走力はUpできる!盗塁における洞察力に関する私的見解

盗塁できるか否かは、塁間を走るという労働に関し、記録員の労働によって付けられた価値であるタイム及び走力が全てではありません。数値化されたタイムが全てであるとすることは他の選手との経済関係が抜け落ちています。
盗塁に関しては洞察力が必要であると言われることがあります。投手のクセを盗めと言う人もいます。人間には予め洞察力という属性は備わっていません。自身が静止しているときに他者の労働に関し感受、洞察ができます。洞察は、価値を付ける作業です。自身だけでなく他の実体も静止していれば、他者の肉体の稼働に対し感受できず、価値を付けることはできません。自身及び他者が肉体の稼働を義務付けられている場合、すなわち静止していないケースでは、感受(センス)、洞察は労働の後に生じます。事後に価値を付けざるを得ません。労働の反復によってセンス、洞察力が高まります。尚、洞察力の高い低いが盗塁の全てではありません。スタート後の動作、すなわち、バックステップ、シャッフル、股関節の屈曲も盗塁の要件です。
セイバー野郎は、「感覚に頼るな、数値化しろ」と言います。しかし、人間が測定ツールを稼動させても測定ツールの運動には価値が備わっていません。数値化も事後に価値を付ける作業です。数値も実体のない観念です。数値は架空のものです。数値は方便にすぎません。専門家間の会話は、抽象化した用語を使って文章化してもコミュニケーションは成立しますが、女子供には、起始から停止までのプロセスを限界まで細分化し、具体的に説明してやらないとコミュニケーションは成立しません。

投手の牽制のバリエーション

投手は、セットを解くと投球肘が下がります。後ろの股関節が外旋します。前股関節が内旋します。前足首が背屈します。投球する手の親指の腹でボールを叩くと後の股関節が内旋します。前股関節が外旋します。前足首が底屈します。前足のスパイクの内側又は外側が地面に刺さります。
プレートの外外し(=後ろ側、二塁ベース側)の牽制は、セットを解くのとシンクロさせて後ろ足にプレートを跨がせるという労働が加わります。既に出塁している走者が帰塁する間をゆったりと作ることができます。
後ろ足の外側をプレートから外さずに投げる牽制、後ろ足の外側をプレートの前に外して投じる牽制は、ボールを投球する手の親指の腹で叩いた後、前足のスパイクの外側を地面に噛ませ、アウトステップすれば、一塁方向に前足の爪先を向けることができます。プレートの外外しの牽制に比べ労働量が少なく、前足の爪先が一塁側に向くまでのスパンが短くなります。
既に出塁している走者は、帰塁する間を取れません。

ランニングにおける腕の振り

人間の体は、生活を通して肩関節の方が股関節よりも稼動域(≠可動域。可動域は観念上の概念)が広く形成されていきます。人間には価値属性が備わっていないので、私は可動域という言葉は使いません。股関節は肩関節よりも関節の溝が深く形成されます。更に中指の第二関節は股関節よりも溝が深く形成されています。小指の第二関節は関節の溝が浅く外旋、内旋はできますが、靭帯によってブレーキがかけられます。指の下の股関節を一番先に内旋させると、指関節の内旋をする間が作れず、肩関節の外旋運動が遅れます。
人間は、小指の第二関節を内旋して親指をしならせると同じ腕の肘が同じ腕の上腕部の前に出ます。同じ腕の肘が下がります。同じ腕の上腕部が外旋します。現実には、トレーニングを通じて小指の第二関節を180°稼動できた人間は存在しません。敷衍すると、親指がしなれば、親指の靭帯、肘の側副靭帯の前束が突っ張ります。前腕部の深層屈筋が突っ張ります。”第二関節が180°内旋するところまで、肩関節を外旋できた”、”小指を立てて小指の第二関節で空気をチョップすると親指の靭帯、肘の側副靭帯、前腕部の深層屈筋を緩めることができた”と言うのが正確です。肩関節を外旋すると、ヘッドステイバックします。
親指のしなりを解くと同じ腕の上腕部が内旋します。同じ腕の肘が同じ腕の上腕部の後ろに下がります。同じ腕の肘が上がります。これがランニングのときの腕の振りです。

