野球は、一番打者から九番打者まで打率の高い選手を集めても水平に捻転させることなく投球肘をオーバーハンドの高さに上げて投げてくる投手からは連打と四球で得点はできません。
インサイドアウトスイングの完成度、投手の腱板、側副靭帯、深層屈筋の再生産にダメージを与えた程度、進塁、得点への貢献度の面からアウトを取られた動作に付けられる価値が変わってきます。
ここでは、全ての面からアウトに取られたスイングの軌道、打球の軌道に付いて価値を付けていきます。
肘のヒッチと手首甲側の角度
前腕部を回外しながら肘の位置を落としていくことをヒッチと言います。
前腕部の回外の途中(アクセレーション)では手首の甲側の角度が底屈します。
前腕部の回外が完結すると手首の甲側が背屈します。
フライングエルボーと手首甲側の角度
前腕部を回内しながら肘の位置を上げていくことをフライングエルボーと言います。
前腕部を回外していく途中で手首の甲側が底屈します。
前腕部の回外が回外すると手首の甲側が背屈します。
当該前腕部の対角線上にある足の股関節は外旋します。当該線腕部と対角線上の足の股関節を内旋してしまうと、当該前腕部を回外した後、当該前腕部と対角線上の足の股関節の外旋運動の回転半径が長く加速距離が短くなり、当該前腕部と対角線上の足の股関節が横に伸展してしまい、開きが大きくなります。
当該前腕部側の股関節の内旋の加速が短くなってしまい、縦に弛緩するのではなくではなく前後に伸展しまいます。
当該前腕部の回外完了後、当該前腕部側の足の股関節の外旋運動の回転半径が長く加速距離が短くなってしまいます。当該前腕部の対角線上の股関節が前後に伸展し、内旋してしまいます。
トップハンドの前腕部の回外とボトムハンドの関係
トップハンドの前腕部の回外は、セットアップ(構え)の解除する前、トップハンドの肘を加速させる前(フライングエルボーの後)、フォロースルーの前に行います。
プロ野球OBの多くが、トップハンドの肘を加速させる前のトップハンドの前腕部を回内したポジションをトップと言っていますが、これはトップではありません。
正確には、トップハンドの前腕部の回外運動が完結し、トップハンドの肘の加速が完結し、トップハンドの手首が背屈し、トップハンドの小指基節骨が投球の軌道に入射したポジョションがトップです。
①トップハンドの前腕部を回外し始めるとボトムハンドの前腕部の回内が始まります。
トップハンドの肩甲下筋が横向きに突っ張ります。
トップハンドの脇が締まります。
ボトムハンドの肩甲下筋が横向きに突っ張ります。
ボトムハンドの脇が締まります。
トップハンドの手首甲側が底屈するとボトムハンドの手首甲側も底屈します。
トップハンドの回外運動が加速しないとワンバウンドを空振りします。
②トップハンドの前腕部の回外が完結するとボトムハンドの前腕部の回内が完結します。
トップハンドの肩関節が上向きに突っ張り、腱板が下向きに弛緩します。
ボトムハンドの肩関節が下向きに弛緩し、腱板が上向きに突っ張ります。
トップハンドの肘の位置が落ち、ボトムハンドの肘が跳ね上がります。
トップハンドの脇が空きます。
ボトムハンドの脇が空きます。
トップハンドの前腕部深層屈筋、側副靭帯が突っ張ります。
ボトムハンドの前腕部深層屈筋、側副靭帯が弛緩します。
トップハンドの手首が背屈し、ボトムハンドの手首も背屈します。
打球にフック回転を加えます
トップハンド側の股関節が外旋、ボトムハンド側の股関節が外旋したままボトムハンド側の股関節がトップハンド側に引っ込みます。ボトムハンド側の足首も背屈します。ボトム側の股関節が内旋してしまうと、拇指球がタップしてしまいます。ボトムハンド側の足首が底屈してしまいます。
打球にスライス回転(逆方向)がかかり打球が落下します。
トップハンドの前腕部の回内とボトムハンドの関係
トップハンドの前腕部の回内は、構える前、トップハンドの肘を上げる前、スイングの前(トップを解除した後)、フォロースルーのフィニッシュの前で行います。
①トップハンドの前腕部を回内し始めると、ボトムハンドの前腕部の回外が始まります。
トップハンドの肩甲下筋が横向きに突っ張ります。
トップハンドの前腕部の回内の減速が早いとボトムハンドの肩がホームベースに被さります。
トップハンドの前腕部の回内の減速が更に早まるとボトムハンドの肘が突っ張ります。首が捕手方向に捩じれます。
トップハンドの脇が締まります。
ボトムハンドの肩甲下筋が横向きに突っ張ります。
ストライドが広がります。
ストライクゾーンの投球、山なりのカーブをスイングできません。
ボトハンドの脇が締まります。
トップハンド側の股関節が内旋します。
引手側の股関節が外旋します。
トップハンドの回内運動が加速しないと地を這うゴロを産みます。
トップハンドの回内運動が加速するにつれライナーになります。
トップハンドの前腕部の回内運動が減速し始めた後、ボトムハンドの前腕部を回内するかトップハンドの前腕部を回外するとトップハンドの前腕部が回外します。
