先日、いつもの公園に行くと、ヤクザ屋さんが屋台でサンタのコスチュームで、チキンを焼いていた。
ヤクザ屋さんでも、そうゆうことやるんだぁ。
味は結構美味しかったけどな。
さて、今回は、少し理屈っぽい話。
今季の通算成績
今季は、右足首の故障から復帰、3月30日の中日戦で自身初の開幕4番を務めるが、4月4日に下半身の張りで登録抹消。
4月18日に一軍再登録されてからは、休養日を挟みながら、閉幕まで一軍に帯同し、シーズントータルで124試合に出場。
6月24日の阪神戦では、ドリスから決勝満塁本塁打。
8月23日のヤクルト戦では、チームは、最大7点ビハインドから最終回に同点に追いつき、自身は、石山からサヨナラ本塁打。
日本シリーズでは、.455 3本塁打で、敢闘賞を受賞。
打撃解析
丸や山田哲人同様に、鈴木誠也も左膝(丸は右膝)をレッグアップをして下げてからトップを作るので踵体重になりやすい。
今季、鈴木誠也のインハイの打率は、17-7 1本 .412
右足首の故障により、踵体重又は後ろ体重になっていたことも、2016~2018年の3年間で最もインハイの打率が高かったことの原因で一つである。
踵体重は、スウェイするのを抑止するブレーキになるから悪いことではなく、一旦は、必要な動作であるが、それが極端になると後ろの足が後退してアウトローのボールにバットが届かなくなる。
インハイの球に差される。 一方、今季は、昨年まで打てていた、トップを作った後に左膝を割らないと打てないインローの打率が悪い。
右打者の本塁打ゾーンであるインローが打てなかったことが、本塁打が30本にとどまったことの原因の一つだ。
両膝及び内転筋、両股関節も故障していたのではないか。 だから、スウェイして頭が前に出される。
すなわち、ステイバックのときに、重心が全て前足に移ってしまうのである。
よって、右肘、更には、ヘッドが遅れて出てくる。
左肩及び左肘が内に入ると、顔の前に左肩で壁が出来て、又、上体がベース上に覆い被さり、ホームベースをふさいでしまう。 左肩、左肘が内に入るとその反対動作で、左肩が割れた後に右肘が出てきてしまい、ドアスイングになる。
これらは、全て、左膝をレッグアップする第一次始動、トップを作るという第二次始動の遅れが原因である。
打撃の状態のいいときの鈴木誠也は、下記の手順で打っている。
①両手首をコックして構える。
②トップハンドを浮かせてグリップを緩く握り、丸や宮﨑ほど明確ではないが、グリップを下げる(ヒッチ1)。 これはオーバーアームの右投手がテイクバックのときに左肩を下げる動作に相当する。
③ヒッチ1により、左膝をレッグアップできる。 ③内転筋を使い、右股関節を内旋して右股関節のタメを作り、大腿骨を骨盤に刺し、スライドステップで左足の着地位置を探りながらステップ幅を狭くして左足を着地。
④左肩を下げてその反動で右肩を上げながらトップを作る(ヒッチ2)ことで左脇が空く。 左肩が下がれば、ボールの軌道を隠さない。 左脇が空けば右肘の通路をふさがない。
両脇が閉まるのは、ミートの瞬間からフォローのときだけ。
トップが頭の方に深く入る(45度前後)。
左股関節~右肘のタスキ掛けのラインを内旋する(両肩甲骨を剥がす。正面から見ると、肋骨付近の筋肉をスライド)。
王、落合、岡本、堂林、メヒア高橋広樹は、ここでヘッドが寝るが、前田智徳、鈴木誠也は、ここでヘッドが寝ることなく、耳と肩の間からバットが出る。 だから、私は、子供たちにバッティングを教えるときに、左打者には、前田智徳、右打者には、鈴木誠也を手本にしなさいと教えています。
ここまでは、右投手が左肩を下げて0ポジションを作るのと同じ動作である。
右肘がヘッドに先行し、いわゆるヘッドがしなる状態になる。 これは、ピッチングで三角筋を外旋して最大外旋位を作ったときと同じメカニズムである。
⑥左ハムストリングスが引っ張られ、インパクトの瞬間に左足が突っ張る。
