ストレート、カットボール、スライダーの違いは、どこで見分けるか。

ストレート、カットボール、スライダーの違いは何か。

ストレートとスライダーは、ボールの軌道によって見極めることは比較的難しくないかもしれませんが、ストレートとカットボール、カットボールとスライダーの見分け方は、投手によっては非常に見分け方が難しい場合があります。

岡田やフランスアは、ストレートとスライダー、スライダーとカットボールは、ボールの軌道で容易に峻別がつきますが、カットボールとストレートはボールの軌道に微妙に異なるか、ほとんどボールの軌道が変わらないかなので素人には見分けがつきません。

打たせてとるのが目的なのがカットボール、空振りを奪うのが目的なのがスライダーとするのがスライダーとする見解もありますが、メンタルが肉体をコントロールすることはできません。

目的は実体がありません。

目的は、後付けで何とでも言えます。

意識してカットボールの回転を作ったのがカットボール、そうでないのはナチュラルスライダー、真っスラとする見解もありますが、前述のように、意思や意識といったメンタルは投げる直前、瞬間には介在しませんので、メルクマールとはなりません。

また、自然とか偶然で変化することはありませんから、肉体の稼働のさせ方に違いがあることは間違いありません。

ストレート、スライダー、カットボールの違いは、絶対的なものではなく、相対的なもので、各人の解釈によって相違があります。

ストレート、スライダー、カットボールの違いは、後付けの観念によって異なってきます。

球速表示によってスライダー、カットボール、ストレートを峻別する人がいますが、私は、ボールの軌道の他に、次の①~⑦を総合して評価します。

①フォーシームを投げるとき、人差し指と中指をそれくらい空けてボールを握っているか。

人差し指と中指の間隔が広い順から、スライダー、ストレート、カットボール。

フォーシームで投げるとき、人差し指と中指の間隔が一定の投手の場合、ツーシームで投げているときがあれば、そちらの方がスライダーの場合もあります。

伊藤智仁は、ツーシームでスライダーを投げていました。

②リリースのときのボールの切り方

人差し指と中指をしならせて縦に近くボールを擦る順から、カットボール、スライダー

小指をチョップする角度が90度に近い順からカットボール、スライダー。

親指から先にボールを切るとシュート回転します。

ボールが指にかかりすぎるとバックスピンガかからずに、トップスピンがかかります。

③フォロースルーのときの右腕前腕部の使い方。

回内で終わるものがシュート、回内の大きいものから、カーブ、スライダー、ストレート、カットボール。

④体軸の使い方

テイクバックのときの右肩の下げ具合、背中の方に右腕をどの程度引くか、肩甲骨の使い方、大腿骨を骨盤に刺すかどうか、内転筋を絞るかどうか、右足のエッジのかけ方、左右股関節の使い方、タスキ掛けのラインの使い方、体軸の一塁側の倒し方によって、右投手は、コッキングの角度、右肘の高さを作ります。

軸足に体重がかかりすぎるとスウェイしてシュート回転、又はスライダー回転します。

左肩、左膝の割れが早い順から、シュート、スライダー、ストレート、カットボール。

右股関節の外旋が早い順から、シュート、スライダー、ストレート、カットボール。

体軸の一塁側への倒れ方が大きい順からカットボール、ストレート、スライダー、シュート。

フィニッシュのときの右足の着地位置が、三塁側のときが、シュート。

右足をターンさせるが、両足がクロスしないときが、スライダー、ストレート。

両足がクロスするときがカットボール。

体軸の使い方で、見分けがつくような投手の投げ方をする投手は、いい投手とは言えません。

⑤リリースの瞬間のハムストリングスの使い方。

リリースするときに、左足が突っ張っていて重心が右足に残っていないときが、カットボール、残っているときがストレート、スライダー。

左膝が曲がっているときがストレート、スライダー、シュートのどれか。

⑥左足の着地位置。

インステップしたり、左膝がクローズドしていると、シュート回転又は、スライダー回転します。

踵から着地するとカットボール、ストレート。

並進運動をすると、ストレート、カットボール、スライダー。

ステップ幅が広いと、シュート、ストレート、スライダー。

ステップ幅が狭いとカットボール、ストレート。

⑦プレートを踏む位置。

一塁側を踏むと、ストレート、カットボール、ツーシーム

プレートの中央を踏むとストレート、スライダー