小林樹斗は、私が監督の佐々岡以下現場スタップに獲得を進言し、松田元に資金調達をさせた選手である。広島vsヤクルト最終戦は、その小林樹斗がプロ初登板初先発
小林樹斗のピッチング
小林樹斗は、右足のスパイクの内側、左足のスパイクの内側でエッジをかけ、右手をベルトの高さに置いて捕手のサインを確認する。
最終のセットアップのときには、右手は、胸の高さにセットする。ボールは右手中指の基節骨で握る。左肩は、スクエア、左足はわずかにオープンスタンス(アウトステップ)にしている。
右手中指、小指MP関節を内旋し、右肘をヒッチする。左足首が背屈する。右股関節が外旋する。故に、左足のスパイクの内側で地面を前に蹴る。これは森下やピアースジョンスンと共通する。
右肘をヒッチすれば、左足スパイクの外側でエッジをかけてセットアップした場合だけでなく、左足のスパイクの内側でエッジをかけた場合でも、左肩関節が背骨の方に入るのを防ぐことができる。右肘をヒッチするという要件を付ければ、左足のスパイクの内側でエッジをかけてセットアップした方が、左足のスパイクの外側でエッジをかけてセットアップをした場合よりも、二塁ベース方向へのヘッドステイバックの角度が大きくなるのだ。
小林樹斗は、左足のスパイクの内側で地面を蹴った後、再度、右肘をヒッチ(二段ヒッチ)してセットアップを解く。左膝がレッグアップする。
しかし、親指基節骨でボールを叩く前に、右肩関節窩を持上げ、右肘をつまみ上げてしまう。これでは、右肩関節窩、関節唇、側副靭帯、右腕上腕部のローテカフの損傷が進行していまう。ここが要修正点の一である。
小林樹斗は、右手首を持上げる前と後は、いずれも、両肩を結ぶラインがニュートラルポジションを維持できている。
手首を頭の高さに持ってきたとき、右内転筋が内転するが、右足拇指球で地面を後ろに蹴らず、ギリギリ右足小指で踏みとどまれていることもあるが、左足のスパイクの内側で地面を噛ませてしまっている。よって、左手親指関節を内旋する間ができず、左手親指の加速距離が短くなる。右手中指、小指のMP関節を内旋する間ができず、右肩関節が残らない。
小林樹斗は、右手首を頭の高さに持ってきたとき、左腕前腕部を回外できているときは、右手中指、小指MP関節を内旋して投球腕の上腕部を外旋したときに、両肩甲骨が森下、フランスア並みにぶつかる。
小林樹斗は、最大外旋位で左膝が突っ張る。故に、右手中指、小指MP関節を内旋して右側副靭帯を外反する間は作れているのである。
しかし、右手親指基節骨でボールを叩いて右腕前腕部を回内したときに、左足をアウトステップすると左股関節が外旋してしまうことがある。ボールが右手中指基節骨から外れてしまう。右手人差し指がボールの上に被さる。右手親指の指先がしならない。右腕前腕部の屈筋が突っ張る。側副靭帯の前束が緩まない。右腕前腕部を回外したときに右手人差し指が中指にくっつかない。ボールをすっぽ抜けない。ワンバウンドの投球は、11球目のスプリット、30球目のフォーシームの2球のみであるが、ここが要修正点の二である。
総合
小林樹斗は、84球を投げて11個のアウトを取ったところで降板、被安打6で6失点。
小林樹斗と前田健太の投球動作は似ていない。
小林樹斗は、右腕前腕部を回内したときにボールが右手中指の基節骨に引っかかったときは、トップスピン、バックスピンも増すが、右手中指の基節骨がボールに引っかからなかったときは、数段、トップスピン、バックスピンが共に落ちる。ボールが右手中指の基節骨に引っかかったときと引っかからなかったときの差が森下、島内に比べると大きい。
小林樹斗がプロ初登板で産み出した結果は、ハイレベルではないが、インサイドアウトスイングの完成度は、1シーズン目終盤の前田健太よりは、数段上である。
キャンプ、自主トレで、トップハンドの親指基節骨でボールを叩いて手首からつまみ上げるスタンダードWによってトップポジションに入っていく過程が作れれば、トップハンドの中指、小指MP関節の内旋及び前の股関節の内旋並びに後ろの股関節の外旋の誤差が縮まることを含め、その後の投球動作が全て変わってくる。
スタンダードWは、トップハンドの指主導で股関節を外旋、内旋できるので、股関節にかかる負荷を軽減できる。
トップハンドの指主導で投球肘の外反、投球腕上腕部の外旋、投球腕前腕部の回外、投球肘の内反、投球腕上腕部関節窩の内旋、投球腕前腕部の回内ができるので、何度もブルペンで試運転をしなくてもマウンドで投球できる。これら部位及び肘頭骨の軟骨にかかる負荷及び損傷を軽減できるのである。
小林樹斗は、先発もリリーフもできるようになるであろうが、私が監督であれば、リリーフで使いたいかな。