Last Updated on 2023年3月13日 by wpmaster
私は、カープファンブロガーで唯一、シーズン前、この投手は、モノになるから支配下選手登録しろと言った。
フランスアは、投球動作からしてリリーフの方が実力を発揮できる、シーズン終盤に一度、ロースコアの接戦の終盤に完璧なピッチングを見せると予告した。
リリーフに回ってからのフランスアのフォーシーム、カットボールは、先発のときより活きのいいボールを投げ、私が40年以上見てきた中で、来日したメジャーリーガーのどんな投手よりもストレート系に関しては凄い球を投げている。
劣化前のマシスン、クルーンをぶっちぎりで引き離している。
サフォーテよりも上。
フランスアは、コンスタントにセットアップで無双し、私の予想を上回る活躍をしました。
私の中では、紛れもなく2018年のMVPです。
今季の通算成績
フランスアは、1993年9月25日ドミニカ共和国生まれ。
公称サイズは、186cm 110キロ。
左投げ左打ち。
フランスアは、2011年、アストロズのルーキーリーグに入団。
その後、2014年、ドミニカのカープアカデミーに入団。
同年9月に練習生として来日、2016年は、四国アイランドリーグplus高知ファイティングドッグスに派遣され、14試合に登板し、1勝5敗 防御率4.43。
2018年3月7日に広島東洋カープと育成契約。
2018年5月19日、広島東洋カープと支配下選手契約。
2018年5月26日、中日ドラゴンズとの11回戦で一軍初登板(先発)し、4回被安打5、3失点。
2018年6月26日巨人戦でプロ初勝利(リリーフで5回1安打9奪三振無失点)。
2018年7月16日中日戦でプロ初ホールド。
2018年8月29日の巨人戦でプロ初セーブ。
8月は、日本プロ野球タイ記録に並ぶ18試合に登板し、防御率0.51で月間MVPを受賞。
動作解析
弊ブログでは、これまで、フランスアのピッチングについて、下記の記事を始め、再三詳説してきました。
http://nextcityhiroshima42.com/2018/09/22/2018%e5%ba%83%e5%b3%b6vs%e9%98%aa%e7%a5%9e22%e5%9b%9e%e6%88%a6%e3%80%82%e7%b5%82%e7%9b%a4%e5%90%8c%e7%82%b9%e3%81%ab%e8%bf%bd%e3%81%84%e3%81%a4%e3%81%8d%e3%80%81%e5%8b%9d%e3%81%a1%e8%b6%8a%e3%81%97/
その後のフランスアのピッチングを踏まえてフランスアの投球動作に関して補足すると共に総合すると次のようなことが言えます。
一軍に昇格したばかりの頃のフランスアは、担ぎ投げ故、特にクイックのときに左膝がタイトに曲がっていたので、右肩、右膝の割れに左肘の出が遅れてリリースの瞬間に左肘伸び、高目にボールが外れることがあった。
フランスアは、一軍に昇格したばかりの頃は、トップを作ったときに、左腕前腕部が回外し、ボールを引っ掛けてボールを低目にワンバウンドさせることが多かった。
しかし、登板を重ねる毎に、トップを作ったときに左肘が回外するところは修正されていった。
先発のときは、球数を多く投げるだけのハムストリングスのスタミナが育成できていなかったので、重心が一塁側に残り、フォロースルーの過程で左足を一塁側に着地させたり、左足をターンさせても両足がクロスしていないことがリリーフのときよりも多かった。
故に、先発のときは、リリーフのときに比べ、瞬発力がボールに伝わりきれていなかった。
フランスアは、リリーフに回ってから、テイクバックのときに、殆ど全くと言っていいほど、左腕を背中の方に引かない。
フランスアは、他の左投手ほど極端ではないが、テイクバックのときに左股関節を引っ込め、インステップする。
右足は踵から着地し、大腿骨を骨盤に刺し、ステップ幅が狭く立ち投げにできているから縦回転のボールが投げられる。
フランスアは、トップを作ったときに左肘が下がる担ぎ投げであるが、トップが頭の方に深く入るので、タスキ掛けのラインの内旋が左股関節の内旋よりも先行し、胸の張りが大きい。
よって、左肘がインサイドアウトで、左股関節の内旋よりも先に前に出る。
