これが最後?岩本の大舞台。

Last Updated on 2017年12月1日 by wpmaster

前半戦最後の試合は、Johnsonが今季最長の8回1失点。

たけるの完璧なリリーフ。

岩ちゃんが2-1から5-1へとリードを拡げる大仕事。

本塁への送球が三塁線上を通過したので、髙城が進路を塞いでしまうことになりましたが、

あの態勢でないと捕球できないので、ルール上は、違法ではありません。

岩本は、直前でジャンプすることで髙城にけがを負わせることを防ぎました。

昨日の勝利でDeNAとの対戦成績を5分にしました。

今日は少し長くなりますが、打撃のスタンスの違いについて書かせてもらいます。

打席での立ち方には、スクエアスタンス、クローズドスタンス、オープンスタンスの3つがあります。

スクエアスタンスは、ボックスラインと平行に立ちます。

クローズドスタンスは、前の足をボックスラインに近付けて後ろの足が前足に比べボックスラインから後退していることになります。

打者は、打席に立つとき、目線は投手と正対します。

スクエアスタンスとクローズドスタンスは、オープンスタンスよりも目線が投手のリリースポイントに近くなります。

オープンスタンスは、クローズドスタンスやスクエアスタンスよりも、投手のリリースポイントと目線が遠くなりますので、

ボールの体感速度が遅く感じられます。

オープンスタンスは、スクエアスタンスやクローズドスタンスよりも膝がロックされるので、

膝を使って速度や軌道を評価しきれません。

クローズドスタンス、スクエアスタンスは、股関節に負荷をかけずに、

骨盤の上に上体を乗せ、>の字に曲げて空間を作ります。

膝を緩く曲げて球の速度、軌道を評価しますので、

ステップの始動、幅、着地の位置を球に応じて変えることができます。

スクエアスタンスは、前後に奥行のある、懐の深い打撃ができます。

オープンスタンスは、前足を開くので、前足を後足の距離は前後に短くなります。

スクエアスタンスは、両足の距離はオープンスタンスよりも前後に長くなります。

クローズドスタンスは、前の肘を内に入れなくても、オープンスタンスよりも、グリップの位置、ヘッドの位置が打席の後方にあります。

クローズドスタンスは、前後に懐の深い打撃がしやすくなります。

スクエアスタンス、クローズドスタンスは、始動してからミートするまでのストロークがオープンスタンスよりも長いので、

オープンスタンスよりもヘッドが加速される距離が長いので、オープンスタンスよりも飛距離が出ます。

クローズドスタンス、スクエアスタンスは、トップを作って耳と肩の間からヘッドを通過させた後、

肋骨周辺の筋肉をスライドさせて瞬発力をバットにぶつけ、

構えたときに中指、薬指、小指に負荷をかけずに握っていれば、始動が遅れずに、フルスイングして引っ張ることができます。

オープンスタンスの打者に比べ逆方向の当たりは減ります。

生まれたときから右手の方を頻繁に使い、右手の運動技術の水準が高い選手は、右打席に立ちます。

そうでない選手は、左打席に立ちます。岩本は左投げです。

右打者も左打者も野球をやり始めたときは、スクエアスタンスで立たされます。

左打者は開いた後に一塁にそのまま走るので右打者よりもボールが見やすい。

右で打って目線の近い体感速度のインハイの速い球に差された選手は、左打ちに変えさせられます。

右打者でクローズドスタンスで打つ選手は、プロ入りの段階までに、ほぼ絶滅します。

左打ちで目線の近い、体感速度の速い球がくるインハイの球を打てる選手は、クローズドスタンスで打たせてもらえます。