引手側の股関節が外旋したまま、引手側の足首が背屈し、膝が伸展します。引手側の股関節が引っ込みます。
ボトムハンドの前腕部を回外すると飛球を産み、トップハンドの前腕部を再度回内(下から叩く=アッパースイング)するとバウンドの高いゴロ(硬球は軟球ほど弾みませんが)を産みます。
②トップハンドの前腕部の回内が完結すると、トップハンドの肘が上がります。
ボトムハンドの前腕部の回外が完結して、ボトムハンドの肘が落下します。
トップハンドの前腕部の肩甲下筋が下方に弛緩します。腱板が上向きに突っ張ります。
トップハンドの前腕部の深層屈筋、側副靭帯が上向きに弛緩します。
ボトムハンドの前腕部の深層屈筋、側副靭帯が下向きに突っ張ります。
ボトムハンドの肩甲下筋が上向きに突っ張ります。腱板が下向きに突っ張ります。
ボトムハンドの肩の開きが停止します。
ストライドが狭くなります。
トップハンドの手首が背屈し、ボトムハンドの手首も背屈します。
低めの投球を打てば飛球の角度が90°に近くなります。
高めの投球をアッパースイングするほどライナーに近くなります。
フォロースルー後、再度、トップハンドの前腕部を回内してフィニッシュすることができれば減速を遅らせることができます。
結論
技術面から言うと、トップを作り直さなくても一のスイングを完結できる選手が最も優秀です。変化球対応で投球の軌道と誤差が生じても差されることができます。
その次がスイング開始後のヘッドの下がり(トップハンドの手首の底屈=手首が返る)を修正することができる打者です。
最悪なのが、トップハンドの肘を上げることができずに、トップハンドの前腕部の回内後、トップハンドの前腕部を回外することなくスイングしてしまう打者です。
カット打ちで球数を投げさせても、投球腕を回外してセットを解けば、投球肘をアクセレーションしなくてもアウトに取れる。最悪でもシングルヒット。初球にケツや背中にぶつければ1球で済む。肉体へのダメージは小さい。
野手が打球に触れることができないファウルを打っても進塁、及び得点はできない。打者の労力の無駄遣いである。
アウトカウント問わず、バント、ランエンドヒット、ディレードスチールは、ワンバウンドを空振りした場合を除き、帰塁せず本塁に向かって走り続ける。
二死を取られた後は、走者は、ゴロであろうとライナーであろうと飛球であろうとノーバウンドを空振りであろうと、ワンバンに手を出さず四球になったとしても帰塁することなく本塁に走る。
打球方向に関係なく、胸にグラブを包み込む野手、グラブを持つ手の親指の爪の裏と人差し指の爪の裏でボールをつまむ野手、グラブを持つ手の人差し指の付け根で打球を叩く煎餅捕りをする選手、片方の膝を伸展して打球を潰して捕球する野手は、ボールを親指の爪の裏でボールを押さないとグラブからボールを抜き取れない。
グラブを持つ手の上腕部の内旋運動、投球腕の前腕部の回外運動の回転半径が長く、加速距離が短い。走者の進行方向と逆の塁に投げて併殺は取れても、進行方向の塁に投げられない。
既に走者が複数出塁している場合には、打者走者を含む後続の走者がアシストすることによって盗塁、ノーバウンドの空振り、邪飛、内野フライ、内野ライナー、外野ライナー、外野飛球でも先頭の走者を進塁及び得点をさせることができる。
私見により打球に付けられる評価が最も低い順から列挙していきます。
ワンバウンドを空振りする。
頭部への投球をしゃがんで避ける。
ストライクゾーン及びその境目を通過する投球をスイングできない。
山なりのカーブをスイングできない。
逆方向ファウルゾーンのライナー
逆方向の地を這うゴロ
逆方向のバウンドの低いゴロ
捕ゴロ
投ゴロ、センター前へ抜ける地を這うゴロ
逆方向の跳ねるゴロ
逆方向の内野ライナー
逆方向の内野飛球
逆方向のライナー寄りの外野飛球
そのイニングで初めて出塁した走者が進行方向と逆の塁に送球され帰塁できずにアウトになること
バックネット方向のライナー
ライナー寄りの中飛
順方向の地を這うゴロ
順方向の跳ねるゴロ
ライナー寄りの左飛
ウエストされた投球を空振りする。
逆方向への垂直に近い角度の飛球
垂直に近い角度の捕邪飛
垂直に近い二遊間の飛球
垂直に近い角度の順方向への飛球
中飛
内角球をへっぴり腰で避ける。
トップハンド側の膝が上がる→トップハンド側の膝が地面に落ちる空振り
頭部への投球に対し、打席の外側のライン方向に倒れて避ける。
ライナーバックの失敗
進行方向とは逆の塁に送球されて進行方向に走っての走塁死
進行方向の塁に投げられ、進行方向に走っての走塁死
盗塁の失敗
順方向への飛球
打者は、ゴロを打つ練習は必要が生じません。
打者は、逆方向に打つ練習、センター返しの練習は必要が生じません。
打者は、水平に捻転させることなく引っ張ってフライボールを産む練習が必要です。
脚注
用語の意味に関しては下記記事参照