新庄剛志流タッグアップに関して解説します

日本ハムファイターズの監督を務める新庄剛志が、日本ハムの選手を実験台に、従来行われてきたタッグアップと体の使い方を変えたタッグアップを試した。

これには、サイトの更新に関してもう少し冬眠を続けていようと考えていた管理人も始動しないわけにはいきません。

三塁ベースは、体のどの部分で三塁ベースのどこを蹴るのか

三塁ベースを蹴る直前、左足と右足のどちらが、本塁寄りにくるかは、選手によって異なります。
左足で三塁を蹴ると、三塁ベースを蹴った直後、右股関節が内旋し、左股関節が外旋するので、オーバーランやドリルスライディングがしやすくなります。

よって、個人的には、三塁ベースは、左足のスパイクの内側で最も中堅寄りのコーナーを蹴ることを推奨します。
既に出塁している走者が三塁ベースに到達した後、打撃中の打者がフライボールを産み出した場合です。

離塁のタイミング

打球の落下点の後ろに入った野手が、打球に対し、グラブを持つ手の前腕部を回内してグラブを持つ手の親指基節骨を入射するか(バックハンドシングル)、又はグラブを持つ手の前腕部を回外してグラブを持つ手の小指基節骨を打球に入射します(フォアハンドシングル)。

打球の落下点の後ろに入った野手がグラブを持つ手の親指基節骨又はグラブを持つ手の小指基節骨を打球に当てた直後に三塁走者は、三塁ベースに接地した足の一部又は全体で三塁ベースを蹴って離塁することができます。

打球にバックハンドシングルで打球に触れた野手は、グラブを持つ手の前腕部を回外して小指基節骨で打球を叩き、投球する手の中指基節骨にボールを移します。

よって、フォアハンドシングルで打球に触れた方が三塁走者の離塁を遅らせることができます。

すなわち、打球の落下点の後ろに入った野手が、打球をグラブの芯(グラブを持つ手の掌)やネットの部分(グラブを持つ手の人差し指の付け根)でボールを握る前に、又は握らなくても三塁走者は、離塁することができます。

解説の荒木雅博と岩本勉は、タッグアップに関し、野手が「ボールを捕った後に」走者はスタートを切れる旨を連呼した上で、新庄剛志流のタッグアップ(後述)は、野手がボールを捕る前にスタートを切れると結んでいますが(両氏ともルールは了知していることは看て取れます)、「ボールを捕った後に走者はスタートを切れる」という部分は、軽微な言い間違いではなく、聞いている者に誤解を生じさせる軽薄な発言であるという評価を付けられても仕方のない説明の仕方です。

新庄式タッグアップのメリットデメリット

従来、行われてきたタッグアップのケースにおける離塁前の構えは、本塁寄りでない方の足の一部を三塁ベースの一コーナー又はラインに触れさせ、三塁ベースに触れていない方の足を前(本塁ベース寄り)に出すというものです。

一方、新庄剛志流のタッグアップは、本塁寄りの方の足の一部又は全体を三塁ベースに触れさせ、もう一方の足は、フェアゾーン又はファウルゾーンで、三塁ベースから離す又は一部を触れさせて構えるというものです。

新庄流のタッグアップの趣旨目的(実体のない観念)は、打者のバットから打球がリリースされる前及び打球の落下点の後ろに入った野手が打球に触れる前に助走を行うことによって、本塁から遠い後方の足であるベースに着けていない方の足の股関節の内旋運動の加速距離を伸ばし、従来型のタッグアップによった場合よりも離塁後の後方の足(従来型のタッグアップの場合は、ベース又は土を蹴った方の足)の膝が本塁寄りに進んでいることです。

新庄流のタッグアップによってメリットを産み出せるか否かは、個々の選手の肉体の稼働の仕方に拠ります。肉体の使い方を誤れば、新庄流タッグアップは、実体のない観念のままで終わります。

従来のタッグアップの構えの場合、ベースを跨がずに構えるので、ストライドを調節できます。更に、ベースに触れた方の足の内踝を反対側(本塁寄り)の足の内踝にぶつけた(シャッフル)後、後方の足の股関節を内旋、ニーアップしていくので、バックを踏む(両腕前腕部の回外、回内運動、両股関節の内旋運動の加速距離が短くなること)ことを回避できます(関係記事)。

日本ハムの選手は、唯一の例外を除き、左足若しくは右足の踵又は拇指球で三塁ベースの本塁寄りのコーナー若しくはラインに触れる又は踏む、土踏まずで三塁ベースのラインの外側を踏んでセットアップします。

