オープン戦2試合目は、西武との対戦。
試合は、緒方、辻両監督の出身地である佐賀で行われた。
この試合に投げた両チームの投手のピッチング内容
広島の先発野村は、フィニッシュで三塁側に重心が残る球もあったが、ストレート系を投げるときも、高めにインスラを投げるときも、昨年よりも左膝を内に入れて本塁方向に向けるスピードが速くなり、昨年終盤よりもフィニッシュでの一塁側へ右足をターンさせる割合が多くなり、一昨年並みに戻っていきた。
野村は、3回 56球 2安打 4奪三振 1四球 無失点
藪田は、骨盤が三塁側に滑る動作が修正され、昨年同様、概ねリブダウンして投げられていた。
23球目にスライダー、27球目にインコースのフォークを試し、フォークで一ゴロに打ち取った。
栗山に四球を与えた球は、一塁側へ右足をターンすることができていたが、右腕のフォロースルーはできていたが、途中のリブダウンが中途半端で一塁側への上体の傾きがもう少し欲しいところ。
53球目の中村剛也を三振に取った147キロの球は、実況アナは今日のベストピッチと言ったが、フィニッシュで右足をターンするときに股関節が開いており、また途中でターンが止まり、瞬発力が逃げて残念な球であった。
フィニッシュで、左足が折れ曲がったり、両足の股関節から下が台形になっていて右腕だけで内旋し、止めてしまっているので、下半身の使って投げられていない。
スライドステップは足踏み程度に縮め、右腕もインサイドアウトで回転軸の近くで回せていた。
只、着地寸前に左足が静止して瞬発力が消耗する球があった。
また、本塁側へのステップによる重心移動が早すぎたり、股関節の外旋、左膝の開きが早くてトップを作るのが遅れて右肘の出が遅れたり、右肘が伸びて高めに外れる球が見られた。
リリースのときに右肩が凹んでボールを引っ掛けて低めに外れたのが2球
未だ、投球動作が安定していない。
藪田は、3回 56球 2安打 2奪三振 2四球 無失点
中﨑のピッチング
中﨑は、右股関節、左膝のタメも程よくあり、右肘が高く上がっていたが、重心が三塁側に残る球が多く仕上がりはまだまだ。
中﨑は、1回 11球 1安打 1奪三振 無失点
一岡は、源田には、右肘を肋骨に沿わせて上手く打たれたが、昨年同様左膝を内に入れて本塁方向に向けるのが速く瞬発力の乗った球が投げられていた。
話は逸れるが、源田の打撃は、右足の探りのときも弧を描かずに投手方向に動かして、無駄がないね。
12球目は、一塁側にターンできていたが、フォークを投げるときにターンが途中で止まっていた。
一岡は、1回 14球 1安打 無四球 無失点
カンポスは、左足のストロークが短く、回転軸の近くを回り、右足をターンするときも右足の股関節を閉じてターンさせていたので、瞬発力が逃げない。
一塁側に上体を傾けてリブダウンでき、右肘、トップも高く上がり、縦回転の球が投げられていた。
右足でエッジをかける動作が不十分で、左足の着地が早く右肘の出が遅れて高めに外れる球はあったが、左膝を蹴り伸ばして壁ができていたので、左膝の開きはないのだが、故障しやすくなる。
小さい縦スラも一塁側に右足をターンさせて右腕を内旋し切っているので、かなりハイレベルなボールだ。
カットでもなくスラーブでもなく、正真正銘のスライダーになっとる。
カンポスは、1回 23球 無安打 2奪三振 1四球 無失点
一方、西武の投手陣はどうか。
先発多和田は、セットポジションからの投球で、左膝を骨盤より高く上げ、ヒップファーストで投げられており、左膝を本塁方向に向けるのが速いのだが、テイクバックが背中に付きそうなぐらい大きく、昭和の投手のように右膝に泥が付くぐらいにステップが大きいので、リリースのときに右肘が伸びて頭の遠くで右腕がドアスイングしたり、トップを作る過程で、右肘が沈み、トップを作るのが遅れる。
ステップが大きいが故に、三塁側に重心が残る。
多和田は、2回2/3 62球 10安打 1奪三振 1四球 9失点(自責も同じ)
小石は、テイクバックが殆どなく、左肘をつまみ上げるようにして投げるが、トップを作る過程で肘が沈むのと、一塁側に重心が残る。
小石は、1回1/3 31球 2安打 無四球 無失点
齊藤大将は、プレートの一塁側寄りを踏んで肘の高さを上げていたが、背中近くまで腕をテイクバックし、左股関節の外旋が早く、左腕が出るのが遅れ、インステップするので、右膝の開きも大きく、球数を投げる毎の左肘の高さが下がり、スリークウォーターよりもサイドアームに近いので、ボールを頭の後ろに隠せていない。
多和田と同様にグラブを持つ手の肩の開きも早い。
齊藤は、3回 32球 3安打 2奪三振 1四球 1失点(自責同じ)
大石は、右腕のテイクバックが背中に付くぐらい大きく、右腕上腕部、前腕部共に一塁側に傾き、内旋がタイトで股関節の外旋よりも遅れて右腕が出てくる。
よってコッキングの角度は90°なのだが、右肘が高く上がってこないので、縦回転の球が投げにくい。
大石は、1回 16球 2四球 無失点
平井は、サイドアームの投手で、フィニッシュで三塁側に重心が残る。