ランニングにおけるトップ

一塁走者は、左足を一塁寄り、右足を二塁寄りにセットします。左手は、親指PIP関節を曲げずに親指の腹で叩く→中指、薬指、小指の第二関節を内旋するの順に握っていきます。左手小指を内旋して左手の親指をしならせます。これがランニングにおけるトップです。親指のしなりを解くことがスタートです。左手親指の腹で叩く動作を省くと左手小指がしなりません。左手小指の第二関節を180°内旋するまで加速することができません。左手を中指、薬指、小指を内旋する→親指のPIP関節を屈曲、指先で押するの順に握ると、左手首が底屈します。左手人差し指を外転して左手首をコックすると左手小指が擦り上げられます。左手小指第二関節を180°内旋する間が作れません。右肘が左肩の方に入り、更には右肩が地面に被さります。左手小指第二関節の回転半径が長くなり、加速距離が短くなります。
人間は、肉体の稼働の後に感受が生じます。走者は、感受が生じた後に左手の親指のしなりを解けば、投手がセットを解いた後が、スタートとなります。走塁におけるトップを作ったときにヘッドステイバックしますが、首の向きまで左肩方向に向けてしまうと、右肩が地面に被さります。右肩を開いてからスタートになりますので、左手小指の回転半径が長くなります。更に、スタートが一歩遅れます。
一塁走者は右肩が前方(二塁ベース寄り)にあるときは、右翼方向に頸反射します。左肩が前方にあるときは、一塁方向に頸反射します。
一塁走者は、投手、打者の方を見ていたらスタートが切れません。打者、捕手は投手よりも先にトップハンドの親指のしなりを作ってセットアップします。一塁走者は、捕手、打者よりも先に走塁におけるトップを作ります。
左手親指のしなりを解いて左肘を上げます。右足がスパイクの外側から入射します。左足の内踝を右足の内踝にぶつけていきます。右手親指がしなります。これが帰塁におけるトップです。右手親指のしなりを解くと右肘が右肩関節の後ろに下がります。右肘が上がります。左足がスパイクの外側から入射します。右足の内踝が左足の内踝にぶつかります。交互に内踝をぶつけていく動作をシャッフルと言います。左肘が下がり、左肘が左肩関節の前に出ます。左手の親指がしなります。右股関節が戻ります(内旋)。学者は、これに地面反力と言う価値を付けていますが、地面は反力を産みません。
左手親指のしなりを解くと、左肘が左肩関節の後ろに下がります。左股関節が内旋します。左股関節は内旋すると、左股関節が屈曲します。
確かに、右足首を背屈すると右股関節が内旋し右膝が屈曲します。右膝が上がります。しかし、左足踵が上がります。右足首を底屈すると左足踵が地面を荷重します。右足首を背屈させてから左手小指第二関節を内旋すると、内旋する間が作れないので、左足が踵体重になります。左手親指のしなりを解く間が作れないと、左足拇指球で地面を後ろに蹴ってしまいます。左足の拇指球で地面を後ろに蹴ると左足内転筋は内転しますが、左股関節が伸展(外旋)します。左股関節が屈曲しないので、左膝が屈曲しません。左膝が右股関節の前に出ません。右足のスパイクの内側から入射し、ストライドが広がってしまいます。左股関節の内旋に関する回転半径が長くなってしまいます。左膝の加速距離が短くなります。
逆に、走塁におけるトップを一番最初に作っておけば、右股関節を内旋する及び右膝を上げる間が作れなくても、右足のスパイクの外側から入射できます。左手親指のしなりを作っているので、左手親指のしなりを解くと左手小指が立っています。右足のスパイクの外側の歯を入射する間ができなくても左手小指の第二関節を内旋する間ができます。左手親指がしなります。右股関節が内旋します。左手親指のしなりを解けば、左股関節が内旋し、左股関節、左膝が屈曲し、左膝が右足の股関節の前に出ます。走塁におけるトップを作るまでの動作がクイックモーションによらない投球待ちで、右足の入射がクイックモーションによる投球対応であると説明できます。筋肉が瞬発力及び持久力を産むのではありません。関節及び筋肉の稼働が瞬発力を産みます。始動を早め、労働の数、労働の量を減らすことで持久力を高めることができます。
一方、左股関節の内旋、右股関節のバックステップよりも先に、帰塁におけるトップを作っておくことで左股関節を内旋する及び左膝を上げる間が作れなくても、左足のスパイクの外側から入射できます。右手親指のしなりを作っているので、右手親指のしなりを解くと右手小指が立っています。左足のスパイクの外側の歯を入射する間ができなくても右手小指の第二関節を内旋する間ができます。右手親指がしなります。左股関節が内旋します。左股関節が内旋します。右手親指のしなりを解けば、右股関節が内旋し、右股関節、右膝が屈曲し、右膝が右足の股関節の前に出ます。
スタート直前に感受できていなくても、ディレードスチー
ルもそうでない盗塁も、走塁におけるトップすなわち始動を早めていたこと及び労働を削ったことが成功の根拠です。盗塁成功失敗は、偶然ではありません。盗塁成功、失敗は運不運ではありません。数値化されたデータではなく進行中の始動及びその後の動作を根拠に、人間は労働します。労働によって産み出されたサービスの根拠は、感受ではなく、進行中の始動及びその後の動作です。走塁におけるトップを作る動作の反復によって感受が高まります。価値属性は備わっていませんから感受性ではありませんよ。走力が低いからと言って無死一塁から盗塁せずに、バントで送らせるというのは、指揮官として悲しまなければなりませ
ん。進塁打もアウトを一つくれてやるという面ではバントと同じです。バスター、ランエンドヒットも内野の間を破るか、内野手の頭を越えて外野手の前に落ちない限りは、アウトを一つくれてやるという面でバントと同じです。バント、バスター、ランエンドよりも先に、先頭打者は、打球が外野の間を破らなくても、外野手の頭上を越えなくても二塁に進塁するという手段を講じて無死二塁のケースを作らなければなりませ
ん。