しかし、新庄流のタッグアップは、本塁から遠い方の足は、ベースを跨いでいる分、ストライドは、従来型のタッグアップの構えに比べて広くなります。

本塁側の足の踵を三塁ベースに着けた場合、本塁側の足の拇指球で土又はベースを踏んだ場合よりもセットアップにおけるストライドが広がります。

ベースを拇指球で踏んだ方がストライドは、狭まりますが、土よりもベースの方が滑ります。

更に、本塁側の足で三塁ベースを蹴った後、反対側の足は、三塁ベースを跨がなければなりません。

本塁側の足を三塁ベースの内側(フェアゾーン)のコーナーに触れ、もう一方の足を三塁線の外側のファウルゾーンに置くと三塁ベースを対角線に跨がなければなりません。

構えたときに本塁寄りの足の踵を三塁ベースに沿わせた又は踏んでいる選手は、本塁寄りの足の股関節は、外旋します。構えたときに反対側の足の上の前腕部も回外し、反対側の足の股関節も股関節も外旋します。
両腕の前腕部の深層屈筋、内側側副靭帯の前束の筋肉が硬直してしまいます。

後方の足側の前腕部の回外運動、後方の足側の股関節を外旋する間が作れません。

後方の足の股関節を内旋した後、股関節が前後に引っ張られます。本塁寄りの足の股関節を内旋した後、本塁寄りの足の拇指球で土を蹴ってしまいます。

本塁寄りの足の拇指球で三塁ベースに触れている又は踏んでいる選手は、セットアップの段階で本塁寄りの足の股関節が内旋し、本塁寄りの足の拇指球で土又はベースを荷重しています。

本塁寄りの足の踵を三塁ベースに沿わせた又は踏んでいる選手及び本塁寄りの足の拇指球で三塁ベースに触れている又は踏んでいる選手は、打球の落下点の後ろに入った野手が打球に触れた後、本塁寄りの足の拇指球で土又はベースを後ろに蹴り、バックを踏んで(減速して)しまいます。

新庄式タッグアップでメリットを実現できた唯一の選手は誰?

先程、唯一の例外と述べたのは、レイエスのことです。

レイエスは、右足の内踝を三塁ベースの本塁寄りのライン上の三塁線の外側(ファウルゾーン)のコーナーに触れさせます。

左足の内踝を、三塁ベースのフェアゾーン内のラインの左翼寄りのコーナーから左足小指から親指の間分空けて両足をセットアップします。

両足のポジションは、三塁ベースのフェアゾーン内のラインの左翼寄りのコーナーを左足のスパイクの内側で蹴って右股関節を内旋してオーバーラン(ポップアップドリルスライディング)をしたポジションに相当します。

すなわち、試合における本塁から一塁間、一二塁間、二三塁間、三本間のベースランイングが分断せずに全てリンクしている。自身及び後続の打者がゴロを産み出そうがライナーを産み出そうが飛球を産み出そうが、帰塁せずにノンストップで本塁に突入することが可能なのです。

極端に言えば、打者がグリップを握る前に走者として始動することが可能なのです。

これができるか否かによって、2アウトを取られた後の攻撃において得点できるか否かが大きく異なってくるのです。

レイエスは、セットアップ前、両腕の前腕部を回外、両手首を背屈(両手首の背屈の角度は、投手が投球肘をアクセレーションした直後の煽った状態の角度です)して両膝の上に置きます。

両腕前腕部を回内し、両手親指の基節骨で太腿を叩いて両手を太腿から離します。両手首がストサイドの角度(180°に近い)で背屈します。両腕の前腕部の深層屈筋、内側側副靭帯の前束の筋肉も弛緩できています。

右膝の屈曲の角度が11:50分、左膝の屈曲の角度が0:50分

レイエスは、打球の落下点の後ろに入った野手が打球に触れた後、左足の内踝で三塁ベースの内側(フェアゾーン)を直線で跨ぎます。

右足内踝で三塁ベースを蹴ります。

右股関節が外旋します。左股関節が外旋して背骨の方に引っ込みます。上体が突っ込みません。

右股関節を内旋します。ストライドが広がりません。右股関節の内旋運動の加速距離が長くなります。右膝が骨盤の高さに上がります。

日本ハムの選手の中で離塁後の両膝が最も高く上がっていたのがレイエスです。

荒木と岩本が「レイエス、結構、速いですね」と驚いていましたが、レイエスに速いと認識することには、根拠が生じているのです。

ここは、驚くところではありませんよ。

ブログ村のPVランキングでトップを走り続けるインフルエンサーの一人は、メジャーの野球に関し、「打つだけのアホバカ野球」という評価を付けますが、メジャーリーグの方が走塁を含めたスモールベイスボールの面でもNPBよりも一歩も二歩も進んでいることがまたしても立証されることとなりました。

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用語の意味に関しては、下記記事参照

[知って得する]頻出野球用語集[完全保存版]