来季の4番は誰だ。

現在のところ、前田の移籍先、黒田の去就、新外国人投手獲得の発表がされていないので、また、更に外国人三塁手と契約したところで外国人枠の関係で、エルドレッド、プライディの一軍登録日数が変わるだけなので、一先ずここで、来季の4番候補として誰かについて
挙げておきたい。

この手の論題のブログは数多く存在するが、これらを見ると美間、下水流らの名前が挙がってくるが、一軍実績が皆無に等しい選手がいきなり規定打席だとか本塁打20~30本打つほど、甘い世界ではないので、これらの選手については言及しない。

シーズン前なので、妄想でしかないのだが、なるべく現実的な見地に立って述べてみたいと思う。

1.鈴木誠也

 

個人的には、最も推している選手。

高卒後、プロ入り3年目までの通算打率.282 (6本 33打点)は、山田哲人(.279 4本27 打点)、中田翔(.240 9本 23打点)、筒香(.223 19本67打点)よりも高い。

大学を経てからなので、比較の相手としては適切かどうかわからないが、柳田のプロ入り3年目までの.273(16本59打点)も上回る。

内角高めをスタンドまで押し込むようにスタンドに持っていく際に軸がX字に残っており、また、外角低めを引っ張ることができる、外角低めを拾い上げてバットコントロールできていることから、既に山田の3年目から4年目にかけての水準に達しつつある。

期待されながら伸び悩み、又、一瞬だけ輝きを見せて消えていった選手は数多いが、

この選手は、(期待or計算)「外れ」といういうことはないと思う。

練習量はカープ一で、研究熱心。

今季の成績は、211ー58 5本 25打点 .275

得点圏打率.358は、配球を読む力を身に付け、技術上の裏付けがなければ残せない。

 

来季以降を予想すると

2016年 .292 18本 67打点 (4年目)規定打席到達

2017年 .268  24本 73打点  全試合フルイニング出場

2018年 .300  23本 82打点  ベストナイン

2019年 .335  38本 113打点  ベストナイン、ゴールデングラブ

 

 

といったペースで数字を伸ばすのではないかと思われる。

 

 

2.エルドレッド(一塁手専任)

 

新外国人選手が未知数なので、現実には、首脳陣は、若手長距離砲の積極起用をしないので、若手に任せることなく、エルドレッドの4番でスタートすると思われる。

打てなくなる時期が必ずあり、故障の多い選手なので、年2回前後の登録抹消は計算に容れて考えなければならない。

来季は、400打数前後で

.260  26本 80打点ぐらいか。

悪ければ、

240打席前後 .228 13本 36打点ぐらいかもしれない。

 

 

3. 新井(一塁専任)

 

エルドレッド離脱時又は休養時に4番を務めることが考えられる。

来季は、170打数前後で .279 4本 26打点ぐらいだろうか。

チーム状態、相手投手との関係、戦略面に応じて、3番又は5番に入ることも考えられる。

 

 

4. プライディ

 

エルドレッド登録抹消時に昇格

投手のレベル 日本のプロ野球の一軍投手≧3Aの投手なので、

メジャー実績では上のフレッドルイスやグスマンの日本での成績を踏まえてみても、

日本野球を研究し適応する実力をつけられるか否かもあるので、

メジャー実績だけで評価できないにしても、甘めに予想して、

外国人枠の関係もあるので、120打数前後で .240  4本 13打点

エルドレッドが長期離脱の場合

260打数前後 .252 8本 28打点ぐらいだろうか。

 

 

5. 堂林

 

谷繁や新庄くらい打って守備で貢献してくれればいいと思っている。

規定打席打率ランキング最下位争いの常連、7~8年に一度20本塁打 20年位やって3割ギリギリを1度達成できるかどうかだと思う。

右方向へ飛ばす長打力を身につけていても、試合の中でアジャストする技術がなければ本塁打は量産できないので、

来季は、規定打席に入って、.243 9本 42打点ぐらいか。

然し、期待を良い意味で裏切って打撃面も開花してくれたら喜びのことこの上ない。

 

6. 岩本

 

過去2度プチブレイクしている。

2010年は、2ヶ月で14本塁打。クルーンを始め速球派投手も苦にしなかった。

2012年は、16球粘って安打にするなど勝負強い打撃を見せ、打率も一時は.330台に達した。天谷が出て岩本が還し、一ヶ月半で借金10を返済した。飛ばないボールの中で規定打席の半数以上の打席数をこなした選手の中でチームナンバーワンの打率.268を残す。

一ヶ月限定で見れば、天谷ー岩本のコンビは、坂本ー阿部に匹敵するかそれ以上の仕事をして月間MVPを取ってもおかしくはなかった。

同年打撃成績が下降線を辿りながらも、.278の段階で二軍に降格されるということがなければ、また、違った選手生活を送っていたかもしれない。

打撃面では松山と被ると言われるが、前田のように始動が早めで、ゆっくりと最短距離で振り下ろす松山と、阿部のようにヘッドスピードの速さを生かしたツイスト打法の岩本(教えた人が同じ)と全く異なる。

守備も肩もそこそこ強い外野向きで、一塁でやらかす松山と、外野に回ると打てなくなるチーム一の一塁守備の岩本は守備面でも被らない。

左腋窩動脈閉塞症明けということなので、来季は難しいかもしれないが、

来季は30歳。山本浩二、落合、門田を始め30歳をすぎてホームラン打者として開花例もあるので、彼も4番候補として挙げておきたい。

規定打席に到達すれば、一塁でゴールデングラブ(内野手はチーム試合数の1/2以上1ポジション)も獲れる。

 

