打者が2ストライクを取られた場合、空振り三振すれば、三振をした段階で3アウト攻撃終了です。フルカウントになって打者が投球を振れなかった場合で、投球に「ボール」という価値が生ずれば、一塁走者に一以上の進塁権が生じます。「ストライク」という価値が付されれば、三振ですから、三振の段階で3アウトで、攻撃終了です。よって、一塁走者も、二塁走者も帰塁をする必要はありません。事実上、先の塁に向かって走ることが義務付けられます。
二死一二塁で、打者がライナーを打った場合、野手がノーバウンドで捕球すれば、その段階で、3アウトで攻撃終了です。一塁走者も、二塁走者も帰塁をする必要はありません。事実上、先の塁に向かって走ることが義務付けられます。

ポイント2;ハーフウェイでラインの内側に入り、次の塁の内側の角を蹴って静止することなく右回りに走ること

更に言えば、一塁走者も二塁走者も、次の塁に滑り込んで次の塁でストップする必要もありません。
特に、打者が三遊間にゴロを打った場合、三塁手が三塁ベースから離れますので、一塁走者は、二塁ベースの内側を左足つま先で蹴って静止することなく三塁に走り始めるのが、メジャーでは基本です。昨シーズンのオープン戦でピレラは、同じケースで二塁ベースを蹴って三塁に向かって走り始めています。
よって、一塁走者は、フルカウントであれば、投手がセットアップを解いた瞬間にスタートを切らなければなりません。
一塁走者及び二塁走者は、左肩を残して右足首を背屈、ヘッドステイバックして、左足内転筋を内転せずに、左足踵を前に運び、走路が外側に膨らまないようにしなければなりません。打者走者は、本塁と一塁を結ぶラインの内側に入っても、ヘッドステイバックしたとき、右肩が残っていれば、左足で一塁ベースを蹴ったとき、右手親指で空中を叩けますので、左肩が下がります。一二塁間のハーフウェイで走路を膨らませることなく走れます。

ポイント3;打者は、背骨の左側で捕球する右投げの野手のいる方向に打つこと

右投げの野手が、どちらの膝も地面に付けず、左手小指で打球を叩いて右手で捕球すれば、捕球即送球のトップポジションに入れます。
しかし、右投げの野手が背骨の左側にグラブを出して捕球すれば、左肘を背骨の方に引いてからでないとトップポジションの過程に入れません。更に、市立和歌山の遊撃手のように右膝を地面に付いて捕球すると、スクワット運動をしてからでないと右回り又は左回りしてトップポジションに入らないと三塁又は本塁に投げられません。
ゴロを打つ方向は、必ずしも遊ゴロでなくてはならないということではありません。右投げで背骨の左側(左投げの野手は、背骨の右側)で捕る野手の方向に打つことがポイントです。
打撃の基本は、トップハンドの小指で、投球の外側を叩き飛球を打つことです。これが最もパーフェクトに近いインサイドアウトスイングです。ゴロを打つ場合もトップハンドの小指で、投球の外側を叩くことが基本です。これがパーフェクトインサイドアウトに近いゴロ打ちのスイングです。
右打者の場合、二塁手及び遊撃手が、共に背骨の左側で捕球をする右投げであれば、三遊間にゴロを打つのがベターです。
左打者の場合は、二塁手及び遊撃手が、共に背骨の左側で捕球をする右投げであれば、一二塁間又は一塁線にゴロを打つのがベターです。

