セパ交流戦日本ハム対ヤクルト3回戦
先発は、加藤貴之とサイスニード
試合は、0-5で日本ハムが敗れた。
結論から言ってしまえば、加藤貴之のフィジカル面の状態が良くなかった。ヤクルトの打者がドアスイングで、各駅停車の野球をしてくれたから、11安打打たれながら、5点で済んだ。本塁打プラススモールベイスボールができるチームであれば、8~9点取られていたであろう。
加藤貴之のフィジカル面の状態が悪すぎた
先発投手は、投球肘を上げた後(投球腕の前腕部の回内)、投球肘を加速(投球腕の前腕部の回外をしないでリリース(投球腕の前腕部の回内)することにより、投球肘の側副靭帯前束の損傷を抑える。
わかりやすい表現をすると、ギアを上げずに投げる、手抜きをする。
しかし、投球肘の損傷を抑えることはできるが、投球肘を加速させないので、投球腕前腕部の回内運動の加速距離も短くなる。
投球肘が上がらなければ、投球肩の腱板が弛緩しないから、投球腕の腱板に負担が増す。
投球肩の腱板を続投できるレベルにまで再生産することができなくなってしまい、投球肘を上げた後からリリースの間、投球腕の腱板が擦り切れて投球肘が下がってしまう。
投球肘を続投できるレベルにまで再生産できなくなる。
村上は、左手首を底屈し、ヘッドをホームベース方向に倒して構える神主打法
左腕前腕部を回外して左手首をコック(背屈)するとヘッドの角度が鋭角になるのだが、右肘が左肩の方に入る。
左肘を上げた後(左腕上腕部の内旋、右腕上腕部の内旋運動、左腕前腕部の回外運動の回転半径が長く、加速距離が短くなる。
トップ(左腕前腕部の回外)を作る間ができないので、左腕上腕部の内旋運動をブロックできずにワンバウンドを空振りする。
しかし、ワンバウンドを投げれば、投手が投球肩の腱板を損傷する。
トップ(左腕前腕部の回外)を作る間ができないので、左肩の腱板が緩まない。すなわち、左腕上腕部の内旋回運動の回転半径が長くなる。インコースベルトの高さより上の投球に対し、左腕上腕部の内旋運動が加速しない。
わかりやすい表現をすると振り遅れる。それが顕著になると振れない。
すなわち、捻転差を作らずに投球肘を上げ、投球肘を加速し、投球肘を上げてリリースすることができれば、インステップせずに右股関節を引っ込められるインロー以外はどこへ投げても打たれない。
わかりやすい表現をすると腕の振りがドアスイングである投手から金属バットを使う高校生の打ち方で本塁打を量産している。言い方は悪いけど、事実。
加藤貴之が従来から左腕前腕部を回外してテイクバックは小さくして左肘を上げる(両手首を結ぶラインはスタンダードW)。
しかし、左肘を上げた後、左肘を加速することができなければ、村上は、右腕上腕部の内旋運動、左腕前腕部の回外運動の回転半径が長くなっても、トップを作る間ができる。
投球肘、投球肩の腱板を投げられる状態に再生産しながら、投球を反復するのができないので、この試合の加藤貴之は、どこへ投げても打たれる。配球を変えるだけでは本塁打を避けれる状態ではなかった。
登板前の段階で、左肘を加速できる状態ではなかったのである。
加藤貴之は、先発して100球前後投げてもワンバウンドさせるのが1球生じるかどうか、1球もワンバウンドさせることなく登板を終了することも多く、12球団の先発ローテーション投手の中で最もワンバウンドの投球が少ない投手である。
しかし、今回は、92、99,101,102球目と7イニングス目だけで4球も投球をワンバウンドさせている(トータルでは、105球中6球)
バント以外は、打撃と走塁は分離独立させる
1回裏、相手のエラーと与四死球で二死満塁、打者野村
