Last Updated on 2020年7月9日 by wpmaster
逆転満塁本塁打堂林のバッティング
堂林は、パットンが前膝を下し右腕が骨盤に達する直前、左膝を上げてから手首を下げる。これまでにしてこなかった試みである。前膝を上げる打者としては、始動が遅れたが、右足親指を捕手側に向けて行き、体重を右足スパイクの外側に体重をかけていく。前肩が背骨の方に入る。ストライドを狭くし、ヘッドが立つ。前肩が内に入った分、前肩の開きが押手の肘の推進に僅かに先行する。振り始めに、メヒアほどではないが、ヘッドが少し寝る。左膝で地面を蹴って左股関節を引っ込める。始動が遅れても、パットンの投球動作に合わせることなく回転半径を狭くして両股関節をぶつける。ここが重要である。真ん中高目のボールを空振りする。
堂林は、予備動作にコックを採り入れて、コックしてから前膝を上げる。ごく僅かに手首を下がる。これまでにしてこなかった試みである。コックは横の動きだから、トップポジションに達するまでに前肩が背骨の方に入った。ここまではダメな部分。堂林が採り入れなければならないのは、縦の動きであるヒッチをコックしたときにすることである。コックする間が作れたのだから、手首を下げる間ができる。根拠は、オーバーハンドで投げる方がサイドハンドで投げるよりも加速距離が長いこと。
堂林は、前膝を上げたときに右足つま先が捕手方向に向く。右足スパイクの外側に体重がかかる。右股関節を外旋できている。左足の着地位置を殆ど探らず、左足を着地。左足と共に後ろの骨盤が前に出ていかない。割れができる。ヘッドも立つ。ストライドも狭い。これが昨シーズンまでと最も変わった部分である。トップポジションに達してから右手の親指でグリップを押し込むまでの間に前膝で地面を蹴るのだが、左足の着地位置の探りは短くなったが完全になくなったのではないので、左膝で地面を蹴るのが僅かに遅れる。
それでも、これまでよりも回転半径を狭めて両股関節をぶつけているので、前肩関節をズレることなく左の肩甲骨に格納できている。インパクトまでは日本式のレベルスイングだが、インパクトの瞬間からは前肘を抜かずに左肘を曲げて左手首でグリップを押し戻している。ヘッドを残して打っているので、ヘッドの加速距離が長い。投手からすれば、追わなくてもわかる本塁打である。
野間は、ヘッドを寝かせて構える。振り下ろす直前にメヒアのようにヘッドは寝ないが、西川やピレラのようにヘッドは立たない。原因は、ヒッと前膝を上げるのが同期しているからである。左足の親指が投手方向を向くのでストライドが広がる。
松山は、コックしてから前膝を上げるので、前肩が背骨の方に入るという堂林の共通の欠点がある。コックの回数が堂林より多い分、後ろ足の親指が投手方向を向く。堂林よりもストライドが広がる。回転半径を狭くしヘッドを走らせて骨盤を回転できない。だから、打率はハイスコアでも長打が少ない。5番としては弱い。実際に、走者一塁の場面で誠也が歩かされ、無走者の場面では、誠也は、パットンにぶつけられている。誠也は、ストライドが狭いので死球を避けるのが上手い。
松山が5番だと、チームは、借金一桁の4位か5位に終わるだろう。
投手の立場からすると、投げる場合の軸足移動、押手と打つ場合の軸足移動、押手が同一の右投げ右打ちを、ボールの内側を撫でるバッティング、ワンバンを振る打撃をしない限りは、優先して起用したい。
私は、コンスタントに上本をスタメンで起用したい。堂林は、打撃面では、野間、松山との左翼を巡る争いは、リードを広げた。メヒアは、既に一塁、三塁ともレギュラー争いの場に立てていない。堂林にとって、松山、野間との争いは、レベルの高い競争ではない。私は、松山と堂林の同一試合にスタメンで起用したいと思わない。
堂林は、1回表、ヘッドアップして打った打球に対して前進して捕球。ストライドが広がり、右肩関節の外転前に、投球肩が前肩よりも上がる。サイドハンドで二塁ベースに送球。
更に、堂林は、三遊間の打球に対し、ダイヴしてフォアハンドで捕球。立ち上がってから右肩関節を外転したときに右足のスパイクの内側でエッジをかけてしまう。ストライドが広がりインステップする。送球をアウトローにトゥーバウンドさせる。
三塁手犠は以前と変わっていない。
堂林の三塁の守備は、メヒアやピレラよりは益しだが、上手くはない。堂林は、三塁守備より一塁守備の方が上手い。
三塁堂林、左翼上本でも三塁上本、左翼堂林いいが、何れにしても開幕前の構想どおり松山は代打専門である。