右足が着地してから左肘が出てくるまでの間が短い。
フランスアは、内転筋を使って左股関節のタメを使っているので、最大外旋位のときでも左股関節が外旋しない。
よって、両肩甲骨を剥がし、体軸が三塁側に傾き、リリース直前のトップの位置が高い。
リリースの瞬間に右足が突っ張り、0ポジションができる。
チャップマンは、スリークウォーターだが、フランスアは、近年、滅多にいなくなった正真正銘のオーバーアーム(オーバーハンデット)の投手。
体軸と左腕が垂直に交わるので回転数の多いボールが投げられる。
アウトハイは、投手の投げたボールの軌道は、最もバックスピンがかかり、トップスピンが少ないが、打者は、インパクトの瞬間に両肘が伸びる。
しかし、打者は、フランスアのボールの軌道にレッグアップが遅れる。
低目も高目も打者にホップしていると錯覚させるボールが投げられている。
フランスアが打たれるときは、テイクバックのときに、左腕を少し背中の方に引いている。
右足を拇指球から着地していることがある。
トップを作ったときに左膝が内に入る。
インステップしたときに右肩がクローズドしている。
インステップしたままリリースをしている。
すなわち、左肩と右肩をぶつけることができず、更に、その後の左股関節の内旋が遅れている。
右足の踵も消耗している。
リリース直前のトップの位置が下がり、右足が突っ張らず、リリースの瞬間に左腕上腕部が凹む。
体軸の縦回転、ボールの縦回転が従前より落ちてしまう。
これはフィジカル面の損耗が源にある。
それだけ、登板過多であったという評価できる。
まとめ
先発しかできない投手というのは、正規捕球ができないと点が入る二、三塁の場面でそれ以外の場面よりもギアを上げて瞬発力の乗ったボールを投げることができない。
リリーフに転向したばかりの頃の大瀬良、ヒース、中﨑は、それができなかった。
しかし、フランスアは、後ろが横に小さい投げ方ので、それがリリーフ初登板からできていた。
フランスアは、フィジカル上、肉体の稼働をセーブした球数を多く投げる先発よりは、ギアを上げて投げる球、セーブして投げる球の配分はそのままに、少ない球数を投げるリリーフの方が実力を発揮できる。
しかし、岡田やフランスアであっても、前の投手がランナーを貯めたところからの登板だと、ブルペンで、マウンドに上がってから5球肩慣らしができるといっても、無から急激にギアを上げることになる。
打者が最もスピードに対応し、点差が最も縮まり、クリーンアップと対戦することの8回の頭から起用するのがベスト。
フランスアが打たれた本塁打は、いずれも右打者から見て右股関節の内旋→外旋により瞬発力が最も乗る、レベルスイングであっても本塁打が打てるインロー。
リリーフでのフランスアのストレート系、特に高目は、研究すれば打てるというレベルのものではない。
打者は、薬物を投与して廃人になるまで肉体に負荷をかけても全コーストータルで.200打てるかどうか。
リリースの瞬間において瞬発力を全くセーブしていないわけではなく、カットボール回転をかけていながら158キロを表示し、現状でもメジャーのリリーフで平均レベル以上の水準にあり、現段階でも十分に通用し、また、更に、瞬発力の乗った160キロ以上のボールを投げられるだろう。
打では、鈴木誠也、投ではフランスアは、肉体が損耗が激しくならない、フィジカルがピークの内に、メジャーに行かせてあげたい。
メジャーで骨を埋めてNPBの比ではない大金を手に入れさせてあげたい。
腱や脇腹のバネが鍛えられているフランスアであっても、登板数が過密になれば、パフォーマンスは落ちている。
登板過多は避けなければいけない。
各種指標
右打者
左打者
ツーシーム(最速156キロ)又はワンシームには、カットボールの回転のものとシュート回転のものとがある。
ストレートには、カットボールも含まれる。
スライダーは、ヒースと同じナックルスライダーである。
カーブは、ナックルカーブとハードカーブがある。
チェンジアップには、フォークの握りで投げるチェンジアップの他、ストレートチェンジ、ムーヴィンファストボールも含まれる。
マウンドの硬軟によるものと思われる成績の差異は見られず、硬いマウンド(甲子園以外)、柔らかいマウンド(甲子園)にも対応できている。