日本ハム対ロッテ19回戦、先発は、上沢直之と石川歩
試合は、11-3で日本ハムが大勝しましたが、日本ハムの関係者にとっても、ロッテの関係者にとっても見逃すことのできないプレーが生じました。
二死一二塁における三塁へのディレードスチール
二回裏二死一二塁、打者は髙部です。
塁が詰まり進塁義務が生じる場合は、ディレードスチールのスタートを切ることが進塁義務が生じていない場合よりも難しいですが、全くできないことはありません。
投手又は捕手に一塁牽制をさせ、一塁走者が一二塁間で挟まれれば二塁走者が三塁ベースを蹴って得点できます(関係記事①)。(関係記事②)。
一塁走者がオーバーランして二三塁間で挟まれれば得点できます。初球でスチール及びランエンドヒットをかけてスチールをアシストするのは、私見では「有り」です。
二塁走者の松川と一塁走者の茶谷は、上沢が初球、右腕前腕部を回内した後、シャッフルしながら二次リードを取ります。
髙部は、インコース(左打者のアウトコース)肋骨下部の高さの投球を空振りします。茶谷は、捕手清水優心が右手親指でボールを叩いて右肘を上げる前にスタートを切りますが、右股関節が外旋して右膝が右足つま先の前に出てしまいます。前に進むことができません。
捕手の清水優心が右肘を上げた後、松川は、左腕上腕部を外旋、左腕前腕部を回外します。左手小指の第二関節が内旋します。右股関節を引っ込めて左股関節をバックステップします。進塁におけるトップができ上がります。
茶谷は、一塁に帰塁します。
松川は、左腕上腕部が外旋し、右股関節が引っ込んでいるので、第三者にはスタートが遅れたか帰塁し始めたかのように錯覚しますが、実際のところは、進塁におけるトップを解除する、すなわち、左腕上腕部の外旋を解くと、左腕上腕部の内旋運動の加速距離、左股関節の内旋運動の加速距離が長くなります。
松川は捕手がトップを解除した後に走塁のトップを解除します。
二塁ベースに入る遊撃手は、グラブを持つ手の前腕部を回外し、グラブを持つ手の小指第二関節を内旋して送球を叩くのであれば、ベアハンドの小指が立ちます。ベアハンドの前腕部を回外、小指第二関節を内旋すれば、ベアハンドで捕球するとともに送球のトップが作れます。後ろの足の股関節を外旋しなくても後ろの足の股関節を外旋でき、一塁側に背を向けることができます。
二塁送球はインハイに外れます。
上川畑は、三塁側に背を向けてジャンプして背骨の左側で捕球します。左肘を右肩の方に入れ、右肘を上げ、更にトップを作っても、右股関節をバックステップして一塁側に背を向けないとトップを解除できません。
先ず、いかなるケースであっても、本塁から最も近い先頭の走者が一番先に飛び出すということはありません。守る側の野手が、先頭の走者よりも本塁から遠い塁に投げてくれず、本塁若しくは本塁から最も近い塁に投げるからです。故に得点を逃します。
走者一二塁は、塁が詰まっているので一塁走者も二塁走者も進塁義務が生じます。且つ、二死を取られていますので、3アウト取られる前に二塁走者が本塁ベースを蹴らないと得点できません。
ランエンドヒットを仕掛けた場合、打者がトップを解除した後は、打者がファウルを打って野手が捕球できなかった場合、打者がワンバウンドを振らずに、捕手がそれを捕球し、審判がタイムをかけた場合以外は、実務上、二塁走者が帰塁することは、先ずあり得ないと言ってもいいでしょう。
「松川が飛び出してしまったので、三塁に言ってしまえ」と三塁に走ったと実況アナは、解説の黒木を遮ってしゃしゃっていますが、井口が松川にディレードスチールのサインを出しているのです。
ディレードスチールのサインを出すことによって、加速距離が短い、すなわち足の遅い走者のスタートの加速距離を長くしているのです。
松川は、三塁にヘッドスライディングをします。ヘッドスライディングでもオーバーランはできますが、立ち上がる過程で、一旦、左膝又は右膝を屈曲しないと立ち上がって次の塁にスタートできません。