ポイント4;二塁走者はスタートをワンテンポ遅らせる

二死一塁二塁のケースでは、打者がゴロを打った場合は、塁上の走者は進塁義務が生じ、二塁及び三塁はフォースプレーになります。重盗の場合は、タッグプレーとなります。
一塁走者が二塁ベースを蹴れば、両足が二塁ベースから離れ、オーバーランします。
打者がゴロを打った場合に、アピール権が生じるのは、打者走者が一塁ベースを蹴ってフェアゾーン又はファウルゾーンを駆け抜けた後に一塁ベースに戻らなかった場合のみです。事実上は、打者走者が一塁ベースを蹴って右回りし始めた場合、一塁手が打者走者が帰塁される前にタッチをします。二塁に進塁する意思は実体がありません。打者走者の後ろ肩が残っていなければ、ファウルゾーンを駆け抜けてもタッチプレーが要求されることがあります。二塁ベース上におけるアピールプレーは、打者が飛球を打ったときのみ生じます。打者がゴロを打ったとき、一塁走者が盗塁したとき、田中広輔のように、一塁走者の両足が二塁ベースから離れても、一塁走者が二塁を蹴るよりも二塁ベースへの送球が早かったこと、走者の肉体にタッチしたことを審判にアピールしてくれれば、一塁走者は、静止することなく減速することなく三塁に走れ、三塁を陥れることができます。一塁走者は、少なくとも、アピールの間に帰塁することができます。
しかし、ほとんど全ての二塁ベースに入った野手は、一塁走者の両足が二塁ベースから離れれば、一塁走者に二塁に帰塁される前に一塁走者にタッチします。一塁走者はランダウンプレーに持ち込む必要があります。
但し、一塁走者の先を走る二塁走者のスタートが投手がセットアップを解いたのに遅れることなくスタートが切れていると、二塁ベースに入った野手は、三塁又は本塁に送球します。
先程の智辯和歌山ー市立和歌山の例ですと、二塁走者は、ハーフウェイで両足をシャッフルしながら二次リード、三次リードを取り、打者がトップを入れ替えて後ろ肩関節が動いた後に、後ろ足である左足の外踝にウェイトを戻してスタートをワンテンポ遅らせています。
二塁走者のスタートが遅れた場合、二死ですから、ゴロを捕球した野手は、必ずしも三塁や本塁に投げてアウトにする必要はありません。三塁送球又は、本塁送球が逸れれば一点入ってしまいます。ゴロを捕球した市立和歌山の遊撃手は、二塁ベースにフォアハンドトスします。一塁走者は二三塁間に挟まれます。
二塁走者が三塁ベースを蹴った後、遊撃手は、三塁送球を指示、一塁走者は、送球を受けた三塁手に二塁方向に追い詰められてタッチされます。
智辯和歌山の監督は、「(二塁ベースを)回られると、内野手は難しくなると思う。どうしても回ったランナーに目がいって、『ホームや』というふうにならないでしょ」と、メディアの記者に応え、メディアの記者に企業秘密を明かしませんでした。しかし、「二死一二塁で遊ゴロで一点を取るプレー」の一番のポイントは、「二塁走者がスタートを遅らせる」ことなのです。スタートがワンテンポ遅れても走塁におけるトップ(左手親指のしなり)を作っているので、右股関節が引っ込みます。故に、却って、右股関節の内旋、両内踝のシャッフルが加速するというカラクリなのです。

結論

野球の基本は、走ることです。ゲームを進める源泉は、投手を中心とした守れるスタッフでです。ゲームを作る土台は、投球です。
先発投手がトップギアで投げれるのは、100球中5球前後です。故に0で抑えて7イニングを食うことは尋常ではなく難しい。
「二死一二塁で内野ゴロで一点を取るプレー」は、完封を免れるのがやっとの貧打のチームがやっても、1-3、1-4で負けてしまいます。
先発投手が6イニングを2点以内に抑え、打線が4点リードしたところで、この手段を用いて、リリーフ投手が満塁本塁打を打たれても未だ一点勝っているケースを作る、又は、登板過多であるという価値が付けられるクローザー、セットアップの登板を回避するというのがベストな使い方でしょう。少なくとも、一点でもリードした展開で用いて、その後、クリーンアップが本塁打で突き放すことができるチームでないと勝ち切ることは難しいでしょう。