右打者も左打者も目線の近い、体感速度の速いインハイの球を打てない選手は、オープンスタンスに変えさせられます。

プロの打者をマウンティングすれば、次のようになります。

右のスクエアスタンス≧左のクローズドスタンス>右のスクエアスタンス≧左のスクエアスタンス>右のオープンスタンス≧左のオープンスタンス

右のスクエアと左のクローズドスタンスの打者は、厳選を勝ち抜いた打者なのです。

右のスクエアには、鈴木誠也、左のクローズドスタンスには、前田智徳、岩本貴裕がいます。

岩本は、2010年前半は、スクエアのノーステップ打法、

夏場にクローズドスタンスに近いスクエアの、前足で弧を描かないスライドステップ打法に変えて2か月で14本塁打。

2011年は、右足を骨盤よりも高く上げる打撃で始動、トップが安定せず低迷。

2012年7月に右足のスライドステップのときに、投手に向かって真っすぐにステップしなければいけないところを、

右足で弧を描き、右膝の開きが早くなって打撃を崩し、

ファームに落ちてからオープンスタンスに変えてインステップする打法にしましたが、差されてしまい、それでも打てませんでした。

2015年からはクローズドスタンスに近いスクエアに戻し、復活しましたが、チーム状況により二軍に降格しました。

2015年秋には、左腋窩動脈閉塞症の手術を受けています。

岩本は、四球を選べずに、ボール球をフェアグラウンドに入れてしまうので、大部分の広島ファンからは酷評されています。

岩本を高く評価すると、反論スレがループします。

それでも、技術的には、右では、鈴木誠也、左は、岩本が、現在のカープの打者ではナンバーワンだと思っています。

岩本を酷評する奴等については、コイツ野球知らねえなとすら思います。

プロ野球ファンの間では、インコースをカットしてファウルで粘って四球を取る打者は高く評価されます。

しかし、それは、フェアゾーンに入れて安打を打つ技術がないのです。

極論すれば、カットできる球ということは、フルスイングする技術の高い打者であれば、フェアグラウンドに入れられるということです。

特に、2番打者、3番打者は四球を取っていたらダメです。

打率が高いが故に出塁率が高いでなければダメです。

鈴木誠也や岩本は、ファウルで粘りません(西川も粘りませんが、オープンスタンスなので例に挙げません)。

岩本は、ファウルで粘って16球目を安打したとき、

インタビュアーに称えられたのに対し、自分の技術がないからだと言いました。

四球を取っても、事実上は、満塁でも1点。それ以外の場面では、事実上は、塁を埋めるだけで点が入りません。

四球でつなぐ野球は各駅停車の野球です。

2015年までの広島野球がそれです。

ヒットが打てるのであれば、粘る必要はありません。

甘い球がきたらフルスイングで一振りでヒットを打たなければダメです。

甘い球をカットしてファウルした後に、目線から近い体感速度の速いボール球がきたら、どうするんだ。

強いチームは走者を貯めずに、次々と走者を還していきます。

2016年からは、丸も打って打点を挙げられるようになりました。

俺の意見は、偏っています。

けど、それでいいんです。

プロ野球史上、全く偏っていない監督は、存在しません。

その証拠に監督が変わった途端に、全く使われなくなる選手が後を絶ちません。

岩本は、故障が多いことと、足が遅いので、得点圏でゴロを打つと併殺になるのも、監督、コーチから嫌われた原因だと思います。

一塁手の選手層が厚く、打撃で勝ち抜くことができませんでした。

岩本は、この日、二死満塁の場面で、膝を柔らかく曲げ、骨盤よりも低い位置から、右足をスライドステップ的に下し、外のベルトの高さより上のまっすぐ系を左中間に運びました。