指揮官は、本盗、フォースボーク、偽装スクイズの手段は用いない。
本盗、フォースボークのサインが出された場合でも、打者は捻転差を作らず引っ張ってフライボールを打つスイングをしなければならないから、やることは同じである。打者が資本(フリー)で走者がノルマを課された労働者である。
しかし、本盗、フォースボーク、偽装スクイズは、安打が産まれなくても得点はできる。
野村は、神主打法の構えはしていない。しかし、頸反射をしていない。右肘を上げた後、首が捕手方向を向く。ストライドが広がり、初球のど真ん中のカーブを振れない。2球目をヘッドアップして遊ゴロ
ランエンドヒットと進塁義務の懈怠
上川畑は、3球ファウルを打った後、フルカウントから真ん中のノーバウンドのチェンジアップを空振り三振
伏見はスタートを切っていない。
ワンバウンドの投球を空振りした後は、インサイドアウトスイングの向上の面から帰塁しなければならない。
しかし、私見では、ノーバウンドの投球を空振りした場合は、スタートを切って本塁まで走る義務が生ずると考える。
アウトカントを問わず初球から盗塁すれば、二盗ー三盗ー本盗で得点できる。
スタートを切らないのは、「つなぐ野球」であるからである。つなぐ野球は、フィジカルの損耗している投手、捻転差を作ってドアスイングで投げる投手にしか勝てないからである。
つなぐ野球は、情実人事なのである。
勝てる野球から打撃育成にシフト
7回裏、先頭打者の加藤豪将が二塁打を産む。無死二塁
バントで送れば一死三塁で後続が無安打でも点が取れる。
しかし、野村にバントをさせなかった。
すなわち、サイスニードと既に降板した加藤貴之及び肩肘を再生産して投げられるリリーフのスタッフを天秤にかけ、試合を勝つことよりも野村のインサイドアウトスイングの向上を優先させた。
事実、加藤貴之の降板後は、敗戦処理の投手を登板させている。
野村が右飛に倒れ、アルカンタラが左打席に入る。
三塁手村上は、三塁線との距離を詰め、二塁走者の走路の後ろに守る。守備位置の深さは妥当。
サイスニードは、グラブを背骨の右側ではあるが、胸の高さにセットする。右手首をコックすることなくセットを解ける。左腕前腕部を回外すれば、左肘がこれ以上右肩の方に進むことは避けられる。
サイスニードは、首を二塁走者に向けたままセットを解かず、首を打者方向に向け直してから左腕前腕部を回外、右腕前腕部を回外してセットを解く。左肘が右肩の方に入らない。
セットを解いた後、左足拇指球で地面をタップしスモールニーアップする。
アルカンタラは、クイックで投げるサイスニードがセットを解いた後、左肘をヒッチした。左肘を上げる間ができず、左肘を加速する間もできない。スイング後、ヘッドが下がる。
左腕前腕部を回外して左手首を背屈し、ヘッドアップしてしまう。ハーフバウンドのゴロを産む。
村上がチャージをかけ、地を這うゴロに変わったところでベアハンドキャチする。一塁方向に左肩を向けるが送球のトップを作れない。
村上が前進し、遊撃の長岡が三塁に入るのが遅れたことにより、加藤豪将が三塁に進塁する。
一死一三塁から伏見、二死一三塁からの上川畑はのところでも、重盗、偽装スクイズ、フォースボークの手段を用いずに、ヒッティングをさせた。
勝つことよりも、アルカンタラ、伏見、上川畑のインサイドアウトスイングを向上させることを優先させた。
9回裏、一死一二塁(一塁走者アルカンタラ、二塁走者加藤豪将)、投手田口、打者江越、マルティネスのところで、重盗及び一塁走者が一二塁間及び二三塁間で挟まれるランエンドヒットを用いずに、ヒッティングをさせた。
脚注
用語の意味に関しては、下記記事参照