鈴木健矢が19のアウトを取れた根拠[対西武19回戦F3-2L]

日本ハム対西武19回戦、先発は、日本ハムがプロ初先発となる鈴木健矢、西武が松本航
試合は、延長10回裏清水優心の左前安打で日本ハムが3-2で勝ちましたが、勝因は、鈴木健矢が19のアウトを稼いで試合を作ったことです。

アンダーハンド投法の作り方

投手は、投球腕の小指第二関節を内旋、上腕部の外旋によってセットを解いた後、投球腕の親指の腹でボールを叩いて投球腕の前腕部を回内するのですが、アンダーハンドの投手は、投球腕の前腕部の回内した後の投球肘、投球する手の小指の位置をオーバーンドの投手、スリークォーターの投手よりも高くしたことによってバックスピン(ホップ回転)を産みます。・・・(1)
一方、グラブを投球肩寄りにセットし、投球腕の前腕部を回内した後及び投球腕の上腕部を内旋することによって右肘を屈曲した後に、後ろの股関節の内旋を加速して後ろ足の拇指球にウェイトを移します。オーバーハンド、スリークォーターの投手に比べ、拇指球への体重移動を早めることによって投球肘をアクセレーションする前の投球肘の位置を下げます。背骨が投球肩関節寄りに傾きます。投球腕の上腕部を外旋する間がオーバーハンドの投手、スリークォーターの投手に比べると短いので、トップを作った後も投球肩関節が内旋しているか、オーバーハンドの投手、スリークォーターの投手に比べると、トップを作った後の投球肩関節の外旋が小さくなります。投球肩関節の外旋を小さくすることで投球する手の親指の指先のしなりをオーバーハンドの投手、スリークォーターの投手よりも小さくし、投球する手の親指の腹でボールを叩いた後の投球肘の位置、投球する手の小指の位置を、オーバーハンドの投手、スリークォーターの投手に比べると下げています。よって、バックスピン、トップスピンの量が減じます。

投球肩関節の外旋するプロセスのロスを相殺する手段

アンダーハンドの投手は、オーバーハンド、スリークォーターの投手に比べると打者がトップを作る間が長く取れます。アンダーハンドの投手は、トップを作る過程を後ろの股関節の内旋を大きくすることでロスしているので、トップを作る過程を確保する手段が必要となります。
アンダーハンドの投手は、(1)に至る過程で、セットを解く前に前膝を上げないか前膝を屈曲する位置を後ろの膝頭よりも下に留めることで投球肘を上げる前にグラブに投球肩方向に入られることを防ぎます。投球腕の小指を立たせ、投球腕の小指の内旋運動、投球肩関節の外旋運動の回転半径を短くし、加速距離を長くします。それにより、トップを作った後の投球肩関節の外旋を大きくします。鈴木健矢もほとんどノーステップにしています。
若しくはセットを解く前に頸反射することによって、グラブに投球肩方向に入られることを防ぎます。
または、投球肘を上げた後、引手の前腕部を回内した状態で静止することによって前肩の開きを止め、若しくは前足首を背屈することによって前の股関節を後ろに戻す間を作り、投球肩関節を外旋する間を作ります。鈴木健矢は、この1)引手の前腕部を回内した状態で止める、2)前膝を張って投球肩関節の内旋を止める手段は採用しています。
更に、投球する手の親指の指先をしならせて投球する手の親指の腹をボールに当て、投球する手の中指、薬指、小指の第二関節にボールを嵌める、グラブを背骨の前で(打者の場合は、グリップの位置を背骨の前)胸の高さに置くことによって、セットを解いた後、投球肘がヒッチし、投球する手の親指の指先がしなります。投球する手の親指の腹でボールを叩くと投球肘が上がって投球腕の上腕部が内旋、前腕部が回外します。この肘を上げるプロセスには、スタンダードWという価値が付けられています。
スリークォーターで投げる石川柊太は、スタンダードWを採用してトップを作った後の投球肩関節の外旋を大きくしています。インバートWで投げるよりも投球腕の上腕部の関節窩、ローテカフに負荷をかけずにスパンを短くして投球肘をつまみ上げるので、打者がフライングエルボーする間が短くなります。打者は、前足のスパイクの内側で入射してしまいます。また、スパイクの外側に入射できてもいずれにしてもストライドが広がってしまいます。打者はトップを作る間が短くなり、トップを作った後、トップハンドの肩関節が内旋してしまったり、外旋しきれなくなります。
鈴木健矢は、中継ぎで投げていたときは、右腕上腕部を内旋してから右手親指の腹でボールを叩いて右肘を上げるインバートWのみを使用していましたが、先発調整を告げられてからは、スタンダードWの練習をしてきました。3回表、山川はストライドが広がり、トップを作った後、右腕上腕部が内旋し、スイングできずに三振します。その結果、労働力を再生産しながら投球数を増やすことができ、19個のアウトを取ることができました。アンダーハンドの投手は、このようにバックスピンの減少分を相殺できますが、オーバーハンドの投手、スリークォーターの投手に比べると、投球腕の親指の腹でボールを叩いた後の投球する手の小指の位置が低いのでトップスピンの量は落ちます。

今後の課題

しかし、セットを解けば右股関節が内旋でき、投球肘を上げれば右股関節が内旋できるにも関わらず、鈴木健矢は、セットアップの段階でグラブを背骨の右側にセットし、頸反射もしていません。右手親指の指先のしなりが小さくなっています。右肘の側副靭帯の前束、右腕上腕部の肩関節窩、ローテカフに負荷をかけて右手小指を立てています。右肘が伸展しています。その後、右腕前腕部を回外し、右手親指の腹でボールを叩き、右腕上腕部を内旋し、右肘を屈曲し、L字を作り、右肘をアクセレーション(右腕上腕部の外旋)する前のポジションを作っています。スタンダードWの完成度は、オーバーハンドで投げる山本由伸と同じく完成途上にあるという価値が付けられます。

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