若干始動が遅れたので左中間に飛びましたが、いいときの岩本であれば、ライトスタンドに運べています。

ボール球を振るのはいい。

見ているだけでは、速度を評価できない。振らなければ速度を評価できないからだ。

しかし、目線から遠い投手がボールを引っ掛けてアウトローに外れた球は振ったらダメだ。

振るんだったら、目線から近い、体感速度の最も速いインハイ、真ん中高めのボール球を振って速度を評価することだ。

そうすれば、どのコースにも対応できる。

左中間に打球が飛んだのは、その前に目線から遠く体感速度の遅いアウトローの低めを振ったこととも関係しています。

広島の野手の選手層は以前とは比較にならないほど、厚くなりましたので、出番がそう多くはないでしょう。

しかし、一塁守備において、二塁に送球する上で左投げは大きなアドバンテージ。

三番 (中)柳田

四番 (右)鈴木

五番 (一)岩本

このオーダーは、俺の夢。

俺は、今でも、岩本は、エルドレッドをレフトに追いやり、新井からレギュラーを奪えると思っていますが、

金貸しは、待ってくれないでしょう。

ファンも我慢してくれないでしょう。

今季限りで岩本は見納めかもしれません。

それどころか、昨夜が岩本が輝いたLast Niteになるかもしれません。

それだけに、せめて、今シーズン1本でも、エース級投手からライトスタンドに本塁打を打とうぜ。

いずれにしても、少ない出番で内容、結果を出して最後の最後まで粘らなければならないでしょう。

岩本の話はここで終わりにして他の選手についてもコメントします。

右のスクエアでもノーステップやすり足打法は、テイクバックのときに左膝を内側に入れますので、左膝がロックされるので懐の深い打撃がしにくくなります。

鈴木誠也は、昨日は、濱口の真ん中高めのボール球をノーステップでレフト前に打ちましたが、一昨日は、山﨑(やまさき)康晃に対し体が前に出されています。

砂田と対戦した第三打席からは、足を上げ下す打法に戻しました。

しかし、足を骨盤より高く上げていたので、フルスイングできませんでした。

この試合、Johnsonは、セットで投げないときも、スライドステップで投げ始め、

三角筋を使って胸を張りを作れた球も徐々に増えてきました。

フィニッシュのときの骨盤の回転、右膝の伸ばしは鈍いですが、三塁側の重心移動もできるようになってきました。

フィニシュで左足も右足の前を通過させられるようになってきました。

昨年までの状態には戻っていませんが、取り敢えずは、今季一番の内容です。

[追記]

岩本の役割は、ランナーを還すことですから、四球は要りません。これまでどおり、打てる球は、どんどん打っていけばいいと思います。

ボールを引っ掛けてアウトローにボール球を投げるということは、その投手は、その日、下半身主導の投げ方ができず、バックスピンの掛けられた球がコンスタントに来ていないということです。

アウトローのボール球を振ることは相手投手を有利にするだけです。

岩本も、体が前に出てしまうので、目線から遠いコースの球は、視界からボールが消えてしまうので、後足の膝を緩く曲げた状態を保てるかどうかです。

[追記]

岩本の一塁守備は、チームナンバーワン。

プロは、選ばれた、打球の速い左打者が入団、一軍に残るので、一塁守備は重要になります。

岩本は、クローズドスタンスのホームラン打者、松山は、オープンスタンスの中距離打者。

岩本の長打よりも松山の確率が採用される結果となりました。

変化球打ちが上手く、体感速度の速い球への対応に難があった右打者の栗原から一塁のポジションを奪いかけましたが、2011年には、岩本が故障。

2012年栗原の右肘故障により、4番に定着し、200打席以上の選手の中でチームナンバーワンの.268を記録していますが、8月に.278まで打率が落ちたところで、二軍降格。右打者のエルドレッドを補強。

エルドレッドも来日1、2年目は結果が出ませんでしたが、3年目に本塁打王。2015年には、実績のある新井が復帰。

岩本の故障が多いことが体調管理の甘さと解釈されることも出番が与えられなかったことの原因の一つだったと思います。

2015、2016年は、少ない打数ながら藤浪から三塁打を打ったりして、3割を打っているので、チームの状況により二軍に降格となりました。

一塁守備以外にセールスポイントがなかったこともレギュラーに定着できなかったことの原因だと思います。