総括

よって、絶対的にも相対的(相手との関係上)にも走塁におけるトップを一番最初に作って、右股関節の内旋、右足の入射、左股関節の内旋をしなくても左膝を右股関節の前に加速できる状態を作っておくことに関し、事後に、「洞察している」及び「洞察力が高い」という価値を付けるということはできるでしょう。
敷衍すると、左手の小指の第二関節のしなりを解くこと、左手の親指のしなりを解くことによって、左腕前腕部の深層屈筋の張りを弛緩することに関し、事後に「洞察している」及び「洞察力が高い」という価値を付けることができるでしょう。

日本で育った選手は、一二塁間で両膝を折って、左股関節、右股関節を交互に内旋してリードを広げます。両足の小指球又は拇指球で地面を荷重しています。進塁するときは左足の拇指球又は小指球で地面を後ろに蹴り、帰塁するときは、右足小指球又は拇指球で地面を後ろに蹴って両手を揃え頭からダイブします。右膝が左股関節の前まで加速しません。よって、牽制死が多くなります。左膝が右股関節の前に出ません。盗塁が作為できない。及び盗塁失敗が多くなります。
始動を早めて労働を削ることができる者は、無償労働から逃げます。労働量を削らず、ゆとりを作らなければ、肉体が弛緩できません。他人資本に利潤は生み出すことができますが、労働力が再生産できなくなります。二世オーナーは、ロスチャイルドに利潤を産み出すことにのみ励みます。サービスを大量に売って架空商品と交換します。大衆を洗脳、白痴化させます。サービスの購買者の労働を減らすこと、筋肉の弛緩には貢献しません。