一方、一方の足の膝を伸展、足首を背屈してもう一方の膝を屈曲して足から滑り込めば、伸展した方の膝と反対側の上腕部が外旋します。伸展した足の股関節が引っ込みます。伸展した方の膝と反対側の上腕部の外旋を解くと、伸展した膝と反対側の上腕部の内旋運動、屈曲した方の膝の股関節の内旋運動の加速距離が長くなります。
松川は、足から滑り込んで三塁ベースをオーバーランすれば、得点ができたケースです。
一方、捕手は、本塁若しくは本塁に最も近い塁(走者の進行方向)に送球するのが基本です。先頭の走者よりも本塁から遠い塁{進行方向と逆の塁)に投げれば、本塁方向に走者がスタートを切るからです。
ランダウンプレーに発展した後、本塁から遠い方の塁に、ボールを持った野手が、挟まれた走者を追い詰めます。挟まれた走者は、本塁方向に進むとタッグされてしまいます。すなわち、本塁から遠い方の塁に追い詰めることによって、挟まれた走者が本塁方向に走るのをブロックします。
結論を言えば、清水は、三塁送球一択です。
一死一三塁におけるセーフティスクイズ
4回表一死一三塁、スコアは、1-2と日本ハムの1点ビハインド、一塁走者松本剛、三塁走者近藤、打者清水優心、投手は、右投手の石川歩です。
カウント3-1、三塁手安田は前進守備、二塁手中村奨吾、遊撃手茶谷は二遊間を狭める。一塁手井上晴哉は、一塁ベースに張り付く。
清水は、石川歩が右腕上腕部を回内して右肘を屈曲し、逆Lを作った後に、バントのセットアップが完了する。
清水は、右手親指の指先でグリップを押してしまう。右肘が上がらない。右腕前腕部を回内して右股関節を左股関節から剥がす。
清水は、一塁線にプッシュバントをする。
三塁走者は、石川歩が右腕上腕部を回内した後に2次リードを取り始め、清水がバントのトップを解除した後にスタートを切る。
一塁手の井上晴哉がチャージをかけ、二塁手の中村奨吾が一塁に入る。井上晴哉は、左腕前腕部を回外し、左手小指基節骨でボールを叩く。
右手親指基節骨でボールを叩き、右腕前腕部を回外してトップを作った後、一塁に送球する。
岩下大輝のピッチング
岩下は、左肩を左打席の中心線からボール1個分外れたところに向ける。首と両肩を結ぶラインの交わる角度を110°にしている。グラブは背骨の前でヘソの高さにセットしている。右足のスパイクの外側は、プレートの一塁側に沿わせている。
首と両肩を結ぶラインが交わる角度を90°にしている。左肩が左打席の中心線に向く。
首を三塁ベース方向に向ける。左打席の中心線から内側にボール1個分入ったところに左肩が向く。
首を三遊間に向ける。左肩が左打席の中心線からボール1.5個分入ったところに向く。
首を三塁ベース方向に向ける。左打席の中心線から内側にボール1個分入ったところに左肩が向く。
首と両肩を結ぶラインが交わる角度を90°にしている。左肩が左打席の中心線に向く。
首と両肩を結ぶラインが交わる角度を125°にする。左肩が左打席の中心線からボール2個分外れたところに向く。左足拇指球で地面を蹴る。
左膝はベルトの高さで90°の角度で屈曲させる。左足首が背屈している。左肩は、左打席の中心線からボール1.5個分外れたところを向く。グラブは、背骨の前、胸の高さにある。右足の外踝にウェイトがかかる。
左腕前腕部、右腕前腕部を回外する。左腕前腕部、右腕前腕部を回外する。左足前脛骨筋が回内(外反)し、左足の裏が40°で立つ。頸反射している。
左足は、スパイクの内側から入射する。
右肘のアクセレーション前に頸反射している。右手首を煽ったところで頸反射している。
リリース直前の左膝の屈曲は155°である。右手基節骨の角度を55°にして左打席の外側のラインのバックネット寄りに向けたところから右手親指のしなりを解く。
リリースの直後、右腕上腕部が凹む。左膝から下がO脚になる。
廣畑敦也のピッチング
左肩を左打席の外側のラインからボール1.5個分入ったところに向ける。首と両肩を結ぶラインが交わる角度は170°であり、頸反射していない。右足のスパイクの外側は、プレートの一塁寄りに沿わせる。グラブは、背骨の右側でベルトの高さにセットする。左手親指の指先でボールを押し、右手親指の指先をボールの外側に反らす。