6. 丸

進塁打を含むケース打撃は上手くないが、三振が多く四球を取ることができ、いずれにせよ、相手投手に球数を投げさすことができる。

クリーンアップではなく、トップバッターとして、チャンスメイクするだけでなく、先頭打者本塁打を打てる選手の役割(エース同士の投げ合いでは、1-0のスミ一で逃げ切ることも可)をも果たしてくれればいいと思う。

予想としては、.277 21本 55打点

 

 

新井やエルドレッド、プライディが来季も4番を打っているようでは、来季の展望、その後の将来のチーム状況も暗い。エルドレッドが5番乃至は6番、新井が代打に回るぐらいの活躍を若手には見せて欲しい。

[追記]

ペナント優勝を決めるのは、投手陣の層の厚さです。

前田のようなリーグ1~2位を争う投手が一人いても優勝できません。メジャーのローテーション投手である黒田や、防御率1位のジョンスン、9勝の福井とローテーション投手を揃えても、バリントンが退団したこと、中継ぎ、抑えの層が薄ければ優勝できないことから優勝は困難だと思っていましたし、その通りになりました。又、エース球の投手からソロホーマーを打って1-0で勝って逃げ切ることができるのは、年に2~3試合あれば良い方で、連打を繋いで点を取ることが難しい。ケース打撃を徹底してワンチャンスで先制点を取れなければ、先制点を許してしまえば、追加点を取れずにひっくり返されれば僅差の試合を勝ち切れません。来季のカープが優勝できる確率は、サッカーやラグビーのワールドカップで日本代表が優勝する確率といいとこ勝負、すなわち、優勝は100%無いと思います。

来季のペナント予想ですが、巨人は、菅野、マイコラス、ポレダ、高木勇人、5番手以下に杉内、大竹、内海、小山、田口。中継ぎ、抑えも、山口ーマシソンー澤村のリレーに高木京介、戸根・・・。過去の巨人のドラフトでの即戦力投手の獲得の仕方を踏まえて考え併せると、相当前から桜井を調査していたと考えられ、他球団と競合することなく、桜井との契約交渉権を獲得した。実は、桜井こそが2015ドラフトにおけるアマチュアNo.1投手だったのではないかと思っている。来季は、桜井が新人王を獲るのではないかと見ている。

阪神は、元巨人のシーズン終盤メジャーに昇格した村田透、中継ぎの高橋聡文を補強したが、呉の流出が決定的になった。中継ぎ抑えは福原のみで、後はそこそこ計算できるのが、高宮と数人。ヤクルトは、打線がセリーグナンバーワンでも、小川、石川、館山に続く先発に目途が立たず、ロマン、バーネットが抜け取っても取り返され、苦しい戦いを強いられ、来季は、1強5弱で、巨人に10ゲーム差以上離されて阪神が2位、ヤクルト、広島、中日、DeNAが最下位争いをすると思います。CSに負け越しのチームが2チーム参戦させられることも十分に有り得ます。

中日は中継ぎは、岡田、祖父江、浅尾、又吉、福谷、田島と一度は潰れた投手がいて故障前の状態に戻っていないとはいえ、粒ぞろいですが、大野を若松以外は、4~5勝クラスの寄せ集めの先発陣について、トレードで大場を入団させたぐらいで、ドラフトでの即戦力投手の補強をしなかったこと、DeNAは、抑えの山﨑に、エレラ、国吉、三上、田中と中継ぎは粒が揃っていますが、2015年先発勝利数がセリーグ最少。石田が台頭してくるでしょうが、三浦が来季も6勝するとは考えられず、熊原も肩の開きが横長に見えて相手打者からすれば、スピードがないと錯覚し、一年目からの活躍は難しいと思います。やはり、中日、DeNAも最下位争いに加わると思います。

[追記]

2015年は、鈴木誠也に他の追随を許さず、レギュラーとして出続けるレベルまで到達していなかった。2013年にメジャーで21本塁打を打ち守備の良いシアーホルツの力を借りる必要があったが、エルドレッドを新井の同時起用によりレフトが埋まってしまい、若手の競争が抑制されてしまった。2015年を終えた現在では、来季は、他の選手が追いつけないレベルに達し、規定打席に到達するところまで試合に出続ければ、本文で挙げた程度の数字は計算できるレベルにまで来ていることが予想されます。

しかし、首脳陣は、優勝するチーム力に達していないのにもかかわらず、目先の勝利にこだわり、外野については、計算できるレベルにまで達している若手長距離砲を辛抱強く起用できずに、外国人との併用という手段により、中途半端な起用を続けることを考えているところがオフの補強から看て取れるのです。4番についても2012年後半から、ホームランか三振かという外国人を代わる代わる起用し、ホームランという最も確率の低い勝ち方に依存し、力の落ちた投手から大差で勝ち、力のある投手リレーには僅差で負けるということを繰り返しているのです。

リストの強さ、背筋の強さは鍛える必要がありますが、その強さはしなやかな強さだと思います。鈴木誠也の場合、内角の裁き方、内角球の持って行き方を見る限りそれが鍛えられていると思います。後は、いかなる球を打つ場合でも右に打つ場合でも、低めに落ちる変化球を拾う場合にも振り切る体のキレと技術だと思います。ウエイトトレーニングで筋肉を鍛えても体重増をしても、それに体のキレが失われれば却って成績は下がると思います。今季の丸の不振はウエイトのやり過ぎも原因の一つだと思います。

筋肉トレーニングによる体重増も事実でしょう。又、現実に競技に応じたメニューをジムのトレーナーは組んでいるでしょう。肉体を競技に応じて鍛えることにより備えもったとしても、それを使いこなして人一倍打撃練習、守備練習、実戦でのプレーを研究しながらしていかなければ、技術は向上しないでしょう。柳田や山田が打撃成績を飛躍的に向上させた主たる要因は、打撃技術の向上だと思います。