長野は、前肩が堂林ほど背骨の方に入らず、ワンバンも振らない。左翼堂林の場合、堂林の前肩が背骨の方に入る部分の修正が長引くようであれば、長野との競争も復活させたい。
堂林は、シングルヒットの内容、凡打のときのスイングのレベルを併せて上げていかないといけないだろう。
その他野手の動き
ピレラは、13打数無安打。この程度の無安打は、現在の誠也でもある。ピレラは、始動が遅れ、押手でグリップを押し込む前に両股関節をぶつけ、割れがなくなって後ろ体重になっている。しかし、前肩が背骨の方に入らず、ストライドは崩されていない。アウトになった打球は全て差されている。すなわち、インサイドアウトで振れている。ボールの内側を撫でる合わせただけのスイングは0。田中広輔や菊池涼介のように無安打が長引くことはないだろう。
誠也がリードオフを務める結果となっていることに関しては、SNS上で軽くディスられてるが、ピレラは5番だろう。ピレラは、後ろ体重になっていないときは、後ろの膝が地面に付くまでフルスイングできる。ピレラを5番に固定することで、誠也も歩かされなくなる。
菊池涼介は、右股関節で地面を蹴れないので、右に切れる打球に対する守備範囲が狭まっていた。9回表、二塁ベース寄りの打球に対し、菊池涼介は、左股関節でも地面を蹴れていない。ストライドが広がって後ろ足もガイドハンドも前に出ていかないのでダイヴする。手首が寝てグラブトスに失敗する。併殺が取れない。
西川は、開幕して間もない頃、一旦前に出てから後ろに下がる。後ろの股関節を外旋してガイドハンドでボールを捕まえることができずに後逸。この試合でも三塁側に背を向けて打球右を追っている。右肩関節の外転のときに右股関節で地面を蹴れておらず、前膝で地面が蹴れず前膝が屈曲する。指先がしならず、投球腕の前腕部の稼働域が小さく、加速距離が短いので送球が山なりになる。
クリスジョンスンのピッチング
ジョンスンは、98球目、セットポジションで左足踵に体重をかけてボールを持つ。前肩、骨盤、前膝はスクエアにしている。左足小指球に体重が移って投球肩が前肩よりも上がる。そこから右足小指球で地面を蹴る。右膝を上げる。右膝を下し始めたときに前膝が背骨の方に入る。大殿筋のクローズドを解除し始めてから投球肩を前肩よりも下げる。左足小指球に体重がかかっている。大殿筋が開いていく。左肩関節の外転のときに左足拇指球に体重が移る。
左腕前腕部をレイッバックしたときに左膝で地面を蹴れていない。リリースの瞬間に左腕上腕部が凹み、右足外側のラインがO脚になる。左膝が突っ張るのは、フォロースルー期になってからである。投球をワンバウンドさせる。
チームに一点ビハインドを産み出したのは、クリスジョンスンのピッチング。塹江が追いつかれたり、一旦ひっくり返されたものではない。クリスジョンスンは、良くないながらもQSにまとめたので責められないが、チームトータルとしてはリードを作って塹江に引き継ぎたいだろう。
リードを作れなかった問題は、15残塁を産み出した打線であるだろう。
塹江としても、チームトータルとしても限りなく、塹江が0勝0敗に近く、ホールドが一つでも多く付けられる方が望ましいので、塹江のプロ初勝利は、どうでもいいことではある。
塹江、菊池保則のピッチング
塹江は、前膝を下し始めた後、右足のつま先を左膝とクロスさせるが、僅かに右膝が背骨の方に入る。左の股関節で二塁ベース方向に蹴れているが、やや左足踵寄りに体重がかかる。右の骨盤から右肩のラインが開いてから押手の肘が出る。右膝で地面を蹴り、リリースの瞬間に右膝を突っ張らせることはできたが、左腕上腕部が凹んだ。投球動作の面から言うと、塹江個人の平均より出来は良くなかった。
菊池保則は、左膝を上げたとき、左膝が背骨の方に入る。右足踵に体重がかかる。ヒップファーストが少し極端である。右肩関節を外転したときに右足拇指球に体重が移る。右腕上腕部を外旋したときに右腕前腕部が回外する(=ボールを持つ手の平が打者の方を向く)。逆球となって四球を与えた。
菊池保則は、今度は、少し右足踵をヒールアップして左足小指球で地面を蹴る。右足踵を地面に付けて投球肩を前肩よりわすかに下げてから左膝を上げていく。しかし、右足小指球に体重が残っているので、投球肩が前肩よりも下がるレンジは小さい。「く」の字を作ったときに左膝が背骨の方に入る。右肘を逆Lにしたとき、右足のスパイクでエッジをかけているが、極端なヒップファースト。前膝で蹴るのが遅れ、リリースの瞬間に前膝が突っ張らず、右腕上腕部が凹む。四球となる。