[プロ野球OBが解説できない]鈴木健矢のスーパークイックを解説します[保存版]

Last Updated on 2023年3月24日 by wpmaster

投手は、上体と下半身の捻転差をオーバーハンドの投手よりも大きくするか、オーバーハンドで投げる場合よりも前倒しで後ろ足の拇指球で地面を後ろに蹴ることでサイドハンド、アンダーハンドで投げることができます。

アンダーハンドの投手にクイックができるのか

オープン戦日本ハム対巨人(東京ドーム2023年3月19日)、4回表鈴木健矢が先頭打者の廣岡をクイック投法で空振り三振を奪いました。

アンダーハンド鈴木健矢のスーパークイックを詳説します

鈴木健矢は、右手親指の爪の裏ではなく、”右手親指の第一関節(PIP関節)を繫ぐ骨”でボールを叩く。
右腕前腕部が回内する。
右肘が上がる。

左腕前腕部、右腕前腕部を回外しセットを解く。
右腕前腕部の回外運動すなわち、”右肘のヒッチ(落下)が加速する。”
左足拇指球でステップオフしなくても、すなわちノーステップで右股関節が外旋できる。

打者は、トップハンド(右打者であれば右手、左打者であれば左手)の肘をヒッチする間が作れない。
前膝を上げる打者は、前膝を上げた後でないとトップハンドの肘が落ちない。
前足の拇指球はトップハンドの肘よりも荷重されているので、前膝のレッグアップはトップハンドの肘のヒッチよりも遅れる。更にトップハンドの肘のヒッチが遅れる。

鈴木健矢は、右足小指球でステップオンする。

右足内転筋を内転する。
右内踝を左内踝にぶつける。
インステップしない。
右足小指球で地面を後ろに蹴らないことでストライドが広がらない。

鈴木健矢は、右腕前腕部を回内、右腕上腕部を内旋する。
右肘が上がる。
左腕前腕部を回外しグラブが真下に落ちる。

右手首が背骨の方に入る。右腕棘下筋が突っ張る。
右腕前腕部を回外する。
右手親指の第二関節から先がしなる。

右手親指基節骨でボールを叩く(右肘のコックアップ)。
右腕前腕部の回内、右腕上腕部の内旋が加速する。
右腕前腕部が右肘の上に立つ。
右手首が二塁ベース方向に向く。

左足はスパイクの外側から入射する。

右腕前腕部を回外する。右腕上腕部が外旋する。
左腕前腕部を回内、左腕上腕部を内旋する。
左肘が屈曲する。

右肘がレイバックする。
右腕前腕部を回外する。
左股関節が引っ込む。
右肘が加速する。・・・トップができる。

右手小指基節骨の入射角が55°に右腕前腕部を回内する。
右肘が上がる・・・バックスピンを産む。
右手親指基節骨でボールを叩く(リリース)。
右股関節、右膝が屈曲する。

右腕前腕部を回外する(フォロースルー)・・・トップスピンを産む。

対する廣岡大志のバッティンングを詳説します

廣岡は、右手親指の爪の裏でグリップを押してヘッドをホームベース上に倒す。右手首が伸展する。
右腕上腕部を外旋して右手首をコック(背屈)する。
右手首が跳ね上がる。
右腕前腕部を回外する間が作れない。
右肘がヒッチしない。

廣岡はノーステップではなく、左足拇指球で地面をタップすることで右肘をヒッチさせるスモールステップを用いる。
しかし、左足拇指球で地面をタップする間が作れない。

廣岡は、右手親指の爪の裏でグリップを押す。
右肘が上がらないので、左腕前腕部が回外しない。すなわち、左肘が落ちない。
ストライドが広がる。
右腕前腕部の回外運動の回転半径が長くなる。

右腕前腕部が回外できない。すなわち、トップを作ることができない。
首、左肘、左肩が右肩の方に入る。
右腕前腕部の回外運動の回転半径が長くなる。
右腕前腕部を回外する間が作れない。
すなわち、トップを作るのが更に遅れる。

よって、右腕上腕部の内旋が遅れる。すなわち、振り遅れる。

総合

鈴木健矢のスーパークイックは、打者の始動段階において、ヒッチする間、ステップする間を作らせないことで成果を産むことができます。
よって、神主打法を行う打者若しくは前足でタップする打者という限られた打者にしか用いることができません。尤も、現在でも、NPBに加盟する球団と契約する打者で完全にノーステップでスイングをする打者は少数派です。

クイックで投げたとしても、右腕前腕部の回内(テイクバック)後は、上体と下半身の捻転差を大きく生じさせるので、右腕上腕部棘下筋の張りを緩和させることはできない。

クイックで投げたとしても、テイクバックが大きい面は変わらないので、走者は二次リードを進めることができる。盗塁の阻止に貢献するということはできない。

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