1回 19球 2安打 2奪三振 無失点。
西武投手陣の投球動作を踏まえてカープ打線の仕上がりを見てみよう。
カープ打線の内容
丸は、頭が少し前に出されたものの、右肩は動いていない。ヒッチして上げる打法は健在。
松山は、コッキングとシンクロ打法の併用で、右肘で掃ってライト前。
下水流も3回に少し頭が前に出されているが、トップの角度が45°にキープでき、左肩が開かずに残っており、壁を作ってレフト前安打
鈴木誠也は、スクエアスタンスから、ステイバックの過程で静止せずに、左肩が凹んで内に入ることなく、下半身と並進しており、両肩の可動域も広く、トップの角度もキープできており、懐の深いバッティングを見せた。
フィニッシュでの左足の踵への重心移動もいいですよ。
メヒアは、インサイドアウトでスイングしてから、腸腰筋を回転させ、左膝で壁を作り、前の打席で左肩が開いて内野フライに倒れた動作を修正して本塁打を打った。
その次の打席でもグリップ先行のインサイドアウトで、ヘッドを残してセンター前に打った。
山内さんは、メヒアはテイクバックが大きいから速い球に差し込まれる言うとったけどな、逆やで。
すり足だろうが一本足だろうが、ヒッチして、ボトムハンド側の肩だけが内に入ることや体が前に出されるのを防いでから、後ろを大きくしてトップの角度をキープしてスイングしなけりゃ、ボールが長く見れんじゃろ。
トップハンドの肘を曲げて力こぶを作ったところからインパクトの瞬間に肘を伸ばさなきゃボールは前に飛ばんじゃろ。
後ろを小さくして打つことをコンパクトに打つと言うじゃが、それだと始動が遅れて(トップを作るのが遅れて)スイングの結果、ボールが長く見れんのよ。
コンパクトに打ったら、トップハンドの肘よりも腸腰筋が先に回って、トップハンド側の肘の出が遅れるのよ。
最短距離で打ってたら差されるのよ。
特に、最も体に近いインハイは、インパクトの瞬間にボトムハンドの肘と脇を緩く締めて肋骨に沿わせて両腕で三角形を作って打つわけだから(インハイの場合、厳密には、一貫してボトムハンドの側の肘のガードは完全に伸び切ることはない)、最短距離で打ったらダメなのよ。
初登場の新井は、足踏み程度までステップ幅を小さくしてスイングして、昨年までと打撃を少し変えたね、今は色々とテストしているんだろうけどな。
堂林は、源田のエラー(記録は堂林の安打)の次の打席に関しては、右肩の可動域が広く、ヘッドを残して打っており、打撃の内容は悪くない。
美間は、3安打したが、良く言えばヘッドを残して打っているのだが、始動のときに、右肩が内に入ってステイバックが止まる動作がある故のこと。
しかし、三塁守備は結構上手いよ。
8回裏ショート寄りに切れていく打球。
右から回り込んでいたら間に合わない打球を直線で斜めに追い、右足を左足より前にして右足一本足で立ち、右足を軸足にして、グラブを持つ手の始動が早いから、フォアハンドの動きから、シングルでバウンドに応じて、グラブが臨機応変に使えて、結果、ボールが長く見れるのよ。
グラブを上から出してシングルで獲っているから、グラブをひねらずに獲ったままの状態から送球。
左足のくるぶしを二塁ベースに向けて、すぐに左膝を二塁ベースに向ける。
バッティングやピッチング同じよ。
バッッティングに活かせよ。
ライオンズの各投手の投球動作に致命的な欠陥があったので、ヒットになったが、一線級の投手が仕上がってきたら、近めの球に差されてしまうだろう。
上本は、左打席は、右肩が動かず、また、右膝の壁が壊れて手首の返しが早くてファウルになったが引っ張れてもいた。
庄司は、両膝がロックされており、始動のときに腰が沈むので、振り遅れる。
それゆえに頭が前に出されて差されたり、泳がされたりする。
髙橋大樹は、バットを担いでのシンクロ打法だが、コッキングのときに手を動かし過ぎて、ボールを受けてしまい、始動が遅れてしまっている。
トップを作ったときに、ヘッドが寝ているので、大きいのは出にくいかな。
まとめ
スコアは、10-0で大差勝ちなのだが、西武投手陣のピッチング内容を鑑みれば、割り引いて考えなければならないだろう。
実績のない若手、中堅も結果は出しているが、打撃の内容を見ると、レギュラーと比べると、まだまだ、差が大きいな。
あの選手もこの選手も一軍で使って欲しいっていうけどな、一軍選手には枠っていうものがあるんよ。
下水流は、一軍に残るだろうけど、後はスポットで堂林とメヒアが昇格するぐらいで、他は昨年と同じメンバーになるかな。
カープファンの皆さん、ケチつけてごめんな。
俺が監督だったら、内外野とも迷わず昨年と同じメンバーを使うね。
投手陣は野村は順調に仕上がってきている。
藪田は、調整途上だが、開幕までに立て直してくるだろう。
カンポスは、調整段階だが、モノが違う。ストレートは高め低め共、初速と終速の差が小さく、スライダーの精度も高いので、二軍で眠らせておいたら勿体ない。
シーズンに入ってからも使わないけん。
次の試合は、高橋昂也の先発、長崎出身の大瀬良と猛も投げるようだな。