ボールを受けて左膝が伸びるのとは違う。 左膝を伸ばして壁を作り、”左足を軸に”、左膝を割りながら右股関節を外旋する。
昭和の大打者たちは、揃って解説で後ろ足を軸足にして回転するといっていますが、前足を軸にして回っています。 これも右投手が、フォロースルーの過程で右足をターンさせるときの動作と同じである。
フォロースルーの過程で左足の重心を踵に移し、上体が反る。
鈴木誠也のバッティングは、ほぼ、右のオーバーハンドの投手の動作と同じ動作をしているから、ヘッドをボールの外側に入れて打て、打球の大部分がセンターから左に飛ぶ。
しかし、予備動作であるヒッチ1が遅れると、左膝のレッグアップとヒッチ1がシンクロしてしまうか、ヒッチ1がなく、左膝のレッグアップとステイバック(トップを作る)がシンクロしてしまう。
前者の場合、右投手が左足を着地してから、右肘が出てくるまでに間がある投手の場合には打てる。
今季鈴木誠也の対菅野は、17-3 .176 8三振。
通算でも、41-9 .219
菅野は、今季の5月頃までは、左足を着地させてから、他のスリークウォーターの投手と同様に右肘が出てくるまでに間があった。
それ故、フォロースルーの過程で左膝の壁が崩れた。
ところが9月になって右股関節にタメができて、タスキ掛けのラインの内旋を俊敏に行うことで、左の拇指球で地面をひっかき、左ハムストリングスをプルアップして左膝を蹴り伸ばして壁を作れるようになった。
左足を着地させてから右肘が出てくるまでのスパンが前半戦に比べ格段に短くなった。 前者のようなことをやっていたら菅野のような投手は打てない。
左膝のレッグアップが遅れるから、左肩が内に入り、更には、左肩が割れてスライダーが消えたかのように錯覚する。
実際には、前者は上体がボールの軌道を多い隠し、後者は、体軸が右肘よりも先に回っているからボールの軌道と正対できていないのである。
菅野のような投手と対戦するときには、菅野が左膝を上げ始める前に予備動作を済ませ、菅野がレッグアップを開始したときに、鈴木も左膝をレッグアップし始めて前倒しで左足の探り、トップを作ることを行い、振り下ろし始めのポイントが後ろで、ミートポイントを前にしてゆっくりと振る。
「泳ぐ」はステップ幅が狭いので、手打ちでバットを放り投げるドアスイングだけれども壁が作れる(インサイドアウトよりは減速するが、手首を返すという手打ちでない分、減速は抑えられる)。
変化球は、泳いでもいい。
しかし、ステップ幅が大きいスウェイは、緩い変化球をフルスイングできなくなる、。
ヘッドをボールの内側に入れるとポイントが後ろになってヘッドが下がる(厳密には手首に位置が下がる)。
ファウルを連発しているときは、ミートポイントが後ろになってヘッドがボールの内側に入ってしまっているので、打撃が崩れていく。
菅野に対しては、球数を投げさせるという作戦は通用しない。
スライス回転のかかったゴロやフライになり、菅野の術中にはまる。 ビシエドも菊池も右方向に打てる打者だが、菅野と対戦するときには、ヘッドをボールの外側に入れてセンターから左に打っている。
各種指標
右投手
左投手
レッグアップが遅れる左右両投手が高目の球にも対応できている。
左投手が投じたボールで最もシュート回転の少ないアウトハイ(鈴木誠也から見るとインハイ)のカット系にも強い。
踵体重又は後ろ体重になることがあるので、アウトローは打てていない。
各球種共、大差なく対応できている。
スウィイして緩い球をフルスイングできなくなっているスパンが短くなっていることが看て取れる。
左肩が開いて落ちる球を振っての三振率も高いが、すぐに修正して落ちる球に対応して安打にできている。
カウント3-0、カウント3-1では、ほぼ完璧に捕らえている。
一方、2ストライクを取られてからの打率は、214-42 .196である。