左膝の2回目のレッグアップは、ヘソと肋骨下部の中間で屈曲の角度をインサイド50°にしている。左足首が背屈する。頸反射する。右足踵にウェイトがかかる。左肩が左打席の中心線からボール1個分外れたところに向く。グラブは、背骨の左側、胸の高さに上げる。
右腕前腕部を回内する。左足の前脛骨筋が回内(外反)し、左足の裏が40°の角度で立つ。左足首が背屈し、左足の外踝が左打席の中心線に向く。
右腕前腕部を骨盤の右側の隣で回外する。右肘は伸展している。頸反射はしていない。右肘が曲線になる。
右手親指でボールを叩く。頸反射していない。
左足は、スパイクの内側から入射する。右肘のアクセレーション前に頸反射していない。
田中靖洋のピッチング
左肩を左打席の外側のラインからボール2.5個分入ったところに向ける。左手親指の指先は、ボールの外側に反らす。右手親指の指先でボールを押す。右手中指の付け根にボールを嵌める。首と両肩を結ぶラインの交わる角度は、アウトサイド165°である。右手首を背屈、左手首を底屈している。右腕前腕部を回内、左腕前腕部を回外している。グラブは、背骨の前で胸の高さにセットしている。
右足のスパイクの内側、左足のスパイクの内側でエッジをかけている。右足のスパイクの外側は、プレートの外側に沿わせている。
左足のスパイクの内側を一塁ベース方向にスライドさせる。骨盤を前傾させる。これをもう一回行う。グラブを背骨の前で肋骨下部に下げる。
グラブを右肩の方に入れる。右足踵で地面を荷重する。左肩が左打席の中心線からボール1個分外れたところに向く。
左足のスパイクの内側の踵寄りで地面を荷重する。左足拇指球で地面を蹴る。
左足は、右膝の上の高さで90°の角度で屈曲する。左足首を背屈する。
左腕前腕部、右腕前腕部を回外してセットを解く。左足前脛骨筋を回外(内反)している。頸反射している。左足の前脛骨筋が回内(外反)し、左足の裏を40°の角度にして立てる。頸反射している。左足の外踝は、左打席の中心線に向く。左足首は背屈している。左膝はアウトサイド135°に屈曲している。
左足は、スパイクの内側から入射する。
投球の源泉及び土台
[ロッテ]
1回表、石川歩は、10球目、谷内に対し、アウトローにシンカーをワンバウンドさせる(ボール)。
5回表、岩下は、3球目、清宮に対し、アウトロー(左打者のインロー)にフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
6回表、岩下は、12球目、上川畑に対し、アウトロー(左打者のインロー)にスライダーをワンバウンドさせる(ハーフスイング、空振り)。
6回表、岩下は、17球目、谷内に対し、アウトローにフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
6回表、岩下は、20球目、石井一成に対し、アウトロー(左打者のインロー)にフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
7回表、益田は、15球目、中島卓也に対し、インロー(左打者のアウトロー)にシンカーをワンバウンドさせる(ボール)。
8回表、廣畑は、8球目、谷内に対し、アウトローにスプリットをワンバウンドさせる(ボール)。
9回表、田中靖洋は、19球目、中島卓也に対し、インロー(左打者のアウトロー)にフォークをワンバウンドさせる(ボール)。
9回表、田中靖洋は、23球目、万波に対し、アウトローにカットボールをワンバウンドさせる(ボール)。
[日本ハム]
2回裏、上沢は、55球目、山口航輝に対し、アウトローにスライダーをワンバウンドさせる(ボール)。
7回裏、上沢は、115球目、髙部に対し、アウトロー(左打者のインロー)にチェンジアップをワンバウンドさせる(ボール)。